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寄り道の章
イケメンに告白します③
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すっかり夜の帳が下りて、外はひんやりとした冷たい空気を纏っているのに、変わらずここは暖かい。
人の温もりは、こんなにも安心できるものなのかと、そして得も言われぬ幸福感に包まれるのかと改めて気付かされる。
相変わらず私を抱く腕はどこまでも優しい。身体を捻ってシュウトを見上げる。
見上げた先には漆黒の瞳が待ち構えていて、その深い深い色に吸い込まれそうになる。
シュウトは私を捕まえてくれた。でもこのままこの漆黒の瞳を見つめていたら、私はそのまま彼に囚われてしまいそうになる。
捕まえられるのと、囚われるのは違う。
捕まえられるのは直接的。でも、囚われるのは、間接的。心の自由を失って、シュウトだけしか見れなくなってしまう。
そうわかっていても、目を逸らすことができない。
「……瑠璃」
呼びかける声もどこまでも優しい。私を抱く腕も、頬を撫でる掌も。それに応えるように、無意識にそっと手を差し伸べて太い首に絡める。
「……シュウト」
その名を呼べば、激しい衝動にかられる。復讐もお遣いも何もかもかなぐり捨てて堕ちていきそうになる。
全てを包み込んでくれる彼に身を任せたくなる。けれど────完全に堕ちる直前、一筋の強い風が吹いた。
はっと我に返った私は、慌ててシュウトから目を逸らす。ついさっきの激しい行動と感情が嘘みたいに引いていく。
何を血迷っていたのだろう。今更ながらおかしなことを考えたと自嘲する。
慌てて絡めていた腕を元に戻し、それから気持ちを落ち着かせるために何度か深呼吸をして、最後の秘密を打ち明けだ。
「シュウト、そう言ってくれてありがとう。でも……シュウトは、私の家にはいけないですよ」
「そんなに遠いのか?」
「はい、すごくすごぉーく遠いです───……だって、ここじゃない別の世界なんですから」
「そうか」
「うん……────……へっ!?」
私にとったら、一世一代の告白だった。それこそ清水の舞台から飛び降りるような決死の覚悟の告白だったのに、シュウトはあっさりと受け止めてしまった。
「信じるぞ」
「えっと、海外……じゃなくって、コキヒ国以外ってことじゃないんですよ。もっともっと遠くて、風神さんじゃないと行き来できなくって───」
「信じるぞ」
あまりに軽く頷くけれど、これは結構な内容だと思う。もし私がそんな告白を受けたら、まず【この人疲れてるのかな?】と心配してしまうレベルだ。もしくは、巷で流行っている厨二病かなと生暖かい目で見てしまうだろう。
なのにシュウトは、私のしどろもどろな説明を打ち切って、もう一度、断言する。でもそうされては逆に私が困ってしまう。ということで往生際が悪い私は、とうとう最初の約束をやぶってしまった。
「どうして?」
「……どうしては、聞かない約束だったではないか」
「……………………」
しまった。私だけは、アリってことにしとけば良かった。慌てて両手で口を塞いでも、恨みがましくシュウトを見上げてしまう。
そんな私をシュウトはくっくと喉を鳴らしながら長い指を伸ばして、口元を覆っていた私の手に絡ませる。
「瑠璃は、私に嘘を言っているのか?」
「言うわけないじゃん」
「ははっ」
口を尖らせてふて腐れる私に、シュウトは軽く笑って、もう一度信じるって言ってくれた。だから私も、【どうして?】という言葉を呑み込んだ。
「……もっと早く会いたかった」
シュウトは、私を抱き直して呟いた。その呟きは、痛みを堪えているような、とても切ない響きだった。
ちょっと笑って私は心の中だけで答える。それは無理だよ、と。
あの日、15歳の晩だったから、風神さんに会えたのだ。あの日だったから、シュウトに会えたんだし、ナギさんにも会えたのだ。この出会いは遅くなんてない。
でもそれを言葉にするのは、今の私には難易度が高すぎる。だから、それらをすっ飛ばして、一番伝えたいことだけを口にした。
「ねぇ、シュウト」
「なんだ?」
「私を見付けてくれてありがとう」
「………………………瑠璃?」
「私の話を聞いてくれてありがとう」
「………………………………」
伝えたい言葉はどうして口にするとありきたりなものになってしまうのだろう。それでも伝わればいい、伝わって欲しい。
時空を超えてこうして出会えた奇跡が、私にとってどれだけ嬉しいことなのか。弱さも汚さも全部さらけ出したのに、でもまだこの腕の中に包んでくれることがどれだけ嬉しいことか。
シュウトに出逢えて良かった。ほんの少し切ないけれど。
「……あ、ありがとう、……シュウト」
そう言いながら言葉に詰まる。今日は喉の調子は良好で、言葉の渋滞は起きていないはずなのに。───……あぁ、違う。私、泣いているんだ。
悲しくも悔しくも辛さも痛みもないのに、溢れてくる涙は止まらない。
とめどなく溢れる涙が恥ずかしくて、片手でシュウトを押しのけて、反対の手で顔を隠す。
「瑠璃」
シュウトが、優しく私の名を呼ぶ。シュウト、ごめんなさい、ちょっと待ってすぐに泣き止むから。
「瑠璃」
もう一度、優しく名を呼ばれ身を堅くする。ちょっと待ってという代わりに、小さく首を振る私をシュウトは無言で、自分の胸に押し付ける。
シュウトの衣に顔を押し付けると、香が漂う。暖かく深みがあるのに、ちょっと辛いシュウト香り。好きだな、この香り。
胸いっぱいにそれを吸い込むとなぜか再び涙が溢れてくる。
そんなこんなで泣きなれてない私は、泣き止むまでにぐずぐずと相当な時間をかけてしまった。その結果、シュウトの胸の辺りは、もののみごとに、ぐちゃぐちゃになってしまった。
本当に申し訳ない。この衣は、後で私が責任を持ってお洗濯しよう。あと、こんなに衣を汚してしまったのに当の持ち主は変わらず私を抱きしめていてくれる。どこまで懐が広いのだろう。
そんなことを考えられるということは、涙が止まった証拠。でも、泣き止んだ途端、この状況が無性に恥ずかしい。とりあえず───
「あー……泣きすぎた」
シュウトに背を向け、私はごまかすように笑う。次いで、ごしごしと顔に付いている涙とか色んなものを袖で拭う。
シュウトは、あまりこするなと呟いて、私の腕を取り自分の手のひらを私の目元に当ててくれた。
それはつまり、後ろから抱きしめられる格好になってしまい、これはこれで恥ずかしい。もぞもぞ身じろぐ私の顎を捉えたシュウトは羽が掠めるような口づけを一つ落として、こう囁いた。
「なぁ、瑠璃」
「なぁに?」
「私は瑠璃と会いたかった」
「ん」
「会いに来てくれて、ありがとう」
「ん」
「……瑠璃、ずっと傍にいてくれ」
「………………」
シュウトが口を開く度に、耳元に息がかかり、くすぐったい。満足な返事もできずオタオタする私にシュウトは可笑しそうに、小さく笑う。
いっぱいいっぱいの私は、言葉に出せないけど───こんな醜くて汚い私を、大切にしたいと言ってくれてありがとうって思っている。
……でも、ごめんなさい。
そろそろ、お別れが近づいてきてるんだ。だから最後のシュウトの言葉には相槌を打つことができなかった。
私の腕の傷は、もう癒えている。だから、近いうちにお迎えが来る。そうしたら、私はお遣いを再開して───日本に戻るんだ。遠足じゃないけど、行って帰るまでがお遣いだから。
ずっとここにいるっていう約束は、結局、ナギさんとはしていない。
日本に戻ったら、もう二度とこの世界には来れない、きっと。
でも、それは言わない。言えない。残される痛みを、手を伸ばしても届かない辛さを、私は、知っている。
さっきシュウトの瞳を見つめ、自らシュウトに囚われることを望んだ私を、きっと風神さんは見ていたのだ。
あの風は間違いなく風神さんが起こしたもの。私を咎める風だったのだ。
だけど、私はこう風神さんに願ってしまう。
今宵は私とシュウトにとって、新しい関係を築くことができた一番最初の日。だから今は、もう少しこのままでいさせて下さい、と。
人の温もりは、こんなにも安心できるものなのかと、そして得も言われぬ幸福感に包まれるのかと改めて気付かされる。
相変わらず私を抱く腕はどこまでも優しい。身体を捻ってシュウトを見上げる。
見上げた先には漆黒の瞳が待ち構えていて、その深い深い色に吸い込まれそうになる。
シュウトは私を捕まえてくれた。でもこのままこの漆黒の瞳を見つめていたら、私はそのまま彼に囚われてしまいそうになる。
捕まえられるのと、囚われるのは違う。
捕まえられるのは直接的。でも、囚われるのは、間接的。心の自由を失って、シュウトだけしか見れなくなってしまう。
そうわかっていても、目を逸らすことができない。
「……瑠璃」
呼びかける声もどこまでも優しい。私を抱く腕も、頬を撫でる掌も。それに応えるように、無意識にそっと手を差し伸べて太い首に絡める。
「……シュウト」
その名を呼べば、激しい衝動にかられる。復讐もお遣いも何もかもかなぐり捨てて堕ちていきそうになる。
全てを包み込んでくれる彼に身を任せたくなる。けれど────完全に堕ちる直前、一筋の強い風が吹いた。
はっと我に返った私は、慌ててシュウトから目を逸らす。ついさっきの激しい行動と感情が嘘みたいに引いていく。
何を血迷っていたのだろう。今更ながらおかしなことを考えたと自嘲する。
慌てて絡めていた腕を元に戻し、それから気持ちを落ち着かせるために何度か深呼吸をして、最後の秘密を打ち明けだ。
「シュウト、そう言ってくれてありがとう。でも……シュウトは、私の家にはいけないですよ」
「そんなに遠いのか?」
「はい、すごくすごぉーく遠いです───……だって、ここじゃない別の世界なんですから」
「そうか」
「うん……────……へっ!?」
私にとったら、一世一代の告白だった。それこそ清水の舞台から飛び降りるような決死の覚悟の告白だったのに、シュウトはあっさりと受け止めてしまった。
「信じるぞ」
「えっと、海外……じゃなくって、コキヒ国以外ってことじゃないんですよ。もっともっと遠くて、風神さんじゃないと行き来できなくって───」
「信じるぞ」
あまりに軽く頷くけれど、これは結構な内容だと思う。もし私がそんな告白を受けたら、まず【この人疲れてるのかな?】と心配してしまうレベルだ。もしくは、巷で流行っている厨二病かなと生暖かい目で見てしまうだろう。
なのにシュウトは、私のしどろもどろな説明を打ち切って、もう一度、断言する。でもそうされては逆に私が困ってしまう。ということで往生際が悪い私は、とうとう最初の約束をやぶってしまった。
「どうして?」
「……どうしては、聞かない約束だったではないか」
「……………………」
しまった。私だけは、アリってことにしとけば良かった。慌てて両手で口を塞いでも、恨みがましくシュウトを見上げてしまう。
そんな私をシュウトはくっくと喉を鳴らしながら長い指を伸ばして、口元を覆っていた私の手に絡ませる。
「瑠璃は、私に嘘を言っているのか?」
「言うわけないじゃん」
「ははっ」
口を尖らせてふて腐れる私に、シュウトは軽く笑って、もう一度信じるって言ってくれた。だから私も、【どうして?】という言葉を呑み込んだ。
「……もっと早く会いたかった」
シュウトは、私を抱き直して呟いた。その呟きは、痛みを堪えているような、とても切ない響きだった。
ちょっと笑って私は心の中だけで答える。それは無理だよ、と。
あの日、15歳の晩だったから、風神さんに会えたのだ。あの日だったから、シュウトに会えたんだし、ナギさんにも会えたのだ。この出会いは遅くなんてない。
でもそれを言葉にするのは、今の私には難易度が高すぎる。だから、それらをすっ飛ばして、一番伝えたいことだけを口にした。
「ねぇ、シュウト」
「なんだ?」
「私を見付けてくれてありがとう」
「………………………瑠璃?」
「私の話を聞いてくれてありがとう」
「………………………………」
伝えたい言葉はどうして口にするとありきたりなものになってしまうのだろう。それでも伝わればいい、伝わって欲しい。
時空を超えてこうして出会えた奇跡が、私にとってどれだけ嬉しいことなのか。弱さも汚さも全部さらけ出したのに、でもまだこの腕の中に包んでくれることがどれだけ嬉しいことか。
シュウトに出逢えて良かった。ほんの少し切ないけれど。
「……あ、ありがとう、……シュウト」
そう言いながら言葉に詰まる。今日は喉の調子は良好で、言葉の渋滞は起きていないはずなのに。───……あぁ、違う。私、泣いているんだ。
悲しくも悔しくも辛さも痛みもないのに、溢れてくる涙は止まらない。
とめどなく溢れる涙が恥ずかしくて、片手でシュウトを押しのけて、反対の手で顔を隠す。
「瑠璃」
シュウトが、優しく私の名を呼ぶ。シュウト、ごめんなさい、ちょっと待ってすぐに泣き止むから。
「瑠璃」
もう一度、優しく名を呼ばれ身を堅くする。ちょっと待ってという代わりに、小さく首を振る私をシュウトは無言で、自分の胸に押し付ける。
シュウトの衣に顔を押し付けると、香が漂う。暖かく深みがあるのに、ちょっと辛いシュウト香り。好きだな、この香り。
胸いっぱいにそれを吸い込むとなぜか再び涙が溢れてくる。
そんなこんなで泣きなれてない私は、泣き止むまでにぐずぐずと相当な時間をかけてしまった。その結果、シュウトの胸の辺りは、もののみごとに、ぐちゃぐちゃになってしまった。
本当に申し訳ない。この衣は、後で私が責任を持ってお洗濯しよう。あと、こんなに衣を汚してしまったのに当の持ち主は変わらず私を抱きしめていてくれる。どこまで懐が広いのだろう。
そんなことを考えられるということは、涙が止まった証拠。でも、泣き止んだ途端、この状況が無性に恥ずかしい。とりあえず───
「あー……泣きすぎた」
シュウトに背を向け、私はごまかすように笑う。次いで、ごしごしと顔に付いている涙とか色んなものを袖で拭う。
シュウトは、あまりこするなと呟いて、私の腕を取り自分の手のひらを私の目元に当ててくれた。
それはつまり、後ろから抱きしめられる格好になってしまい、これはこれで恥ずかしい。もぞもぞ身じろぐ私の顎を捉えたシュウトは羽が掠めるような口づけを一つ落として、こう囁いた。
「なぁ、瑠璃」
「なぁに?」
「私は瑠璃と会いたかった」
「ん」
「会いに来てくれて、ありがとう」
「ん」
「……瑠璃、ずっと傍にいてくれ」
「………………」
シュウトが口を開く度に、耳元に息がかかり、くすぐったい。満足な返事もできずオタオタする私にシュウトは可笑しそうに、小さく笑う。
いっぱいいっぱいの私は、言葉に出せないけど───こんな醜くて汚い私を、大切にしたいと言ってくれてありがとうって思っている。
……でも、ごめんなさい。
そろそろ、お別れが近づいてきてるんだ。だから最後のシュウトの言葉には相槌を打つことができなかった。
私の腕の傷は、もう癒えている。だから、近いうちにお迎えが来る。そうしたら、私はお遣いを再開して───日本に戻るんだ。遠足じゃないけど、行って帰るまでがお遣いだから。
ずっとここにいるっていう約束は、結局、ナギさんとはしていない。
日本に戻ったら、もう二度とこの世界には来れない、きっと。
でも、それは言わない。言えない。残される痛みを、手を伸ばしても届かない辛さを、私は、知っている。
さっきシュウトの瞳を見つめ、自らシュウトに囚われることを望んだ私を、きっと風神さんは見ていたのだ。
あの風は間違いなく風神さんが起こしたもの。私を咎める風だったのだ。
だけど、私はこう風神さんに願ってしまう。
今宵は私とシュウトにとって、新しい関係を築くことができた一番最初の日。だから今は、もう少しこのままでいさせて下さい、と。
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