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2.エリアの回想
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私は今日、退院する。そして今、ささやかな願いだった、ピアノを奏でている。
鍵盤からこぼれる音色は、まるで鈴のようだった。私の拙い演奏でも、このピアノで奏でると不思議と診療所のホール全体に響き渡る。
この曲はかつて愛した人───トゥラウムが教えてくれた曲。
寄る辺のないメイドがピアノに触れることはほとんどない。まして弾ける者など、類例に乏しい。
当然、私も鍵盤さえ触ったことがなく、もちろん楽譜すら読めなかった。そんな私に、トゥラウムは何度もお手本を見せてくれた。そして、私は長い時間をかけて、彼の弾き方だけを見てこの曲を覚えた。
トゥラウムが懇切丁寧に教えてくれたとはいえピアノを弾くのは8ケ月ぶりで、きっともう弾き方なんて忘れてしまったと思っていたけれど、私の指は当たり前のように鍵盤を流れていく。
軽快なのにどこか憂いがあるこの曲は、古い歌劇の曲らしい。去っていく恋人を、この曲で引き留める、そんなシーンで使われたものらしい。
【この曲はおまじないなんだ。君が消えてしまわないように】
そんなことをトゥラウムは照れくさそうに言いながら説明をしてくれた。あれは、恋人と呼べるようになって、初めて彼が私の為にピアノを弾いてくれた夜だった。
鍵盤をから指を離さず、私は、少し笑う。
引き留めてくれた彼の手を私自身が振り払ったというのに、彼がいないこの場所で、この曲を奏でる自分は本当に諦めが悪い。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
────私が最初に独りぼっちになったのは5年前。
私が生まれた村は、王城よりずっと北の国境近くの村だった。村には診療所どころか医者すらいない辺境の地で、冬になれば流行り病で必ず誰かが死んでいった。そして、もうその村は地図から消えてしまった、名もなき土地。
悲しさは年月が癒すという。過ぎ去るまでは綺麗事だと思えたけど、それは本当のことで、今では楽しかった思い出だけが残っている。
雪解けの空の美しさや、満天の星空。そして家族と過ごした穏やかな日々を……。
家族といっても、私が物心つく前に流行り病で父は死んでしまって、母と娘、二人だけの家族だった。
女手一つで私を育ててくれた母は、きっと相当な苦労をしたのだろう。でも記憶にある母は、いつも笑顔で病など似合わない溌剌とした人だった。けれど、父と同じ流行り病で、あっという間にこの世を去った。
医者もいない辺境の村では、流行病だけはどうすることもできなかったのだ。
簡単な葬儀の後、もう働ける歳になっていた私は、伝手を頼り王城の掃除婦として働き始めた。そして月日は流れ、気がつけば王城の一角にある訓練所のメイドになっていた。
自分のことなのに、なっていたというのはあまりに他人事過ぎるかもしれない。でも、王城内の掃除婦として働き始めた頃は、慣れない世界に飛び込んだばかりで、独りぼっちになった寂しさよりも疲労のほうが強かった。
目まぐるしい毎日に追いつくのがやっとで、仕事が終われば泥のように眠りにつく毎日だった。
そして幾度か持ち場が変わり、訓練所でのメイドに配属されて少し経った頃、恋人だったトゥラウムと出会ったのだ。
といっても、トゥラウムとは毎日のように顔を合わせていた。言葉を交わしたのが、あの日、始めてだったのだ。
それは、いつも通り訓練場の廊下を磨き休憩所の空気を入れ換え、部屋を整えようとしたときだった。
『ねぇ、これ食べないかい?』
背後から声をかけられ、飛び上がらんばかりに驚いてしまった。
声のするほうに振り向けば、部屋の入口に一人の騎士がいた。それがトゥラウムだった。彼の手には、桃色の包装紙に包まれた菓子があった。剣士独特のごつごつとした手に乗せられたそれは不釣り合いで、とても可愛らしかった。
それが妙に可笑しくて思わずくすりと笑った私に彼の表情が一瞬、固まった。
不敬なことをしたと、怯え慌てる私をよそに、彼は次の瞬間、ふわりと笑ってくれた。
陽だまりのような柔らかそうな髪と、同じ瞳がとても印象的で、その時、私は彼という存在を捉えた。
固まったままの私に、トゥラウムは一歩近づき口を開いた。
『食べてみて、絶対に美味しいから』
精悍な偉丈夫に似合わない、柔和な口調だった。
包みを押し付けるように差し出され、思わず私は受けとる。そしてお礼をいう間もなく、彼はあっという間に去っていってしまった。
手に残された包みを解くと、中にはスミレの花を模った砂糖菓子だった。王都でしか手に入らないこの菓子は、見た目の可愛らしさから女性に大変人気で、毎日長蛇の列ができているという噂を耳にした。
彼は、これを自分で並んで手に入れたのだろうか。そんなことを考えながら、辺りに誰もいないのを確認して一つ口の中に入れる。
『……甘い』
働き始めてから菓子など口にする機会などめったになかった。すっかり忘れていた菓子の甘さに、自然と口元がほころんだ。
何気ない日常の一齣に過ぎなかった出来事が、この恋の始まりだなんて、あの時は考えもしなかった。
けれど、それが私の恋人だったトゥラウムとの始まりだったのだ。
そして私は、すぐにトゥラウムに惹かれ、口の中で砂糖菓子が綻んだように心も静かに溶かされていった。
彼と過ごす日々は、毎日がとても色鮮やかで……こんな穏やかで幸せな日がずっとずっと続くと思っていた。
───でもそれはつかの間の幸せで、終焉はあっけなく訪れてしまった。
それは、最初は病気と呼べるほど深刻なものではなかった。ほんの少し体がだるく、食欲がない日が続いて、少し動くだけで息切れする。
だから夏の疲れが出たものだと思った。時間と共に治るものだと。
けれど朝晩が涼しくなり、日差しが穏やかになっても、私の体調は良くなるどころか、悪化の一途をたどっていた。
診察を受けたのは、それから暫くたってのこと。
『なぜ、ここまで放置していたのだ』
初老の医師は開口一番にそう言った。
目の前にいる医師は軍医で、騎士達の顔面が鮮血に染まっても、足があらぬ方向に曲がって担ぎ込まれても、表情を変えることは一度もなかった。
けれど今、その医師が怒ったような、それでいて泣きそうな顔をしている。それがどういう意味なのか、聞かなくてもわかった。
だから私は、用意してきた質問を口にせず胸にしまった。
胸にしまってしまった質問は、一つ目は、病名。二つ目は、いつ治るのか。
向き合ったままの軍医と私だったが、最初に目を逸らしたのは、軍医だった。
───幕が下りた……そう思った。
二幕はない、これで終わり。きっとお芝居なら『それでも二人はいつまでも幸せに暮らしました』で終われるが、これは私の人生で否が応でも続きがある。
それは物語のような幸福なものではなく残された生をただ消化するだけのもの。
だけど、胸を掻きむしりたくなる感情だけは消えてくれない。
好きだと言ってくれた彼の笑顔、二人で見上げた満天の星空、ぎこちなく重ねられた唇。
彼と過ごした月日は眩しいくらい鮮明で、それ故にもう二度と戻らないという現実をすぐには受け止めきれなかった。
どうして知ってしまったのだろう。彼の腕の中の居心地の良さを。身を焦がすようなこんな想いを。
終焉があるなら、初めからこんな感情を持たなかった。
どうして、どうして、どうして────
自問自答を何度も繰り返して出た結論は、トゥラウムの元から去ることだった。
私は身をもって味わっている。枯木のようになった大切な人の手を両手で掴みながら、逝かないでと懇願する虚しさを。彼には……彼にだけは、そんな辛さや苦しみを味合わせたくはない。
───だからこう口にした。
『さようなら、もう会えない』
短い別れの言葉を口にした瞬間、トゥラウムは激しい怒りの色に染まり、すぐに悲しみの色に包まれた。
『どうして』
苦しそうに呻く彼に、真実を告げられない私はただ俯くことしかできなかった。
『先生から聞いたよ、君の病の事』
トゥラウムの言葉に、頬を叩かれたような衝撃が走った。思わず顔を上げてしまった私に、トゥラウムは小さくため息を付いて笑った。
『諦めるな、必ず助かる。最後まで一緒にいよう』
何のためらいもなく、その言葉を口に出せるトゥラウムが心の底から羨ましかった。彼は病名を知っても、まだ未来に希望を持っているのだ。
私の病気は、珍しいものではあるが、大抵の人が知るものであった。しかし病名を口にすれば、誰もが哀れみの表情を浮かべるもの、不治の病と称されるものであったのだ。
無理だと、首を横に振る私に、トゥラウムは肩を抱きこう言った。
『頼むから、明日を見てくれ。絶対に諦めるな。俺は信じてる、きっと治る』
もう一度、私は首を横に振った。
明日が当たり前に来ることを信じて疑わない、そんな眩しすぎる彼の瞳が絶望に染まるのを見たくはなかった。
『さようなら、もう会わない』
もう一度、別れの言葉を口にしてトゥラウムの手を振り払った。そして彼に背を向け歩き出す。
トゥラウムが私の名を呼ぶ。けれど、振り返けない。振り返ったら、私はこれから行く所に怖くて足を止めてしまいそうだったから。
私は軍医と共に馬車に向かう。向かう先は、診療所。でも普通の診療所ではない。長期的な療養を必要とする人のための療養所───別名、サナトリウムというところだった。
鍵盤からこぼれる音色は、まるで鈴のようだった。私の拙い演奏でも、このピアノで奏でると不思議と診療所のホール全体に響き渡る。
この曲はかつて愛した人───トゥラウムが教えてくれた曲。
寄る辺のないメイドがピアノに触れることはほとんどない。まして弾ける者など、類例に乏しい。
当然、私も鍵盤さえ触ったことがなく、もちろん楽譜すら読めなかった。そんな私に、トゥラウムは何度もお手本を見せてくれた。そして、私は長い時間をかけて、彼の弾き方だけを見てこの曲を覚えた。
トゥラウムが懇切丁寧に教えてくれたとはいえピアノを弾くのは8ケ月ぶりで、きっともう弾き方なんて忘れてしまったと思っていたけれど、私の指は当たり前のように鍵盤を流れていく。
軽快なのにどこか憂いがあるこの曲は、古い歌劇の曲らしい。去っていく恋人を、この曲で引き留める、そんなシーンで使われたものらしい。
【この曲はおまじないなんだ。君が消えてしまわないように】
そんなことをトゥラウムは照れくさそうに言いながら説明をしてくれた。あれは、恋人と呼べるようになって、初めて彼が私の為にピアノを弾いてくれた夜だった。
鍵盤をから指を離さず、私は、少し笑う。
引き留めてくれた彼の手を私自身が振り払ったというのに、彼がいないこの場所で、この曲を奏でる自分は本当に諦めが悪い。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
────私が最初に独りぼっちになったのは5年前。
私が生まれた村は、王城よりずっと北の国境近くの村だった。村には診療所どころか医者すらいない辺境の地で、冬になれば流行り病で必ず誰かが死んでいった。そして、もうその村は地図から消えてしまった、名もなき土地。
悲しさは年月が癒すという。過ぎ去るまでは綺麗事だと思えたけど、それは本当のことで、今では楽しかった思い出だけが残っている。
雪解けの空の美しさや、満天の星空。そして家族と過ごした穏やかな日々を……。
家族といっても、私が物心つく前に流行り病で父は死んでしまって、母と娘、二人だけの家族だった。
女手一つで私を育ててくれた母は、きっと相当な苦労をしたのだろう。でも記憶にある母は、いつも笑顔で病など似合わない溌剌とした人だった。けれど、父と同じ流行り病で、あっという間にこの世を去った。
医者もいない辺境の村では、流行病だけはどうすることもできなかったのだ。
簡単な葬儀の後、もう働ける歳になっていた私は、伝手を頼り王城の掃除婦として働き始めた。そして月日は流れ、気がつけば王城の一角にある訓練所のメイドになっていた。
自分のことなのに、なっていたというのはあまりに他人事過ぎるかもしれない。でも、王城内の掃除婦として働き始めた頃は、慣れない世界に飛び込んだばかりで、独りぼっちになった寂しさよりも疲労のほうが強かった。
目まぐるしい毎日に追いつくのがやっとで、仕事が終われば泥のように眠りにつく毎日だった。
そして幾度か持ち場が変わり、訓練所でのメイドに配属されて少し経った頃、恋人だったトゥラウムと出会ったのだ。
といっても、トゥラウムとは毎日のように顔を合わせていた。言葉を交わしたのが、あの日、始めてだったのだ。
それは、いつも通り訓練場の廊下を磨き休憩所の空気を入れ換え、部屋を整えようとしたときだった。
『ねぇ、これ食べないかい?』
背後から声をかけられ、飛び上がらんばかりに驚いてしまった。
声のするほうに振り向けば、部屋の入口に一人の騎士がいた。それがトゥラウムだった。彼の手には、桃色の包装紙に包まれた菓子があった。剣士独特のごつごつとした手に乗せられたそれは不釣り合いで、とても可愛らしかった。
それが妙に可笑しくて思わずくすりと笑った私に彼の表情が一瞬、固まった。
不敬なことをしたと、怯え慌てる私をよそに、彼は次の瞬間、ふわりと笑ってくれた。
陽だまりのような柔らかそうな髪と、同じ瞳がとても印象的で、その時、私は彼という存在を捉えた。
固まったままの私に、トゥラウムは一歩近づき口を開いた。
『食べてみて、絶対に美味しいから』
精悍な偉丈夫に似合わない、柔和な口調だった。
包みを押し付けるように差し出され、思わず私は受けとる。そしてお礼をいう間もなく、彼はあっという間に去っていってしまった。
手に残された包みを解くと、中にはスミレの花を模った砂糖菓子だった。王都でしか手に入らないこの菓子は、見た目の可愛らしさから女性に大変人気で、毎日長蛇の列ができているという噂を耳にした。
彼は、これを自分で並んで手に入れたのだろうか。そんなことを考えながら、辺りに誰もいないのを確認して一つ口の中に入れる。
『……甘い』
働き始めてから菓子など口にする機会などめったになかった。すっかり忘れていた菓子の甘さに、自然と口元がほころんだ。
何気ない日常の一齣に過ぎなかった出来事が、この恋の始まりだなんて、あの時は考えもしなかった。
けれど、それが私の恋人だったトゥラウムとの始まりだったのだ。
そして私は、すぐにトゥラウムに惹かれ、口の中で砂糖菓子が綻んだように心も静かに溶かされていった。
彼と過ごす日々は、毎日がとても色鮮やかで……こんな穏やかで幸せな日がずっとずっと続くと思っていた。
───でもそれはつかの間の幸せで、終焉はあっけなく訪れてしまった。
それは、最初は病気と呼べるほど深刻なものではなかった。ほんの少し体がだるく、食欲がない日が続いて、少し動くだけで息切れする。
だから夏の疲れが出たものだと思った。時間と共に治るものだと。
けれど朝晩が涼しくなり、日差しが穏やかになっても、私の体調は良くなるどころか、悪化の一途をたどっていた。
診察を受けたのは、それから暫くたってのこと。
『なぜ、ここまで放置していたのだ』
初老の医師は開口一番にそう言った。
目の前にいる医師は軍医で、騎士達の顔面が鮮血に染まっても、足があらぬ方向に曲がって担ぎ込まれても、表情を変えることは一度もなかった。
けれど今、その医師が怒ったような、それでいて泣きそうな顔をしている。それがどういう意味なのか、聞かなくてもわかった。
だから私は、用意してきた質問を口にせず胸にしまった。
胸にしまってしまった質問は、一つ目は、病名。二つ目は、いつ治るのか。
向き合ったままの軍医と私だったが、最初に目を逸らしたのは、軍医だった。
───幕が下りた……そう思った。
二幕はない、これで終わり。きっとお芝居なら『それでも二人はいつまでも幸せに暮らしました』で終われるが、これは私の人生で否が応でも続きがある。
それは物語のような幸福なものではなく残された生をただ消化するだけのもの。
だけど、胸を掻きむしりたくなる感情だけは消えてくれない。
好きだと言ってくれた彼の笑顔、二人で見上げた満天の星空、ぎこちなく重ねられた唇。
彼と過ごした月日は眩しいくらい鮮明で、それ故にもう二度と戻らないという現実をすぐには受け止めきれなかった。
どうして知ってしまったのだろう。彼の腕の中の居心地の良さを。身を焦がすようなこんな想いを。
終焉があるなら、初めからこんな感情を持たなかった。
どうして、どうして、どうして────
自問自答を何度も繰り返して出た結論は、トゥラウムの元から去ることだった。
私は身をもって味わっている。枯木のようになった大切な人の手を両手で掴みながら、逝かないでと懇願する虚しさを。彼には……彼にだけは、そんな辛さや苦しみを味合わせたくはない。
───だからこう口にした。
『さようなら、もう会えない』
短い別れの言葉を口にした瞬間、トゥラウムは激しい怒りの色に染まり、すぐに悲しみの色に包まれた。
『どうして』
苦しそうに呻く彼に、真実を告げられない私はただ俯くことしかできなかった。
『先生から聞いたよ、君の病の事』
トゥラウムの言葉に、頬を叩かれたような衝撃が走った。思わず顔を上げてしまった私に、トゥラウムは小さくため息を付いて笑った。
『諦めるな、必ず助かる。最後まで一緒にいよう』
何のためらいもなく、その言葉を口に出せるトゥラウムが心の底から羨ましかった。彼は病名を知っても、まだ未来に希望を持っているのだ。
私の病気は、珍しいものではあるが、大抵の人が知るものであった。しかし病名を口にすれば、誰もが哀れみの表情を浮かべるもの、不治の病と称されるものであったのだ。
無理だと、首を横に振る私に、トゥラウムは肩を抱きこう言った。
『頼むから、明日を見てくれ。絶対に諦めるな。俺は信じてる、きっと治る』
もう一度、私は首を横に振った。
明日が当たり前に来ることを信じて疑わない、そんな眩しすぎる彼の瞳が絶望に染まるのを見たくはなかった。
『さようなら、もう会わない』
もう一度、別れの言葉を口にしてトゥラウムの手を振り払った。そして彼に背を向け歩き出す。
トゥラウムが私の名を呼ぶ。けれど、振り返けない。振り返ったら、私はこれから行く所に怖くて足を止めてしまいそうだったから。
私は軍医と共に馬車に向かう。向かう先は、診療所。でも普通の診療所ではない。長期的な療養を必要とする人のための療養所───別名、サナトリウムというところだった。
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