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友達とお出かけ
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次の日の朝
ごはんを食べていたら豹谷が話しかけてきた
豹谷「おはよう!」
「おはよう。今日も元気そうだね」
豹谷「これが俺だから!ところで、今日は暇?予定ない?」
「別にないけど・・・」
豹谷「ほんとか!!じゃあ、俺とデートしよう!!」
「え・・・」
デート・・・?獣人はよくデートをするのかな?
まぁ、暇だからいいけど・・・
豹谷「いやか?」
「そんなことないよ。いいよ。暇だし」
豹谷はガッツポーズをして
豹谷「よっっっしゃ!!!!!!!」
と叫んだ
結構うるさい・・・
みんなもこっちを見ている
狼里「お前、うるさい・・・それに、一ノ瀬が引いてるぞ」
豹谷「あ、ごめん。うれしくて・・・」
「だ、大丈夫」
ほんと元気だな・・・
なんか視線を感じる・・・
みんな見てるのはわかるけど
それより鋭い視線・・・殺気のような・・・
気になり視線の先を追うと獅子丸先輩と目があった
怖い目をしていた。獲物を取られるみたいな・・・
目があった瞬間、いつもの優しい笑顔になった
気のせい・・・じゃない気がする・・・
豹谷「じゃあ、どこ行く?」
「え、どこに行けばいいかわからない・・・」
豹谷「実家ではどういうところに行ってたんだ?」
「登校以外は家から出してもらえなかったから、どんなのがあるかわからない」
みんながこっちを見た
あ、しまった・・・普通はそんなことないんだ・・・
豹谷「そ、そうか・・・ごめん・・・」
「謝らなくていいよ?気にしてないし」
当時はそれが当たり前だった・・・
でも、昨日外の世界を知って楽しかった
これが普通なんだって思った
「本当に気にしないで!確かに、僕は世界を知らないけど、これから知っていこうって思ってるから!だから、色々教えてほしい」
豹谷は笑顔になり
豹谷「俺に任せろ!!俺が楽しいこといっぱい教えるよ!!」
「ありがとう」
豹谷はご飯を食べて急いで部屋に向かった
僕も部屋に行って準備しようかな
~狼里視点~
「お前・・・大丈夫か?」
豹谷「なにが?」
「いや、あんなにグイグイ・・・一ノ瀬もさすがに引くぞ」
豹谷「でも、アピールしないと負ける」
「誰に負けるんだよ・・・」
豹谷「・・・獅子丸先輩・・・」
「え、獅子丸先輩?先輩も一ノ瀬が好きなのか?」
豹谷「ああ。だから、負けられねぇ」
「それ、お前、分が悪いと思うぞ?」
豹谷「なんでだよ!」
「いや、先輩は同室でほとんど一緒なわけだし・・・」
豹谷「あ、そうか。じゃあ、部屋を変えてもらうか!」
「いや、無理だろう・・・」
豹谷「無理か・・・じゃあ、全力でアピールしないと!」
「はぁ・・・てか、さっきからなにしてんだよ・・・」
豹谷「ん?服装を考えてるんだよ?おしゃれしてかっこいいって思われたい」
「それはいいんだが、部屋を散らかすな・・・私の場所がなくなる・・・」
豹谷「かえってきたら片づけるよ!」
「当てにならない・・・てか、それまで散らかった部屋で過ごすのかよ・・・」
豹谷「それは我慢してくれ!」
「はぁ・・・まぁ、それはいいとして、いつものことだし・・・お前、絶対に手はだすなよ?」
豹谷「まだ手は出さねぇよ!一ノ瀬と仲良くなってからだよ!」
「ならいいけどさ・・・ん?そういえばお前そろそろ発情期じゃなかったか?」
豹谷「そうだな。明日か明後日には来ると思う」
「今日来たらどうするつもりだ?」
豹谷「薬は飲んだ。だから大丈夫だ」
「そうか・・・もし、一ノ瀬が発情したら、お前耐えられるのか?」
豹谷「あいつもいつくるかわかるだろう」
「お前・・・中学で勉強しなかったのか?いつも寝てたからしらないのか・・・」
豹谷「なんだよ」
「オメガ個体は発情期の予測が難しいんだよ・・・自分でもよくわからないって聞くし、発情期を迎えると薬もあまり効かないっていうし、そうなったとき発情期になるお前は耐えられるのか?」
豹谷「・・・でも、俺は耐えてみせる・・・絶対に・・・一ノ瀬を傷つけない・・・」
「そっか、ならがんばれ。私には応援しかできない。」
豹谷「ありがとう!」
「一つ警告な。お前はテンションが上がると手に負えなくなる・・・だから、少し落ち着きをもって行動しろ!いいな?」
豹谷「ああ。そうする」
「じゃあ、いってらっしゃい」
豹谷は嬉しそうに部屋をでた
こんなに部屋を散らかして・・・
でも、大丈夫かな・・・
ひとまず、部屋を片付けるか・・・
~晴斗視点~
豹谷が階段を駆け降りてくる
ずいぶんと派手な格好だな
なんかキラキラ光ってるし
でも似合ってる気がする
豹谷「お、おまたせ!」
「大丈夫。僕も今きたばかりだから」
豹谷はなんかそわそわしている
豹谷「どうかな?似合ってる?」
「うん。似合ってると思うよ。そのキラキラってなに?」
僕はキラキラが気になって服を触った
ザラザラしてるけど触り心地がいい
豹谷「そ、それはな、ラメって言うんだ。オシャレのポイントだな!」
豹谷の顔が赤くなる
なんで赤くなるんだ
「へぇ、かっこいいね!夜でも見失わなそうだし!」
豹谷「今日は俺から離れるなよ?」
「ん?うん」
離れるな?
人が多いところに行くのかな?
すこし楽しみ!
しばらく歩いたらゲームセンターっていう場所についた
音がすごくて声が聞こえにくい
豹谷「ここはさ、面白いゲームがいっぱいあるんだよ!」
「そうなんだ」
ゲームってなに?
うるさい・・・
豹谷はネコ科獣人なのに大丈夫なのかな?
「音大丈夫なの?」
豹谷「ああ。大丈夫。たしかに耳がいいからあまり長いはしたくないけど、お前の声も足音も聞き逃さないから安心しろ!」
ほんとかな?
試しに小声で言ってみよう
「これおもしろそう」
豹谷「ああ。これはガンシューティングってやつだよ」
たしかに聞き取ってる・・・
恐るべきネコ科・・・
そのあといろんなゲームをした
全部初めてで楽しかった
そろそろお昼時、おなかすいた
豹谷「そろそろご飯にしようか!」
「うん」
豹谷「何食べたい?って聞かれても困ると思ってもう決めてあるんだ!」
それは助かるな
なにがあるかわからないし
豹谷「ジャジャーン!!ハンバーガー屋だよ!」
「ハンバーガー?」
なにそれ?
豹谷「パンにいろんな材料が挟まってるやつだよ!」
そんなのあるんだ・・・
そういえば昔こんな感じのお店をみたことあるなテレビでだけど
豹谷「さっそく入ろう!」
「うん」
いろんな種類があるんだな~
チーズのやつおいしそう
豹谷「なにするか決めた?」
「え~と、チーズバーガーってやつ」
豹谷「わかった飲み物は?」
「水で」
豹谷「水以外にもあるよ?」
「じゃあ、寮で飲んでるやつ」
豹谷「う~ん。ここにはないかな」
「それ以外はしらない」
豹谷は困ったように考えている
僕は地元では水以外飲んだことがない
こっちにきてから初めてお茶を飲んだ
あ、あと、コーヒー
「じゃ、じゃあ、コーヒーで」
豹谷「コーヒー飲めるんだ!」
「うん。昨日、獅子丸先輩と喫茶店に行ったときに飲んだ」
豹谷は先輩の名前を聞いた途端一瞬だけ不機嫌な顔をした
なにか悪いこと言ったかな・・・
豹谷「コーヒーもうまいけど、それよりうまいもんあるから、それにしよう!」
そういうとクリームソーダってやつを頼んだ
先に席に行ってていいよってことで端の席に座った
そしたらしらない獣人たちに話しかけられた
すごくガラが悪そう・・・
ヤンキー「おい!人間!そこは俺たちが狙ってたんだよ!どけよ!!」
そういうとそのヤンキーは僕の胸倉をつかんで通路に投げ飛ばした
痛かったけど、これ以上なにか言うとひどい目にあうから違うところに行こう
その時そのヤンキーに豹谷が飲み物を頭からかけた
豹谷「おい!俺の連れになにすんだよ!」
ヤンキーは怒り狂っている
ヤンキー「てめぇ!なにしやがる!」
豹谷「てめぇこそなにしてんだよ!さきに座ってたのはこっちだぞ!」
ヤンキー「人間が視界にいるだけで目障りなのに俺たちが狙ってた席に座るなんて許せねぇだろう!」
豹谷「は?そんなショボい理由でこいつを突き飛ばすのかよ!頭沸いてんじゃねぇか?」
喧嘩はだんだんエスカレートしていく
どうしよう・・・僕のせいで・・・
なんとかしないと・・・
「豹谷・・・僕なら大丈夫だから、別の席に行こう?」
豹谷は僕の言葉が届かないのか頭に血が上ってるのか、引く気はないみたいだ
もちろんヤンキーも
ヤンキー「人間は黙ってろ!!!」
そういうと殴りかかってきた
僕は怖くなり目を閉じた
しかし、いつまでたっても殴られない・・・
僕は恐る恐る目を開けたらそこにはライオン獣人の姿があった
獅子丸「俺の大切な人に殴りかかるとは・・・いい度胸だ!!」
そういうとヤンキーを片手で放り投げた
ヤンキーは宙を舞い背中から地面に落ちた
もう一人は目の前にいる二メートルほどのあるライオン獣人に恐怖しているみたいだ
声もでないみたいだ
獅子丸「まだやるなら、俺が相手してやる」
獅子丸先輩の目はマジだ・・・
人一人殺しかねない
ヤンキーたちは慌てて逃げていった
僕はホッと安心した
目の前に手が差し出される
見上げるとそこにはいつもの優しい顔の獅子丸先輩がいた
僕はその手をとり立ち上がる
豹谷「なんでここにいるんですか!?」
獅子丸「たまたま、通りかかったら一ノ瀬が突き飛ばされてるのが見えたから来ただけだ」
「あ、ありがとうございます!」
獅子丸「気にするなよ!」
と笑って去ろうとした
豹谷は小さな声で
豹谷「俺一人でも守れた・・・」
とつぶやいた
それを聞いた獅子丸先輩は立ち止まり
獅子丸「無理だな。お前には。」
と言った
豹谷「なんでだよ!!俺だって一ノ瀬を守ることぐらいできる!!」
獅子丸先輩は振り返り真面目な顔で言った
獅子丸「じゃあ、なんで、殴らなかった?なんで、盾にならなかった?」
豹谷「っ!」
獅子丸「お前のやったことはただ火に油を注いだだけだ。」
豹谷「そんなこと!!」
獅子丸「そんなことないってか?でも、結果として一ノ瀬は怪我をしそうになった。お前は殴られるのを止められなかった。それが現実だ」
豹谷「・・・っ!!」
獅子丸「お前にはこいつは守れない・・・守れないならあきらめろ」
なんの話をしてるんだ?
守る?僕を?守ってくれたじゃん
「先輩・・・豹谷は庇ってくれました。だから、そんなにひどいことは」
豹谷「一ノ瀬・・・いいんだ・・・本当のことだ・・・俺はお前が殴られるとき動けなかった・・・」
獅子丸「お前の本気はその程度ってことだ・・・」
そういうと獅子丸先輩はお店を出て行った
残された僕と豹谷は無言のままだった
「あ、あのね・・・ありがとう」
豹谷「お礼なんてされるようなことしてない」
「してくれたよ。庇ってくれた」
豹谷「でも、守れなかった」
「守ってくれたよ?」
豹谷は顔を上げて僕を見た
「あの時来てくれて嬉しかった。それだけでも助かったよ!かっこよかった!」
豹谷は深呼吸をしてから
豹谷「ありがとう!でも、今の俺じゃお前を守れない・・・だから、もっと強くなる!」
豹谷は決意したみたいな顔をしていた
強く・・・か・・・僕も強くなりたい・・・
「お互い、頑張ろう!」
豹谷は笑顔で「おう!」というと食事をして寮に向かった
寮に付いたらロビーのソファに獅子丸先輩が座っていた
獅子丸先輩に豹谷は向かっていき大きな声で
豹谷「俺は絶対に強くなってみせる!そして先輩を超えてやる!!」
と言った
近くにいた人たちは何事かと二人を見ている
獅子丸先輩はフッっと笑い
獅子丸「ほう?じゃあ、超えてみろよ。俺はいつでも相手になるぜ!楽しみに待ってるからよ!」
と言った
この場で喧嘩にならなくてよかった
豹谷はそれを聞いて笑顔になり部屋に向かった
僕は疲れたしお風呂にむかった
~獅子丸視点~
一ノ瀬を助けて寮についた俺はロビーのソファに腰を下ろした
「はぁ・・・ついて行って正解だった・・・」
豹谷と相部屋の狼里に「明日から発情期だから心配」って聞いていやな予感がしてついて行ったがまさか違うトラブルにあうとは・・・
てか、明日から発情期なのに前日によく好きなやつとデートなんて行くな・・・
それじゃなくても普段から獣人は性欲強いのに・・・
俺なんて一日3回は出すし・・・いや、今はそんなことじゃない
豹谷が手を出さないように見張ってたがなんとか無事でよかった
そうこうしていると二人はかえってきた
豹谷が俺を見つけた瞬間いきなり近づいてきて
豹谷「俺は絶対に強くなってみせる!そして先輩をこえてやる!!」
いきなりで驚いたが、これは面白い・・・
この俺を超える?フッ上等だ!
「ほう?じゃあ、超えてみろよ。俺はいつでも相手になるぜ!楽しみに待ってるからよ!」
そういったら豹谷は笑って小声で俺に
豹谷「一ノ瀬は俺のものだ。たとえあいつが先輩と付き合ったとしても奪ってみせる。」
といいやがった
「それは俺のセリフだ」
と返してやった
豹谷には悪いが俺はまけねぇぞ
自分でいうのもなんだが、俺は強いからな
一ノ瀬を守れるのは俺だけだ
そんなこと考えてたら一ノ瀬が階段を上って行った
さて、俺も部屋に帰ってから風呂にでもいくかな
~狼里視点~
部屋で読書をしていたら豹谷が帰ってきた
「おかえり。デートはどうだった?」
豹谷「一ノ瀬を守れなかった・・・」
ん?どういうこと?
まさか!!
「お前、まさか襲ったんじゃ!」
豹谷「ちげ~よ。飯の時に一ノ瀬がヤンキーに絡まれてそれを助けようとしたんだが守れなかったんだよ」
「え!?一ノ瀬にケガは!?」
豹谷「ないよ。獅子丸先輩が助けてくれたから・・・」
あ、やっぱり行ったんだ・・・
寮を探してもいなかったからそうじゃないかなとは思ったけど・・・
このことは言わないほうがいいな
豹谷「だから、俺は強くなる!!一ノ瀬を守れるように!獅子丸先輩を超えてやる!!」
「え、先輩を超えるの?無理だよ!獅子丸先輩は総合武道の優勝者だぞ!」
そう。獅子丸先輩は総合武道のチャンピオンなのだ・・・それを超えるなんて・・・
何年かかるかわからない・・・
豹谷「いや!絶対に超えてやる!!先輩に一ノ瀬はわたしたくねぇ!」
「何年かかるかわからないんだぞ!」
豹谷「何年かかっても絶対に超えてやる!」
「それまでに一ノ瀬が誰かと付き合うかもしれないぞ?」
豹谷「そうかもしれない・・・でも、俺は決めた!それに、もし、一ノ瀬が誰かと付き合ったら俺があいつを振り向かせる!絶対に・・・」
こいつ・・・マジだ・・・
こうなったらこいつは止められない・・・
昔からそう・・・
でも大体はうまくやってのけるのがこいつの凄いところなんだよな
「そうか・・・応援してるよ!」
豹谷「ありがとう!それよりさ・・・」
「ん?」
豹谷「この寮でほかに一ノ瀬を狙ってるやついるのかな?」
どうだろう・・・
いないとは言い切れない・・・
今後学校が始まってからも増える可能性があるし・・・
「わからない・・・でも、あきらめないんだろ?」
豹谷「たりめ~だろ!」
やっぱりこいつは強いな
いつも前向きで・・・
一ノ瀬が今後大変そう・・・
学校が始まってもいないのに二人に好かれるなんて・・・
本人はどうなんだろう
自覚してるのかな?
たぶん、してないだろうな・・・
まぁ、なるようになるか
私もここまで好きになれる相手がほしい・・・
ごはんを食べていたら豹谷が話しかけてきた
豹谷「おはよう!」
「おはよう。今日も元気そうだね」
豹谷「これが俺だから!ところで、今日は暇?予定ない?」
「別にないけど・・・」
豹谷「ほんとか!!じゃあ、俺とデートしよう!!」
「え・・・」
デート・・・?獣人はよくデートをするのかな?
まぁ、暇だからいいけど・・・
豹谷「いやか?」
「そんなことないよ。いいよ。暇だし」
豹谷はガッツポーズをして
豹谷「よっっっしゃ!!!!!!!」
と叫んだ
結構うるさい・・・
みんなもこっちを見ている
狼里「お前、うるさい・・・それに、一ノ瀬が引いてるぞ」
豹谷「あ、ごめん。うれしくて・・・」
「だ、大丈夫」
ほんと元気だな・・・
なんか視線を感じる・・・
みんな見てるのはわかるけど
それより鋭い視線・・・殺気のような・・・
気になり視線の先を追うと獅子丸先輩と目があった
怖い目をしていた。獲物を取られるみたいな・・・
目があった瞬間、いつもの優しい笑顔になった
気のせい・・・じゃない気がする・・・
豹谷「じゃあ、どこ行く?」
「え、どこに行けばいいかわからない・・・」
豹谷「実家ではどういうところに行ってたんだ?」
「登校以外は家から出してもらえなかったから、どんなのがあるかわからない」
みんながこっちを見た
あ、しまった・・・普通はそんなことないんだ・・・
豹谷「そ、そうか・・・ごめん・・・」
「謝らなくていいよ?気にしてないし」
当時はそれが当たり前だった・・・
でも、昨日外の世界を知って楽しかった
これが普通なんだって思った
「本当に気にしないで!確かに、僕は世界を知らないけど、これから知っていこうって思ってるから!だから、色々教えてほしい」
豹谷は笑顔になり
豹谷「俺に任せろ!!俺が楽しいこといっぱい教えるよ!!」
「ありがとう」
豹谷はご飯を食べて急いで部屋に向かった
僕も部屋に行って準備しようかな
~狼里視点~
「お前・・・大丈夫か?」
豹谷「なにが?」
「いや、あんなにグイグイ・・・一ノ瀬もさすがに引くぞ」
豹谷「でも、アピールしないと負ける」
「誰に負けるんだよ・・・」
豹谷「・・・獅子丸先輩・・・」
「え、獅子丸先輩?先輩も一ノ瀬が好きなのか?」
豹谷「ああ。だから、負けられねぇ」
「それ、お前、分が悪いと思うぞ?」
豹谷「なんでだよ!」
「いや、先輩は同室でほとんど一緒なわけだし・・・」
豹谷「あ、そうか。じゃあ、部屋を変えてもらうか!」
「いや、無理だろう・・・」
豹谷「無理か・・・じゃあ、全力でアピールしないと!」
「はぁ・・・てか、さっきからなにしてんだよ・・・」
豹谷「ん?服装を考えてるんだよ?おしゃれしてかっこいいって思われたい」
「それはいいんだが、部屋を散らかすな・・・私の場所がなくなる・・・」
豹谷「かえってきたら片づけるよ!」
「当てにならない・・・てか、それまで散らかった部屋で過ごすのかよ・・・」
豹谷「それは我慢してくれ!」
「はぁ・・・まぁ、それはいいとして、いつものことだし・・・お前、絶対に手はだすなよ?」
豹谷「まだ手は出さねぇよ!一ノ瀬と仲良くなってからだよ!」
「ならいいけどさ・・・ん?そういえばお前そろそろ発情期じゃなかったか?」
豹谷「そうだな。明日か明後日には来ると思う」
「今日来たらどうするつもりだ?」
豹谷「薬は飲んだ。だから大丈夫だ」
「そうか・・・もし、一ノ瀬が発情したら、お前耐えられるのか?」
豹谷「あいつもいつくるかわかるだろう」
「お前・・・中学で勉強しなかったのか?いつも寝てたからしらないのか・・・」
豹谷「なんだよ」
「オメガ個体は発情期の予測が難しいんだよ・・・自分でもよくわからないって聞くし、発情期を迎えると薬もあまり効かないっていうし、そうなったとき発情期になるお前は耐えられるのか?」
豹谷「・・・でも、俺は耐えてみせる・・・絶対に・・・一ノ瀬を傷つけない・・・」
「そっか、ならがんばれ。私には応援しかできない。」
豹谷「ありがとう!」
「一つ警告な。お前はテンションが上がると手に負えなくなる・・・だから、少し落ち着きをもって行動しろ!いいな?」
豹谷「ああ。そうする」
「じゃあ、いってらっしゃい」
豹谷は嬉しそうに部屋をでた
こんなに部屋を散らかして・・・
でも、大丈夫かな・・・
ひとまず、部屋を片付けるか・・・
~晴斗視点~
豹谷が階段を駆け降りてくる
ずいぶんと派手な格好だな
なんかキラキラ光ってるし
でも似合ってる気がする
豹谷「お、おまたせ!」
「大丈夫。僕も今きたばかりだから」
豹谷はなんかそわそわしている
豹谷「どうかな?似合ってる?」
「うん。似合ってると思うよ。そのキラキラってなに?」
僕はキラキラが気になって服を触った
ザラザラしてるけど触り心地がいい
豹谷「そ、それはな、ラメって言うんだ。オシャレのポイントだな!」
豹谷の顔が赤くなる
なんで赤くなるんだ
「へぇ、かっこいいね!夜でも見失わなそうだし!」
豹谷「今日は俺から離れるなよ?」
「ん?うん」
離れるな?
人が多いところに行くのかな?
すこし楽しみ!
しばらく歩いたらゲームセンターっていう場所についた
音がすごくて声が聞こえにくい
豹谷「ここはさ、面白いゲームがいっぱいあるんだよ!」
「そうなんだ」
ゲームってなに?
うるさい・・・
豹谷はネコ科獣人なのに大丈夫なのかな?
「音大丈夫なの?」
豹谷「ああ。大丈夫。たしかに耳がいいからあまり長いはしたくないけど、お前の声も足音も聞き逃さないから安心しろ!」
ほんとかな?
試しに小声で言ってみよう
「これおもしろそう」
豹谷「ああ。これはガンシューティングってやつだよ」
たしかに聞き取ってる・・・
恐るべきネコ科・・・
そのあといろんなゲームをした
全部初めてで楽しかった
そろそろお昼時、おなかすいた
豹谷「そろそろご飯にしようか!」
「うん」
豹谷「何食べたい?って聞かれても困ると思ってもう決めてあるんだ!」
それは助かるな
なにがあるかわからないし
豹谷「ジャジャーン!!ハンバーガー屋だよ!」
「ハンバーガー?」
なにそれ?
豹谷「パンにいろんな材料が挟まってるやつだよ!」
そんなのあるんだ・・・
そういえば昔こんな感じのお店をみたことあるなテレビでだけど
豹谷「さっそく入ろう!」
「うん」
いろんな種類があるんだな~
チーズのやつおいしそう
豹谷「なにするか決めた?」
「え~と、チーズバーガーってやつ」
豹谷「わかった飲み物は?」
「水で」
豹谷「水以外にもあるよ?」
「じゃあ、寮で飲んでるやつ」
豹谷「う~ん。ここにはないかな」
「それ以外はしらない」
豹谷は困ったように考えている
僕は地元では水以外飲んだことがない
こっちにきてから初めてお茶を飲んだ
あ、あと、コーヒー
「じゃ、じゃあ、コーヒーで」
豹谷「コーヒー飲めるんだ!」
「うん。昨日、獅子丸先輩と喫茶店に行ったときに飲んだ」
豹谷は先輩の名前を聞いた途端一瞬だけ不機嫌な顔をした
なにか悪いこと言ったかな・・・
豹谷「コーヒーもうまいけど、それよりうまいもんあるから、それにしよう!」
そういうとクリームソーダってやつを頼んだ
先に席に行ってていいよってことで端の席に座った
そしたらしらない獣人たちに話しかけられた
すごくガラが悪そう・・・
ヤンキー「おい!人間!そこは俺たちが狙ってたんだよ!どけよ!!」
そういうとそのヤンキーは僕の胸倉をつかんで通路に投げ飛ばした
痛かったけど、これ以上なにか言うとひどい目にあうから違うところに行こう
その時そのヤンキーに豹谷が飲み物を頭からかけた
豹谷「おい!俺の連れになにすんだよ!」
ヤンキーは怒り狂っている
ヤンキー「てめぇ!なにしやがる!」
豹谷「てめぇこそなにしてんだよ!さきに座ってたのはこっちだぞ!」
ヤンキー「人間が視界にいるだけで目障りなのに俺たちが狙ってた席に座るなんて許せねぇだろう!」
豹谷「は?そんなショボい理由でこいつを突き飛ばすのかよ!頭沸いてんじゃねぇか?」
喧嘩はだんだんエスカレートしていく
どうしよう・・・僕のせいで・・・
なんとかしないと・・・
「豹谷・・・僕なら大丈夫だから、別の席に行こう?」
豹谷は僕の言葉が届かないのか頭に血が上ってるのか、引く気はないみたいだ
もちろんヤンキーも
ヤンキー「人間は黙ってろ!!!」
そういうと殴りかかってきた
僕は怖くなり目を閉じた
しかし、いつまでたっても殴られない・・・
僕は恐る恐る目を開けたらそこにはライオン獣人の姿があった
獅子丸「俺の大切な人に殴りかかるとは・・・いい度胸だ!!」
そういうとヤンキーを片手で放り投げた
ヤンキーは宙を舞い背中から地面に落ちた
もう一人は目の前にいる二メートルほどのあるライオン獣人に恐怖しているみたいだ
声もでないみたいだ
獅子丸「まだやるなら、俺が相手してやる」
獅子丸先輩の目はマジだ・・・
人一人殺しかねない
ヤンキーたちは慌てて逃げていった
僕はホッと安心した
目の前に手が差し出される
見上げるとそこにはいつもの優しい顔の獅子丸先輩がいた
僕はその手をとり立ち上がる
豹谷「なんでここにいるんですか!?」
獅子丸「たまたま、通りかかったら一ノ瀬が突き飛ばされてるのが見えたから来ただけだ」
「あ、ありがとうございます!」
獅子丸「気にするなよ!」
と笑って去ろうとした
豹谷は小さな声で
豹谷「俺一人でも守れた・・・」
とつぶやいた
それを聞いた獅子丸先輩は立ち止まり
獅子丸「無理だな。お前には。」
と言った
豹谷「なんでだよ!!俺だって一ノ瀬を守ることぐらいできる!!」
獅子丸先輩は振り返り真面目な顔で言った
獅子丸「じゃあ、なんで、殴らなかった?なんで、盾にならなかった?」
豹谷「っ!」
獅子丸「お前のやったことはただ火に油を注いだだけだ。」
豹谷「そんなこと!!」
獅子丸「そんなことないってか?でも、結果として一ノ瀬は怪我をしそうになった。お前は殴られるのを止められなかった。それが現実だ」
豹谷「・・・っ!!」
獅子丸「お前にはこいつは守れない・・・守れないならあきらめろ」
なんの話をしてるんだ?
守る?僕を?守ってくれたじゃん
「先輩・・・豹谷は庇ってくれました。だから、そんなにひどいことは」
豹谷「一ノ瀬・・・いいんだ・・・本当のことだ・・・俺はお前が殴られるとき動けなかった・・・」
獅子丸「お前の本気はその程度ってことだ・・・」
そういうと獅子丸先輩はお店を出て行った
残された僕と豹谷は無言のままだった
「あ、あのね・・・ありがとう」
豹谷「お礼なんてされるようなことしてない」
「してくれたよ。庇ってくれた」
豹谷「でも、守れなかった」
「守ってくれたよ?」
豹谷は顔を上げて僕を見た
「あの時来てくれて嬉しかった。それだけでも助かったよ!かっこよかった!」
豹谷は深呼吸をしてから
豹谷「ありがとう!でも、今の俺じゃお前を守れない・・・だから、もっと強くなる!」
豹谷は決意したみたいな顔をしていた
強く・・・か・・・僕も強くなりたい・・・
「お互い、頑張ろう!」
豹谷は笑顔で「おう!」というと食事をして寮に向かった
寮に付いたらロビーのソファに獅子丸先輩が座っていた
獅子丸先輩に豹谷は向かっていき大きな声で
豹谷「俺は絶対に強くなってみせる!そして先輩を超えてやる!!」
と言った
近くにいた人たちは何事かと二人を見ている
獅子丸先輩はフッっと笑い
獅子丸「ほう?じゃあ、超えてみろよ。俺はいつでも相手になるぜ!楽しみに待ってるからよ!」
と言った
この場で喧嘩にならなくてよかった
豹谷はそれを聞いて笑顔になり部屋に向かった
僕は疲れたしお風呂にむかった
~獅子丸視点~
一ノ瀬を助けて寮についた俺はロビーのソファに腰を下ろした
「はぁ・・・ついて行って正解だった・・・」
豹谷と相部屋の狼里に「明日から発情期だから心配」って聞いていやな予感がしてついて行ったがまさか違うトラブルにあうとは・・・
てか、明日から発情期なのに前日によく好きなやつとデートなんて行くな・・・
それじゃなくても普段から獣人は性欲強いのに・・・
俺なんて一日3回は出すし・・・いや、今はそんなことじゃない
豹谷が手を出さないように見張ってたがなんとか無事でよかった
そうこうしていると二人はかえってきた
豹谷が俺を見つけた瞬間いきなり近づいてきて
豹谷「俺は絶対に強くなってみせる!そして先輩をこえてやる!!」
いきなりで驚いたが、これは面白い・・・
この俺を超える?フッ上等だ!
「ほう?じゃあ、超えてみろよ。俺はいつでも相手になるぜ!楽しみに待ってるからよ!」
そういったら豹谷は笑って小声で俺に
豹谷「一ノ瀬は俺のものだ。たとえあいつが先輩と付き合ったとしても奪ってみせる。」
といいやがった
「それは俺のセリフだ」
と返してやった
豹谷には悪いが俺はまけねぇぞ
自分でいうのもなんだが、俺は強いからな
一ノ瀬を守れるのは俺だけだ
そんなこと考えてたら一ノ瀬が階段を上って行った
さて、俺も部屋に帰ってから風呂にでもいくかな
~狼里視点~
部屋で読書をしていたら豹谷が帰ってきた
「おかえり。デートはどうだった?」
豹谷「一ノ瀬を守れなかった・・・」
ん?どういうこと?
まさか!!
「お前、まさか襲ったんじゃ!」
豹谷「ちげ~よ。飯の時に一ノ瀬がヤンキーに絡まれてそれを助けようとしたんだが守れなかったんだよ」
「え!?一ノ瀬にケガは!?」
豹谷「ないよ。獅子丸先輩が助けてくれたから・・・」
あ、やっぱり行ったんだ・・・
寮を探してもいなかったからそうじゃないかなとは思ったけど・・・
このことは言わないほうがいいな
豹谷「だから、俺は強くなる!!一ノ瀬を守れるように!獅子丸先輩を超えてやる!!」
「え、先輩を超えるの?無理だよ!獅子丸先輩は総合武道の優勝者だぞ!」
そう。獅子丸先輩は総合武道のチャンピオンなのだ・・・それを超えるなんて・・・
何年かかるかわからない・・・
豹谷「いや!絶対に超えてやる!!先輩に一ノ瀬はわたしたくねぇ!」
「何年かかるかわからないんだぞ!」
豹谷「何年かかっても絶対に超えてやる!」
「それまでに一ノ瀬が誰かと付き合うかもしれないぞ?」
豹谷「そうかもしれない・・・でも、俺は決めた!それに、もし、一ノ瀬が誰かと付き合ったら俺があいつを振り向かせる!絶対に・・・」
こいつ・・・マジだ・・・
こうなったらこいつは止められない・・・
昔からそう・・・
でも大体はうまくやってのけるのがこいつの凄いところなんだよな
「そうか・・・応援してるよ!」
豹谷「ありがとう!それよりさ・・・」
「ん?」
豹谷「この寮でほかに一ノ瀬を狙ってるやついるのかな?」
どうだろう・・・
いないとは言い切れない・・・
今後学校が始まってからも増える可能性があるし・・・
「わからない・・・でも、あきらめないんだろ?」
豹谷「たりめ~だろ!」
やっぱりこいつは強いな
いつも前向きで・・・
一ノ瀬が今後大変そう・・・
学校が始まってもいないのに二人に好かれるなんて・・・
本人はどうなんだろう
自覚してるのかな?
たぶん、してないだろうな・・・
まぁ、なるようになるか
私もここまで好きになれる相手がほしい・・・
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