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【現在】居候、ときどき助手編
✯.暗殺者が望むもの
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愛しき人からの口付けを受け、この上ない幸福に満たされる。そして、色鮮やかになった世界が廻り出す。
彼女を手にするまでに、どれほど悩み苦しんだのだろう。望みを口にしたら最期だと、地に落ちると分かっていながら手放せなくなると頭ではわかっていたのだが。
突然目の前に現れたミドリに特別な思いを抱いても、いずれは元の世界に戻るものだと、そしてその時は手を伸ばすことはせず笑って見送ってやれると思っていた。
だがまさに絵空事だった。
戦争が終わり、いざ彼女が元の世界に戻ることに現実を帯びてきた途端、気が狂いそうなほどミドリが欲しかったのだということに気付かされた。
ようやく手に入れた彼女と共に迎える朝を、きっとこれから先、何度も繰り返し思い出すことになるのだろう。胸の痛みと共に……。
ミドリの前では誠実であろうとしている自分だが、一つだけ嘘をついた。醜く歪んだ自分勝手な嘘を。
【王様の魔法が成功して私が日本に帰ってたら、デュアはどうしてたの?】
彼女の問いに、自分はズルい手を使って誤魔化した。本当の答えは、どうもこうもない。魔法が成功してもしなくても、ミドリが元の世界に戻ることはなかったのだから。
ミドリは逃げ出さずに向き合うことを知っている。そしてそれを行動にすることができる強い人間だ。
けれど自分は愛しき人に嫌われることを恐れ、汚い大人のごまかしをしてしまった。
それほどまでに彼女を求める自分がいる。そして、この世には等価交換という言葉がある。何かを得るには、それ相応の対価が必要になるということ。
ならば、この国で最も尊き存在の女性を手に入れるためには、どれくらいの代価が必要となるのだろうか。いや、この身で払えるものならば、何でも差し出すつもりだ。
そう覚悟を決めて1年前のあの晩、自分はこの国で唯一無二の存在である男の元へと足を運んだ。
ミドリを手に入れる為の契約を結ぶために。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
夜の帳が下りた王城は、深い闇に閉ざされて自分の足音だけが響く。
真っすぐに向かった先は、この国の王の間。部屋の前で立ち止まれば、音もなく扉が開く。ノックをする必要もない。なぜなら、この空間は王が監視魔法が張り巡しているからだ。そもそも不審者など、立ち入ることはできない。
「やあ、そろそろ来る頃だと思ってたよ」
ゆうに3人は腰かけられる壮麗な椅子に、足を組んでこちらを見る王に自分は、入室の挨拶も、臣下の礼を取ることもなく、真っすぐ向き合う。
無駄な会話をするつもりはない。俺は、用件だけを口にした。
「王の代弁者となろう」
瞬間、王はすっと目を細めた。
「で、君はそれと引き換えに何を望むんだい?」
その言葉だけで、これが取引とわかるぐらい、この男との付き合いは長い。だから俺は、迷うことなく望みを口にした。
「聖女ミドリを俺にくれ」
「……そうか、やっと腹をくくったようだね。間に合って良かった」
僅かな間の後、王はぐっと拳を握り、ゆっくりと手を開いた。その手の中には黒く鈍く光る、王の代弁者の証が現れた。
数歩進み、王と向き合いそれを無言で受けとる。
手渡された黒い鉄の塊は、引き金を引くだけで、人の命を奪えるこの国で唯一無二の最も残酷な武器だった。
「あの娘、明日、元の世界に戻るつもりだよ。しかもご丁寧にも皆の記憶から自分の存在を消した後に、ね」
「やっぱりか」
ひじ掛けに肘を置き、顎を乗せながらこちらを見る王は、意地の悪い笑みを浮かべている。けれど、自分は別段、驚きはしない。
自分の懐にあるのは、ミドリから贈られた藤色のリボン。もともと彼女が元いた世界で身に付けていたもの。まるで今生の別れのように差し出された瞬間、彼女が元の世界に戻ることを心に決めていることを察していたのだ。
だからこそ、ここに自分がいる。
「彼女は元の世界になど、戻さない。皆の記憶が消えたと同時にかっさらう。ミドリの記憶を俺だけ残しておいてくれ」
瞬間、王は豪快に声を上げて笑った。
「いいね、それ、面白すぎる。あの娘の驚く顔が目に浮かぶよ。じゃ、さっそく、前払いをしようか」
王は懐から何かを取り出し、こちらへと放った。片手でそれを受け取れば、この国の紋章が彫られた化粧箱で、そして蓋を開ければ側近の証であるブレスレット。同じものを既に自分は嵌めてある。
「これは?」
訝しげに眉を寄せた自分に、王は腕を組みながらこう答えた。
「今のを外して、これに付け替えれば私の魔法は無力化される。ま、当日は怪しまれないように裏方警護とでも偽って、その辺の物陰にでも隠れていればいいさ」
まるでちょっとしたイタズラを思いついたような顔をする王に向かい自分はどんな顔をしているのだろう。
人一人の人間の人生を大きく狂わそうとしているのに、この王はさも可笑しそうに口の端に笑みを浮かべるだけだった。
「手に入れてごらん。この国の至宝を」
艶やかに笑う王の目に、微かにミドリに対する恋慕が見えた。
目の前に居るのはこの国で最も尊き存在であり、誰も逆らうことのなどできない最高の権力者であり、そしてこの国でもっとも秀でた魔術師などだ。
けれど、そんなことは知ったことではない。一人の女性を前にすれば、所詮、騎士でも王でも一人の男に成り下がるもの。
王がミドリを諦めるという選択肢を取った、けれど自分はミドリを力づくで奪うことをきめた。
……そう、それなのに、奪い去ろうとした少女は、一目散に逃げだしてしまったのだった。
王に悪態ついて逃げ出した彼女を咄嗟に呼び止めてしまったけれど、彼女は気付きもしないで背を向けて走り去ってしまったのだ。まさに風のように。
それから忙しい政務の合間を縫って、何度もミドリのことを探しに方々へ足を運んだ。けれど、彼女は雲のように、また風のようにひらりと姿をくらまし、捕まえることができなかった。
日に日に心配は募るばかり。鬱々とした日々を過ごしながら、再会する日々を切望していた。そしてそれから1年後、彼女と再会を果たすことになる。
……そうまさか、よりによって、なぜこんな時に、と思うようなタイミングで。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「アイツらしいちゃ、アイツらしいよなぁ……」
ベッドの脇にあるテーブルに投げ出したままの拳銃───という名の武器を手にする。
朝日を浴びて鈍く光るこれは、王の代弁者の証。
確実に人の命を奪うもの、そしてこの国の秩序を保つためのもの。
それでは、そろそろ始めようか。
この世界は力づくで奪った愛しき人の鳥かご。ならせめて、居心地よく彼女の笑顔が曇ることのないように、そして彼女が生きていくこの地が、穏やかであるよう願いを込めて────。
それがせめてもの贖罪であり、自分の命が続く限りこの血塗られた道を歩み続ける為の道しるべとなる。
ミドリは自分が王の代弁者になったことに深い罪悪感を抱いている。けれど、これは自分が望んだ形。
自分には自分の幸せがある。
彼女がこれから先、生き続けるこの世界を住みよくできるよう携われることができるのだから。
窓から差し込む朝日に目をやり、眩しくて目を細める。
彼女が望むものは全て叶えてやりたい。けれど、叶えられないもの……というか、抑えきれないものがあるのも事実。
「ま、俺が待てる間は待ってやる。だけど、なるべく早く覚悟を決めてくれよ」
こんなにも大切にしたいと思ったのは初めてで、だからこぞミドリが壊れないように傷つかないように我慢ができる。手を出したい欲望をそれこそ必死で抑え込むことができる。
でも、結局のところ口付けだけでは足りず、体はミドリを欲し疼いている自分がいる。
「……愛してるよ、ミドリ」
けれど不思議と心は満たされている。……今のところは。
ミドリが考えているより、自分はそんなに大人ではない。きっとあっという間に追いつかれてしまうのだろう。
自嘲気味に笑みを浮かべ、そっと彼女の残像に口付けをした。
彼女を手にするまでに、どれほど悩み苦しんだのだろう。望みを口にしたら最期だと、地に落ちると分かっていながら手放せなくなると頭ではわかっていたのだが。
突然目の前に現れたミドリに特別な思いを抱いても、いずれは元の世界に戻るものだと、そしてその時は手を伸ばすことはせず笑って見送ってやれると思っていた。
だがまさに絵空事だった。
戦争が終わり、いざ彼女が元の世界に戻ることに現実を帯びてきた途端、気が狂いそうなほどミドリが欲しかったのだということに気付かされた。
ようやく手に入れた彼女と共に迎える朝を、きっとこれから先、何度も繰り返し思い出すことになるのだろう。胸の痛みと共に……。
ミドリの前では誠実であろうとしている自分だが、一つだけ嘘をついた。醜く歪んだ自分勝手な嘘を。
【王様の魔法が成功して私が日本に帰ってたら、デュアはどうしてたの?】
彼女の問いに、自分はズルい手を使って誤魔化した。本当の答えは、どうもこうもない。魔法が成功してもしなくても、ミドリが元の世界に戻ることはなかったのだから。
ミドリは逃げ出さずに向き合うことを知っている。そしてそれを行動にすることができる強い人間だ。
けれど自分は愛しき人に嫌われることを恐れ、汚い大人のごまかしをしてしまった。
それほどまでに彼女を求める自分がいる。そして、この世には等価交換という言葉がある。何かを得るには、それ相応の対価が必要になるということ。
ならば、この国で最も尊き存在の女性を手に入れるためには、どれくらいの代価が必要となるのだろうか。いや、この身で払えるものならば、何でも差し出すつもりだ。
そう覚悟を決めて1年前のあの晩、自分はこの国で唯一無二の存在である男の元へと足を運んだ。
ミドリを手に入れる為の契約を結ぶために。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
夜の帳が下りた王城は、深い闇に閉ざされて自分の足音だけが響く。
真っすぐに向かった先は、この国の王の間。部屋の前で立ち止まれば、音もなく扉が開く。ノックをする必要もない。なぜなら、この空間は王が監視魔法が張り巡しているからだ。そもそも不審者など、立ち入ることはできない。
「やあ、そろそろ来る頃だと思ってたよ」
ゆうに3人は腰かけられる壮麗な椅子に、足を組んでこちらを見る王に自分は、入室の挨拶も、臣下の礼を取ることもなく、真っすぐ向き合う。
無駄な会話をするつもりはない。俺は、用件だけを口にした。
「王の代弁者となろう」
瞬間、王はすっと目を細めた。
「で、君はそれと引き換えに何を望むんだい?」
その言葉だけで、これが取引とわかるぐらい、この男との付き合いは長い。だから俺は、迷うことなく望みを口にした。
「聖女ミドリを俺にくれ」
「……そうか、やっと腹をくくったようだね。間に合って良かった」
僅かな間の後、王はぐっと拳を握り、ゆっくりと手を開いた。その手の中には黒く鈍く光る、王の代弁者の証が現れた。
数歩進み、王と向き合いそれを無言で受けとる。
手渡された黒い鉄の塊は、引き金を引くだけで、人の命を奪えるこの国で唯一無二の最も残酷な武器だった。
「あの娘、明日、元の世界に戻るつもりだよ。しかもご丁寧にも皆の記憶から自分の存在を消した後に、ね」
「やっぱりか」
ひじ掛けに肘を置き、顎を乗せながらこちらを見る王は、意地の悪い笑みを浮かべている。けれど、自分は別段、驚きはしない。
自分の懐にあるのは、ミドリから贈られた藤色のリボン。もともと彼女が元いた世界で身に付けていたもの。まるで今生の別れのように差し出された瞬間、彼女が元の世界に戻ることを心に決めていることを察していたのだ。
だからこそ、ここに自分がいる。
「彼女は元の世界になど、戻さない。皆の記憶が消えたと同時にかっさらう。ミドリの記憶を俺だけ残しておいてくれ」
瞬間、王は豪快に声を上げて笑った。
「いいね、それ、面白すぎる。あの娘の驚く顔が目に浮かぶよ。じゃ、さっそく、前払いをしようか」
王は懐から何かを取り出し、こちらへと放った。片手でそれを受け取れば、この国の紋章が彫られた化粧箱で、そして蓋を開ければ側近の証であるブレスレット。同じものを既に自分は嵌めてある。
「これは?」
訝しげに眉を寄せた自分に、王は腕を組みながらこう答えた。
「今のを外して、これに付け替えれば私の魔法は無力化される。ま、当日は怪しまれないように裏方警護とでも偽って、その辺の物陰にでも隠れていればいいさ」
まるでちょっとしたイタズラを思いついたような顔をする王に向かい自分はどんな顔をしているのだろう。
人一人の人間の人生を大きく狂わそうとしているのに、この王はさも可笑しそうに口の端に笑みを浮かべるだけだった。
「手に入れてごらん。この国の至宝を」
艶やかに笑う王の目に、微かにミドリに対する恋慕が見えた。
目の前に居るのはこの国で最も尊き存在であり、誰も逆らうことのなどできない最高の権力者であり、そしてこの国でもっとも秀でた魔術師などだ。
けれど、そんなことは知ったことではない。一人の女性を前にすれば、所詮、騎士でも王でも一人の男に成り下がるもの。
王がミドリを諦めるという選択肢を取った、けれど自分はミドリを力づくで奪うことをきめた。
……そう、それなのに、奪い去ろうとした少女は、一目散に逃げだしてしまったのだった。
王に悪態ついて逃げ出した彼女を咄嗟に呼び止めてしまったけれど、彼女は気付きもしないで背を向けて走り去ってしまったのだ。まさに風のように。
それから忙しい政務の合間を縫って、何度もミドリのことを探しに方々へ足を運んだ。けれど、彼女は雲のように、また風のようにひらりと姿をくらまし、捕まえることができなかった。
日に日に心配は募るばかり。鬱々とした日々を過ごしながら、再会する日々を切望していた。そしてそれから1年後、彼女と再会を果たすことになる。
……そうまさか、よりによって、なぜこんな時に、と思うようなタイミングで。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「アイツらしいちゃ、アイツらしいよなぁ……」
ベッドの脇にあるテーブルに投げ出したままの拳銃───という名の武器を手にする。
朝日を浴びて鈍く光るこれは、王の代弁者の証。
確実に人の命を奪うもの、そしてこの国の秩序を保つためのもの。
それでは、そろそろ始めようか。
この世界は力づくで奪った愛しき人の鳥かご。ならせめて、居心地よく彼女の笑顔が曇ることのないように、そして彼女が生きていくこの地が、穏やかであるよう願いを込めて────。
それがせめてもの贖罪であり、自分の命が続く限りこの血塗られた道を歩み続ける為の道しるべとなる。
ミドリは自分が王の代弁者になったことに深い罪悪感を抱いている。けれど、これは自分が望んだ形。
自分には自分の幸せがある。
彼女がこれから先、生き続けるこの世界を住みよくできるよう携われることができるのだから。
窓から差し込む朝日に目をやり、眩しくて目を細める。
彼女が望むものは全て叶えてやりたい。けれど、叶えられないもの……というか、抑えきれないものがあるのも事実。
「ま、俺が待てる間は待ってやる。だけど、なるべく早く覚悟を決めてくれよ」
こんなにも大切にしたいと思ったのは初めてで、だからこぞミドリが壊れないように傷つかないように我慢ができる。手を出したい欲望をそれこそ必死で抑え込むことができる。
でも、結局のところ口付けだけでは足りず、体はミドリを欲し疼いている自分がいる。
「……愛してるよ、ミドリ」
けれど不思議と心は満たされている。……今のところは。
ミドリが考えているより、自分はそんなに大人ではない。きっとあっという間に追いつかれてしまうのだろう。
自嘲気味に笑みを浮かべ、そっと彼女の残像に口付けをした。
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