18 / 89
季節外れのリュシオル
偽りの王女、メイドになる②
しおりを挟む
すぐに理解してくれたのは有り難いが、吹き出したユズリとは反対に私は笑えない状況だ。
なぜならメイドの管理統括はメイド長に権限がある。加えて一般的にキッチンは不可侵領域となり、例え屋敷の主でも雇用に関して口を挟むことはできない。
そう今まさに私はこの屋敷のメイドとしての絶賛面接中なのだ。ここで不採用をくらったら、監禁生活か最悪、投獄となるかもしれない。
自分を偽らずありのままで生きていこうと決めたのは良いが、その決心が今、ユズリに委ねられている。緊張のあまりゴクリとつばを飲んだ私に、ユズリはもう一度くすりと笑って口を開いた。
「あなた素直ね。それに思い切りも良いみたいね。私、気に入ったわ。よし、決めたっ。今日からメイドとして手伝ってちょうだい。………実は一人で屋敷を切り盛りするのは大変だったの。キッチン以外も手伝ってちょうだいね。大丈夫、誰にも文句は言わせないわ。そうそう、これは私からのお願いなんだけど、ついでにリオンの面倒をみてくれたら更に助かるわ」
つらつらと一気に言い切った後、ユズリはさっぱりとした笑顔を向けてくれた。それはつまり採用決定ということ。じわじわくる喜びよりも前に、思わずはぁーっと大きく安堵の溜息を付いてしまった。
「では……まず、何から始めたら良いのでしょうか?」
採用して貰えたものの、屋敷にはそれぞれのやり方がある。一言でメイドの仕事といっても様々で、ユズリに教えてもらわなければなにもできないのだ。
それはユズリもわかっているようで腕を組み、顎に手を添えて少し考えている。
「そうね、まずあなたが最初にすることは……本当の名前を言うことかしら?」
「あっ……名前ですね。えっと、スラリスと申します」
すぐに居住まいを正し、ユズリに頭を下げた。
「そう、じゃスラリス、さっそく朝食の準備に取り掛かりましょう」
ユズリはこの話はこれでお終いと言うように、ぱんっと手を打つと私に笑顔を向けた。それから、手早くエプロンを掛け仕度の為に釜戸へと向かう。けれどすぐ、あっと声を上げた。
「この恰好じゃ、さすがにマズいわね。ちょっと待ってて。すぐに制服を用意するから」
そういえば私は夜着のままだった。同じように、あっと声を上げる私を残して、ユズリはパタパタと軽い足音を立ててキッチンを出ていく。それから待つこと2分。
「ごめんなさいスラリス、今はこれしかないの。こんなものでわるいけど、直ぐに仕立てるからちょっと我慢しててね」
手渡されたのは、ユズリと同じ黒のメイド服。……どうしよう、ユズリはこんなものと言っていたけれどアスラリア国の部屋付きメイドの制服より上等な生地だ。
「……ありがとうございます」
ちょっと複雑な気持ちを抱えたままぺこりと頭を下げた私に、ユズリは掌で扉を差す。
「あっちで着替えてきてね」
「はい!」
元気よく返事をして、奥の部屋へと向かい手早く着替える。再びキッチンに戻ると、ユズリは既に朝食の準備に取り掛かっていた。
「スラリス、お皿を並べて頂戴」
手元から目を離さずそう言って指示を出してくれるユズリは、もう何年も私と共にキッチンで働いているような自然な口調だった。だから私も───。
「はい、ユズリさん、ここに並べます」
余分なことは口にせず、食器棚から取り出したスープ皿を作業台に並べた。そして、次の指示を待つ間に、使い終わった調理器具を洗う。テキパキと手を動かしながらも、内心ほっと安堵の笑みを漏らしてしまう。この屋敷に来て、やっと本当の意味で肩の力を抜くことができたのだ。
そんな思いを胸の内だけに留めておけるはずもなく、思いっきり顔に出てしまっていたようだ。ユズリと目が合った途端に吹き出され、今度は私も声を上げて笑ってしまった。
「姫さま~見っけ~」
その声と同時にバタンと扉が開かれ、私とユズリの笑い声に惹かれるようにリオンが飛び込んできた。
「え!?」
「つかまえたっ」
目を丸くする私に、リオンはものすごい勢いで突進してくる。転んではいけないと咄嗟に小さな体を両手で抱きとめる。抱きとめられたリオンは、私を見上げて嬉しそうに声をあげる。その笑顔も笑い声も可愛すぎて悩殺ものだ。
そんな天使のようなリオンに私の頬もだらしなく緩みそうになるが、それを全力で我慢して神妙な顔を作る。子供だから、何もわからないなんて大人の都合の良い解釈でしかない。リオンにだって、この状況をきちんと説明をしなくてはならない。
「リオンごめんね。あのね、私はもう姫様じゃないのよ。スラリスっていうの。今日からここで働くのよ」
膝を折りリオンと目線を合わせると、わかりやすいように、ゆっくりと説明をした。しかし、だいぶ端折り過ぎたせいか、リオンはその言葉にぱちぱちと瞬きをすると、もう一度姫さま~と言って私に飛びついてしまった。
駄目だ、まったく理解していない。そんなリオンの背に手を添えながら、目だけでユズリに助けを求める。
「まあ、子供にはちょっと難しかったですか。それに、スラリスのあだ名が《姫さま》だと思えば、このまま良いのでは?」
ユズリは頬に手を当て事も無げに言うと、あとはよろしくという言葉を残して、お皿の盛り付けを始めてしまった。
ただのメイドに戻った私が姫様と呼ばれて良いものかと困惑するが、リオンを納得させるには【自害】とか【落城】などといったワードが必須になってしまう。年端もいかない子供にその言葉を使って説明するのは、ぶっちゃけする側もされる側も嫌だと思う。
「ほらスラリス、リオンのことは置いといて、ワゴンに出来上がった料理を移してちょうだい」
「はい!」
優しく厳しいのはどこのメイド長でも一緒のようだった。ユズリの指示に我に返った私は、今の優先順位はリオンではなく朝食の準備と気持ちを切り替える。
そしてなぜだか分からないけれど、慌てて立ち上がった私の後にリオンがきゃっきゃと、笑い声を立てながら続いてくる。
………まぁ良いか。
忙しない朝のキッチンでは私の呼び名などさしたる問題ではない。箒とバケツを持った私を見れば、リオンもそのうち理解してくれるだろう。
そんなことを考えながら、慌ただしい早朝の時間は過ぎていった。
なぜならメイドの管理統括はメイド長に権限がある。加えて一般的にキッチンは不可侵領域となり、例え屋敷の主でも雇用に関して口を挟むことはできない。
そう今まさに私はこの屋敷のメイドとしての絶賛面接中なのだ。ここで不採用をくらったら、監禁生活か最悪、投獄となるかもしれない。
自分を偽らずありのままで生きていこうと決めたのは良いが、その決心が今、ユズリに委ねられている。緊張のあまりゴクリとつばを飲んだ私に、ユズリはもう一度くすりと笑って口を開いた。
「あなた素直ね。それに思い切りも良いみたいね。私、気に入ったわ。よし、決めたっ。今日からメイドとして手伝ってちょうだい。………実は一人で屋敷を切り盛りするのは大変だったの。キッチン以外も手伝ってちょうだいね。大丈夫、誰にも文句は言わせないわ。そうそう、これは私からのお願いなんだけど、ついでにリオンの面倒をみてくれたら更に助かるわ」
つらつらと一気に言い切った後、ユズリはさっぱりとした笑顔を向けてくれた。それはつまり採用決定ということ。じわじわくる喜びよりも前に、思わずはぁーっと大きく安堵の溜息を付いてしまった。
「では……まず、何から始めたら良いのでしょうか?」
採用して貰えたものの、屋敷にはそれぞれのやり方がある。一言でメイドの仕事といっても様々で、ユズリに教えてもらわなければなにもできないのだ。
それはユズリもわかっているようで腕を組み、顎に手を添えて少し考えている。
「そうね、まずあなたが最初にすることは……本当の名前を言うことかしら?」
「あっ……名前ですね。えっと、スラリスと申します」
すぐに居住まいを正し、ユズリに頭を下げた。
「そう、じゃスラリス、さっそく朝食の準備に取り掛かりましょう」
ユズリはこの話はこれでお終いと言うように、ぱんっと手を打つと私に笑顔を向けた。それから、手早くエプロンを掛け仕度の為に釜戸へと向かう。けれどすぐ、あっと声を上げた。
「この恰好じゃ、さすがにマズいわね。ちょっと待ってて。すぐに制服を用意するから」
そういえば私は夜着のままだった。同じように、あっと声を上げる私を残して、ユズリはパタパタと軽い足音を立ててキッチンを出ていく。それから待つこと2分。
「ごめんなさいスラリス、今はこれしかないの。こんなものでわるいけど、直ぐに仕立てるからちょっと我慢しててね」
手渡されたのは、ユズリと同じ黒のメイド服。……どうしよう、ユズリはこんなものと言っていたけれどアスラリア国の部屋付きメイドの制服より上等な生地だ。
「……ありがとうございます」
ちょっと複雑な気持ちを抱えたままぺこりと頭を下げた私に、ユズリは掌で扉を差す。
「あっちで着替えてきてね」
「はい!」
元気よく返事をして、奥の部屋へと向かい手早く着替える。再びキッチンに戻ると、ユズリは既に朝食の準備に取り掛かっていた。
「スラリス、お皿を並べて頂戴」
手元から目を離さずそう言って指示を出してくれるユズリは、もう何年も私と共にキッチンで働いているような自然な口調だった。だから私も───。
「はい、ユズリさん、ここに並べます」
余分なことは口にせず、食器棚から取り出したスープ皿を作業台に並べた。そして、次の指示を待つ間に、使い終わった調理器具を洗う。テキパキと手を動かしながらも、内心ほっと安堵の笑みを漏らしてしまう。この屋敷に来て、やっと本当の意味で肩の力を抜くことができたのだ。
そんな思いを胸の内だけに留めておけるはずもなく、思いっきり顔に出てしまっていたようだ。ユズリと目が合った途端に吹き出され、今度は私も声を上げて笑ってしまった。
「姫さま~見っけ~」
その声と同時にバタンと扉が開かれ、私とユズリの笑い声に惹かれるようにリオンが飛び込んできた。
「え!?」
「つかまえたっ」
目を丸くする私に、リオンはものすごい勢いで突進してくる。転んではいけないと咄嗟に小さな体を両手で抱きとめる。抱きとめられたリオンは、私を見上げて嬉しそうに声をあげる。その笑顔も笑い声も可愛すぎて悩殺ものだ。
そんな天使のようなリオンに私の頬もだらしなく緩みそうになるが、それを全力で我慢して神妙な顔を作る。子供だから、何もわからないなんて大人の都合の良い解釈でしかない。リオンにだって、この状況をきちんと説明をしなくてはならない。
「リオンごめんね。あのね、私はもう姫様じゃないのよ。スラリスっていうの。今日からここで働くのよ」
膝を折りリオンと目線を合わせると、わかりやすいように、ゆっくりと説明をした。しかし、だいぶ端折り過ぎたせいか、リオンはその言葉にぱちぱちと瞬きをすると、もう一度姫さま~と言って私に飛びついてしまった。
駄目だ、まったく理解していない。そんなリオンの背に手を添えながら、目だけでユズリに助けを求める。
「まあ、子供にはちょっと難しかったですか。それに、スラリスのあだ名が《姫さま》だと思えば、このまま良いのでは?」
ユズリは頬に手を当て事も無げに言うと、あとはよろしくという言葉を残して、お皿の盛り付けを始めてしまった。
ただのメイドに戻った私が姫様と呼ばれて良いものかと困惑するが、リオンを納得させるには【自害】とか【落城】などといったワードが必須になってしまう。年端もいかない子供にその言葉を使って説明するのは、ぶっちゃけする側もされる側も嫌だと思う。
「ほらスラリス、リオンのことは置いといて、ワゴンに出来上がった料理を移してちょうだい」
「はい!」
優しく厳しいのはどこのメイド長でも一緒のようだった。ユズリの指示に我に返った私は、今の優先順位はリオンではなく朝食の準備と気持ちを切り替える。
そしてなぜだか分からないけれど、慌てて立ち上がった私の後にリオンがきゃっきゃと、笑い声を立てながら続いてくる。
………まぁ良いか。
忙しない朝のキッチンでは私の呼び名などさしたる問題ではない。箒とバケツを持った私を見れば、リオンもそのうち理解してくれるだろう。
そんなことを考えながら、慌ただしい早朝の時間は過ぎていった。
0
お気に入りに追加
1,020
あなたにおすすめの小説
溺愛の始まりは魔眼でした。騎士団事務員の貧乏令嬢、片想いの騎士団長と婚約?!
参
恋愛
男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。
ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。
全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?!
※結構ふざけたラブコメです。
恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。
ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。
前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。
【完結】忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される
雑食ハラミ
恋愛
平民として働くロザリンドは、かつて王女だった。
貴族夫人の付添人としてこき使われる毎日だったロザリンドは、ある日王宮に呼び出される。そこで、父の国王と再会し、獣人が治める国タルホディアの皇帝に嫁ぐようにと命令された。
ロザリンドは戸惑いながらも、王族に復帰して付け焼刃の花嫁修業をすることになる。母が姦淫の罪で処刑された影響で身分をはく奪された彼女は、被差別対象の獣人に嫁がせるにはうってつけの存在であり、周囲の冷ややかな視線に耐えながら隣国タルホディアへと向かった。
しかし、新天地に着くなり早々体調を崩して倒れ、快復した後も夫となるレグルスは姿を現わさなかった。やはり自分は避けられているのだろうと思う彼女だったが、ある日宮殿の庭で放し飼いにされている不思議なライオンと出くわす。そのライオンは、まるで心が通じ合うかのように彼女に懐いたのであった。
これは、虐げられた王女が、様々な障害やすれ違いを乗り越えて、自分の居場所を見つけると共に夫となる皇帝と心を通わすまでのお話。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
追放された薬師は騎士と王子に溺愛される 薬を作るしか能がないのに、騎士団の皆さんが離してくれません!
沙寺絃
ファンタジー
唯一の肉親の母と死に別れ、田舎から王都にやってきて2年半。これまで薬師としてパーティーに尽くしてきた16歳の少女リゼットは、ある日突然追放を言い渡される。
「リゼット、お前はクビだ。お前がいるせいで俺たちはSランクパーティーになれないんだ。明日から俺たちに近付くんじゃないぞ、このお荷物が!」
Sランクパーティーを目指す仲間から、薬作りしかできないリゼットは疫病神扱いされ追放されてしまう。
さらにタイミングの悪いことに、下宿先の宿代が値上がりする。節約の為ダンジョンへ採取に出ると、魔物討伐任務中の王国騎士団と出くわした。
毒を受けた騎士団はリゼットの作る解毒薬に助けられる。そして最新の解析装置によると、リゼットは冒険者としてはFランクだが【調合師】としてはSSSランクだったと判明。騎士団はリゼットに感謝して、専属薬師として雇うことに決める。
騎士団で認められ、才能を開花させていくリゼット。一方でリゼットを追放したパーティーでは、クエストが失敗続き。連携も取りにくくなり、雲行きが怪しくなり始めていた――。
諦めた恋が追いかけてくる
キムラましゅろう
恋愛
初恋の人は幼馴染。
幼い頃から一番近くにいた彼に、いつの間にか恋をしていた。
差し入れをしては何度も想いを伝えるも、関係を崩したくないとフラレてばかり。
そしてある日、私はとうとう初恋を諦めた。
心機一転。新しい土地でお仕事を頑張っている私の前になぜか彼が現れ、そしてなぜかやたらと絡んでくる。
なぜ?どうして今さら、諦めた恋が追いかけてくるの?
ヒロインアユリカと彼女のお店に訪れるお客の恋のお話です。
\_(・ω・`)ココ重要!
元サヤハピエン主義の作者が書くお話です。
ニューヒーロー?そんなものは登場しません。
くれぐれもご用心くださいませ。
いつも通りのご都合主義。
誤字脱字……(´>ω∂`)てへぺろ☆ゴメンヤン
小説家になろうさんにも時差投稿します。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる