25 / 45
寄り道の章
イケメンと真夜中に邂逅しました
しおりを挟む
シュウトの屋敷はコの字型でわかりやすい。そして、中庭をぐるりと囲むように部屋が続いてる。
中央の庭は真ん中に池があって、その池の側には大きな桜木がある。他にも季節に応じた木々が植えてあるけど、鬱蒼としていない。つまり、とても広いのだ。
目の前の庭は深夜でも、灯篭が灯されていて意外に明るかった。もちろん日本の夜に比べれば暗いけれど。
実際こうしてみると広いなぁとか、池に架かっている橋、渡ってみたいなとか、この木、何の木かなとかどうでもいいことを考えながら花鳥風月に遊びたいところだけれど、心中穏やかではない。
なぜなら ────今日、私にキ……いやいや違う、ガブガブした張本人がいるからだ。
実はあの衝撃的な事件の後、私は自室で散々のたうち回った挙句、寝オチしてしまった。
随分と余裕だなと思うけれどそうではない。ただ単に、私の脳がこれ以上の情報を処理できず、強制終了したというのが正解。
けれど人間は脳と身体、この二つでできている。強制終了という名の、睡眠から現実に引き戻したのは身体のほうだった。
「─────……お腹すいた」
呟いた途端、きゅるぅっと、お腹が鳴った。この部屋は私一人だというのはわかっているけれど、思わず顔が赤くなる。
今の私はとても空腹で、どれぐらいかというと多分、コキヒ国で五本の指に入るくらい。
それだけ空腹なのに、何も口にしないのは深夜のご飯はカロリーが気になるから我慢してるとか、好き嫌いが激しくて食べれるものがないとかそういうことではない。
ただ単に夕食を食べそびれ、その結果、深夜に台所で食べ物を漁る自分を想像して、躊躇してるだけ。
それに何より、私が台所の場所を知らないということが、一番の原因なのだ。
今までのほとんどを自室と縁側で過ごしているので、台所の場所などわからない。なにせ、すぐここを離れるつもりだったので、知ろうとも思っていなかったし、知る必要もないと思っていた。
という風に、二の足を踏んでいる私だったが、とうとう寝具がお餅やマシュマロに見えてきてしまったのと、何よりナギから【夜はソワソワしなくていい】というお達しを頂いていたことが決定打となり、重い腰を上げて台所を捜索することにした。
障子を開けて縁側まで出る。さて、台所までのルートは二つ。縁側沿いに歩いて探すか、庭を横断するかだ。台所の場所は多分、夕方、例の件の後、ナギが消えていった先にあると見当はついている。
ただ私の靴は、今はお洗濯中で庭には出れない。そうなると縁側沿いに歩くルートに限られる。できれば最短ルートである庭を斜め横断するのが望ましいのだけど……。
「おっ」
何となく縁側の下を見たら、庭履きがあった。多分、ナギのものなのだろう。ちょっと大きそうだけど、形はミュールみたいで履きやすそうだ。少し借りますと、心の中で断って庭履きに足を通す。
そして私は庭を斜め横断するルートを選び、歩き出した。
けれど、少し歩いた先でふと視線を感じ顔を上げると───そこにシュウトが居た。瞬間、私は真っ白になってしまった。
反対にシュウトは、既に私に気付いていたのだろう。腕を組んで木にもたれかかりながら、こちらを見ているだけ。私と目が合っても、別段、驚く風でもなく少し目元を緩ませただけだった。
互いに手を伸ばしても届かない。けれど顔はわかる───つまり、安全な距離で見つめ合う。月明りのシュウトは、気だるげでいつもより大人っぽい。そういえば私、自分から、ちゃんとシュウトを見るのは初めてだったことにふと気づく。
改めてシュウトを見た感想は────無駄にイケメンだった。癖のない長い黒髪も、笑うと柔らかくなる切れ目も、一つ一つが彫刻のような美しさだった。
庭の桜木が風に煽られ、花びらがはらはらと舞う。そして私とシュウトの間にも一筋の風と花びらが横切る。
まぶしそうに眼を細めるシュウトとその桜の花びらに再び既視感を覚える。こう何度もそれを感じてしまうと、本当にかつてどこかで出会ったような気にさえなってしまう。
でも、ここは異世界。過去にシュウトに会うことは、絶対にありえないこと。
あまりじっと見つめていると、変な誤解を受けてしまいそうで、とりあえず、この望まない邂逅について聞いてみることにした。
「あの、何でこんな夜更けに、こんなところに居るんですか?」
「眠れなくて、夜風に当たっていた…………あと、……ここが俺の部屋だ」
「………………」
なるほど、そうでしたか。つまり私がシュウトのテリトリーに張り込んでしまったようだ。めんどくさがって最短ルートを選んで失敗だった。
「瑠璃はどうしたんだ?」
「…………………………」
反対に問いかけられた私は、口をつぐんでしまう。
なぜなら、お腹がすいて、台所で何か食べれる物を探しに行こうとしてたとは、さすがに言いずらい。
咄嗟に誤魔化す言葉が思い付かず、ずるずると後ずさりする私に、シュウトが慌てた様子で手を伸ばした。
「そう身構えるな。何もしない、こっちに来い」
そう言われてしまえば、無下に逃げることもできない。
足を止めた私にシュウトはほっとした表情で息を吐く。後ろになにかあるのだろうか。何気なく振り返ってしまったら、すぐそこに池がある。なるほど、シュウトはこれを見て、慌てて声を掛けたのか。
「水浴びをするには、まだ少し早いぞ」
その声と共に私はいとも簡単にシュウトは、腕を掴まれ、引き寄せられる。
「で、瑠璃殿、どうしてここに?」
抱きしめられるというほどの距離ではないけれど、シュウトの腕の中にすっぽりと収まってしまった私は、余計に言いずらくなってしまう。けれど───。
きゅるるるるるるる
私のお腹が代弁してくれた。
次の瞬間、私が赤面するのと、シュウトが堪えきれず噴出すのはほぼ同時だった。
「はははっ、ちょっと待ってろ」
「え?あっ、ちょっと────」
私が引き留めようと声を掛けたが、既にシュウトは消えてしまっていた。
───そして、待つこと数分。
「ほら、食べろ」
シュウトの部屋の前の縁側に、私とシュウトは並んで腰掛けている。そして、私の目の前には、おにぎり、煮物、お浸しといった、すきっ腹に優しいラインナップの膳が置かれていた。
今すぐ食べたい。けれど人前で食べ物を口にするのは抵抗がある、とうか恥ずかしい。
ちらりと、シュウトを伺い見れば、気を遣ってくれているのか、視線は庭を向いていてくれている。
「いただきます」
そう言葉にしても、シュウトは小さく頷くだけだった。
やはり見ないでおいてくれるのだ。それなら、早々にいただこうと口に入れた瞬間、自分が思っていた以上に空腹だったみたいで、あっという間に完食してしまった。
「……ごちそうさまでした」
残してしまうのは申し訳ないことだけど、あっという間に食べ終えてしまったことはそれで恥ずかしい。
もごもごと手を合わせて、食事の挨拶を終えた私にシュウトは頭をわしゃわしゃと撫でた。そして素早い動きで、私の膳を持ち立ち上がった。
「あっ、私が運びます」
シュウトの屋敷で私は居候の身。膳まで下げられてしまうのは申し訳ない。慌てて私も立ち上がり、膳を奪い取ろうとしたけれど素早い動きでよけられてしまった。
「ちょっと待ってろ」
不服そうに見つめる私に、シュウトは飄々とそう言うと再び台所へと消えてしまった。そしてすぐ戻って来た彼の手には盆の上に湯気のたった湯呑みが二つ。
「淹れ直してきた、飲め」
そう言って、シュウトは再び私に湯呑を手渡す。
「あっ、ありいがとう」
噛んでしまった。でも、シュウトは気付いてないみたいだから、黙っていよう。
ふうふう息を吹きかけながらお茶を飲もうとしたら、視線を感じて顔をあげるとシュウトと目が合った。
その時に唐突に気付いてしまった。シュウトは私との距離を見つけたんだ、と。
お互い片側通行だった空気は、まだぎこちなさを残しながらも、この夜を境になじんでいくのだという予感がした。
中央の庭は真ん中に池があって、その池の側には大きな桜木がある。他にも季節に応じた木々が植えてあるけど、鬱蒼としていない。つまり、とても広いのだ。
目の前の庭は深夜でも、灯篭が灯されていて意外に明るかった。もちろん日本の夜に比べれば暗いけれど。
実際こうしてみると広いなぁとか、池に架かっている橋、渡ってみたいなとか、この木、何の木かなとかどうでもいいことを考えながら花鳥風月に遊びたいところだけれど、心中穏やかではない。
なぜなら ────今日、私にキ……いやいや違う、ガブガブした張本人がいるからだ。
実はあの衝撃的な事件の後、私は自室で散々のたうち回った挙句、寝オチしてしまった。
随分と余裕だなと思うけれどそうではない。ただ単に、私の脳がこれ以上の情報を処理できず、強制終了したというのが正解。
けれど人間は脳と身体、この二つでできている。強制終了という名の、睡眠から現実に引き戻したのは身体のほうだった。
「─────……お腹すいた」
呟いた途端、きゅるぅっと、お腹が鳴った。この部屋は私一人だというのはわかっているけれど、思わず顔が赤くなる。
今の私はとても空腹で、どれぐらいかというと多分、コキヒ国で五本の指に入るくらい。
それだけ空腹なのに、何も口にしないのは深夜のご飯はカロリーが気になるから我慢してるとか、好き嫌いが激しくて食べれるものがないとかそういうことではない。
ただ単に夕食を食べそびれ、その結果、深夜に台所で食べ物を漁る自分を想像して、躊躇してるだけ。
それに何より、私が台所の場所を知らないということが、一番の原因なのだ。
今までのほとんどを自室と縁側で過ごしているので、台所の場所などわからない。なにせ、すぐここを離れるつもりだったので、知ろうとも思っていなかったし、知る必要もないと思っていた。
という風に、二の足を踏んでいる私だったが、とうとう寝具がお餅やマシュマロに見えてきてしまったのと、何よりナギから【夜はソワソワしなくていい】というお達しを頂いていたことが決定打となり、重い腰を上げて台所を捜索することにした。
障子を開けて縁側まで出る。さて、台所までのルートは二つ。縁側沿いに歩いて探すか、庭を横断するかだ。台所の場所は多分、夕方、例の件の後、ナギが消えていった先にあると見当はついている。
ただ私の靴は、今はお洗濯中で庭には出れない。そうなると縁側沿いに歩くルートに限られる。できれば最短ルートである庭を斜め横断するのが望ましいのだけど……。
「おっ」
何となく縁側の下を見たら、庭履きがあった。多分、ナギのものなのだろう。ちょっと大きそうだけど、形はミュールみたいで履きやすそうだ。少し借りますと、心の中で断って庭履きに足を通す。
そして私は庭を斜め横断するルートを選び、歩き出した。
けれど、少し歩いた先でふと視線を感じ顔を上げると───そこにシュウトが居た。瞬間、私は真っ白になってしまった。
反対にシュウトは、既に私に気付いていたのだろう。腕を組んで木にもたれかかりながら、こちらを見ているだけ。私と目が合っても、別段、驚く風でもなく少し目元を緩ませただけだった。
互いに手を伸ばしても届かない。けれど顔はわかる───つまり、安全な距離で見つめ合う。月明りのシュウトは、気だるげでいつもより大人っぽい。そういえば私、自分から、ちゃんとシュウトを見るのは初めてだったことにふと気づく。
改めてシュウトを見た感想は────無駄にイケメンだった。癖のない長い黒髪も、笑うと柔らかくなる切れ目も、一つ一つが彫刻のような美しさだった。
庭の桜木が風に煽られ、花びらがはらはらと舞う。そして私とシュウトの間にも一筋の風と花びらが横切る。
まぶしそうに眼を細めるシュウトとその桜の花びらに再び既視感を覚える。こう何度もそれを感じてしまうと、本当にかつてどこかで出会ったような気にさえなってしまう。
でも、ここは異世界。過去にシュウトに会うことは、絶対にありえないこと。
あまりじっと見つめていると、変な誤解を受けてしまいそうで、とりあえず、この望まない邂逅について聞いてみることにした。
「あの、何でこんな夜更けに、こんなところに居るんですか?」
「眠れなくて、夜風に当たっていた…………あと、……ここが俺の部屋だ」
「………………」
なるほど、そうでしたか。つまり私がシュウトのテリトリーに張り込んでしまったようだ。めんどくさがって最短ルートを選んで失敗だった。
「瑠璃はどうしたんだ?」
「…………………………」
反対に問いかけられた私は、口をつぐんでしまう。
なぜなら、お腹がすいて、台所で何か食べれる物を探しに行こうとしてたとは、さすがに言いずらい。
咄嗟に誤魔化す言葉が思い付かず、ずるずると後ずさりする私に、シュウトが慌てた様子で手を伸ばした。
「そう身構えるな。何もしない、こっちに来い」
そう言われてしまえば、無下に逃げることもできない。
足を止めた私にシュウトはほっとした表情で息を吐く。後ろになにかあるのだろうか。何気なく振り返ってしまったら、すぐそこに池がある。なるほど、シュウトはこれを見て、慌てて声を掛けたのか。
「水浴びをするには、まだ少し早いぞ」
その声と共に私はいとも簡単にシュウトは、腕を掴まれ、引き寄せられる。
「で、瑠璃殿、どうしてここに?」
抱きしめられるというほどの距離ではないけれど、シュウトの腕の中にすっぽりと収まってしまった私は、余計に言いずらくなってしまう。けれど───。
きゅるるるるるるる
私のお腹が代弁してくれた。
次の瞬間、私が赤面するのと、シュウトが堪えきれず噴出すのはほぼ同時だった。
「はははっ、ちょっと待ってろ」
「え?あっ、ちょっと────」
私が引き留めようと声を掛けたが、既にシュウトは消えてしまっていた。
───そして、待つこと数分。
「ほら、食べろ」
シュウトの部屋の前の縁側に、私とシュウトは並んで腰掛けている。そして、私の目の前には、おにぎり、煮物、お浸しといった、すきっ腹に優しいラインナップの膳が置かれていた。
今すぐ食べたい。けれど人前で食べ物を口にするのは抵抗がある、とうか恥ずかしい。
ちらりと、シュウトを伺い見れば、気を遣ってくれているのか、視線は庭を向いていてくれている。
「いただきます」
そう言葉にしても、シュウトは小さく頷くだけだった。
やはり見ないでおいてくれるのだ。それなら、早々にいただこうと口に入れた瞬間、自分が思っていた以上に空腹だったみたいで、あっという間に完食してしまった。
「……ごちそうさまでした」
残してしまうのは申し訳ないことだけど、あっという間に食べ終えてしまったことはそれで恥ずかしい。
もごもごと手を合わせて、食事の挨拶を終えた私にシュウトは頭をわしゃわしゃと撫でた。そして素早い動きで、私の膳を持ち立ち上がった。
「あっ、私が運びます」
シュウトの屋敷で私は居候の身。膳まで下げられてしまうのは申し訳ない。慌てて私も立ち上がり、膳を奪い取ろうとしたけれど素早い動きでよけられてしまった。
「ちょっと待ってろ」
不服そうに見つめる私に、シュウトは飄々とそう言うと再び台所へと消えてしまった。そしてすぐ戻って来た彼の手には盆の上に湯気のたった湯呑みが二つ。
「淹れ直してきた、飲め」
そう言って、シュウトは再び私に湯呑を手渡す。
「あっ、ありいがとう」
噛んでしまった。でも、シュウトは気付いてないみたいだから、黙っていよう。
ふうふう息を吹きかけながらお茶を飲もうとしたら、視線を感じて顔をあげるとシュウトと目が合った。
その時に唐突に気付いてしまった。シュウトは私との距離を見つけたんだ、と。
お互い片側通行だった空気は、まだぎこちなさを残しながらも、この夜を境になじんでいくのだという予感がした。
0
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
行き遅れにされた女騎士団長はやんごとなきお方に愛される
めもぐあい
恋愛
「ババアは、早く辞めたらいいのにな。辞めれる要素がないから無理か? ギャハハ」
ーーおーい。しっかり本人に聞こえてますからねー。今度の遠征の時、覚えてろよ!!
テレーズ・リヴィエ、31歳。騎士団の第4師団長で、テイム担当の魔物の騎士。
『テレーズを陰日向になって守る会』なる組織を、他の師団長達が作っていたらしく、お陰で恋愛経験0。
新人訓練に潜入していた、王弟のマクシムに外堀を埋められ、いつの間にか女性騎士団の団長に祭り上げられ、マクシムとは公認の仲に。
アラサー女騎士が、いつの間にかやんごとなきお方に愛されている話。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
運命の歯車が壊れるとき
和泉鷹央
恋愛
戦争に行くから、君とは結婚できない。
恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。
他の投稿サイトでも掲載しております。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】地味顔令嬢は平穏に暮らしたい
入魚ひえん
恋愛
地味で無難な顔立ちの令嬢ティサリアは、よく人違いにあう。
隣国に住む親戚が主催する夜会に参加すると、久々に会う従兄たちとの再会もそこそこに人違いをされ、注目の的となってしまった。
慌てて会場を去ろうとするティサリアだったが、今度は一度見たら忘れるとは思えない、目を見張るような美形の男性に声をかけられて、まさかのプロポーズを受ける。
でも知らない人。
「ごめんなさい! 今のことは誰にも言いませんから気づいて下さい! 本当に人違いなんです!!」
これは平穏に暮らしたいけれどうっかり巻き込まれがちな、だけど事情を知ると放っておけずに助けてしまう令嬢のお話。
***
閲覧ありがとうございます、完結しました!
コメディとシリアス混在+恋愛+わりとほのぼの。他にも仲良し家族等、色々な要素が混ざってます。
人格に難のある方がうろついていますので、苦手な方はご注意ください。
設定はゆるゆるのご都合主義です。R15は念のため。
よろしければどうぞ~。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる