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アルトのアメリカ大冒険 - Route 69 -5

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連邦世界ではユタ州の州都となる町、ソルトレークシティ。

しかし痴女皇国世界では、未だ手付かずに等しい、湖岸の荒野です。

ここが嘘つかない族にすら見放されて来た理由は明確に存在しますが、後述します。

そして、この湖岸一帯、岩石砂漠と言ってよいほどに草木もまばらな状態である理由もまた、はっきりと存在するのです。

これらは全て、ソルトレークシティの北西すぐの場所にある湖が主な理由なのですが…加えてこのあたり一帯の降水量は山地でも年間300ミリから500ミリ。

すなわち、地中海性気候と呼ばれる低湿度地帯なのです。

この、水の少なさ故に、従来は原住民たる嘘つかない族が仮に流れ着いたとしても、あまり大きい集落に発展はしなかったようです。

で、すぐそこに見えておる巨大な湖の水が全く利用できない理由、連邦世界のグレートソルト湖並びに湖岸と、全く同一です。

その名前通りの塩水を湛えた湖水の塩分濃度たるや、なんと海水の30倍…あの死海に匹敵する高濃度の塩水を蓄えたこの湖、言うまでもなく人の生活用水としての利用には、全く適しておりません。

せいぜいが、熱帯魚飼育用の小エビ、それも卵の状態のものを採集するくらいでは。

「連邦世界だとキリスト教系の新興宗教団体が開拓した街なんですよね…」

「そりゃ宗教か金鉱脈が絡まないとこんな土地、わざわざ開発しようとは思いませんよ…」

そうです、私も教えられたり文献や資料を見て知った部類ですが、連邦世界でのソルトレークシティ、西部に自分たちの新天地を求めて向かった過激系新興宗教団体の長が、ここを開拓すると決めて都市建設を始めたのが、連邦世界の西暦では1847年のこと。

ですが、この砂漠の中の不毛な土地に拓かれた街。

開闢1年にして人口を5千人に増やし、以降も順調に増えていったそうですが、その理由は…オロ…すなわち、英語ではゴールドです。

この界隈には全米でも1番か2番となる産出量の金鉱が発見されています。

そればかりか、界隈で産出した金を東海岸に輸送したり、あるいは欧州などから送られる生活物資の中継地として繁栄の一途を辿ったとか。

「1869年に北米初の大陸横断鉄道がこのソルトレーク近郊で結ばれました。街開きから20年ほどですから、いかに発展が早かったかを知っていただければ…」

そう、街自体は不毛な砂漠の中ですが、食料や飲料水の都合さえつけば要所となる条件を備えた立地なのです。

で、私と室見局長が、痴女皇国世界のソルトレークシティと同じ場所に来た理由。

「西海岸方面への道路と鉄道の中継・分岐点になる事が予定されているからです」

こう、私の隣で申されるのは…痴女皇国の都市やインフラ建設を一手に担う部局である国土局を仕切る局長のセニョーラ・室見理恵。

本人は体型更新を申請してもいつの間にやら元々の体型から大きく変わっていない状態に戻っているだの、はたまた日本人基準の普通の一般人の顔のレベルであるのといった…いわば、美人に見えないことを気にしておられますが、逆に言えばそのお姿で執務に支障がないという判断がどこか上の方で出ているようなのです。

そして、そのご本人の容姿を気になさってか、殊更に美人の支部幹部の接待奉仕をお好みになるのですが…ええ、この件についても後述させて頂きます。ふふふ。

「しかしセニョーラ、この地は本当に無人の荒野も同じだった場所…連邦世界のソルトレークシティも、ユタ州の州都でありながら人口は20万人に留まるとか。ゴールドラッシュが期待出来ないのであれば、何か別の産業振興を講じる必要があるのではないかと…」

ええ。

連邦世界でのソルトレークシティ、先ほど申し上げた通りで、それほど古くはない都市なのです。

と申しますのも、連邦世界の北米大陸では、痴女皇国世界の北米原住民たる嘘つかない族に該当するインディアン…いわゆるアメリカン・ネイティブ諸族が各地に多数、居住しておりました。

しかし、このソルトレークシティの西北に大きく広がるグレートソルト湖を含む一帯はグレート・ベースンと呼ばれる巨大な盆地地形となっております。

どれほどに巨大かと申しますと、我が中米行政局管内との比較で言えば、廃地のあるイスパニョーラ島がすっぽり入るくらいなのです…。
<i890097|38087>

そして、このソルトレークシティの南方に位置するユタ湖ですが…この盆地で最大の淡水湖がこのユタ湖となるとか。

しかし、その大きさはまずまずとは言え、グレートソルト湖に比べてはるかに小さいのです。

このあたり一帯の灌漑に使おうなどと考えれば、下手をすると数年で使い尽くしてしまいかねないでしょう。

では、このユタ湖以外に淡水湖はないのでしょうか。

(この近辺ですが、他の湖はほとんど、塩水湖か汽水湖です…しかも、ボンネビル・ソルトフラッツのような塩の平原が出来てしまう程度には降水量も少ないのです…)

ここまで申し上げますと、室見局長のお悩みも理解可能かと。

つまり、グレートベースンは我がメヒコの北部から中部にかけての砂漠地帯はもちろん、オーストラリア中北部の草原地帯に近い状況なのです。

雨はなかなか降らないわ、水源は少ない。

これでは、農耕はもちろんのこと、狩猟生活をするにも事欠くでしょう。

なにせ、獣の飲み水となる池や川の存在はもちろんのこと、草食動物の餌となるべき草木すら、多く生えておらぬのです。

おまけに、下手に道を迷うかして砂漠に入り込めば、そこは死のみが待つ不毛の大地です。

ええ…チワワ砂漠と同様、アメリカ南部の砂漠には困った生き物がおるのです。

それも、メヒコはおろかこのアメリカの砂漠地帯でも幅を利かせておる部類の凶悪な生き物が待ち構えているんですよ…。

すなわち、有毒の蛇やサソリに蜘蛛、果ては毒の牙を持ったアリの群れが存在するのです。

脱いだ靴の中に入るわ、砂だと思って踏んだ先から飛び出して噛みついてくるわと、その毒針を容赦なく振るってくる生物、アメリカ南部には多いのですよね…。

「スネークピストルとかいうものをジェニファーちゃんが持ち込もうとしていましたが…」

ええ。うちめひこの砂漠でも、入り込む場合は必需品に近い時があります、その、散弾を発射する拳銃。

至近距離で大型の毒蜘蛛や毒蛇に致命傷を負わせるのに特化した拳銃なのです。

しかし、我々はもはやただの人ではなく、痴女種化されておりますので、そのような物騒なものを携帯する必要は限りなく薄れてしまうのです。

特に私やセニョーラ・室見は百万卒以上。

ハイエナやコヨーテが群れを成して襲ってこようが…いえ、マリアリーゼ陛下いわく、私たちくらいの卒級になると、害獣の方から避けるそうです。

そればかりではありません。

ある程度の知能を持った獣であれば、加護や餌を求めて来たり、あまつさえ我々のために役立とうとすらします。

痴女皇国世界のメキシコでは、実際にピューマを飼い慣らして警備役にしておりますしね。

(アレーゼ局長も、北米だと猛牛や巨大なヘラジカを何百頭も後ろに従えて交渉したこともあったそうですね…)

つまり、人間の軍勢の代わりに、猛獣を脅し役になさったと。

しかも、自然を恐れ敬う性質があったアメリカン・ネイティブとほぼ同等の存在であったことが知られる嘘つかない族です。

さぞや効き目はあったでしょう…。

ただ、そのアレーゼ本部長をもってしても、連邦世界のネイティブ同様に諸族間の食い違いやいさかい、完全に停められなかったのです。

特に連邦世界でも悪名を轟かせた戦闘民族であるアパッチ族や、そこまでは行かなくとも好戦的な略奪で名を馳せ、メキシコどころか中南米にまで襲撃の手を伸ばしたコマンチ族やカイオワ族といった部族は、痴女皇国世界においても他部族の集落を襲って略奪する生態があったのです。

そう…北米原住民の調停と安定を図っておかないと、いずれ明日輝や魔屋、そして淫化帝国相手に侵略を始めかねないくらいに戦闘的な行動をする者たちも少なくはなかったのですよ…。

(あと、白人の探検隊が持ち込んだ馬が既に彼らの足になっていたようでね…)

そう、連邦世界だと北米大陸原生種の馬、紀元前はるか前に絶滅していました。

しかし、痴女皇国世界では生き残っていたそうなのです…北米原生馬。

しかも、連邦世界同様に持ち込まれていた欧州馬との交配も進み、嘘つかない族の移動や戦闘の足として欠かせないものになっておったのです。

「皮肉なことに、チワワ砂漠が我がメヒコへと彼らが南下してくる障害になっていたのですよねぇ…」

そう、現在のメキシコとアメリカ合衆国を隔てるリオグランデ川の流域の南側から始まる砂漠地帯。

あの砂漠は彼らの南進を阻んでいたのです。

もっとも、連邦世界だとちょっとばかり興味深い事情がありました。

スペインからの独立を果たした当時のメヒコ、それなりに軍事力と国力を有しておりまして、実はこのソルトレークシティの辺もメキシコのものだったことがあるのです。

その後にアメリカとの戦争を経て現在の国境に落ち着いたのですが、実のところは北米大陸西部のそれなりの地域と面積、メキシコ領土であった歴史が存在します。

「サンフランシスコも、スペインによる開発を経てメキシコの町だったことがあるんですよねぇ…」

「ですから、チカーノ…アメリカ合衆国でメヒコ系アメリカ人を通称する単語ですが、チカーノが意外に多いのは単に国境が隣接していただけではないのです…昔は本当に、我がメヒコの領土であったり、はたまたネイティブたちとの交易実績が多数存在したのです…」

ええ、奇傑パンチョの映画がアメリカで企画され撮影された件とも決して無縁ではないのです。

チカーノが西海岸に決して少なくない理由は、ちゃんと存在したのですよ。

それと、この地に聖母教会を設置して都市開発を行う場合の人事、私としては最初はWASP…アングロサクソン系の白人が好適ではないかという意見を寄せるつもりです。

と申しますのも、私と…ジェニファー・ゴールドラック嬢が呼ばれている理由でもあるのですがね。

実のところ、北米地域はその広さ故に、数年以内には最低でも行政支局を設置する方向で計画が進んでおるそうです。

しかし、連邦世界のアメリカ合衆国と同じ国境線や国土で統治するのもどうか、というのが現状のアメリカを知る方々の意見。

確かに、お金儲けありきの開発を進めた結果、後に禍根を残す政策…特に黒人奴隷の大量流入を招いている他、多民族国家となっていった収拾をつけられずに国家の舵取りを誤った印象は強くあります、この私にも。

特にマンハッタン居住経験を持つ私としては、チカーノに見られるだけでもちょくちょく嫌な思いをした経験が皆無ではなかっただけに、WASP至上主義から脱却した方向性を考えている痴女皇国本国の方針は賛同できるものだったのです。

(フランシスカさん、そういえばメキシコや明日輝の人に気を遣って髪の毛の色、変えておられるんですよね…黒薔薇の変装機能があるから…)

(今は基本的にブルネットにしておりますよ)

ええと、局長から見た私、こんな感じだそうですね。
<i890586|38087>
https://x.com/725578cc/status/1837945316240453858
https://x.com/725578cc/status/1839334651028295774

そして、局長が私の尻に密かに執心なのも存じております。

ええ、密かに私の尻をいじり回す手が。

室見局長はその職務上、およそ支部長以上の痴女宮以外に赴任あるいは居住している幹部との接触が必須である人物です。

そして、ご本人もそれをよく理解しておられます。

つまり、ご自身に支部幹部の管理地に関する建設や建築の作業請願が集まる立場だということを…。

ですが、このフランシスカについては、月例会議や本宮での国土局への請願の混雑をかいくぐって、セニョーラとのの時間を持てる余裕が比較的作りやすい立場なのですよ…ふふふ。

(フランシスカさんと同じで、私も分体を複数出してもらえる立場ですし…それに、メキシコとアメリカの間の国境関係の通関や貿易設備の整備名目で頻繁にそっちに行く必要、ありましたからね…)

そう、何も混雑するのがわかっている幹部会議後の国土局に赴かずとも、局長の方からお越し頂くようなことが多いのです。

それと、私は黒薔薇騎士団団員資格者です。

で、局長の連れ合いは黒薔薇騎士団の前身である黒蛇騎士団を組織したまさにその当人である、高木ダリアリーゼ統括騎士団長・警務局副局長です…つまり、室見局長も自動的に、皇族扱いとなって居室も離宮に与えられているお立場。

ですので、室見局長のお招きに応じて「一種の部下として」離宮や本宮地下の懲罰具倉庫奥の秘密の小部屋に足を運ぶことも決して珍しいことではないのです…。

(あの小部屋、元はセニョーラ・タナカと初代様が乳繰り合ったり秘密の拷問を行うための調教室であったと…)

(雅美さんが最近は使わないので、私が使ってるんですよ…ほら、国土局も通商局も連邦世界の出向者を受け入れてるでしょう…あの人たちの教育が問題になった時、クレーゼ局長だとやりすぎを指摘されるからって、私に通商局で言う事聞かない人のかわいがりまで回ってきたんですよね…)

(かなり前に、ジョスリーヌ分団長からSM行為のあれこれを教わったとお伺いはしましたが…)

(ジーナさんからも若干。で、あそこでフランシスカさんの身体を使った調教もできるってわけですよ…ほら、うちの副局長にですね、フランシスカさんのアナルに射精した私の液、舐めさせたことあるじゃないですか…あれを一度ジェニファーさんにやらせたいと思いません?フランシスカさんがアングロサクソン系に複雑な感情を持ってるのはわかってますからね…)
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