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季節外れのリュシオル
突然の雨とあの人との邂逅①
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窓拭きの最中に傍らにいたリオンは、暇に耐え切れなくなって廊下に設えてあるソファで、うたた寝を始めてしまった。そんなリオンを起こさないようにそっと抱えて部屋に運ぶ。
それからリオンをベッドに寝かしつけた後、音を立てずに部屋を出れば、予想より早く降り出した雨に結局、悲鳴を上げてしまった。リオンが起きてしまわないか心配したのは一瞬で、次の瞬間、私は大急ぎで洗濯物を取り込むために裏庭に飛び出した。
一目散に取り込んだ洗濯物は、名前の知らない大きな木にロープを張っていたせいで、思いのほか濡れていなくてほっと息をつく。これなら、洗い直しをする必要はなさそうだ。
雨宿りという言い訳をしながら木の下でほんの少しの小休止を取る。降り出した雨は、夕立という程のどしゃぶりではないけれど、当分止みそうもない。
このまま雨が止むのを待つのは時間が惜しいし、そもそも性格上そんなのんびり待っているのは性に合わない。
そういうことで、よしっと気合と共に屋敷までの最短距離を考える。普段は裏方の仕事は人目に付かないよう庭を横切ることはしないが、この雨だ。きっと誰もいないはず。今日だけ庭を横切るのは大目に見てもらおう。
そして洗い立ての洗濯物はメイドの矜持にかけて絶対に濡らさないと心に誓い、籠を覆うように抱えて走り出した。
地面を蹴ると同時に、ぱしゃぱしゃと撥ねる水音を聞きながら全速力で走り抜けた先には東屋がある。そしてそこに、腕を組みながら空を見上げる赤茶色の髪を持つその人が居た。瞬間、トクンと心臓が撥ねた。
彼は散歩中だったのだろうか。突然の雨に足止めされて途方に暮れているようにも、ぼんやりと雨が止むのを待っているようにも見える。どうでも良いけれど、雨の中で東屋に立っているだけなのに恐ろしい程のイケメンっぷりだ。
洗濯物を抱えてずぶ濡れになっている私は、どこからどう見ても濡れネズミという言葉が似合う。制服が鼠色じゃないのが不幸中の幸いだ。
そんな風に彼に目を奪われていたけれど、よくよく考えたら洗濯物を抱えて庭を走る私は無作法者だし、そもそもレナザードは私のことを視界にも入れたくないはずだ。
少し遠回りとなってしまうが、回れ右をして別のルートにしようと踵を返そうとした瞬間、レナザードはゆっくりとこちらを振り返った。
目が合った途端に、彼から舌打ちか溜息が飛んでくるのは間違いない。それを受け止める勇気のないヘタレな私は礼を取りつつ脱兎の如く逃げようとした。けれど───。
「おいちょっと待て」
その声と共にレナザードに腕を掴まれてしまった。
そして彼に腕を掴まれたた途端、自分はあらためて気付いてしまった。胸をかきむしりたくなるほどに、この人を求めていたということを。
しかし今、彼に腕を掴まれて心は二つに避けていた。
再び、レナザードの瞳に自分がうつることを喜んでいる自分、もう一つは、今すぐこの場から去りたいと願う自分がいる。
彼が私を呼び止めたのは、それほどまでして私に伝えたいことがあるからで……それは、間違いなく叱責の類だろう。
心の準備もないまま、あの突き刺すような視線をこんな至近距離で受けてしまえば、私の心は砕け散るし、最悪の場合、心臓か止まるかもしれない。
どうかお手柔らかにお願いしますっと心の中で必死に懇願するも、レナザードはただ無言で、私を見つめている。腕を掴んだまま、離さないままで。
そして問われたことは、条件反射で逃げようとした私を咎めるもので、素直に合わす顔が無いと答えた私に返ってきた返答はまさかの【気にするな】だった。これまた予想もしなかったし、できれば気にしない方法を教えて欲しい。
そんな次から次へと予想もできない展開が続き、これは夢か幻かと目を瞠る私に、レナザードは更に幻聴かと疑うようなことを口にした。
「少し話をしよう、スラリス」
レナザードのその言葉に再び心臓がトクンと撥ねた。ちなみに驚いたのは、上の句よりも下の句のほう。なぜなら、彼が私の名を呼んでくれたから。そもそも知っていたことに驚きだ。
ただ私としては、名を呼ばれただけでも十分なので、ここいらで解放願いたい。雨という名の檻に閉じ込められてしまえば、すぐには逃げ出すことができないから。
けれど、信じられないことにレナザードはまごつく私の手から洗濯物が入った籠を取り上げたのだ。しかも、それを人質に取り、隣に座れと要求してくる。
………メイド相手に姑息な手段を。
一瞬そんな考えがよぎるが、すぐに重大なことに気付いた。
彼は私を見ているのだ。それはティリア王女としてではなく《スラリス》として。そう気付いた途端、今まで感じた事のなかった驚きと衝撃で、うるさかった雨の音が突然消えた。
音のない世界で彼だけが見える。早くしろと目で訴えるレナザードには、あの晩のような侮蔑も、怒りも、憎悪も感じられない。純粋に狼狽えている私に苛立っているだけだ。
そんなことを考えながら、ふと思う。きっとこの機を逃せば、レナザードと二人で過ごすことは二度とないのかもしれない、と。
それなら、どんなことを言われても良い、彼の言葉で傷ついてもいい、この幸運をもう少し感じていたい。そう願った途端───。
「……はい、わかりました」
気付けば、私はレナザードに向かって頷いていた。
それからリオンをベッドに寝かしつけた後、音を立てずに部屋を出れば、予想より早く降り出した雨に結局、悲鳴を上げてしまった。リオンが起きてしまわないか心配したのは一瞬で、次の瞬間、私は大急ぎで洗濯物を取り込むために裏庭に飛び出した。
一目散に取り込んだ洗濯物は、名前の知らない大きな木にロープを張っていたせいで、思いのほか濡れていなくてほっと息をつく。これなら、洗い直しをする必要はなさそうだ。
雨宿りという言い訳をしながら木の下でほんの少しの小休止を取る。降り出した雨は、夕立という程のどしゃぶりではないけれど、当分止みそうもない。
このまま雨が止むのを待つのは時間が惜しいし、そもそも性格上そんなのんびり待っているのは性に合わない。
そういうことで、よしっと気合と共に屋敷までの最短距離を考える。普段は裏方の仕事は人目に付かないよう庭を横切ることはしないが、この雨だ。きっと誰もいないはず。今日だけ庭を横切るのは大目に見てもらおう。
そして洗い立ての洗濯物はメイドの矜持にかけて絶対に濡らさないと心に誓い、籠を覆うように抱えて走り出した。
地面を蹴ると同時に、ぱしゃぱしゃと撥ねる水音を聞きながら全速力で走り抜けた先には東屋がある。そしてそこに、腕を組みながら空を見上げる赤茶色の髪を持つその人が居た。瞬間、トクンと心臓が撥ねた。
彼は散歩中だったのだろうか。突然の雨に足止めされて途方に暮れているようにも、ぼんやりと雨が止むのを待っているようにも見える。どうでも良いけれど、雨の中で東屋に立っているだけなのに恐ろしい程のイケメンっぷりだ。
洗濯物を抱えてずぶ濡れになっている私は、どこからどう見ても濡れネズミという言葉が似合う。制服が鼠色じゃないのが不幸中の幸いだ。
そんな風に彼に目を奪われていたけれど、よくよく考えたら洗濯物を抱えて庭を走る私は無作法者だし、そもそもレナザードは私のことを視界にも入れたくないはずだ。
少し遠回りとなってしまうが、回れ右をして別のルートにしようと踵を返そうとした瞬間、レナザードはゆっくりとこちらを振り返った。
目が合った途端に、彼から舌打ちか溜息が飛んでくるのは間違いない。それを受け止める勇気のないヘタレな私は礼を取りつつ脱兎の如く逃げようとした。けれど───。
「おいちょっと待て」
その声と共にレナザードに腕を掴まれてしまった。
そして彼に腕を掴まれたた途端、自分はあらためて気付いてしまった。胸をかきむしりたくなるほどに、この人を求めていたということを。
しかし今、彼に腕を掴まれて心は二つに避けていた。
再び、レナザードの瞳に自分がうつることを喜んでいる自分、もう一つは、今すぐこの場から去りたいと願う自分がいる。
彼が私を呼び止めたのは、それほどまでして私に伝えたいことがあるからで……それは、間違いなく叱責の類だろう。
心の準備もないまま、あの突き刺すような視線をこんな至近距離で受けてしまえば、私の心は砕け散るし、最悪の場合、心臓か止まるかもしれない。
どうかお手柔らかにお願いしますっと心の中で必死に懇願するも、レナザードはただ無言で、私を見つめている。腕を掴んだまま、離さないままで。
そして問われたことは、条件反射で逃げようとした私を咎めるもので、素直に合わす顔が無いと答えた私に返ってきた返答はまさかの【気にするな】だった。これまた予想もしなかったし、できれば気にしない方法を教えて欲しい。
そんな次から次へと予想もできない展開が続き、これは夢か幻かと目を瞠る私に、レナザードは更に幻聴かと疑うようなことを口にした。
「少し話をしよう、スラリス」
レナザードのその言葉に再び心臓がトクンと撥ねた。ちなみに驚いたのは、上の句よりも下の句のほう。なぜなら、彼が私の名を呼んでくれたから。そもそも知っていたことに驚きだ。
ただ私としては、名を呼ばれただけでも十分なので、ここいらで解放願いたい。雨という名の檻に閉じ込められてしまえば、すぐには逃げ出すことができないから。
けれど、信じられないことにレナザードはまごつく私の手から洗濯物が入った籠を取り上げたのだ。しかも、それを人質に取り、隣に座れと要求してくる。
………メイド相手に姑息な手段を。
一瞬そんな考えがよぎるが、すぐに重大なことに気付いた。
彼は私を見ているのだ。それはティリア王女としてではなく《スラリス》として。そう気付いた途端、今まで感じた事のなかった驚きと衝撃で、うるさかった雨の音が突然消えた。
音のない世界で彼だけが見える。早くしろと目で訴えるレナザードには、あの晩のような侮蔑も、怒りも、憎悪も感じられない。純粋に狼狽えている私に苛立っているだけだ。
そんなことを考えながら、ふと思う。きっとこの機を逃せば、レナザードと二人で過ごすことは二度とないのかもしれない、と。
それなら、どんなことを言われても良い、彼の言葉で傷ついてもいい、この幸運をもう少し感じていたい。そう願った途端───。
「……はい、わかりました」
気付けば、私はレナザードに向かって頷いていた。
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