12 / 61
私と司令官様の日常
意図のない会話と思いきや
しおりを挟む
「司令官さま、こちらの書類にもサインをお願いします」
「ああ、わかった。では、この書類はサイン済みだから、各部署に仕分けしてくれたまえ」
「はい。かしこまりました。……あ、司令官様、お忙しいところ申し訳ありません。質問です。この書類はここで保管するもので良かったでしょうか?」
「……ああ、間違いない。水色のファイルに保管してくれたまえ」
「はい。ありがとうございます」
以上。司令官さまの執務室より中継しました。
…………なんちゃって。
5秒で引継ぎを終えた私だったけれど、意外にもやれている。やりがいは皆無だけれど。
そして一時は、頭が湧いたかと心配した司令官さまだったけれど、あれから奇行は目にしていない。この半月、至って平穏な日々を送っている。
司令官さまは、わからないことは丁寧に説明をしてくれるし、失敗したところで怒らない。次から気を付けるようにの一言で済んでいる。
ということで、安心して欲しい。私の首はちゃんと胴体にくっついているし、切り取り線も付いていない。
ただ、心配事はある。
それは予定よりも早く仕事を覚えてしまいそうなのだ。
そうなってしまうと、私は非常に困る。とても困る。
だって、気持ちに余裕が生まれてしまうと、何かの拍子で失恋の古傷が痛みそうだし、なによりイケメンと同じ部屋で過ごすことを意識してしまうから。
前者は個人的な問題なので、置いておくけれど、後者は由々しき問題だ。いつかストレスで禿げてしまうかもしれない。そうなったら労災だ。私は絶対に辞職してやる。
あっ、そういえばウィルさんは、空いた時間は、適当に過ごして良いとも言っていた。
なら、皿洗いでもしてこよっかな?運が良ければ皿洗い要員にスカウトされるかもしれない。私は男性じゃないけれど、頭皮は守りたいし。
……っていうか、司令官さまは、イケメンもさることながら今日もピシッと制服を着こなしていらっしゃる。
手袋なんか、眩しい程に白いよ。替えは何枚あるんですかね?引き出しにびっしり並んでいるんですかね?毎朝、いそいそと選んでいるんですかね?ヤバイ、それ想像しちゃったら、マジでウケるんですけど。
「────……シンシア殿、何か気になる点でもあるのか?」
「いいえ、ないです」
「なら、なぜ私をじっと見ていたんだ」
「………………見てましたか?」
「ああ。間違いない」
そう断言され、どうやら自分は司令官さまの手元を凝視していたことに気付く。そして黙秘ダメ絶対と、司令官さまは、あり得ない目力で訴えてくる。
「えっとぉ……手袋を見てました」
「は?」
そう間の抜けた声を出したのは、一瞬で目力再び。いや倍増して、もっと詳しく話せと強迫する。
「何で、軍人さんは常日頃から、白い手袋をしているのかなぁって思いまして…………」
ごにょ、ごにょ、ごにょ。
頭の隅に掠った程度の疑問を口にするのは恥ずかしいし、それ聞いてどうする?という疑問が浮かび上がる。でも、この目力に勝てる魔力は私にはない。
そして、尻すぼみになった私の説明を聞き終えると、司令官さまは至極真面目な顔つきになった。
「なるほど。大変、趣味の良い質問だ。答えることにしよう」
「…………は?」
頭の中で2度ほど反芻してみたけれど、私は間の抜けた声した出すことができない。
けれど、司令官さまは机の上に肘を付き、そのまま指を組むと、静かに語りだした。
「まず、白い手袋には清廉・潔白の象徴という意味がある。ただ一番の理由は、何か動作をしたときに、確実に指示内容が伝わるからだ。実際、白い手袋で指示されると、明確に指示内容を見ることができる。肌の色は人それぞれだし、後ろの景色と混ざり判断が鈍る場合がある。…………まぁ、長々と話してしまったが、要は指示内容の明確化の為だ」
「………そうですか、ありが」
「それと、」
まだ続くのか!?
思わず、げっと呻きそうになる。が、しかし話題を振ったのは他でもない私。
ここで露骨に聞きたくないアピールをするのはさすがにできない。ので、それとなく各部署に配る書類の束を抱え、すり足歩行で距離を取る………つもりだったけれど、司令官さまと目が合った途端、身体がピタリと停止する。
え?なに、この司令官さまの目力。吸引力が半端ないんですけど。あなたメデューサですか?
という言葉を口に出せない私は、微力ながら目で訴えてみたものの、瞬殺されてしまった。
「結婚式では、花婿は右手に白い手袋を持つ。ただ、これは持つだけで、身につける事はない。それは花嫁を守る証として、手にはめる為のものではなく、花嫁を守る剣の象徴として持つからだ。それと、同じ意味合いで、新婦の父親は娘を守ってきた証として、バージンロードを歩く際、右手に手袋を持つ。その理由は、今まで大切な娘を守ってきたという意味があるからだ」
へぇー………すんげぇ、くだらねぇ。
結婚を夢見る、ルンルン乙女が聞いたなら、キャッキャウフフとテンションも上がるだろう。でも、私は未だにブロークンハート状態。
そんな私に、こんな話をする司令官さま、言葉を選ばずに言わせてください。お前、マジ鬼畜かよ。っていうか、失恋したって言いましたよね?私。意地悪ですか?パワハラですか?
………こんなイケメン、くたばれば良いのに。
なんてことを素直に口に出せたらどんなにスカッとするだろう。でも、その瞬間、私の首もスカッと胴体から離れること間違いない。
「……以上、他に質問はあるか?」
「ないです」
更に質問を重ねる司令官さまに向かって、今度は食い気味に返答させていただいた。
そして、事細かに教えていただいた一生使うことがない豆知識は、即刻、頭の中で消去させていただくことにする。
でも、二度と手袋については質問をしませんっ(敬礼)。
などということは言えない私は、今度こそ書類を手にしたまま、司令官さまと距離を取る。
そして脱兎のごとく部屋を飛び出そうとした。けれど───。
「ちなみにシンシア殿、この話を聞いて、君はどう思った?特に後半の部分に関して君の率直な意見を聞きたい」
司令官さまは、クソウザい質問をぶっ込んできやがった。
「は?い、意見ですか?……えっとぉ……そ、そうですねぇ………手袋ごとき、いえ、手袋一つにも意味があることを学びました。そして素敵なお話ですね」
私には一生縁はないと思いますが。あと、いい加減、私が失恋したことを思い出せ。完治前の心の傷に、言葉の塩を摺り込むんじゃねえよ。
後半の部分は心の中で呟いて、私は引き攣った笑みを浮かべた。
そして、司令官さまが再び口を開く前に、サイン済みの書類を各部署に配るために、執務室を後にしたのであった。
───さてさてこの会話から、まさか翌日、あんな流れになるなんて誰が予測できただろう。
うん。やっぱりイケメンの考えることは理解不能だ。関わり合いになりたくない。
「ああ、わかった。では、この書類はサイン済みだから、各部署に仕分けしてくれたまえ」
「はい。かしこまりました。……あ、司令官様、お忙しいところ申し訳ありません。質問です。この書類はここで保管するもので良かったでしょうか?」
「……ああ、間違いない。水色のファイルに保管してくれたまえ」
「はい。ありがとうございます」
以上。司令官さまの執務室より中継しました。
…………なんちゃって。
5秒で引継ぎを終えた私だったけれど、意外にもやれている。やりがいは皆無だけれど。
そして一時は、頭が湧いたかと心配した司令官さまだったけれど、あれから奇行は目にしていない。この半月、至って平穏な日々を送っている。
司令官さまは、わからないことは丁寧に説明をしてくれるし、失敗したところで怒らない。次から気を付けるようにの一言で済んでいる。
ということで、安心して欲しい。私の首はちゃんと胴体にくっついているし、切り取り線も付いていない。
ただ、心配事はある。
それは予定よりも早く仕事を覚えてしまいそうなのだ。
そうなってしまうと、私は非常に困る。とても困る。
だって、気持ちに余裕が生まれてしまうと、何かの拍子で失恋の古傷が痛みそうだし、なによりイケメンと同じ部屋で過ごすことを意識してしまうから。
前者は個人的な問題なので、置いておくけれど、後者は由々しき問題だ。いつかストレスで禿げてしまうかもしれない。そうなったら労災だ。私は絶対に辞職してやる。
あっ、そういえばウィルさんは、空いた時間は、適当に過ごして良いとも言っていた。
なら、皿洗いでもしてこよっかな?運が良ければ皿洗い要員にスカウトされるかもしれない。私は男性じゃないけれど、頭皮は守りたいし。
……っていうか、司令官さまは、イケメンもさることながら今日もピシッと制服を着こなしていらっしゃる。
手袋なんか、眩しい程に白いよ。替えは何枚あるんですかね?引き出しにびっしり並んでいるんですかね?毎朝、いそいそと選んでいるんですかね?ヤバイ、それ想像しちゃったら、マジでウケるんですけど。
「────……シンシア殿、何か気になる点でもあるのか?」
「いいえ、ないです」
「なら、なぜ私をじっと見ていたんだ」
「………………見てましたか?」
「ああ。間違いない」
そう断言され、どうやら自分は司令官さまの手元を凝視していたことに気付く。そして黙秘ダメ絶対と、司令官さまは、あり得ない目力で訴えてくる。
「えっとぉ……手袋を見てました」
「は?」
そう間の抜けた声を出したのは、一瞬で目力再び。いや倍増して、もっと詳しく話せと強迫する。
「何で、軍人さんは常日頃から、白い手袋をしているのかなぁって思いまして…………」
ごにょ、ごにょ、ごにょ。
頭の隅に掠った程度の疑問を口にするのは恥ずかしいし、それ聞いてどうする?という疑問が浮かび上がる。でも、この目力に勝てる魔力は私にはない。
そして、尻すぼみになった私の説明を聞き終えると、司令官さまは至極真面目な顔つきになった。
「なるほど。大変、趣味の良い質問だ。答えることにしよう」
「…………は?」
頭の中で2度ほど反芻してみたけれど、私は間の抜けた声した出すことができない。
けれど、司令官さまは机の上に肘を付き、そのまま指を組むと、静かに語りだした。
「まず、白い手袋には清廉・潔白の象徴という意味がある。ただ一番の理由は、何か動作をしたときに、確実に指示内容が伝わるからだ。実際、白い手袋で指示されると、明確に指示内容を見ることができる。肌の色は人それぞれだし、後ろの景色と混ざり判断が鈍る場合がある。…………まぁ、長々と話してしまったが、要は指示内容の明確化の為だ」
「………そうですか、ありが」
「それと、」
まだ続くのか!?
思わず、げっと呻きそうになる。が、しかし話題を振ったのは他でもない私。
ここで露骨に聞きたくないアピールをするのはさすがにできない。ので、それとなく各部署に配る書類の束を抱え、すり足歩行で距離を取る………つもりだったけれど、司令官さまと目が合った途端、身体がピタリと停止する。
え?なに、この司令官さまの目力。吸引力が半端ないんですけど。あなたメデューサですか?
という言葉を口に出せない私は、微力ながら目で訴えてみたものの、瞬殺されてしまった。
「結婚式では、花婿は右手に白い手袋を持つ。ただ、これは持つだけで、身につける事はない。それは花嫁を守る証として、手にはめる為のものではなく、花嫁を守る剣の象徴として持つからだ。それと、同じ意味合いで、新婦の父親は娘を守ってきた証として、バージンロードを歩く際、右手に手袋を持つ。その理由は、今まで大切な娘を守ってきたという意味があるからだ」
へぇー………すんげぇ、くだらねぇ。
結婚を夢見る、ルンルン乙女が聞いたなら、キャッキャウフフとテンションも上がるだろう。でも、私は未だにブロークンハート状態。
そんな私に、こんな話をする司令官さま、言葉を選ばずに言わせてください。お前、マジ鬼畜かよ。っていうか、失恋したって言いましたよね?私。意地悪ですか?パワハラですか?
………こんなイケメン、くたばれば良いのに。
なんてことを素直に口に出せたらどんなにスカッとするだろう。でも、その瞬間、私の首もスカッと胴体から離れること間違いない。
「……以上、他に質問はあるか?」
「ないです」
更に質問を重ねる司令官さまに向かって、今度は食い気味に返答させていただいた。
そして、事細かに教えていただいた一生使うことがない豆知識は、即刻、頭の中で消去させていただくことにする。
でも、二度と手袋については質問をしませんっ(敬礼)。
などということは言えない私は、今度こそ書類を手にしたまま、司令官さまと距離を取る。
そして脱兎のごとく部屋を飛び出そうとした。けれど───。
「ちなみにシンシア殿、この話を聞いて、君はどう思った?特に後半の部分に関して君の率直な意見を聞きたい」
司令官さまは、クソウザい質問をぶっ込んできやがった。
「は?い、意見ですか?……えっとぉ……そ、そうですねぇ………手袋ごとき、いえ、手袋一つにも意味があることを学びました。そして素敵なお話ですね」
私には一生縁はないと思いますが。あと、いい加減、私が失恋したことを思い出せ。完治前の心の傷に、言葉の塩を摺り込むんじゃねえよ。
後半の部分は心の中で呟いて、私は引き攣った笑みを浮かべた。
そして、司令官さまが再び口を開く前に、サイン済みの書類を各部署に配るために、執務室を後にしたのであった。
───さてさてこの会話から、まさか翌日、あんな流れになるなんて誰が予測できただろう。
うん。やっぱりイケメンの考えることは理解不能だ。関わり合いになりたくない。
0
お気に入りに追加
2,133
あなたにおすすめの小説
駄作ラノベのヒロインに転生したようです
きゃる
恋愛
真面目な私がふしだらに――!?
『白銀の聖女』と呼ばれるシルヴィエラは、修道院の庭を掃除しながら何げなく呟いた。「はあ~。温かいお茶といちご大福がセットで欲しい」。その途端、彼女は前世の記憶を思い出す……だけでは済まず、ショックを受けて青ざめてしまう。
なぜならここは『聖女はロマンスがお好き』という、ライトノベルの世界だったから。絵だけが素晴らしく内容は駄作で、自分はその、最低ヒロインに生まれ変わっている!
それは、ヒロインのシルヴィエラが気絶と嘘泣きを駆使して、男性を次々取り替えのし上がっていくストーリーだ。まったく面白くなかったため、主人公や作者への評価は最悪だった。
『腹黒女、節操なし、まれに見る駄作、聖女と言うより性女』ああ、思い出すのも嫌。
ラノベのような生き方はしたくないと、修道院を逃げ出したシルヴィエラは……?
一生懸命に生きるヒロインの、ドタバタコメディ。ゆる~く更新する予定です。
お妃さま誕生物語
すみれ
ファンタジー
シーリアは公爵令嬢で王太子の婚約者だったが、婚約破棄をされる。それは、シーリアを見染めた商人リヒトール・マクレンジーが裏で糸をひくものだった。リヒトールはシーリアを手に入れるために貴族を没落させ、爵位を得るだけでなく、国さえも手に入れようとする。そしてシーリアもお妃教育で、世界はきれいごとだけではないと知っていた。
小説家になろうサイトで連載していたものを漢字等微修正して公開しております。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
宝石精霊に溺愛されていますが、主の命令を聞いてくれません
真風月花
恋愛
嘘でしょう? 王女であるわたくしが婚約を破棄されるだなんて。身分違いの婚約者から、あろうことか慰謝料代わりに宝石を投げつけられたアフタル。だがその宝石には精霊が宿っていて、アフタルに「俺を選べ」と主従関係を命じる。ちゃんと命令を聞いてくれない、強引な精霊にふりまわされるアフタルが、腐敗した王家を立て直す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる