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私と司令官さまの攻防戦
名案を伝授されました②
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廊下をダッシュして、始業10分前に到着した私は、今日も今日とて司令官さまに薬膳茶を淹れる。
ただ今日の私は、いつもとは違う。
普段なら無愛想極まりない顔をして出すけれど、本日は、にっこりと笑みを浮かべみたりする。言っておくけど、これも作戦のうち。伏線なのだ。
「おはようございます。さ、お茶をお持ちしました。どうぞどうぞ」
「…………いただこう」
妙なところでカンの良い司令官さまは、ここで何かに気付いたをようだ。だが、何も言わずカップを傾ける。
「いかがでしょうか?」
「………大変、美味しい」
少し間があったのが気になる。
でも、理解不能な司令官さまのことを気にし始めたら、あれやこれやと気になりだして止まらなくなりそうだ。
なので、なるべく私は、そちらに意識を向けないよう努力をして、更に笑みを深くする。
「そうですか。良かったです。実は毎日出しているこのお茶は、たくさん書類に目を通されている司令官さまの為に、私自らがブレンドさせていただいた薬膳茶なんです」
「ほう」
「効用は、眼精疲労と肩こりと腰痛に聞く薬草が入ってます。あと、苦みを抑えるために、トゥーシェという果実のシロップ漬けも入ってるんです」
「なるほど。知らずに常飲していたけれど、確かに、ここ最近目の疲れが抑えられているような気がする」
真顔で答えてくれる司令官さまに、私は心の中で、イッシッシッとほくそ笑む。
そして、少し悲しそうに肩を落として、こう呟いた。
「…………でも、とても残念です」
スカートの裾をぎゅっと握る小技も忘れずかましてから、上目遣いに司令官さまを見つめる。
「実は、このお茶に使っている薬草達、今日で最後なんです。もう苗もなければ、種もございません。もっというと、薬草園は枯れています」
「…………………」
無言でじっと私の話に耳を傾ける司令官さまは、素晴らしい程の無表情。なんだか絵画に話しかけているようで、ちょっぴりむなしさすら込み上げてくる。
でも、生身のイケメンと会話するよりは、絵画と会話をするほうが、実害が少ないと思うので、これはこれでアリだと結論付ける。そして小芝居を続ける。
「私、司令官さまに毎日飲んで頂きたかったんですが、今日限りだと思うと残念でなりません…………。できればこれからも、ずっと飲んで欲しかったです」
「私の為に、か?」
「はいっ」
満面の笑みで頷けば、司令官さまは信じられないといった感じで目を大きく見開いた。
いや、ちょっと待って。そこまで驚かなくても………。なんだろう、司令官さまの目に映る自分がどんなキャラなのか無性に気になる。でも、これも気にしてはいけない。とにかく芝居を続けよう。ここからが肝心なのだから。
「で、相談なんですが────……急に眉間に皺が寄ったような気がするんですが、お茶もう少し飲んだほうが良いのでは?」
もみ手をせんばかりに、本題を切り出した途端、司令官さまの瞳に不穏な光が宿る。
クソっ。このイケメン、察しが良すぎる。一先ず、ちょっとワンクッション置いて、息をつこうとすれば、すぐさま、司令官さまに有無を言わさぬ圧力で続きを促されてしまった。
あぁっ、もう面倒くさいっ。小芝居なんて、やめっやめっ。ここは、直球勝負でいこう。
「司令官さまっ、私、医務室に併設された薬草園を整えたく思っていますっ。どうか、許可を下さいっ。お願いします!!」
「…………待ちなさい。それは────」
「いいえ、待てませんっ。私の実家は、長年、調剤屋を営んでおりますし、そんじょそこいらの人より私は薬草の知識が豊富です。あっ、実家にマイ薬草園もあります。なので、ひと月ほど、薬草園の整備に尽力を注ぎたく思っておりますっ」
司令官さまの言葉を遮って、精一杯の自己主張をした私は、最後に直角に腰を折る。
───そして、待つこと数秒。司令官さまは溜息と共に口を開いた。
「却下」
「えーっ」
思わず顔を上げ、非難の声を上げた私に、司令官さまは表情を変えずにゆっくりと首を横に振った。
「一か月もここを離れるなど、あり得ない」
「ですが……」
「私は君を離したくない」
───おっふぅ(二回目)。
ダイレクトにそんなことを言われ、頭が真っ白になる。
しかも司令官さまの視線は、獲物を捕らえる猛禽類のように危険な色をしている。え?私、殺される?まじで?
そんな不吉なことを思った途端、司令官さまは、まるで、私の思考を読んだかのように、こちらへと手を伸ばす。
瞬間、首がぽっきんと折れた自分をリアルに想像してしまえば、無意識に、ひぃっと声にならない悲鳴が漏れ、身体がのけぞる。
けれど、司令官さまの手は綺麗な弧を描き、そのままご自身の顎へと着地した。
ほっとしたのもつかの間、司令官さまの形の良い唇は、鋭い質問を紡いだ。
「ところで、これはケイティの入れ知恵か?」
「………………っ」
嘘っ、なんでバレた!?
間髪入れずに、ぎょっと目を剥いてしまえば、それは無言であっても、自白したのも当然。
そして司令官さまは、深い深い溜息を付く。
「シンシア殿、忠告だ。ケイティの言葉を真に受けるな。アイツは、ただ単に自分の業務を君に押し付けているだけだ」
「………と申されますと?」
「アイツの医師としての腕は確かだ。女性でありながら、血を見ても怯えることなく、また、患者の手足があらぬ方向に曲がろうとも、冷静に処置ができる判断能力がある。ただ、如何せん、大雑把というか……はっきり言ってしまえばガサツ、面倒くさがり屋なのだ。薬草園は医師の管轄だ。そして君は私の秘書。管轄外の仕事まで、君が請け負う必要はない」
「…………………」
まぁ、気付いていたけどね。
ケイティ先生は、これを、もったいぶって名案と言ったけれど、ただ単に荒れ果てた薬草園をどうにかしてほしかっただけなのだろう。
でも、別にそれが打算であっても、利用されただけであっても、私は構わない。っていうか、渡りに船。
こっちだって、使えるものはなんでも使おうの精神で乗っかったのだ。だから司令官さまのこの忠告は無視させていただこう。
とはいえ、さすがにそんなことをは口にできない私は、無言でいさせてもらう。でも、司令官さまは、そんな私に向かって、保護者のような表情をつくり、こう言った。
「シンシア殿、大人とはそういう汚い一面を持っている。覚えておくように」
ちょっと待った、司令官さまっ。責任者の特権を私用に使いまくりのあなたが、それ言っちゃいますか!?ちゃんちゃら可笑しいのですがっ。
あんぐりと口を開け、まじまじと司令官さまを見つめてしまう。……でも、やっぱり2秒が限界だった。
そしてぐっと、私は、拳を握りしめる。仕方がない、こうなったら、妥協案で交渉してみるか。不本意だけれど。
「ご忠告ありがとうございます。でも、お言葉ですが、ケイティ先生が薬草園の手入れをマスターするのは、かなり時間を要します………っていうか、多分、一生、無理なような気がします。でも、薬草園は軍人の皆さんにとっても大事なものです。穿った言い方をしてしまいますが、薬草園を枯らしてしまえば、司令官さまも責任を問われます。………司令官さま、ここは一つ、私にお任せください。1週間で、ケイティ先生でも手入れがしやすい薬草園に作り替えてみせますっ」
「一週間か………長い。もう一声、だ」
「ううう……では、期間は一週間のままですが、最初の2日は薬草園に終日従事。でもって、残りは1日置きでっ」
『もってけ泥棒っ。こんちくしょう』的なノリで執務机に両手を叩きつけながら、言い切った途端、司令官さまは、にんまりとした笑みを浮かべた。
「よかろう。君の要求を呑もう」
「あ、ありがとうございますっ」
勢い良く頭を下げた私だったけれど、ふと気付いた。…………自分の要求が1割も通ってないことを。
やっぱり、もうちょっと期間を延ばしてもらうよう交渉してみようかなぁ?でも、それで気分を害されて、全部ナシにされては元も子もない。うーん……悩む。どうしよう。
と、まごまごしているうちに、始業のチャイムが鳴り響いてしまった。
そして司令官さまは、この話は終わりと言わんばかりに、書類ににサインをし始めてしまった。
ただ今日の私は、いつもとは違う。
普段なら無愛想極まりない顔をして出すけれど、本日は、にっこりと笑みを浮かべみたりする。言っておくけど、これも作戦のうち。伏線なのだ。
「おはようございます。さ、お茶をお持ちしました。どうぞどうぞ」
「…………いただこう」
妙なところでカンの良い司令官さまは、ここで何かに気付いたをようだ。だが、何も言わずカップを傾ける。
「いかがでしょうか?」
「………大変、美味しい」
少し間があったのが気になる。
でも、理解不能な司令官さまのことを気にし始めたら、あれやこれやと気になりだして止まらなくなりそうだ。
なので、なるべく私は、そちらに意識を向けないよう努力をして、更に笑みを深くする。
「そうですか。良かったです。実は毎日出しているこのお茶は、たくさん書類に目を通されている司令官さまの為に、私自らがブレンドさせていただいた薬膳茶なんです」
「ほう」
「効用は、眼精疲労と肩こりと腰痛に聞く薬草が入ってます。あと、苦みを抑えるために、トゥーシェという果実のシロップ漬けも入ってるんです」
「なるほど。知らずに常飲していたけれど、確かに、ここ最近目の疲れが抑えられているような気がする」
真顔で答えてくれる司令官さまに、私は心の中で、イッシッシッとほくそ笑む。
そして、少し悲しそうに肩を落として、こう呟いた。
「…………でも、とても残念です」
スカートの裾をぎゅっと握る小技も忘れずかましてから、上目遣いに司令官さまを見つめる。
「実は、このお茶に使っている薬草達、今日で最後なんです。もう苗もなければ、種もございません。もっというと、薬草園は枯れています」
「…………………」
無言でじっと私の話に耳を傾ける司令官さまは、素晴らしい程の無表情。なんだか絵画に話しかけているようで、ちょっぴりむなしさすら込み上げてくる。
でも、生身のイケメンと会話するよりは、絵画と会話をするほうが、実害が少ないと思うので、これはこれでアリだと結論付ける。そして小芝居を続ける。
「私、司令官さまに毎日飲んで頂きたかったんですが、今日限りだと思うと残念でなりません…………。できればこれからも、ずっと飲んで欲しかったです」
「私の為に、か?」
「はいっ」
満面の笑みで頷けば、司令官さまは信じられないといった感じで目を大きく見開いた。
いや、ちょっと待って。そこまで驚かなくても………。なんだろう、司令官さまの目に映る自分がどんなキャラなのか無性に気になる。でも、これも気にしてはいけない。とにかく芝居を続けよう。ここからが肝心なのだから。
「で、相談なんですが────……急に眉間に皺が寄ったような気がするんですが、お茶もう少し飲んだほうが良いのでは?」
もみ手をせんばかりに、本題を切り出した途端、司令官さまの瞳に不穏な光が宿る。
クソっ。このイケメン、察しが良すぎる。一先ず、ちょっとワンクッション置いて、息をつこうとすれば、すぐさま、司令官さまに有無を言わさぬ圧力で続きを促されてしまった。
あぁっ、もう面倒くさいっ。小芝居なんて、やめっやめっ。ここは、直球勝負でいこう。
「司令官さまっ、私、医務室に併設された薬草園を整えたく思っていますっ。どうか、許可を下さいっ。お願いします!!」
「…………待ちなさい。それは────」
「いいえ、待てませんっ。私の実家は、長年、調剤屋を営んでおりますし、そんじょそこいらの人より私は薬草の知識が豊富です。あっ、実家にマイ薬草園もあります。なので、ひと月ほど、薬草園の整備に尽力を注ぎたく思っておりますっ」
司令官さまの言葉を遮って、精一杯の自己主張をした私は、最後に直角に腰を折る。
───そして、待つこと数秒。司令官さまは溜息と共に口を開いた。
「却下」
「えーっ」
思わず顔を上げ、非難の声を上げた私に、司令官さまは表情を変えずにゆっくりと首を横に振った。
「一か月もここを離れるなど、あり得ない」
「ですが……」
「私は君を離したくない」
───おっふぅ(二回目)。
ダイレクトにそんなことを言われ、頭が真っ白になる。
しかも司令官さまの視線は、獲物を捕らえる猛禽類のように危険な色をしている。え?私、殺される?まじで?
そんな不吉なことを思った途端、司令官さまは、まるで、私の思考を読んだかのように、こちらへと手を伸ばす。
瞬間、首がぽっきんと折れた自分をリアルに想像してしまえば、無意識に、ひぃっと声にならない悲鳴が漏れ、身体がのけぞる。
けれど、司令官さまの手は綺麗な弧を描き、そのままご自身の顎へと着地した。
ほっとしたのもつかの間、司令官さまの形の良い唇は、鋭い質問を紡いだ。
「ところで、これはケイティの入れ知恵か?」
「………………っ」
嘘っ、なんでバレた!?
間髪入れずに、ぎょっと目を剥いてしまえば、それは無言であっても、自白したのも当然。
そして司令官さまは、深い深い溜息を付く。
「シンシア殿、忠告だ。ケイティの言葉を真に受けるな。アイツは、ただ単に自分の業務を君に押し付けているだけだ」
「………と申されますと?」
「アイツの医師としての腕は確かだ。女性でありながら、血を見ても怯えることなく、また、患者の手足があらぬ方向に曲がろうとも、冷静に処置ができる判断能力がある。ただ、如何せん、大雑把というか……はっきり言ってしまえばガサツ、面倒くさがり屋なのだ。薬草園は医師の管轄だ。そして君は私の秘書。管轄外の仕事まで、君が請け負う必要はない」
「…………………」
まぁ、気付いていたけどね。
ケイティ先生は、これを、もったいぶって名案と言ったけれど、ただ単に荒れ果てた薬草園をどうにかしてほしかっただけなのだろう。
でも、別にそれが打算であっても、利用されただけであっても、私は構わない。っていうか、渡りに船。
こっちだって、使えるものはなんでも使おうの精神で乗っかったのだ。だから司令官さまのこの忠告は無視させていただこう。
とはいえ、さすがにそんなことをは口にできない私は、無言でいさせてもらう。でも、司令官さまは、そんな私に向かって、保護者のような表情をつくり、こう言った。
「シンシア殿、大人とはそういう汚い一面を持っている。覚えておくように」
ちょっと待った、司令官さまっ。責任者の特権を私用に使いまくりのあなたが、それ言っちゃいますか!?ちゃんちゃら可笑しいのですがっ。
あんぐりと口を開け、まじまじと司令官さまを見つめてしまう。……でも、やっぱり2秒が限界だった。
そしてぐっと、私は、拳を握りしめる。仕方がない、こうなったら、妥協案で交渉してみるか。不本意だけれど。
「ご忠告ありがとうございます。でも、お言葉ですが、ケイティ先生が薬草園の手入れをマスターするのは、かなり時間を要します………っていうか、多分、一生、無理なような気がします。でも、薬草園は軍人の皆さんにとっても大事なものです。穿った言い方をしてしまいますが、薬草園を枯らしてしまえば、司令官さまも責任を問われます。………司令官さま、ここは一つ、私にお任せください。1週間で、ケイティ先生でも手入れがしやすい薬草園に作り替えてみせますっ」
「一週間か………長い。もう一声、だ」
「ううう……では、期間は一週間のままですが、最初の2日は薬草園に終日従事。でもって、残りは1日置きでっ」
『もってけ泥棒っ。こんちくしょう』的なノリで執務机に両手を叩きつけながら、言い切った途端、司令官さまは、にんまりとした笑みを浮かべた。
「よかろう。君の要求を呑もう」
「あ、ありがとうございますっ」
勢い良く頭を下げた私だったけれど、ふと気付いた。…………自分の要求が1割も通ってないことを。
やっぱり、もうちょっと期間を延ばしてもらうよう交渉してみようかなぁ?でも、それで気分を害されて、全部ナシにされては元も子もない。うーん……悩む。どうしよう。
と、まごまごしているうちに、始業のチャイムが鳴り響いてしまった。
そして司令官さまは、この話は終わりと言わんばかりに、書類ににサインをし始めてしまった。
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