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【現在】ホームレス編
5.暗殺者に保護されました
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デュアのマントを両手で掴みながら、夜の街を歩く。
二人とも無言だけど、デュアは私の手からマントを外そうと何度も引っ張っている。ごめん、デュア。確かに歩きづらいし、何よりカッコ悪いよね。でも、デュアはもともとカッコいいから、少々マントが不格好になっていても大丈夫。だから今は大目に見てください。え、また引っ張るの?本当にごめん。無理無理、絶対に離さないからね。
と、そんな無言の会話をやり取りしながら、私は一年前、デュアを含め、共に過ごしてくれた人たちのことを思い出していた。
あの頃、聖女だった私にガダルド王は、4人の護衛をつけてくれた。その人達は、もともと王様の側近で、言い換えると王様が信頼している人達でもあった。
主に私の護衛をしてくれたのはアスラとサギルの二人。
アスラは私より年上の女性で、めちゃくちゃ強かった。
そして、めちゃくちゃ美人だった。22歳という大人の女性ということを差し引いてもスラリとした長身に、亜麻色の髪。深い藍色の瞳に象牙のような白い肌。ぶっちゃけアスラの方が聖女らしかった。並んで立つと、私が顔を覆いたくなるくらいの差があった。
でもアスラは、こんなちんちくりんの私を蔑むわけでもなく、異世界に突然召還されてとまどいまくりの私をいつも気にかけてくれた優しいお姉さんだった。
あと、余談だけどアスラはもともと裕福な貴族の娘らしい。でも、意に沿わない結婚に背くために、剣士になったという逞しい経歴の持ち主だった。
ちなみに私が出会ってすぐも、お別れするときもアスラには恋人がいなかった。
兵士の中には、自分から志願したという貴族の若者もいたし、平民だけど気さくでアスラと並んだら絵になるような美丈夫もいた。けれど、その誰もがアスラのお眼鏡に適わなかった。
一度だけアスラに、好きな男性のタイプを聞いてみたけれど、一言【無口な人】とだけ返ってきた。 それを傍で聞いていた兵隊さんたちは途端に無口になった。あれから、一年以上経ってるんだ、きっとアスラには素敵な恋人ができたのだろう。
そしてもう一人のサギルは、いかにもっていう感じの剣士で、口より先に体が動いていた。
一見、厳つい体と野太い声、おまけに赤茶色の刈り上げた短髪に無精髭という姿で最初は怖くて、自分から話かけられなかった。でも屈託なく笑う様は豪放磊落という言葉が、世界で一番似合う人だったので、すぐに私は子犬のように懐いてしまった。
サギルはライ隊長と旧知の仲で、じゃれ合っていたのか喧嘩をしていたのかわからないけれど、とにかく暇さえあれば剣を振り回していた。
私もサギルに剣を教えてもらおうと思ったけど、アスラに大反対されて結局、稽古をつけてもらえなかった。
これもまた余談だけど、初めてサギルを見た時、絶対に三十路だと思っていたけれど、実はアスラと同じ22歳だった。それを知ったとき、本当に驚いた。っていうか、実は今でも年齢査証しているのではないかと疑っているのはここだけの話ということで。
あと、護衛というよりは、友達のような存在で側にいてくれたのは、カダンだった。歳も近くで過ごした時間も一番多かった。ふわふわの金髪にくるくるの大きな目は、まるで女の子みたいですぐに打ち解けることができたのだ。
戦争中は軍服に帯剣が基本だったので、カダンも剣士だと思っていた。けれど、カダンは軍師だった。しかも、まだ19歳なのに稀代の名軍師と呼ばれていた。
普段は私と一緒に遊んだりしていて、そんな風には全然見えなかった。確かに、日本のことを興味深く聞いてくれたりしてくれていたけれど、彼が一番興味をもったのはまさかのダウジングだったのだから。冗談半分に教えた私は、思いっきり引いてしまった。まだ、アレやっているのかなぁ。
でも、ひとたび戦となれば、カダンは別人のように頭がきれた。あ、もう駄目だって思っても、彼は魔法のように形勢を幾度も逆転してくれた。今だから言えるけど、あの時、私は本当にカダンが魔法を使ったと思った。それを当の本人に伝えたら、ものすごく憐れんだ目をされてしまった。
最後にデュア。歳が一番離れていたし、一番寡黙だったせいか、ほとんど話すことはなかった。でも別に嫌いとか、苦手だった訳ではない。
ただ単に、話す機会がほとんどなかっただけだ。デュアは王様の側近も兼ねていたから、顔を合わす機会は軍議のときぐらいだった。……ただ、軍議の時はほとんど睡魔と戦闘中だったので、彼の発言はほとんど覚えていない。
ということで、デュアは寡黙で聡明なお兄さん、という認識でいた。
────その、寡黙なはずのデュアが先ほどから、ずっと口を開いている。すごく意外だな。
「ったく、夜道の独り歩きはどれくらい危険なのかわかっているのか?」
────うん、殺人現場を目撃しちゃうぐらいね。
「戦争が終ったっていっても、まだまだ治安が悪いんだ。油断してると、痛い目にあうぞ」
────うん、できれはその台詞は、昨日聞きたかったな。
「いいか、俺のような得体の知れない人間は、そこら辺にいるんだ。警戒してもし過ぎることなんかないんだぞ」
────うん、ううん?うっわぁー。それ、自分で言っちゃうんだ……。
デュアの屋敷にお邪魔した途端、何であそこにいたんだという当然の質問をされたのだ。
まさか、聖女になって日本に帰りそびれてホームレスしてるなんて馬鹿正直に言えるわけにもいかず、仕様がないから【戦争で家と家族を失って、仕事を求めて王城へ行く途中に病人詐欺にあった】と説明した。
ちなみにこのエピソードは、病人詐欺のお姉さんのエピソードをそのまま拝借したものである。
デュアはその取って付けたような私の言い訳を聞くと、一旦、そうかと納得してくれたけど、その後、怒涛のお説教が始まってしまったのだ。
「で、お前、聞いてんのか?」
ついでに言うと、口も悪かった。戦争中は26歳っていっていたから、今は28歳ってことになる。まだ二十代だというのに説教がおっさんくさい。
「……聞いてます」
胡乱げにこちらを見るデュアだが、私はその視線を、えへへっと笑顔で返す。あ、気持ち悪いって顔をされた。ひどい。
でも、そんなことでは落ち込んだりしない。だって、デュアからそんな風に見られるのは初めてではないからだ。……というか私にだけ、よくそんな目を向けていた。あー懐かしい。でも、ちょっと悲しい。
デュアの声は低く、ビロードのような艶のある特徴的な声で、私はその声が大好きだった。その大好きな声を独り占めできているのに、さっきからお説教ばかりで残念だ。できれば、もっと楽しい話がしたいな。笑った声ってどんな感じなんだろう。
延々と続くデュアの説教をBGMに、そんなことをつらつらと考えていたら───
「お食事の用意ができました。食堂でされますか?それともこちらで?」
ノックと共に初老の男性の声がしてデュアの説教がぴたりと止んでくれた。ありがとう。懐かしいのは懐かしいけど、やっぱり長時間の説教は空腹に堪えていたので、とっても有難いです。
声のする方を振り返ると、入口に控える初老の男性。黒い燕尾服を身に付けているということは、この屋敷の執事さんなのだろう。夜分遅くに、お邪魔してます。
ぺこりとお辞儀をすると、執事さんはにっこりと笑みを返してくれた。あ、おじいちゃん良い人だ。
「ロゼフ、ここで頼む」
デュアの短い言葉にも、ロゼフさんは丁寧に一礼し部屋を後にした。が、あっという間にワゴンを引き、部屋に戻ってくる。
ワゴンには美味しそうな匂いのシチューと、焼き立てパンだった。しかも、パンにはチーズとハムまで挟んである。こんな夜中に押しかけて、こんなおもてなしを受けれるなんて、思ってもみなかった。心の中で親愛を込めてロゼ爺と呼ばせていただきます。
あっという間にロゼ爺はテーブルに料理を並べると、お礼を言うまもなく、一礼してさっと部屋から出て行ってしまった。ありがとうロゼ爺!と心の中でお礼を言った後、すかさず私は、デュアの方を向き口を開いた。
「とりあえず、料理がさめちゃうから、食べながらでもいい?」
きゅるぅぅぅぅと、最高のタイミングでお腹が鳴った。素晴らしい援護射撃です。
ぴくりと眉を動かしたデュアだったけど、無言で食べろと頷いてくれた。
なにはともあれ、良かった、良かった。無事、食事にありつけました。
二人とも無言だけど、デュアは私の手からマントを外そうと何度も引っ張っている。ごめん、デュア。確かに歩きづらいし、何よりカッコ悪いよね。でも、デュアはもともとカッコいいから、少々マントが不格好になっていても大丈夫。だから今は大目に見てください。え、また引っ張るの?本当にごめん。無理無理、絶対に離さないからね。
と、そんな無言の会話をやり取りしながら、私は一年前、デュアを含め、共に過ごしてくれた人たちのことを思い出していた。
あの頃、聖女だった私にガダルド王は、4人の護衛をつけてくれた。その人達は、もともと王様の側近で、言い換えると王様が信頼している人達でもあった。
主に私の護衛をしてくれたのはアスラとサギルの二人。
アスラは私より年上の女性で、めちゃくちゃ強かった。
そして、めちゃくちゃ美人だった。22歳という大人の女性ということを差し引いてもスラリとした長身に、亜麻色の髪。深い藍色の瞳に象牙のような白い肌。ぶっちゃけアスラの方が聖女らしかった。並んで立つと、私が顔を覆いたくなるくらいの差があった。
でもアスラは、こんなちんちくりんの私を蔑むわけでもなく、異世界に突然召還されてとまどいまくりの私をいつも気にかけてくれた優しいお姉さんだった。
あと、余談だけどアスラはもともと裕福な貴族の娘らしい。でも、意に沿わない結婚に背くために、剣士になったという逞しい経歴の持ち主だった。
ちなみに私が出会ってすぐも、お別れするときもアスラには恋人がいなかった。
兵士の中には、自分から志願したという貴族の若者もいたし、平民だけど気さくでアスラと並んだら絵になるような美丈夫もいた。けれど、その誰もがアスラのお眼鏡に適わなかった。
一度だけアスラに、好きな男性のタイプを聞いてみたけれど、一言【無口な人】とだけ返ってきた。 それを傍で聞いていた兵隊さんたちは途端に無口になった。あれから、一年以上経ってるんだ、きっとアスラには素敵な恋人ができたのだろう。
そしてもう一人のサギルは、いかにもっていう感じの剣士で、口より先に体が動いていた。
一見、厳つい体と野太い声、おまけに赤茶色の刈り上げた短髪に無精髭という姿で最初は怖くて、自分から話かけられなかった。でも屈託なく笑う様は豪放磊落という言葉が、世界で一番似合う人だったので、すぐに私は子犬のように懐いてしまった。
サギルはライ隊長と旧知の仲で、じゃれ合っていたのか喧嘩をしていたのかわからないけれど、とにかく暇さえあれば剣を振り回していた。
私もサギルに剣を教えてもらおうと思ったけど、アスラに大反対されて結局、稽古をつけてもらえなかった。
これもまた余談だけど、初めてサギルを見た時、絶対に三十路だと思っていたけれど、実はアスラと同じ22歳だった。それを知ったとき、本当に驚いた。っていうか、実は今でも年齢査証しているのではないかと疑っているのはここだけの話ということで。
あと、護衛というよりは、友達のような存在で側にいてくれたのは、カダンだった。歳も近くで過ごした時間も一番多かった。ふわふわの金髪にくるくるの大きな目は、まるで女の子みたいですぐに打ち解けることができたのだ。
戦争中は軍服に帯剣が基本だったので、カダンも剣士だと思っていた。けれど、カダンは軍師だった。しかも、まだ19歳なのに稀代の名軍師と呼ばれていた。
普段は私と一緒に遊んだりしていて、そんな風には全然見えなかった。確かに、日本のことを興味深く聞いてくれたりしてくれていたけれど、彼が一番興味をもったのはまさかのダウジングだったのだから。冗談半分に教えた私は、思いっきり引いてしまった。まだ、アレやっているのかなぁ。
でも、ひとたび戦となれば、カダンは別人のように頭がきれた。あ、もう駄目だって思っても、彼は魔法のように形勢を幾度も逆転してくれた。今だから言えるけど、あの時、私は本当にカダンが魔法を使ったと思った。それを当の本人に伝えたら、ものすごく憐れんだ目をされてしまった。
最後にデュア。歳が一番離れていたし、一番寡黙だったせいか、ほとんど話すことはなかった。でも別に嫌いとか、苦手だった訳ではない。
ただ単に、話す機会がほとんどなかっただけだ。デュアは王様の側近も兼ねていたから、顔を合わす機会は軍議のときぐらいだった。……ただ、軍議の時はほとんど睡魔と戦闘中だったので、彼の発言はほとんど覚えていない。
ということで、デュアは寡黙で聡明なお兄さん、という認識でいた。
────その、寡黙なはずのデュアが先ほどから、ずっと口を開いている。すごく意外だな。
「ったく、夜道の独り歩きはどれくらい危険なのかわかっているのか?」
────うん、殺人現場を目撃しちゃうぐらいね。
「戦争が終ったっていっても、まだまだ治安が悪いんだ。油断してると、痛い目にあうぞ」
────うん、できれはその台詞は、昨日聞きたかったな。
「いいか、俺のような得体の知れない人間は、そこら辺にいるんだ。警戒してもし過ぎることなんかないんだぞ」
────うん、ううん?うっわぁー。それ、自分で言っちゃうんだ……。
デュアの屋敷にお邪魔した途端、何であそこにいたんだという当然の質問をされたのだ。
まさか、聖女になって日本に帰りそびれてホームレスしてるなんて馬鹿正直に言えるわけにもいかず、仕様がないから【戦争で家と家族を失って、仕事を求めて王城へ行く途中に病人詐欺にあった】と説明した。
ちなみにこのエピソードは、病人詐欺のお姉さんのエピソードをそのまま拝借したものである。
デュアはその取って付けたような私の言い訳を聞くと、一旦、そうかと納得してくれたけど、その後、怒涛のお説教が始まってしまったのだ。
「で、お前、聞いてんのか?」
ついでに言うと、口も悪かった。戦争中は26歳っていっていたから、今は28歳ってことになる。まだ二十代だというのに説教がおっさんくさい。
「……聞いてます」
胡乱げにこちらを見るデュアだが、私はその視線を、えへへっと笑顔で返す。あ、気持ち悪いって顔をされた。ひどい。
でも、そんなことでは落ち込んだりしない。だって、デュアからそんな風に見られるのは初めてではないからだ。……というか私にだけ、よくそんな目を向けていた。あー懐かしい。でも、ちょっと悲しい。
デュアの声は低く、ビロードのような艶のある特徴的な声で、私はその声が大好きだった。その大好きな声を独り占めできているのに、さっきからお説教ばかりで残念だ。できれば、もっと楽しい話がしたいな。笑った声ってどんな感じなんだろう。
延々と続くデュアの説教をBGMに、そんなことをつらつらと考えていたら───
「お食事の用意ができました。食堂でされますか?それともこちらで?」
ノックと共に初老の男性の声がしてデュアの説教がぴたりと止んでくれた。ありがとう。懐かしいのは懐かしいけど、やっぱり長時間の説教は空腹に堪えていたので、とっても有難いです。
声のする方を振り返ると、入口に控える初老の男性。黒い燕尾服を身に付けているということは、この屋敷の執事さんなのだろう。夜分遅くに、お邪魔してます。
ぺこりとお辞儀をすると、執事さんはにっこりと笑みを返してくれた。あ、おじいちゃん良い人だ。
「ロゼフ、ここで頼む」
デュアの短い言葉にも、ロゼフさんは丁寧に一礼し部屋を後にした。が、あっという間にワゴンを引き、部屋に戻ってくる。
ワゴンには美味しそうな匂いのシチューと、焼き立てパンだった。しかも、パンにはチーズとハムまで挟んである。こんな夜中に押しかけて、こんなおもてなしを受けれるなんて、思ってもみなかった。心の中で親愛を込めてロゼ爺と呼ばせていただきます。
あっという間にロゼ爺はテーブルに料理を並べると、お礼を言うまもなく、一礼してさっと部屋から出て行ってしまった。ありがとうロゼ爺!と心の中でお礼を言った後、すかさず私は、デュアの方を向き口を開いた。
「とりあえず、料理がさめちゃうから、食べながらでもいい?」
きゅるぅぅぅぅと、最高のタイミングでお腹が鳴った。素晴らしい援護射撃です。
ぴくりと眉を動かしたデュアだったけど、無言で食べろと頷いてくれた。
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