2 / 26
1.水澄む
2
しおりを挟む
「おかみさんから、お菓子をいただいてきたんですけど、取り込み中でしたか?」
「わあ、いつもありがとうございます。構わないですよ、入ってください」
りくに促されて、小和は小屋の中へと入る。小さな土間の先に、六畳ほどの囲炉裏間と、その左側に縁側が、奥の襖の向こうには、四畳の書斎があった。右の壁際、箪笥の前で、猫又の栢が丸くなっているのを見つけて、小和はりくを振り返る。
「三角ですよ」
「えっ」
小和が声を上げるのに、りくは手を払うようにひらひらと手を振った。
「いやいや、いいんですよ、ほっといて。粉薬、全部拭き取っちゃったの、自分なんですから。自業自得です」
「けっ、人間は良いよな、三角にかからねぇんだから」
栢がふてた様子で呟くのに、そんなことないですよ、特に僕なんかは、と、りくが再び説教を始めるのを見て、小和は胸をなで下ろした。りくがこの様子なら、本当に酷くはないようだ。
りくは、この小屋の主人である。
尾羽の山に住む薬師で、この辺りでは、一番確かな腕をしていた。山暮らしとは思えないほど色白の、優しげな見た目をした青年で、しかしいつも草臥れた藍色の袴を履いていた。歳は三十よりは手前に見えるが、言葉や仕草には、老成した落ち着きと知識が滲んでいる。
小和にとっては、物腰の柔らかな、優しい兄のような存在であったが、その実、詳しい歳を、小和も聞いたことはない。一年前、猫又の栢が来てからは猫と人のふたり暮らしだが、少なくとも十年以上前から、りくはここにひとりで住んでいる。十年前、小和を山で見つけてくれたのも、りくだった。その頃から、外見には一切変化がないように思う。
「小和さん、どうぞ。お茶にしましょう」
一頻り説教を終えたりくが、小和を振り返って掌で囲炉裏端へと促した。
用意してくれた座布団に座り、おかみさんに持たせてもらった菓子包みを小和がほどくと、りくは、わ、と声をあげた。
「山水の葛ですね。さすがおかみさん。今日は、山がすごく綺麗なんですよ」
手元には、滝を思わせる銀色の葛に、滝壺に映り込む山影のような緑の練り餡と小豆餡を包ませた葛まんじゅうが、三つ並んでいた。小和は微笑む。お土産分以外に、小和の分もひとつ、おかみさんは入れてくれている。
「お山がきれいだと言ったら、直ぐにこれを用意してくださったんです」
「ああ、今日は是非、お山を見ながらお茶していただきたいですね。どうです、最近は。そろそろ、秋の茶会の時期ですよね」
そうですね、と答えながら、小和は、栢が寄り添うように寝ている箪笥を見た。何故か開きっぱなしになっている三段目は、昔、小和が使っていた段だ。
「そろそろ、私もひとりでお客様のおもてなしをしても良いだろう、て、姉さんたちが薦めてくれたんです。だから、今回は私も、茶会の席主候補に入れていただいていて」
「ということは、琴弾の方もですよね。楽しみですねぇ。そうですか、もうそんなになるんですね」
りくがしみじみと呟くのが、朝のおかみさんの声と重なって、小和は笑った。
小和がりくに拾われたのは、十年前、小和が五つの時だ。
その日、小和は、ほとんど虫の息だった。そもそもその二日前には、息をしていなかった。心の臓も止まったと思われていた。筵を被され、山に埋葬されていたのを、丸一日も経ってから息を吹き返し、土を掻いて、小和は外に這い出たのだった。
――苦しくはなかった。山の夜露は冷たかったが、不思議と寒さは感じなかった。痛みも空腹も、体のどこか遠くにあるようで、鈍く、鈍く、息を吐いていた。外に這い出てすぐ、村の埋葬地であったそこを下りようとしたが、足腰がたたず、山を村とは別方向に転がり落ちた。大きな木にぶつかって止まり、動けもせずに葉陰に隠れるように横たわって、更に一日。このままどうなるかも分からないまま、ぼんやりと、心臓だけが動いていた。
か細すぎて草も揺れないような息を、もう何度目か吐き出した時。
足音が聞こえた。
――……人かい?
葉陰を覗き込んだその人は、まるで、昔話に出てくる月の人のような、白い頬で微笑んでいた。
それがりくだった。
「――このあとは、用事が?」
お茶と薬草の匂いをさせながら、目の前のりくがそう訊ねる。す、と鼻に抜けるような薬草の匂いは、りくとこの小屋に染み付いていて、尾羽のお茶の香りとともに、小和には馴染み深い匂いだった。
「はい、笹岡先生のところへ、お遣いに」
一服終えたところで、じゃああまり引き留めてしまうのも良くないですね、とりくが立ち上がる。小和も腰を上げて、もう一つ、菓子箱が残っている風呂敷を抱えた。
「ふたりの様子が見れて良かったです。栢君、お大事に。また、店にもいらしてくださいね」
ぜひ、とりくが手を振るのに頭を下げて、小屋を出る。視界の端で、栢がふりふりと二本の尾を振っていた。
小屋の周りは山が深い。それほど遠くないところに学校と寮が建っているはずだったが、小屋の周辺では、全く人の気配が感じられなかった。小屋の裏手には井戸がわりの滝と滝壺があるが、その水音も、小屋から数歩も離れると聞こえなくなってしまう。小屋の周囲は、温度も、匂いも違うのだ。
来た獣道を真っ直ぐ戻って、しばらくすれば、道の入り口にあった小さな置き石が見えてくる。この石は裏から見ると仄かな赤色をしていて、表から見た時とは違って、すぐにそれと分かる。その石に鴉が一羽留まっているのを横目に、小和は獣道を抜けた。明るい陽が頭上に射す。梢が途切れて、校舎から学生寮に続く、細いながらも開けた道に出た。
三時くらいかしら、と、木々の影の角度から小和は考える。りくの小屋の辺りは山深くなっているのもあって、昼日中でも涼しいが、日の高い時間だと、まだ少し汗ばむ陽気だ。
笹岡のいる職員寮は、本校舎の敷地外にある。学校の正門から麓町へ伸びる一本道を通り過ぎ、今は野草が根を張る田畑を横目に畦道を進めば、校舎の敷地塀が途切れて山の木々と接する辺りに、こぢんまりとした職員寮がある。
元々は集落の村役場で、学生寮が本校舎とほぼ同じ大きさなのに比べると、職員寮は町の宿屋くらいの大きさしかなかった。木造二階建てだが、部屋は二階の三部屋だけで、一階は、生徒や客人のために解放されている大広間が、その大部分を占めている。本来は用務員や事務員のための寮で、この学校の教師のほとんどは、交通の便のいい隣町に下宿していた。乗合自動車や馬車を使ってここまで通うのが普通で、教員でここを使っているのは、笹岡だけだった。
小和は玄関の戸を軽く叩いてから、小さく開けて中に声をかける。
「ごめんくださあい」
少しだけ張った声を上に向ければ、二階の一室から、戸の開く音が聞こえた。
「はーい、はい、はい」
二階から階段を降りてきたのは、中井という事務員だった。七十過ぎの、しかし壮健な老人で、闊達な体躯が猫背で少し曲がっている。もとはこの集落に住んでいた人だ。
「ああ、碧水屋さんとこの、」
中井が小和を見て笑った。
「小和です。あの、おかみさんのお遣いで来たのですが、笹岡先生は」
「ああ、ごめんねぇ。先生今学校にいるんだよ、資料室の方」
中井が眉を下げるのに、小和はああ、と頷いた。
「じゃあ、学校の方に行ってみますね」
「すまんねぇ、無駄足踏ませちゃって」
小和は首を横に振って、これ、おかみさんからです、と包みを解いて菓子箱を渡す。
「職員寮の皆さんで召し上がって下さい」
「おや、いつもありがとなぁ」
じゃあ、ご挨拶がてら先生を呼びに行ってきますね、と、小和はお辞儀をして、来た道を戻る。
今日は休日で、授業はないはずだったが、こういうことは、よくあった。
校舎正門から今度は敷地へと入り、教室棟を回り込んで、図書館や実験室などがある特別棟に向かう。太陽の明るい時間は、休日でも校舎に施錠はされておらず、誰でも入ることができた。さすがに教室には鍵がかかっているが、笹岡が資料室にいるというなら、資料室の鍵は開いているだろう。
特別棟の東側、一階から二階は吹き抜けの図書館で、その隣、二階の、実質突き当たりになる部屋が社会資料室だった。
通い慣れた教室の戸口に立ち、コンコンと戸を叩く。しばらくしても返事がないので、小和はそっと資料室の戸を開けた。
「わあ、いつもありがとうございます。構わないですよ、入ってください」
りくに促されて、小和は小屋の中へと入る。小さな土間の先に、六畳ほどの囲炉裏間と、その左側に縁側が、奥の襖の向こうには、四畳の書斎があった。右の壁際、箪笥の前で、猫又の栢が丸くなっているのを見つけて、小和はりくを振り返る。
「三角ですよ」
「えっ」
小和が声を上げるのに、りくは手を払うようにひらひらと手を振った。
「いやいや、いいんですよ、ほっといて。粉薬、全部拭き取っちゃったの、自分なんですから。自業自得です」
「けっ、人間は良いよな、三角にかからねぇんだから」
栢がふてた様子で呟くのに、そんなことないですよ、特に僕なんかは、と、りくが再び説教を始めるのを見て、小和は胸をなで下ろした。りくがこの様子なら、本当に酷くはないようだ。
りくは、この小屋の主人である。
尾羽の山に住む薬師で、この辺りでは、一番確かな腕をしていた。山暮らしとは思えないほど色白の、優しげな見た目をした青年で、しかしいつも草臥れた藍色の袴を履いていた。歳は三十よりは手前に見えるが、言葉や仕草には、老成した落ち着きと知識が滲んでいる。
小和にとっては、物腰の柔らかな、優しい兄のような存在であったが、その実、詳しい歳を、小和も聞いたことはない。一年前、猫又の栢が来てからは猫と人のふたり暮らしだが、少なくとも十年以上前から、りくはここにひとりで住んでいる。十年前、小和を山で見つけてくれたのも、りくだった。その頃から、外見には一切変化がないように思う。
「小和さん、どうぞ。お茶にしましょう」
一頻り説教を終えたりくが、小和を振り返って掌で囲炉裏端へと促した。
用意してくれた座布団に座り、おかみさんに持たせてもらった菓子包みを小和がほどくと、りくは、わ、と声をあげた。
「山水の葛ですね。さすがおかみさん。今日は、山がすごく綺麗なんですよ」
手元には、滝を思わせる銀色の葛に、滝壺に映り込む山影のような緑の練り餡と小豆餡を包ませた葛まんじゅうが、三つ並んでいた。小和は微笑む。お土産分以外に、小和の分もひとつ、おかみさんは入れてくれている。
「お山がきれいだと言ったら、直ぐにこれを用意してくださったんです」
「ああ、今日は是非、お山を見ながらお茶していただきたいですね。どうです、最近は。そろそろ、秋の茶会の時期ですよね」
そうですね、と答えながら、小和は、栢が寄り添うように寝ている箪笥を見た。何故か開きっぱなしになっている三段目は、昔、小和が使っていた段だ。
「そろそろ、私もひとりでお客様のおもてなしをしても良いだろう、て、姉さんたちが薦めてくれたんです。だから、今回は私も、茶会の席主候補に入れていただいていて」
「ということは、琴弾の方もですよね。楽しみですねぇ。そうですか、もうそんなになるんですね」
りくがしみじみと呟くのが、朝のおかみさんの声と重なって、小和は笑った。
小和がりくに拾われたのは、十年前、小和が五つの時だ。
その日、小和は、ほとんど虫の息だった。そもそもその二日前には、息をしていなかった。心の臓も止まったと思われていた。筵を被され、山に埋葬されていたのを、丸一日も経ってから息を吹き返し、土を掻いて、小和は外に這い出たのだった。
――苦しくはなかった。山の夜露は冷たかったが、不思議と寒さは感じなかった。痛みも空腹も、体のどこか遠くにあるようで、鈍く、鈍く、息を吐いていた。外に這い出てすぐ、村の埋葬地であったそこを下りようとしたが、足腰がたたず、山を村とは別方向に転がり落ちた。大きな木にぶつかって止まり、動けもせずに葉陰に隠れるように横たわって、更に一日。このままどうなるかも分からないまま、ぼんやりと、心臓だけが動いていた。
か細すぎて草も揺れないような息を、もう何度目か吐き出した時。
足音が聞こえた。
――……人かい?
葉陰を覗き込んだその人は、まるで、昔話に出てくる月の人のような、白い頬で微笑んでいた。
それがりくだった。
「――このあとは、用事が?」
お茶と薬草の匂いをさせながら、目の前のりくがそう訊ねる。す、と鼻に抜けるような薬草の匂いは、りくとこの小屋に染み付いていて、尾羽のお茶の香りとともに、小和には馴染み深い匂いだった。
「はい、笹岡先生のところへ、お遣いに」
一服終えたところで、じゃああまり引き留めてしまうのも良くないですね、とりくが立ち上がる。小和も腰を上げて、もう一つ、菓子箱が残っている風呂敷を抱えた。
「ふたりの様子が見れて良かったです。栢君、お大事に。また、店にもいらしてくださいね」
ぜひ、とりくが手を振るのに頭を下げて、小屋を出る。視界の端で、栢がふりふりと二本の尾を振っていた。
小屋の周りは山が深い。それほど遠くないところに学校と寮が建っているはずだったが、小屋の周辺では、全く人の気配が感じられなかった。小屋の裏手には井戸がわりの滝と滝壺があるが、その水音も、小屋から数歩も離れると聞こえなくなってしまう。小屋の周囲は、温度も、匂いも違うのだ。
来た獣道を真っ直ぐ戻って、しばらくすれば、道の入り口にあった小さな置き石が見えてくる。この石は裏から見ると仄かな赤色をしていて、表から見た時とは違って、すぐにそれと分かる。その石に鴉が一羽留まっているのを横目に、小和は獣道を抜けた。明るい陽が頭上に射す。梢が途切れて、校舎から学生寮に続く、細いながらも開けた道に出た。
三時くらいかしら、と、木々の影の角度から小和は考える。りくの小屋の辺りは山深くなっているのもあって、昼日中でも涼しいが、日の高い時間だと、まだ少し汗ばむ陽気だ。
笹岡のいる職員寮は、本校舎の敷地外にある。学校の正門から麓町へ伸びる一本道を通り過ぎ、今は野草が根を張る田畑を横目に畦道を進めば、校舎の敷地塀が途切れて山の木々と接する辺りに、こぢんまりとした職員寮がある。
元々は集落の村役場で、学生寮が本校舎とほぼ同じ大きさなのに比べると、職員寮は町の宿屋くらいの大きさしかなかった。木造二階建てだが、部屋は二階の三部屋だけで、一階は、生徒や客人のために解放されている大広間が、その大部分を占めている。本来は用務員や事務員のための寮で、この学校の教師のほとんどは、交通の便のいい隣町に下宿していた。乗合自動車や馬車を使ってここまで通うのが普通で、教員でここを使っているのは、笹岡だけだった。
小和は玄関の戸を軽く叩いてから、小さく開けて中に声をかける。
「ごめんくださあい」
少しだけ張った声を上に向ければ、二階の一室から、戸の開く音が聞こえた。
「はーい、はい、はい」
二階から階段を降りてきたのは、中井という事務員だった。七十過ぎの、しかし壮健な老人で、闊達な体躯が猫背で少し曲がっている。もとはこの集落に住んでいた人だ。
「ああ、碧水屋さんとこの、」
中井が小和を見て笑った。
「小和です。あの、おかみさんのお遣いで来たのですが、笹岡先生は」
「ああ、ごめんねぇ。先生今学校にいるんだよ、資料室の方」
中井が眉を下げるのに、小和はああ、と頷いた。
「じゃあ、学校の方に行ってみますね」
「すまんねぇ、無駄足踏ませちゃって」
小和は首を横に振って、これ、おかみさんからです、と包みを解いて菓子箱を渡す。
「職員寮の皆さんで召し上がって下さい」
「おや、いつもありがとなぁ」
じゃあ、ご挨拶がてら先生を呼びに行ってきますね、と、小和はお辞儀をして、来た道を戻る。
今日は休日で、授業はないはずだったが、こういうことは、よくあった。
校舎正門から今度は敷地へと入り、教室棟を回り込んで、図書館や実験室などがある特別棟に向かう。太陽の明るい時間は、休日でも校舎に施錠はされておらず、誰でも入ることができた。さすがに教室には鍵がかかっているが、笹岡が資料室にいるというなら、資料室の鍵は開いているだろう。
特別棟の東側、一階から二階は吹き抜けの図書館で、その隣、二階の、実質突き当たりになる部屋が社会資料室だった。
通い慣れた教室の戸口に立ち、コンコンと戸を叩く。しばらくしても返事がないので、小和はそっと資料室の戸を開けた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
お母さん冒険者、ログインボーナスでスキル【主婦】に目覚めました。週一貰えるチラシで冒険者生活頑張ります!
林優子
ファンタジー
二人の子持ち27歳のカチュア(主婦)は家計を助けるためダンジョンの荷物運びの仕事(パート)をしている。危険が少なく手軽なため、迷宮都市ロアでは若者や主婦には人気の仕事だ。
夢は100万ゴールドの貯金。それだけあれば三人揃って国境警備の任務についているパパに会いに行けるのだ。
そんなカチュアがダンジョン内の女神像から百回ログインボーナスで貰ったのは、オシャレながま口とポイントカード、そして一枚のチラシ?
「モンスターポイント三倍デーって何?」
「4の付く日は薬草デー?」
「お肉の日とお魚の日があるのねー」
神様からスキル【主婦/主夫】を授かった最弱の冒険者ママ、カチュアさんがワンオペ育児と冒険者生活頑張る話。
※他サイトにも投稿してます
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
宮廷婦人の侍女なのに、なぜか私が見初められる〜⁉︎
鼻血の親分
恋愛
ポピーは貴族階級の令嬢で、貧乏ながらふんだんに自由気ままに暮らしていた。しかし、姉のハリエットが後宮入りすることになり、状況は一変。侍女として半年間、付き添うことになってしまう。
無事に帰ってくることを祈りながら、わがままな姉のために尽くしていたが、ある出会いがきっかけで宮廷の女性になってしまう。そして皇太子に愛され、後宮でトップに立つことにーー⁉︎
ダンジョンで温泉宿とモフモフライフをはじめましょう!〜置き去りにされて8年後、復讐心で観光地計画が止まらない〜
猪鹿蝶
ファンタジー
仲間はモフモフとプニプニなモンスター?関わる悪党は知らないうちにざまぁされ、気づけば英雄?いえ無自覚です。これが新境地癒し系ざまぁ!?(*´ω`*)
あらすじ
ディフェンダーのバンは無能だからとダンジョンに置き去りにされるも、何故かダンジョンマスターになっていた。
8年後、バンは元凶である女剣士アンナに復讐するためダンジョンに罠をしかけて待ちながら、モフモフとプニプニに挟まれた日々を過ごしていた。
ある日、女の子を助けたバンは彼女の助言でダンジョンに宿屋を開業しようと考えはじめるが……。
そして気がつけばお面の英雄として、噂に尾びれがつき、町では意外な広まりを見せている事をバンは知らない。
バンはダンジョンを観光地にする事でアンナを誘き寄せる事ができるのだろうか?
「あの女!観光地トラップで心も体も堕落させてやる!!」
仲間にはのじゃロリ幼女スライムや、モフモフウルフ、モフモフ綿毛モンスターなど、個性豊かなモンスターが登場します。
ー ▲ ー △ ー ▲ ー
マッタリいくので、タイトル回収は遅めです。
更新頻度が多忙の為遅れております申し訳ございません。
必ず最後まで書き切りますのでよろしくお願いします。
次世代ファンタジーカップ34位でした、本当にありがとうございます!!
現在、だいたい週1更新。
スルドの声(嚶鳴) terceira homenagem
桜のはなびら
現代文学
大学生となった誉。
慣れないひとり暮らしは想像以上に大変で。
想像もできなかったこともあったりして。
周囲に助けられながら、どうにか新生活が軌道に乗り始めて。
誉は受験以降休んでいたスルドを再開したいと思った。
スルド。
それはサンバで使用する打楽器のひとつ。
嘗て。
何も。その手には何も無いと思い知った時。
何もかもを諦め。
無為な日々を送っていた誉は、ある日偶然サンバパレードを目にした。
唯一でも随一でなくても。
主役なんかでなくても。
多数の中の一人に過ぎなかったとしても。
それでも、パレードの演者ひとりひとりが欠かせない存在に見えた。
気づけば誉は、サンバ隊の一員としてスルドという大太鼓を演奏していた。
スルドを再開しようと決めた誉は、近隣でスルドを演奏できる場を探していた。そこで、ひとりのスルド奏者の存在を知る。
配信動画の中でスルドを演奏していた彼女は、打楽器隊の中にあっては多数のパーツの中のひとつであるスルド奏者でありながら、脇役や添え物などとは思えない輝きを放っていた。
過去、身を置いていた世界にて、将来を嘱望されるトップランナーでありながら、終ぞ栄光を掴むことのなかった誉。
自分には必要ないと思っていた。
それは。届かないという現実をもう見たくないがための言い訳だったのかもしれない。
誉という名を持ちながら、縁のなかった栄光や栄誉。
もう一度。
今度はこの世界でもう一度。
誉はもう一度、栄光を追求する道に足を踏み入れる決意をする。
果てなく終わりのないスルドの道は、誉に何をもたらすのだろうか。
離婚したいけれど、政略結婚だから子供を残して実家に戻らないといけない。子供を手放さないようにするなら、どんな手段があるのでしょうか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
カーゾン侯爵令嬢のアルフィンは、多くのライバル王女公女を押し退けて、大陸一の貴公子コーンウォリス公爵キャスバルの正室となった。だがそれはキャスバルが身分の低い賢女と愛し合うための偽装結婚だった。アルフィンは離婚を決意するが、子供を残して出ていく気にはならなかった。キャスバルと賢女への嫌がらせに、子供を連れって逃げるつもりだった。だが偽装結婚には隠された理由があったのだ。
ありがとう
真凛 桃
ファンタジー
亡き彼をずっと忘れられずにいる主人公リオン。
いじめ、詐欺に遭ったりと波乱が続き、人生を投げ出そうとしたその時、亡くなったはずの彼が現れる。
夢と思いきや幽霊となってリオンを助けてくれ現実と受け止める。
触れることはできないがリオンにとっては幸せだった。
そんな時、限られた時間だけ生き返った彼。
2人は幸せな日々を送るが終わりが決まっている切ないラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる