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12日目①
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.。*゚+.*.。 11日目 ゚+..。*゚+
「ねぇレオナード、もし神様が一つだけ願いを叶えてくれるって言ったらどうする?」
「迷わず、彼女との未来を望むね」
「恐ろしいくらいブレないわね。あなたは」
「で、君は?」
「この世からダンスという愚行を消して欲しいわ」
「………夜会まであと4日なんだ。頼むから、耐えてくれ」
という会話ができるくらい昨日の悪夢のような出来事から一晩経った私は、そこそこ回復した。
けれど、丸一日ダンスのレッスンができなかったという事実は、良い感じに私のテンションを下げてくれる。そして、万に一つの期待を込めて、レオナードに切り出してみたけれど、やはり、彼は予定通りダンスをマスターさせたいようだった。
そんな私たちは今日もボールルームにいる。何だか東屋でくだらないことを喋っていたのが、遠い昔のように感じてしまう。
けれど、そう思っていたのは私だけのようだった。
「ミリア嬢、さっそくだが、ダンスのレッスンを始めよう」
そう言ってレオナードは私に向かって当然のように手を伸ばしてきた。
「ねえレオナード、その前に一つ良いかしら?」
「………………も、もちろんだとも」
にこりと笑みを浮かべて口を開いた私に、レオナードは少し間を置いて頷いた。その間が妙に気になったけれど、それより私はちょっと気付いた事があったので、先に伝えることにする。
「私、思ったんだけど、ダンスと思うから変に身体に力が入り過ぎたり、緊張してしまうと思うのよ。だから、いっそ、ステップを剣術とか体術の足運びだと思えばもっとスムーズにいくと思うのよ」
「.........言われてみれば、確かにそうだ」
実は今朝、レオナードの屋敷に向かう準備をしている最中に気付いたのだ。もっと言うなら、準備をしている最中、窓から見えた兄達の鍛錬をしている姿で気付いたのだ。
特に踏み込みの際の足運びは、ものすごくステップに近い動きだと。
いつもなら、兄達の掛け声は、鳥のさえずりの一部。そして鍛錬している姿は庭と同化しているはずなのに。どうやら、今日の私はいつも以上に冴えているようだ。
そしてこのこの提案に、自称剣にそこそこ自身があるレオナードは、なる程といった感じで、軽く指を鳴らした。彼もそんなチャラいことをするのかと、ちょっと驚く。
というどうでも良いことは伝えることはせずに、私はさらりと別の事を口にした。
「そういう訳で、試しにちょっとレオナード一人で踊ってみてちょうだい」
口元だけを意識して笑みを作って、手のひらを部屋の中央へと向ければ、彼は無言で小さく首を横に降った。一人ダンスを目にしたことがない私は少々残念だ。
「ミリア嬢、申しわけないが私は既にステップをマスターしている身だ。私一人で踊ったところで意味がない。さぁ、早く手を出したまえ」
至極真っ当な言葉で返され、めずらしく私は言葉を失ってしまう。
そんな立ちすくむ私に、レオナードは無言で私の手を取って、部屋の中央へと誘った。
「ねぇレオナード、もし神様が一つだけ願いを叶えてくれるって言ったらどうする?」
「迷わず、彼女との未来を望むね」
「恐ろしいくらいブレないわね。あなたは」
「で、君は?」
「この世からダンスという愚行を消して欲しいわ」
「………夜会まであと4日なんだ。頼むから、耐えてくれ」
という会話ができるくらい昨日の悪夢のような出来事から一晩経った私は、そこそこ回復した。
けれど、丸一日ダンスのレッスンができなかったという事実は、良い感じに私のテンションを下げてくれる。そして、万に一つの期待を込めて、レオナードに切り出してみたけれど、やはり、彼は予定通りダンスをマスターさせたいようだった。
そんな私たちは今日もボールルームにいる。何だか東屋でくだらないことを喋っていたのが、遠い昔のように感じてしまう。
けれど、そう思っていたのは私だけのようだった。
「ミリア嬢、さっそくだが、ダンスのレッスンを始めよう」
そう言ってレオナードは私に向かって当然のように手を伸ばしてきた。
「ねえレオナード、その前に一つ良いかしら?」
「………………も、もちろんだとも」
にこりと笑みを浮かべて口を開いた私に、レオナードは少し間を置いて頷いた。その間が妙に気になったけれど、それより私はちょっと気付いた事があったので、先に伝えることにする。
「私、思ったんだけど、ダンスと思うから変に身体に力が入り過ぎたり、緊張してしまうと思うのよ。だから、いっそ、ステップを剣術とか体術の足運びだと思えばもっとスムーズにいくと思うのよ」
「.........言われてみれば、確かにそうだ」
実は今朝、レオナードの屋敷に向かう準備をしている最中に気付いたのだ。もっと言うなら、準備をしている最中、窓から見えた兄達の鍛錬をしている姿で気付いたのだ。
特に踏み込みの際の足運びは、ものすごくステップに近い動きだと。
いつもなら、兄達の掛け声は、鳥のさえずりの一部。そして鍛錬している姿は庭と同化しているはずなのに。どうやら、今日の私はいつも以上に冴えているようだ。
そしてこのこの提案に、自称剣にそこそこ自身があるレオナードは、なる程といった感じで、軽く指を鳴らした。彼もそんなチャラいことをするのかと、ちょっと驚く。
というどうでも良いことは伝えることはせずに、私はさらりと別の事を口にした。
「そういう訳で、試しにちょっとレオナード一人で踊ってみてちょうだい」
口元だけを意識して笑みを作って、手のひらを部屋の中央へと向ければ、彼は無言で小さく首を横に降った。一人ダンスを目にしたことがない私は少々残念だ。
「ミリア嬢、申しわけないが私は既にステップをマスターしている身だ。私一人で踊ったところで意味がない。さぁ、早く手を出したまえ」
至極真っ当な言葉で返され、めずらしく私は言葉を失ってしまう。
そんな立ちすくむ私に、レオナードは無言で私の手を取って、部屋の中央へと誘った。
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