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41話 命令
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僕と生徒会長の妹の前に、不敵な笑みを浮かべた魔法学科の先輩。
「調子に乗りやがるからそうなるんだよ、元上流貴族さん」
そういった彼は更に付け加えるかのようにどんどん喋っていく。
「まさか、こんなにうまくいくとはな。まんまと引っかかったとはやっぱりバカなんだろうなぁ」
挑発しているのか、それともただ単に喋りたいだけなのか。
嘲笑という言葉がピッタリ似合う顔をしている。
「そいで、一般人の真似事なんてして。あんなのと付き合ってるからバカになるんだろうねぇ」
残念だがそういう挑発は乗るつもりはない。
そもそも、今更人格否定されたとしても何の意味もないんだよ、こっちは一回存在を否定されてるんだから。
そんなことはつゆ知らず、彼はまだ話し続ける。
「そんなのなら、俺が上流貴族になったほうがよっぽど良かっただろうな。そうすりゃあキミの親も喜んだだろうにねぇ」
「あなた、自分が何言ってるか分かってるの!?」
なぜ、生徒会長の妹は彼に対して怒ってくれているのだろう。
声もからだも震えてるじゃないか。まるで、獣に襲われる前の小動物みたいな震えだぞ。
「そちらこそ、だ。そいつに散々やっておきながらよくそんな事が言えるな」
ああ、こいつが命令したのか。とここで理解した。というか、もっと早い段階で分かっておくべきだったかもしれない。
おそらく、彼は上流貴族落ちか何かだろう。それで、上流貴族の地位を捨てた僕に対して怒りを持っている。
生徒会長の妹に命令させ、無理やりチラシを破らせたのだろう。
そうすれば、僕と生徒会長は少なくとも対立関係になると思って。
記憶操作のところがよくわからないが。第三者が関わっているのか?
「本当に散々やってくれたよ。泣いて謝りながらチラシを破る光景を見るなんて散々中の散々だ」
「だろうな、一般人にろくなやつは居ないからなぁ」
「じゃあ逆に、君は一体どんなろくなやつと付き合っているんだ?」
話の流れが分断された。彼はほぼ間違いなく上流貴族との関わりがあると自分で言ってしまっていたのだ。
「お前には関係のない話だろ?」
「それともその傲慢な態度のせいで友達の一人もできなかったのか?」
人格否定のお返しですよ。怒りの沸点を超えた彼の顔が真っ赤になっているのを見て、僕はもう一発叩き込んでおいた。
「ろくな人が居ないっていうのをそっくりそのままお返しするよ。君みたいに他人の存在を否定するやつっていうのは一番ろくでもない人がやることだからな」
その瞬間、彼の拳が僕の方へ飛んできた。
「調子に乗りやがるからそうなるんだよ、元上流貴族さん」
そういった彼は更に付け加えるかのようにどんどん喋っていく。
「まさか、こんなにうまくいくとはな。まんまと引っかかったとはやっぱりバカなんだろうなぁ」
挑発しているのか、それともただ単に喋りたいだけなのか。
嘲笑という言葉がピッタリ似合う顔をしている。
「そいで、一般人の真似事なんてして。あんなのと付き合ってるからバカになるんだろうねぇ」
残念だがそういう挑発は乗るつもりはない。
そもそも、今更人格否定されたとしても何の意味もないんだよ、こっちは一回存在を否定されてるんだから。
そんなことはつゆ知らず、彼はまだ話し続ける。
「そんなのなら、俺が上流貴族になったほうがよっぽど良かっただろうな。そうすりゃあキミの親も喜んだだろうにねぇ」
「あなた、自分が何言ってるか分かってるの!?」
なぜ、生徒会長の妹は彼に対して怒ってくれているのだろう。
声もからだも震えてるじゃないか。まるで、獣に襲われる前の小動物みたいな震えだぞ。
「そちらこそ、だ。そいつに散々やっておきながらよくそんな事が言えるな」
ああ、こいつが命令したのか。とここで理解した。というか、もっと早い段階で分かっておくべきだったかもしれない。
おそらく、彼は上流貴族落ちか何かだろう。それで、上流貴族の地位を捨てた僕に対して怒りを持っている。
生徒会長の妹に命令させ、無理やりチラシを破らせたのだろう。
そうすれば、僕と生徒会長は少なくとも対立関係になると思って。
記憶操作のところがよくわからないが。第三者が関わっているのか?
「本当に散々やってくれたよ。泣いて謝りながらチラシを破る光景を見るなんて散々中の散々だ」
「だろうな、一般人にろくなやつは居ないからなぁ」
「じゃあ逆に、君は一体どんなろくなやつと付き合っているんだ?」
話の流れが分断された。彼はほぼ間違いなく上流貴族との関わりがあると自分で言ってしまっていたのだ。
「お前には関係のない話だろ?」
「それともその傲慢な態度のせいで友達の一人もできなかったのか?」
人格否定のお返しですよ。怒りの沸点を超えた彼の顔が真っ赤になっているのを見て、僕はもう一発叩き込んでおいた。
「ろくな人が居ないっていうのをそっくりそのままお返しするよ。君みたいに他人の存在を否定するやつっていうのは一番ろくでもない人がやることだからな」
その瞬間、彼の拳が僕の方へ飛んできた。
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カムイイムカです
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23話でおしまいになります
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