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番外編・吉原よいとこ一度はおいで 12
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「しかし、ジョスリンの運の悪さというか…狡智に近い知恵はあるんだけど、知略を巡らし奸計を目論んでも、なぜか最後に運が悪いって話にならない?」
早朝の参拝街道なる道を走る、ウサギ号なる軽自動車。
再び局長の運転に交代した理由…私が元々どこの国の人間か、思い出して頂けますと幸い。
なんで痴女皇国は日本と同じ右ハンドルを普及させようとするのか。
いや、右ハンドル自体は一部の作業車などが右側通行でも採用しますし、ドーバー海峡の先に行かざるを得なかった場合、自動車輸送列車から降りた先はあの国ですからね、あの国。
しかし、この狭さでハンドル位置からウィンカーやらの位置が真逆の慣れぬ車に乗って、しかも左側通行。
更にねぇ。
なんですか、このルノー・トゥインゴの初代未満の狭い車内。
そして、共和国特有の変な車の規格として一部に有名なクァドリシクル…簡易四輪車並みではないですか、このサイズ。
よくこんなもの、4人乗りとして売り出しましたね…ああ、ストラスブールにもいますね、サナエゴウとかいうもの。
ただ、サナエゴウはこのウサギゴウより天井が高いのが救い。
ええ、右側通行社会にどーーーーっぷり浸りまくっていた私には、微妙に異物だったのです、このウサギゴウ。
まぁしかし、この車自体は日本車らしい代物です。
音こそ3亀頭エンジンでうるさ目の代物ですが、それはクアドリシクルに使っている小型ガソリンエンジンや、日本製農機具用400ccディーゼルエンジンも似たようなもの。
それが、何とトルクコンバータ式フルオートマチックトランスミッション装備と聞いて驚いたものですが、透水性の簡易舗装された街道を60~70km/hですいすい走って行きます。
「普通は欧州の低価格車はマニュアルミッションか、セミオートマチックが常識なのです…自動クラッチ装置や無段変速装置を積んだものもありますが、エンジンも小さいせいか一言で言うとドンクサイのです…」
ええ、欧州車の車格と装備からするとこのウサギゴウ、一段階か二段階は上の装備なのです、変速機だけでも。
そして、熱帯の南洋王国では大変に威力を発揮しそうな装備が早速、活躍中。
作動音こそうるさいですけど、そこそこの冷風を吹き出しているエアコン。
そう…クアドリシクルはもとより、欧州の大衆車に比べてより熱帯向きとも言えるエアコンが付いているのです、この小さな車…。
更には、何と小さなデジタル表示がエアコンパネルに…。
ええ、右側の温度調節ダイヤルを回すと、デジタル表示の温度数値が変わる…オートエアコンが装備されているではないですか。
そう、噴出風の熱い冷たいだけでなく、噴き出す風の強さや実際に機能する吹き出し口の位置が自動で切り替わるあれですよ、あれ。
何だってこんなもの、こんな小さな車…それも大衆階級の女性が買うような車に付けるのでしょう。
今でこそ温暖化の影響で、欧州車でもエアコンこそ付くようになりましたがね。
一時期は「クーラー」すら贅沢品だったのですよ?
更に驚くべきは、窓。
なんと左右計4枚の窓が全て、電動で昇降するのです。
手回し式のレギュレーターハンドルなぞは全く見当たりません。
とどめに「ETCカードが挿入されていません」とか警告されるのですよ、エンジンをかけると。
この車でオートルートに乗るような用途を想定していたのでしょうか。
「ベラ子陛下に言わせると、135km/hまでは出るそうです…」
で、改めてこの車をよく見ますと、運転席にサイドミラーの調節スイッチだの、およそ格安の大衆車には思えぬ装備だらけ。
更には、限定仕様車らしいウッドパネルに革巻き+一部ウッドの純正ハンドルすら装着されています。
製造からかなり経過した車のために、エマニエル部長がある程度は修復したようですが、それにしても、自動運転装備などが装着可能なら、現代の連邦世界の高速道路上でも何とか使い物にはなりそうです。
この車を完全な新車に復元すれば、それなりに使える車にもなりそうな…私であれば右ハンドルに慣れる必要はありそうですが。
日本の軽自動車というのは、ここまで装備を充実させないと売れないのでしょうか。
この車に革張りシートやソフトな高級レザーの内装を奢れば、16区辺りの住民が買いそうな気もします。
(実際にそういうの、ありますよ。それに、昔、三河監獄社がアストンマーチンのバッジを付けて売り出した車があるのです…ベースになった車の2倍以上の値札を付けて売ったせいであまり台数は出ませんでしたが…)
ベラ子陛下の説明に、やはり日本人は変態であろうとの思いを強くする私です。
確か、我が共和国とは海峡を隔てた向こうの島国、あの変態的な工業製品を多数輩出した事で名を馳せた国で作っていた時代の、座棺姿勢を要求されるあの小さいのも高級な代物があったはずですが。
そう言えばアストンマーチンも、海外資本にこそ買われましたが、元はその国の車ですね。
ええ、変態は変態を呼ぶのでしょう。
(シトロエンを作った国にだけは言われとうない…)
マダム・アグネス。
お言葉ですが、あのハゲが変なもんばかり作らせるから、会社が傾いてプジョーに買われてしまうのです。
ならばお聞きしますが、貴国の自動車メーカーで完全英資本のままの会社、いくつ残っておるか。
(ルノーですら身売りしかけた国には!)
(オッサン自動車から吸い上げた金で持ち直したから不問です…)
(また、日本人が怒り狂う発言を…)
ともかく、マサミ=サンやギャルソン・クリス…更にはマダム・アグネスには悪いと思うのですが、変態同士で仲良くする運命にあるのでしょう。
そして、この車を1年間、走行可能な程度を保って乗るように言われた局長もまた、更なる変態の道を歩むことになるのでしょうか。
「既に変態であるかのような説明はやめて欲しいのだけど…」
いえ…ジョクジャ宮殿やボロブドゥールの実態を知った身としては、あれにカイゼンを申し立てないどころか、どっぷりと浸った毎日をお過ごしというだけでも。
「黒薔薇騎士団員の生活実態には負けると思うのよ…」
うぬぬ。
まぁ、そんな話をしておる間にも、車はたまに照明が存在する街道を突き進んで行きます。
野生動物の飛び出しも気にはなりますが、そもそも暑い暑いこの南洋島、毛皮を持つ大型哺乳類の生息にはかえって厳しいのだとか。
(水牛はまだしも、牛は育てる場所を選びます。鶏や豚はまぁまぁ何とかなりますけど…)
やがて、眼前に広がる広い並木道。
そして、正面には照明で照らされた巨大な石造りのピラミッド…高さはエジプトのそれにこそ劣りますが、広さや周辺の開発具合では優るとも劣りませんね。
ただ…連邦世界のボロブドゥールと違い、石に刻まれた彫刻の意匠が卑猥極まりないのは何とかならないものか。
今や私は痴女皇国世界に於ける自身の行動について、大統領閣下または夫人に直接報告をする事も少なくない立場ですが、やってる事の内容が内容だけに書類にできないものがあります。
で、このボロブドゥールについても、実は画像や映像を見せながらの口頭での報告となったのですが。
(ジョスリーヌ君。私はアジア圏の古代文明について、アンコール・ワットくらいしか直接に見ていないのだが、確かボロブドゥールも同時代の建造だったはずだ。しかし、痴女皇国世界における両建築物の実態については、考古学者に見せるべきではないと思うのだが。特にボロブドゥールだな…)
(閣下。頭痛のする話をまたしても増やしてしまう気がしますが、アンコール・ワットについても開発対象のようです…なるべくであれば、あの尖塔の形状を大きく変更するべきではないと言う意見、連邦側から出して頂ける方がよろしいかと)
(うむ。そして名称だ。大体、どういう名前に変えるか想像がついた私もいい加減毒されている気がするんだがな…)
(閣下。もうすぐ夏です。他国となりますが、滞留する難民を処理して再び元の静かな孤島に戻ったランペデューサの景色でも眺めて、ご多忙な中で疲労なさった精神を癒されるべきであろうかと進言申し上げます)
(出来れば我が共和国の海外領土…ああ、ディアブル島やロワイアル島は避けてくれ…)
ええ、アンコール・ワットの尖塔を一万個なり二万個なりに増やされて改名とかされた日には、旧宗主国として、そしてサロット・サルとかいう猿野郎がよりによって我が共和国に留学して失恋とかさしたる学業成績を残せずに帰郷したとか、かの国とは様々な負の歴史がある関係を思い出してしまわれるかも知れません。
個人的に混血移民や海外共和国民の境遇に同情的な閣下の心労は増やしたくないので、チンコール・ワットとかマンコール・ワットとかふざけた改名は是非に阻止したいのですよ。
まぁ、編笠民兵国と痴女皇国世界で呼称している国…あの界隈にしては料理があまり辛くない国のリゾートとか割と良いかも知れません。少なくともカフェオレとフランスパンが一般的です。
やはり食事のイケてる国とは付き合いを重視すべき。
ただ…パスタの国については一考を要するかも知れません。やたらオリーブオイルを使いますしね。
(分団長。ギリシャ、disってませんか)
ええ、ギリシャ…それも古代ギリシャ出身者が最低2名は痴女皇国の現役幹部なのを忘れておりました。
(ドルマデスや魚料理はイケていますね。ただ、塩辛い。これさえ何とかすれば良い評価を出しましょう)
(ジョスリーヌ分団長…あれ、わざとですわよ…水を飲ませようという配慮があるんです。ほら、あの国の南部はやたら乾いた空気に暑さ全開、塩と水を摂らないとすぐ熱中症になるんですよ…)
それでやたらと辛めに…。
まぁ、アフロディーネとペルセポネーゼについては、そう言いながらもタナカ家の食生活どっぷりなのを知っておりますから…。
(雅美母様に毎日ギリシャ料理とか言うと絶対に口を聞いてくれなくなりますから…)
(まずい事にナンム母様も日本食LOVEなんですよね…)
で、ボロブドゥール寺院の地下駐車場に到着した我々。
流石にオリューレ局長は腐っても変態でも局長と申しますか、待ち構えていた騎士にドアを開けてもらっています。あ、私も先に降りておくのですね。
そして、後ろのギャルソン・カルノと乳児を抱えたマダム・オマツが出て来ます。
(乳母車…用意させましょうか?)
どうやら一般参詣者の中には純粋な参拝や、乳幼児に対する一種の洗礼や祝福めいた儀式を受けに来る家族もいるようです。
そうした人々の参拝を支援する備品が備わっているようですね。
(ジョクジャカルタなどの駅で乳飲み子の無料乗車証を受ける時に乳母車の貸し出し予約もできるようにしたと、室見局長が)
なるほど、あの人は変なところに気が回りますね。
流石は変態の国の出身。
(室見さんが怒ってダリアに何か言っても知りませんよ…)
(いえ、彼女のSM系のコーチは他ならぬこの小官でして)
ぶ、とオリューレ局長が吹き出しておられますが。
まぁ、それはともかく、ジェネラール・イエツグの成長です。
実はこの作業自体は困難なものではないそうです。
スティックスドライブ・レベル1適用時に稼働させる生命維持装置に入るのと同等だからです。
マダムは別に入っていても問題はないか、低度のはず…つまり、この装置内に入ると、設定した経過時間分の成長または老化が押し寄せるのです。
それを防ぐためには予め、ある程度の精製精気を蓄えておいて、その精気によって自動で身体更新を行える上級痴女種が有利となるのです。
それと本来ならこのプラント、妊娠した女性をシャンブレ…チャンバー内に格納すると、自動的に乳児の取り出しから育成までを一括して行う事が出来ますが、今回は既に出生している幼児が対象です。
そう…母体の知識や本能などを学習させるために、母体も「付き合う」事になるのです…。
仮に肉体年齢15歳で妊娠した母体がいたとしましょう。
そしてプラント内での児童育成年数を14年に設定したとします。
このプラントの処理チャンバーに入れると、処理自体は一瞬ですが、母体は29歳相当の年齢で出て来る事になります。もしくは、母体の蓄積精気を使用して自動的にプラント投入時の肉体年齢に復元。
これが、犯罪者を母体とした場合のその後の寿命短縮に繋がっている理由でもあります。
場合によっては若返らせた後で二度三度と懐妊させ、子供を産ませていたようですが、現在は連邦世界から潤沢に処分対象者が送られて来るため、1回目の出産後、意識を取り戻す前に自動でボロブドゥール寺院北庭に送ることすらやっているとか…。
一方、取り出された女児は母体の言語知識などの基礎学習を確認の後、知能反応や体力体格などを自動測定されます。
そして優秀そうであれば、聖院学院仏教部分校地下送致となり、学生としての基礎知識や倫理を刷り込まれます。
で、そこまで行かない場合は義務教育程度の知識と倫理、学生候補と同じく仮死状態で強制学習させられ、若い女性の人口を必要とする町や村に送られるのです…。
正に、豚小屋どころかブロイラー飼育工場。
現在では日産20名程度に抑えているようですが、種付け役の偽女種や尼僧の性欲と精力、そして人数次第と言えるでしょう。
ボロブドゥールの地下で20基が存在するプラントチャンバーに犯して孕ませた女をドレインして黙らせてから投入するだけで、ものの1分で母体と女児が出て来て自動仕分けされ、それぞれの行き先に送り込まれるのです。
ですが、種付けを担当するうち、指導偽女種への負荷を鑑みて現在は2日に1回のボロブドゥール本院朝勤行時に稼働を限っているとか。
それと、指導偽女種が女を犯した場合、男児出産となります。朝勤行の際に偽女種と尼僧がそれぞれ同人数で女を犯しているのは女児と男児を産み分けるため。
このプラントチャンバーは男児の出産にも対応していますが、出産後の振り分けラインは女児を基本にして作動するそうです…。
ええ、男の子には「女を」教える必要があるとかで…。
これらの一連の装置群を見せられたマダム・オマツの顔が恐怖の色を帯びていたのは仕方ないでしょう。
ある意味では生命に対する冒涜、ここに極まれりとは私も思います。
しかし、このジョスリーヌ・メルランですが。
カリブの島々やアフリカ、中南米…そして、他ならぬこの南洋王国と同等の地が連邦世界で奴隷労働の現場から脱却しようとして逆に独立後に独裁制度を採用したり、果ては内戦内乱や無計画な開発による国土荒廃等々、彼らが理想としようとした社会には程遠い未来を進んでいるのを知っている立場でもあります。
で、フランス共和国が関与していたり、最近では連邦宙兵隊の治安維持派遣部隊の手を煩わせている地域についての知見を新たにしている事も多いのですがね。
部族間紛争や抗争の対象ですとか、独裁者の家族構成ですとか、あるいは反政府勢力や、はたまたアジアマネー供給元が仕掛けた汚職や内乱の実情、痴女種を派遣すれば「対象の実態把握」が有利な事も多いですから。
ええ、こうした地域は片端から、このプラントによる処理対象に選ばれているとお思い下さい。
極端な話、貧困国の一つや二つ、地図上や戸籍データベース上から国と国民が消え去っても致し方ない状況で、連邦世界は推移しつつあります。
核兵器より効率的・生産的に人口調節が可能なのが痴女種なのです…それも、環境に悪影響を及ぼさずに。
(ぶっちゃけ駄洒落菌弾頭一発でカタつくんだよな。自動で駄洒落菌散布エリアの居住者を若返った懲罰偽女種か懲罰女官にするようにプリセットしたタイプの弾頭撃ち込んでおいて、時間差で聖母像アンテナ、必要な数だけ投下型TAISPの要領で現地をカバーするように投下すりゃいいんだから)
ええ、罪人として回収する事すら面倒な場合、そして子供を産ませる必要すらない場合、この弾頭を投下してから24時間以内に対象地域の人口はゼロになるでしょう。
悪魔島や亀地獄島、そして何よりこの寺院の前庭北庭での実績が、それを可能にすると私にも確信させてくれますから。
「これを比丘尼国に置かない理由、あると見ましたが。それと、滋光様にはこれ、見せぬ方が良いと判断された理由も」
このプラントの稼働中動画か、実際の稼働状況を見た者が受ける衝撃から何とか立ち直りつつあるマダム、気丈にもお聞きになります。
「そうですね…比丘尼国には必要、ないからです」
言い切るオリューレ局長。
「このプラントを設置せずとも、比丘尼国の男性労働者人口に対応した女性を用意すれば、プラント設置とさほど遜色ない人口増加が期待出来るとの試算結果が出ているのですよ…そして、比丘尼国の政治経済体制であれば、ある程度は我々が期待する知能程度の人類人口が充足可能なのも」
そう。
識字率、高めなのです…日本。
そして、連邦世界だと「なんでいえめん宗教を信じてないだけで御先祖様は地獄行きやねん。うちの家は別に罪人出した覚えはないぞ」等々、親やその親との代々の家系系譜を重視する日本人とは徹底的に相性が悪いと言えるカトリックの布教に失敗しているのですよね、欧州。
(彼らには目に見えるゴリヤクを与えないとダメなのです…)
そう、改宗した連中でも、主な動機は欧州の最新技術や科学を欲するがため。
または、圧政に苦しんでいて反乱を起こしたり団結して為政者に圧力を加えたいがため、と言い切って良いでしょう。
キリスト教の教えそのものに魅力を感じて転向した人間がどれだけいたのか。
(現代の連邦世界では文化庁の調査だと全人口の2.5%ね。クリスチャン向け新聞社が調べた結果では1.1%、そしてバチカンなどが認めてないカルト扱いの団体を抜いたら0.79%…100万人だそうよ)
この、マサミ=サンの入れ知恵に驚く者、多数。
私もそうなのですが、ここまで改宗困難な国家はそうそうなかったのでは…あの食事が推奨出来ない国が宗教を尖兵とした植民地増加に積極的にならなかった理由も理解できます。
カトリック系でも、南米やアフリカでは最終的には現地人口を極端に減らす方向で侵略していますし、北米でも同様と言えるでしょう。
ただ、欧米の侵略を跳ね除けて先進国としての地位を固めたのは日本くらいと言い切って良いでしょう。
え、隣の自称大国…ですか。
あそこ、その人口故に経済市場として注目されただけではないかと。
まぁ、政治的な談義はひとまず置いておきましょう。
今回は提携先の重要人物が関わる即成栽培のため、臨時でエマニエル部長がタケチヨの成長操作を行うそうです。
「では、母体と児童はこちらへ」
いつものド○タなヨイトマケ姿ですが、安全帽を脱いだ状態でタケチヨを抱いたマダム・オマツを専用担架に案内する部長。
そしてマスク類をマダムとタケチヨに被せて接続すると、軽くドレインして仮死状態にしておしまいになります。
そして出産後の二次工程の運転再開という形でチャンバーの一つを再稼働させると、マダムとタケチヨを載せた架台はチャンバーに吸い込まれるように格納され、収容口のシャッターが閉まります。
機器の冷却装置が作動しているらしい音がして、作動中を示す動作灯火らしき緑の光が点滅を始めてきっかり1分後。
再びシャッターが開き、母体と児童が出て来ます。
ええ、母体ともども全裸状態の児童でしたが、その姿は高校入学程度まで成長しています。
本当ならこの後、健康調査を外部から行い母体と成長児童を別の工程に自動で送り込んでしまうそうですが、プラント稼働を一時停止したエマニエル部長が母子を手際よく身体をスキャンして成功をお告げに。
「あとは…例の教え込みですわ。それはうちの領分ではありませんから、ご随意に…」と、安全帽をかぶると、こちらがお礼を申し述べる間もなく消え去る部長。
あー…そうですね、あれがありますね…。
そう、男児だろうと女児だろうと遂行すべきと言われている、初期性交学習…。
このプラントで出産された児童の初期学習、基本的には尼僧が行います。
ただ、特に優秀そうだと選別された女児と男児はアニサが担当するそうです。
つまり、上物の童貞と処女はアニサが頂くと…。
(私やディードにマルハ、そしてカルノとベテハリも担当しますよ…選抜児童の初期教育…)
ある意味では大変に羨ましい話ですね。
ですが、今回は驚愕の例外を試行するそうです。
即ち…私がタケチヨことトクガワ・イエツナの童貞を頂くのだと。
そして、私はそのイエツナの精液で懐妊する流れになるようです。
これ…良いのでしょうか。
仮にも日本のジェネラールの後継者の男児を出産することすなわち、ショウグン候補を産むということ。
(側室扱いが嫌なら奥に縛りませんから…)と、マダムには押し切られました。
そして、私にはジェネラールを産むくらいの格はあるだろうと、バクフ側にも見られているとも。
はぁ。
覚悟を決めて、地下の大広間…正に先ほどの即成栽培プラントへ送り込む女たちを犯して種付けするための礼拝堂名目の部屋に入ります。
で、ここでもう一つ、臨時の作業を行うそうです。
それは、ビクニ国での慈母宗の幹部としてマダムを任じるための任命式。
この任命式、アニサがマダムを犯す事で承認を出す流れだそうです。
…ええ、慈母宗では何かを認めたり上奏や下賜の際にはまず、姦淫がついて回るそうです。
そして、アニサの姦淫の動きに連動してたった今成長したばかりのイエツナが私に挿入すると。
ですが、南洋慈母宗の頂点たるアニサは言うまでもなく女性由来の痴女種。
男性への刷り込みとしては誤った経験知識になりかねないだろうと、オリューレ局長が判断した結果、いつもの調子で局長を姦淫するカルノ、そしてディードを犯すベテハリとをイエツナの脳に接続して私と姦淫することになりました。
ええ、上品なニホンの婦人を堂々犯せることになったアニサの目が爛々と輝いているのは見逃せません。
それに、非公式の状態ならともかく、公式的に僧侶の装いでボロブドゥールにいる場合、姦淫の際の地位はアニサとベテハリが最高位なのだと聞かされていますから…。
さて、ギャルソン・イエツナ…うまくやってくれるのでしょうか。
私としてはあれこれリードしてしまいそうになりますが、彼の今後を考えるだに、あまり私の悪い癖を植え付けるのも良くはないかも知れません。
で、彼のリードに任せてみたのですが…。
うん、頑張れ。
しかし、これは致し方ない話。
他ならぬジニアの即成栽培成長の過程を知っているだけに尚更言えるのですが、知識と経験を自身の身体に定着させるためのゆとりは必要でしょう。
(イエツナ、あなたはよくやりました。私があなたの最初の女性となれた事は私の誇りであり、あなたがこれから良き経験を積み上げ立派なジェネラールになる事を祈ります。よくぞ…頑張ってくれました)
私はイエツナの手を取り、心からの感謝の言葉を伝えます。
…プロフェスール・マリーや他の痴女皇国女官の影響なのかどうか分かりませんが、私も丸くなったものです。
以前の私ならば、イエツナの籠絡を考えたでしょう。
しかし、それでは下手すればあのオミヨの二の舞。
同じ少年と仲良くする行為の範を求めるならば、オリューレ局長とカルノ、そして女官たちに可愛がられていたベテハリを参考にすべきだと思うのです。
ええ、ベテハリは女官を悪く言わない子として知られていました。そして、女官の悩みや仕事や人間関係の問題を察して局長に流していたのです。
ですが、そうした女官の愚痴全てを局長に聞かせるのではなく、言って良いことと悪いこと…漏らすとよろしくない事の違いが分かる男だったのが幸いしました。
そしてベテハリもカルノも見た目は華奢。
女官たちは壊れ物として扱います。
従って、女官は女官で男をその気にさせる練習も兼ねて買春をしていますから、可愛く素直なベテハリをどう扱えば精気授受成績が向上するか、真剣に探ろうとします。
ええ…互いに獣となる前の意思疎通をきちんとしておくことが肝心だと。そして少年心理、ひいては男の心理に配慮することを覚えられる女官教育機関としても有効なように茸島関係者の人間教育を進めたのですよ。
で、性交中の女官なら大抵はやっている心理交流の過程で信頼を得たベテハリの手法を範とするよう、局長は茸島の寮で暮らす少年たちをも教育して行ったのです。
これは茸島保養所時代からの局長の少年買春による試行錯誤なくしては実現出来なかったでしょう。
この実績が明るみになったからこそ、局長は今やフランス共和国の三倍を優に超す面積の統治機関である南洋行政局長に任じられるまでになったのです。
これはイザベル陛下経由でティアラから伝わって来た話ですが、灸場他の農場型経営を要される島々では聖母教会より慈母寺を展開する方が向いているのではないか、きめ細かい労働者管理や精気収入について、むしろ南洋行政局の施政内容を参考にしたいとも。
(こちらは集落間の距離が離れていたり、街道整備もままならない事が多いから、必然的に小さな慈母寺を多数整備せざるを得ないと言ったんだけど…しかも人口を増やすのが第一だから、独身村民も投入して開拓しないとならないのよ。つまり、未婚男子の面倒を慈母寺主導で見るから、必然的に精気収集量は上がるの。ただ、住職と村民の一体感は出せているわね…)
(慈母寺でご飯配るかわりに飯炊き当番制やってるでしょ、あれが大きいと思いますよ。慈母寺の人間含めた村人総出で暮らしの全てをまかなう生活してるんですから)
(開拓村は慈母寺の敷地の中に長屋があって、独り身の男はそこに住むのです…)
(うちはハバナかグァンタナモから通わせるか、鉄道通して大規模開拓してるから…で、精気抜き取りは罪人女官がやってるんですよね…)
(生産作物の品種が違うから南洋島の真似は危険よ…)
(ただ、資料映像だと村人の顔が笑顔のことが多かったんですよね。ボロブドゥールで無茶やって人増やしてんのにですよ。ジョクジャ宮殿周りの未成年出来婚街はハバナのあれと類似としても、何で開拓村まで和気あいあいでやれてんのか。あれをこちらはグァンタナモ周辺やハバナから西、更にはドミニカや他の島でやりたい訳ですよ…)
(竹千代、いやさ家綱…そなたは将軍としてはまだ若い身の上ですが、比丘尼国の百姓にもかかる暮らしを与えるべき立場です…決して大老や老中にばかり為政を任せず、おのれの統治の見識を広めるためにも皆様のお話、よく覚えておくのですよ…たとえ今は分からずとも、いずれそなたが理解するべき時が必ず参ります…)
そう…この慈母寺本院自体が無茶な施設だとしても、そこから生まれ育った子供たちは、茸島農民の生活を基本として慈母寺に身を寄せ頼りつつも、子を作り家族生活を営むべく躾けられるか、慈母寺の職員として一般住民を支える志を教えられて南洋王国の各地に向かうのです。
その後の暮らしに希望の光を見出せるよう、局長は連邦世界のインドネシアや東南アジア各国の歴史すら参照しながら色々と考え、本宮内務局や厚労局国土局通商局と連携しつつ南洋島他の島々を切り拓きつつあるのです。
だから…局長はあのパスタ女に減らず口を叩く事が出来るのです。それに、カルノのためとあって黒薔薇扱い、解除されてませんよね?
(ジョスリンの口利きがあったとは伺いました。感謝します)
私も、果たしてイエツナの子を産めるかどうかはわかりませんが、シンボウもしましたし努力もしました。
あとは…即成栽培装置から出た結果次第です。
神よ、望むならば我が人生に希望あれと願わせて下さい。
アミン。
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おりゅーれ「で、ジョスリン…残念な知らせと良い知らせがあります」
カエル女(あー、やっぱりノンノンでしたか…)
おまつ「生きのいい若いおのこの精でも駄目とは…」
じょすりん「一応言い訳を。妊娠は希望しました。更にリミッテをかけてイエツナの体力に合わせたのです…」
マリア「ちょい失礼…えーとな、これは今、ジョスリンのサゲマ◯体質の影響を家綱くんに与えるとまずいってこったな」
じょすりん「えええええ」
おまつ「竹千代。そなた、じょすりぬ様をいかが思うか」
たけちよ「母上。余はまだ青二才の身。じょすりん様さえよろしければ、ぜひにりべんじまっちとやら、お願いしとうございます。じょすりん様を孕ませるは将軍たる余のほまれ、これにこりませず、ぜひに再びの機会をば(ほんとは大奥にはいってほしいのです…いろけのすごい姉上様のようなじょすりん様とぜひなかよくしたいのです…)」
じょすりん(ワガママを聞いて差し上げたいのですが、それすると小官、ビクニ国からますます離任できんじゃないですか…うーむ)
おまつ(住めば都でございましてよ…)
いえみつ「なんか、おまつさまがわざわざ生まれながらの女好きを産まれた気がしますが」
おまつ「衆道の道に進むのは真の元服からでも遅くありませんわ…それに又左…うちの亡夫の利家、たいがどらまでは流石に触れられていなかったと思いますが、赤母衣衆時代に天魔様とほもってますし、小姓は色小姓まがいばかり。おのこもおなごも見境なしか、あの亭主はぁっという有様でしたのよ?」
まさみ「なお前田利家さん、おまつさん以外に側室5名。更に側室陣の中で有名な寿福院さんだけど…」
おまつ「千代でしょ。あの子、朝倉の家臣の娘でわたくしの側仕えだったんですわよ。で、わたくしが産んだお千世と紛らわしいって事で名前を変えさせられましてね」
いえみつ「千代保どの…美貌の方でしたな。利常殿を産まれた絡みで江戸住まい奥方会にも入っておられるかと」
おまつ「ただ、わたくしが芳春院となって幕府の絡みのお勤めをしているせいもありまして、今は千代が人質で前田屋敷に来てるのですけどねっ」
まさみ「あのー、利常さん産んでから、おまつさんと非常に仲が険悪になったと聞きましたけど」
おまつ「その通り。侍女の時にあれだけ可愛がっていた恩を忘れくさってるあのアマはいつかシメまするっ」
いえみつ「同じ家の、しかも主従関係あんのに挨拶もしないの、俺も目撃したからな…」
おまつ「これというのもあの亭主が色ボケして千代に手ぇ出しくさったから。槍の又左ではなくマラの股叉を名乗らせたいですわっ。あれに慶次郎様との仲をあーだこーだ言われる謂れはございませんっ」
じょすりん「なるほど。マダム、小官の元来のショウバイ、ご存知ですね」
おまつ「はっ…その手がございますわね(ぐふふふふふ)」
いえみつ「江戸城内と界隈に醜聞が聞こえますると家綱やおまつ殿に差し障りがございます。何とぞお手柔らかに」
じょすりん「小官にお任せを。数日あればマダム・チヨはマダム・オマツのしもべも同然。ふふふふふ」
おりゅーれ「で、立ち直りの早いジョスリンには救済措置があるようですよ」
おかみ「いや、ぎゃくにわしらも人がたらんからこまっとることがあるんや…」
おまつ「解決すればお手柄。万一おのこを産めぬじょすりぬ様を不要などと申される阿呆がおりましても、比丘尼国が身請け致しますわ(きっぱり)」
べらこ「おまつさんって、イザベルさんの更にハイパワー版では…」
まさみ(気付くの遅いわよベラちゃん…)
おかみ(なぁべらこ…ほんまにじょすりん、うちにくれへんか…)
まさみ(崇徳上皇陛下も気に入ったみたいなのよ…)
おまつ(ご飯の美味しい国とは仲良くしておくべきでございますわよ…)
じょすりん(出来ればフランス料理が…)
おまつ(よこはめ、いえ横濱には洋食屋が)
べらこ(もはや逃げられるとは思えず…)
じょすりん(陛下。皇帝の人事権が全く省みられていないようですけど。小官はどこの国の黒薔薇騎士団欧州分団長でどこの国の女官でどこの共和国から出向しとる立場かを思い出して欲しいのですが)
まさみ(アルトくんは異動稟議にめく○判を押すの確定。ダリアは異動理由が正当なら捺印するわね…あと、ペルセとアフロも同じで、ジョスリンの男児懐妊ゴリ押しの一件を知ってるから、痴女皇国から遠ざけてほとぼりを冷まそうとさせるわよ…)
じょすりん(そういうマサミ=サンはどうなんですかっ)
まさみ(娘二人が言ってるのに、あたしが反対するよほどの理由がないとジョスリンの派遣を拒否できないじゃない…流石のあたしでもこれは派遣の流れになると思うわよ…)
じょすりん(プロフェスール! 小官はストラスブールに不要なのですか!)
まりー(半年くらいならわたくしとブリュントレーネで何とかしますわ…それに、その頃にはアンヌマリーが欧州に帰って来てますでしょう?)
じょすりん(ドサマワリはいやぁああああああ)
わるこ(団長もドサ回りの辛さをですね)
りんど(同感。島流しの辛さを分かち合いましょう)
じょすりん(貴官ら、後でオボエトケヨ…)
べらこ(で、とりあえずこの続きはR15の「こんにちわ、マリア」で始まってますけど、絶対にR18版に移ってくると思いますよ…)
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/134/
まさみ(闇堕ちマリアで書かれるに一票)
おまつ(まぁ、あのお方が来ますからね…ふっふっふっ)
早朝の参拝街道なる道を走る、ウサギ号なる軽自動車。
再び局長の運転に交代した理由…私が元々どこの国の人間か、思い出して頂けますと幸い。
なんで痴女皇国は日本と同じ右ハンドルを普及させようとするのか。
いや、右ハンドル自体は一部の作業車などが右側通行でも採用しますし、ドーバー海峡の先に行かざるを得なかった場合、自動車輸送列車から降りた先はあの国ですからね、あの国。
しかし、この狭さでハンドル位置からウィンカーやらの位置が真逆の慣れぬ車に乗って、しかも左側通行。
更にねぇ。
なんですか、このルノー・トゥインゴの初代未満の狭い車内。
そして、共和国特有の変な車の規格として一部に有名なクァドリシクル…簡易四輪車並みではないですか、このサイズ。
よくこんなもの、4人乗りとして売り出しましたね…ああ、ストラスブールにもいますね、サナエゴウとかいうもの。
ただ、サナエゴウはこのウサギゴウより天井が高いのが救い。
ええ、右側通行社会にどーーーーっぷり浸りまくっていた私には、微妙に異物だったのです、このウサギゴウ。
まぁしかし、この車自体は日本車らしい代物です。
音こそ3亀頭エンジンでうるさ目の代物ですが、それはクアドリシクルに使っている小型ガソリンエンジンや、日本製農機具用400ccディーゼルエンジンも似たようなもの。
それが、何とトルクコンバータ式フルオートマチックトランスミッション装備と聞いて驚いたものですが、透水性の簡易舗装された街道を60~70km/hですいすい走って行きます。
「普通は欧州の低価格車はマニュアルミッションか、セミオートマチックが常識なのです…自動クラッチ装置や無段変速装置を積んだものもありますが、エンジンも小さいせいか一言で言うとドンクサイのです…」
ええ、欧州車の車格と装備からするとこのウサギゴウ、一段階か二段階は上の装備なのです、変速機だけでも。
そして、熱帯の南洋王国では大変に威力を発揮しそうな装備が早速、活躍中。
作動音こそうるさいですけど、そこそこの冷風を吹き出しているエアコン。
そう…クアドリシクルはもとより、欧州の大衆車に比べてより熱帯向きとも言えるエアコンが付いているのです、この小さな車…。
更には、何と小さなデジタル表示がエアコンパネルに…。
ええ、右側の温度調節ダイヤルを回すと、デジタル表示の温度数値が変わる…オートエアコンが装備されているではないですか。
そう、噴出風の熱い冷たいだけでなく、噴き出す風の強さや実際に機能する吹き出し口の位置が自動で切り替わるあれですよ、あれ。
何だってこんなもの、こんな小さな車…それも大衆階級の女性が買うような車に付けるのでしょう。
今でこそ温暖化の影響で、欧州車でもエアコンこそ付くようになりましたがね。
一時期は「クーラー」すら贅沢品だったのですよ?
更に驚くべきは、窓。
なんと左右計4枚の窓が全て、電動で昇降するのです。
手回し式のレギュレーターハンドルなぞは全く見当たりません。
とどめに「ETCカードが挿入されていません」とか警告されるのですよ、エンジンをかけると。
この車でオートルートに乗るような用途を想定していたのでしょうか。
「ベラ子陛下に言わせると、135km/hまでは出るそうです…」
で、改めてこの車をよく見ますと、運転席にサイドミラーの調節スイッチだの、およそ格安の大衆車には思えぬ装備だらけ。
更には、限定仕様車らしいウッドパネルに革巻き+一部ウッドの純正ハンドルすら装着されています。
製造からかなり経過した車のために、エマニエル部長がある程度は修復したようですが、それにしても、自動運転装備などが装着可能なら、現代の連邦世界の高速道路上でも何とか使い物にはなりそうです。
この車を完全な新車に復元すれば、それなりに使える車にもなりそうな…私であれば右ハンドルに慣れる必要はありそうですが。
日本の軽自動車というのは、ここまで装備を充実させないと売れないのでしょうか。
この車に革張りシートやソフトな高級レザーの内装を奢れば、16区辺りの住民が買いそうな気もします。
(実際にそういうの、ありますよ。それに、昔、三河監獄社がアストンマーチンのバッジを付けて売り出した車があるのです…ベースになった車の2倍以上の値札を付けて売ったせいであまり台数は出ませんでしたが…)
ベラ子陛下の説明に、やはり日本人は変態であろうとの思いを強くする私です。
確か、我が共和国とは海峡を隔てた向こうの島国、あの変態的な工業製品を多数輩出した事で名を馳せた国で作っていた時代の、座棺姿勢を要求されるあの小さいのも高級な代物があったはずですが。
そう言えばアストンマーチンも、海外資本にこそ買われましたが、元はその国の車ですね。
ええ、変態は変態を呼ぶのでしょう。
(シトロエンを作った国にだけは言われとうない…)
マダム・アグネス。
お言葉ですが、あのハゲが変なもんばかり作らせるから、会社が傾いてプジョーに買われてしまうのです。
ならばお聞きしますが、貴国の自動車メーカーで完全英資本のままの会社、いくつ残っておるか。
(ルノーですら身売りしかけた国には!)
(オッサン自動車から吸い上げた金で持ち直したから不問です…)
(また、日本人が怒り狂う発言を…)
ともかく、マサミ=サンやギャルソン・クリス…更にはマダム・アグネスには悪いと思うのですが、変態同士で仲良くする運命にあるのでしょう。
そして、この車を1年間、走行可能な程度を保って乗るように言われた局長もまた、更なる変態の道を歩むことになるのでしょうか。
「既に変態であるかのような説明はやめて欲しいのだけど…」
いえ…ジョクジャ宮殿やボロブドゥールの実態を知った身としては、あれにカイゼンを申し立てないどころか、どっぷりと浸った毎日をお過ごしというだけでも。
「黒薔薇騎士団員の生活実態には負けると思うのよ…」
うぬぬ。
まぁ、そんな話をしておる間にも、車はたまに照明が存在する街道を突き進んで行きます。
野生動物の飛び出しも気にはなりますが、そもそも暑い暑いこの南洋島、毛皮を持つ大型哺乳類の生息にはかえって厳しいのだとか。
(水牛はまだしも、牛は育てる場所を選びます。鶏や豚はまぁまぁ何とかなりますけど…)
やがて、眼前に広がる広い並木道。
そして、正面には照明で照らされた巨大な石造りのピラミッド…高さはエジプトのそれにこそ劣りますが、広さや周辺の開発具合では優るとも劣りませんね。
ただ…連邦世界のボロブドゥールと違い、石に刻まれた彫刻の意匠が卑猥極まりないのは何とかならないものか。
今や私は痴女皇国世界に於ける自身の行動について、大統領閣下または夫人に直接報告をする事も少なくない立場ですが、やってる事の内容が内容だけに書類にできないものがあります。
で、このボロブドゥールについても、実は画像や映像を見せながらの口頭での報告となったのですが。
(ジョスリーヌ君。私はアジア圏の古代文明について、アンコール・ワットくらいしか直接に見ていないのだが、確かボロブドゥールも同時代の建造だったはずだ。しかし、痴女皇国世界における両建築物の実態については、考古学者に見せるべきではないと思うのだが。特にボロブドゥールだな…)
(閣下。頭痛のする話をまたしても増やしてしまう気がしますが、アンコール・ワットについても開発対象のようです…なるべくであれば、あの尖塔の形状を大きく変更するべきではないと言う意見、連邦側から出して頂ける方がよろしいかと)
(うむ。そして名称だ。大体、どういう名前に変えるか想像がついた私もいい加減毒されている気がするんだがな…)
(閣下。もうすぐ夏です。他国となりますが、滞留する難民を処理して再び元の静かな孤島に戻ったランペデューサの景色でも眺めて、ご多忙な中で疲労なさった精神を癒されるべきであろうかと進言申し上げます)
(出来れば我が共和国の海外領土…ああ、ディアブル島やロワイアル島は避けてくれ…)
ええ、アンコール・ワットの尖塔を一万個なり二万個なりに増やされて改名とかされた日には、旧宗主国として、そしてサロット・サルとかいう猿野郎がよりによって我が共和国に留学して失恋とかさしたる学業成績を残せずに帰郷したとか、かの国とは様々な負の歴史がある関係を思い出してしまわれるかも知れません。
個人的に混血移民や海外共和国民の境遇に同情的な閣下の心労は増やしたくないので、チンコール・ワットとかマンコール・ワットとかふざけた改名は是非に阻止したいのですよ。
まぁ、編笠民兵国と痴女皇国世界で呼称している国…あの界隈にしては料理があまり辛くない国のリゾートとか割と良いかも知れません。少なくともカフェオレとフランスパンが一般的です。
やはり食事のイケてる国とは付き合いを重視すべき。
ただ…パスタの国については一考を要するかも知れません。やたらオリーブオイルを使いますしね。
(分団長。ギリシャ、disってませんか)
ええ、ギリシャ…それも古代ギリシャ出身者が最低2名は痴女皇国の現役幹部なのを忘れておりました。
(ドルマデスや魚料理はイケていますね。ただ、塩辛い。これさえ何とかすれば良い評価を出しましょう)
(ジョスリーヌ分団長…あれ、わざとですわよ…水を飲ませようという配慮があるんです。ほら、あの国の南部はやたら乾いた空気に暑さ全開、塩と水を摂らないとすぐ熱中症になるんですよ…)
それでやたらと辛めに…。
まぁ、アフロディーネとペルセポネーゼについては、そう言いながらもタナカ家の食生活どっぷりなのを知っておりますから…。
(雅美母様に毎日ギリシャ料理とか言うと絶対に口を聞いてくれなくなりますから…)
(まずい事にナンム母様も日本食LOVEなんですよね…)
で、ボロブドゥール寺院の地下駐車場に到着した我々。
流石にオリューレ局長は腐っても変態でも局長と申しますか、待ち構えていた騎士にドアを開けてもらっています。あ、私も先に降りておくのですね。
そして、後ろのギャルソン・カルノと乳児を抱えたマダム・オマツが出て来ます。
(乳母車…用意させましょうか?)
どうやら一般参詣者の中には純粋な参拝や、乳幼児に対する一種の洗礼や祝福めいた儀式を受けに来る家族もいるようです。
そうした人々の参拝を支援する備品が備わっているようですね。
(ジョクジャカルタなどの駅で乳飲み子の無料乗車証を受ける時に乳母車の貸し出し予約もできるようにしたと、室見局長が)
なるほど、あの人は変なところに気が回りますね。
流石は変態の国の出身。
(室見さんが怒ってダリアに何か言っても知りませんよ…)
(いえ、彼女のSM系のコーチは他ならぬこの小官でして)
ぶ、とオリューレ局長が吹き出しておられますが。
まぁ、それはともかく、ジェネラール・イエツグの成長です。
実はこの作業自体は困難なものではないそうです。
スティックスドライブ・レベル1適用時に稼働させる生命維持装置に入るのと同等だからです。
マダムは別に入っていても問題はないか、低度のはず…つまり、この装置内に入ると、設定した経過時間分の成長または老化が押し寄せるのです。
それを防ぐためには予め、ある程度の精製精気を蓄えておいて、その精気によって自動で身体更新を行える上級痴女種が有利となるのです。
それと本来ならこのプラント、妊娠した女性をシャンブレ…チャンバー内に格納すると、自動的に乳児の取り出しから育成までを一括して行う事が出来ますが、今回は既に出生している幼児が対象です。
そう…母体の知識や本能などを学習させるために、母体も「付き合う」事になるのです…。
仮に肉体年齢15歳で妊娠した母体がいたとしましょう。
そしてプラント内での児童育成年数を14年に設定したとします。
このプラントの処理チャンバーに入れると、処理自体は一瞬ですが、母体は29歳相当の年齢で出て来る事になります。もしくは、母体の蓄積精気を使用して自動的にプラント投入時の肉体年齢に復元。
これが、犯罪者を母体とした場合のその後の寿命短縮に繋がっている理由でもあります。
場合によっては若返らせた後で二度三度と懐妊させ、子供を産ませていたようですが、現在は連邦世界から潤沢に処分対象者が送られて来るため、1回目の出産後、意識を取り戻す前に自動でボロブドゥール寺院北庭に送ることすらやっているとか…。
一方、取り出された女児は母体の言語知識などの基礎学習を確認の後、知能反応や体力体格などを自動測定されます。
そして優秀そうであれば、聖院学院仏教部分校地下送致となり、学生としての基礎知識や倫理を刷り込まれます。
で、そこまで行かない場合は義務教育程度の知識と倫理、学生候補と同じく仮死状態で強制学習させられ、若い女性の人口を必要とする町や村に送られるのです…。
正に、豚小屋どころかブロイラー飼育工場。
現在では日産20名程度に抑えているようですが、種付け役の偽女種や尼僧の性欲と精力、そして人数次第と言えるでしょう。
ボロブドゥールの地下で20基が存在するプラントチャンバーに犯して孕ませた女をドレインして黙らせてから投入するだけで、ものの1分で母体と女児が出て来て自動仕分けされ、それぞれの行き先に送り込まれるのです。
ですが、種付けを担当するうち、指導偽女種への負荷を鑑みて現在は2日に1回のボロブドゥール本院朝勤行時に稼働を限っているとか。
それと、指導偽女種が女を犯した場合、男児出産となります。朝勤行の際に偽女種と尼僧がそれぞれ同人数で女を犯しているのは女児と男児を産み分けるため。
このプラントチャンバーは男児の出産にも対応していますが、出産後の振り分けラインは女児を基本にして作動するそうです…。
ええ、男の子には「女を」教える必要があるとかで…。
これらの一連の装置群を見せられたマダム・オマツの顔が恐怖の色を帯びていたのは仕方ないでしょう。
ある意味では生命に対する冒涜、ここに極まれりとは私も思います。
しかし、このジョスリーヌ・メルランですが。
カリブの島々やアフリカ、中南米…そして、他ならぬこの南洋王国と同等の地が連邦世界で奴隷労働の現場から脱却しようとして逆に独立後に独裁制度を採用したり、果ては内戦内乱や無計画な開発による国土荒廃等々、彼らが理想としようとした社会には程遠い未来を進んでいるのを知っている立場でもあります。
で、フランス共和国が関与していたり、最近では連邦宙兵隊の治安維持派遣部隊の手を煩わせている地域についての知見を新たにしている事も多いのですがね。
部族間紛争や抗争の対象ですとか、独裁者の家族構成ですとか、あるいは反政府勢力や、はたまたアジアマネー供給元が仕掛けた汚職や内乱の実情、痴女種を派遣すれば「対象の実態把握」が有利な事も多いですから。
ええ、こうした地域は片端から、このプラントによる処理対象に選ばれているとお思い下さい。
極端な話、貧困国の一つや二つ、地図上や戸籍データベース上から国と国民が消え去っても致し方ない状況で、連邦世界は推移しつつあります。
核兵器より効率的・生産的に人口調節が可能なのが痴女種なのです…それも、環境に悪影響を及ぼさずに。
(ぶっちゃけ駄洒落菌弾頭一発でカタつくんだよな。自動で駄洒落菌散布エリアの居住者を若返った懲罰偽女種か懲罰女官にするようにプリセットしたタイプの弾頭撃ち込んでおいて、時間差で聖母像アンテナ、必要な数だけ投下型TAISPの要領で現地をカバーするように投下すりゃいいんだから)
ええ、罪人として回収する事すら面倒な場合、そして子供を産ませる必要すらない場合、この弾頭を投下してから24時間以内に対象地域の人口はゼロになるでしょう。
悪魔島や亀地獄島、そして何よりこの寺院の前庭北庭での実績が、それを可能にすると私にも確信させてくれますから。
「これを比丘尼国に置かない理由、あると見ましたが。それと、滋光様にはこれ、見せぬ方が良いと判断された理由も」
このプラントの稼働中動画か、実際の稼働状況を見た者が受ける衝撃から何とか立ち直りつつあるマダム、気丈にもお聞きになります。
「そうですね…比丘尼国には必要、ないからです」
言い切るオリューレ局長。
「このプラントを設置せずとも、比丘尼国の男性労働者人口に対応した女性を用意すれば、プラント設置とさほど遜色ない人口増加が期待出来るとの試算結果が出ているのですよ…そして、比丘尼国の政治経済体制であれば、ある程度は我々が期待する知能程度の人類人口が充足可能なのも」
そう。
識字率、高めなのです…日本。
そして、連邦世界だと「なんでいえめん宗教を信じてないだけで御先祖様は地獄行きやねん。うちの家は別に罪人出した覚えはないぞ」等々、親やその親との代々の家系系譜を重視する日本人とは徹底的に相性が悪いと言えるカトリックの布教に失敗しているのですよね、欧州。
(彼らには目に見えるゴリヤクを与えないとダメなのです…)
そう、改宗した連中でも、主な動機は欧州の最新技術や科学を欲するがため。
または、圧政に苦しんでいて反乱を起こしたり団結して為政者に圧力を加えたいがため、と言い切って良いでしょう。
キリスト教の教えそのものに魅力を感じて転向した人間がどれだけいたのか。
(現代の連邦世界では文化庁の調査だと全人口の2.5%ね。クリスチャン向け新聞社が調べた結果では1.1%、そしてバチカンなどが認めてないカルト扱いの団体を抜いたら0.79%…100万人だそうよ)
この、マサミ=サンの入れ知恵に驚く者、多数。
私もそうなのですが、ここまで改宗困難な国家はそうそうなかったのでは…あの食事が推奨出来ない国が宗教を尖兵とした植民地増加に積極的にならなかった理由も理解できます。
カトリック系でも、南米やアフリカでは最終的には現地人口を極端に減らす方向で侵略していますし、北米でも同様と言えるでしょう。
ただ、欧米の侵略を跳ね除けて先進国としての地位を固めたのは日本くらいと言い切って良いでしょう。
え、隣の自称大国…ですか。
あそこ、その人口故に経済市場として注目されただけではないかと。
まぁ、政治的な談義はひとまず置いておきましょう。
今回は提携先の重要人物が関わる即成栽培のため、臨時でエマニエル部長がタケチヨの成長操作を行うそうです。
「では、母体と児童はこちらへ」
いつものド○タなヨイトマケ姿ですが、安全帽を脱いだ状態でタケチヨを抱いたマダム・オマツを専用担架に案内する部長。
そしてマスク類をマダムとタケチヨに被せて接続すると、軽くドレインして仮死状態にしておしまいになります。
そして出産後の二次工程の運転再開という形でチャンバーの一つを再稼働させると、マダムとタケチヨを載せた架台はチャンバーに吸い込まれるように格納され、収容口のシャッターが閉まります。
機器の冷却装置が作動しているらしい音がして、作動中を示す動作灯火らしき緑の光が点滅を始めてきっかり1分後。
再びシャッターが開き、母体と児童が出て来ます。
ええ、母体ともども全裸状態の児童でしたが、その姿は高校入学程度まで成長しています。
本当ならこの後、健康調査を外部から行い母体と成長児童を別の工程に自動で送り込んでしまうそうですが、プラント稼働を一時停止したエマニエル部長が母子を手際よく身体をスキャンして成功をお告げに。
「あとは…例の教え込みですわ。それはうちの領分ではありませんから、ご随意に…」と、安全帽をかぶると、こちらがお礼を申し述べる間もなく消え去る部長。
あー…そうですね、あれがありますね…。
そう、男児だろうと女児だろうと遂行すべきと言われている、初期性交学習…。
このプラントで出産された児童の初期学習、基本的には尼僧が行います。
ただ、特に優秀そうだと選別された女児と男児はアニサが担当するそうです。
つまり、上物の童貞と処女はアニサが頂くと…。
(私やディードにマルハ、そしてカルノとベテハリも担当しますよ…選抜児童の初期教育…)
ある意味では大変に羨ましい話ですね。
ですが、今回は驚愕の例外を試行するそうです。
即ち…私がタケチヨことトクガワ・イエツナの童貞を頂くのだと。
そして、私はそのイエツナの精液で懐妊する流れになるようです。
これ…良いのでしょうか。
仮にも日本のジェネラールの後継者の男児を出産することすなわち、ショウグン候補を産むということ。
(側室扱いが嫌なら奥に縛りませんから…)と、マダムには押し切られました。
そして、私にはジェネラールを産むくらいの格はあるだろうと、バクフ側にも見られているとも。
はぁ。
覚悟を決めて、地下の大広間…正に先ほどの即成栽培プラントへ送り込む女たちを犯して種付けするための礼拝堂名目の部屋に入ります。
で、ここでもう一つ、臨時の作業を行うそうです。
それは、ビクニ国での慈母宗の幹部としてマダムを任じるための任命式。
この任命式、アニサがマダムを犯す事で承認を出す流れだそうです。
…ええ、慈母宗では何かを認めたり上奏や下賜の際にはまず、姦淫がついて回るそうです。
そして、アニサの姦淫の動きに連動してたった今成長したばかりのイエツナが私に挿入すると。
ですが、南洋慈母宗の頂点たるアニサは言うまでもなく女性由来の痴女種。
男性への刷り込みとしては誤った経験知識になりかねないだろうと、オリューレ局長が判断した結果、いつもの調子で局長を姦淫するカルノ、そしてディードを犯すベテハリとをイエツナの脳に接続して私と姦淫することになりました。
ええ、上品なニホンの婦人を堂々犯せることになったアニサの目が爛々と輝いているのは見逃せません。
それに、非公式の状態ならともかく、公式的に僧侶の装いでボロブドゥールにいる場合、姦淫の際の地位はアニサとベテハリが最高位なのだと聞かされていますから…。
さて、ギャルソン・イエツナ…うまくやってくれるのでしょうか。
私としてはあれこれリードしてしまいそうになりますが、彼の今後を考えるだに、あまり私の悪い癖を植え付けるのも良くはないかも知れません。
で、彼のリードに任せてみたのですが…。
うん、頑張れ。
しかし、これは致し方ない話。
他ならぬジニアの即成栽培成長の過程を知っているだけに尚更言えるのですが、知識と経験を自身の身体に定着させるためのゆとりは必要でしょう。
(イエツナ、あなたはよくやりました。私があなたの最初の女性となれた事は私の誇りであり、あなたがこれから良き経験を積み上げ立派なジェネラールになる事を祈ります。よくぞ…頑張ってくれました)
私はイエツナの手を取り、心からの感謝の言葉を伝えます。
…プロフェスール・マリーや他の痴女皇国女官の影響なのかどうか分かりませんが、私も丸くなったものです。
以前の私ならば、イエツナの籠絡を考えたでしょう。
しかし、それでは下手すればあのオミヨの二の舞。
同じ少年と仲良くする行為の範を求めるならば、オリューレ局長とカルノ、そして女官たちに可愛がられていたベテハリを参考にすべきだと思うのです。
ええ、ベテハリは女官を悪く言わない子として知られていました。そして、女官の悩みや仕事や人間関係の問題を察して局長に流していたのです。
ですが、そうした女官の愚痴全てを局長に聞かせるのではなく、言って良いことと悪いこと…漏らすとよろしくない事の違いが分かる男だったのが幸いしました。
そしてベテハリもカルノも見た目は華奢。
女官たちは壊れ物として扱います。
従って、女官は女官で男をその気にさせる練習も兼ねて買春をしていますから、可愛く素直なベテハリをどう扱えば精気授受成績が向上するか、真剣に探ろうとします。
ええ…互いに獣となる前の意思疎通をきちんとしておくことが肝心だと。そして少年心理、ひいては男の心理に配慮することを覚えられる女官教育機関としても有効なように茸島関係者の人間教育を進めたのですよ。
で、性交中の女官なら大抵はやっている心理交流の過程で信頼を得たベテハリの手法を範とするよう、局長は茸島の寮で暮らす少年たちをも教育して行ったのです。
これは茸島保養所時代からの局長の少年買春による試行錯誤なくしては実現出来なかったでしょう。
この実績が明るみになったからこそ、局長は今やフランス共和国の三倍を優に超す面積の統治機関である南洋行政局長に任じられるまでになったのです。
これはイザベル陛下経由でティアラから伝わって来た話ですが、灸場他の農場型経営を要される島々では聖母教会より慈母寺を展開する方が向いているのではないか、きめ細かい労働者管理や精気収入について、むしろ南洋行政局の施政内容を参考にしたいとも。
(こちらは集落間の距離が離れていたり、街道整備もままならない事が多いから、必然的に小さな慈母寺を多数整備せざるを得ないと言ったんだけど…しかも人口を増やすのが第一だから、独身村民も投入して開拓しないとならないのよ。つまり、未婚男子の面倒を慈母寺主導で見るから、必然的に精気収集量は上がるの。ただ、住職と村民の一体感は出せているわね…)
(慈母寺でご飯配るかわりに飯炊き当番制やってるでしょ、あれが大きいと思いますよ。慈母寺の人間含めた村人総出で暮らしの全てをまかなう生活してるんですから)
(開拓村は慈母寺の敷地の中に長屋があって、独り身の男はそこに住むのです…)
(うちはハバナかグァンタナモから通わせるか、鉄道通して大規模開拓してるから…で、精気抜き取りは罪人女官がやってるんですよね…)
(生産作物の品種が違うから南洋島の真似は危険よ…)
(ただ、資料映像だと村人の顔が笑顔のことが多かったんですよね。ボロブドゥールで無茶やって人増やしてんのにですよ。ジョクジャ宮殿周りの未成年出来婚街はハバナのあれと類似としても、何で開拓村まで和気あいあいでやれてんのか。あれをこちらはグァンタナモ周辺やハバナから西、更にはドミニカや他の島でやりたい訳ですよ…)
(竹千代、いやさ家綱…そなたは将軍としてはまだ若い身の上ですが、比丘尼国の百姓にもかかる暮らしを与えるべき立場です…決して大老や老中にばかり為政を任せず、おのれの統治の見識を広めるためにも皆様のお話、よく覚えておくのですよ…たとえ今は分からずとも、いずれそなたが理解するべき時が必ず参ります…)
そう…この慈母寺本院自体が無茶な施設だとしても、そこから生まれ育った子供たちは、茸島農民の生活を基本として慈母寺に身を寄せ頼りつつも、子を作り家族生活を営むべく躾けられるか、慈母寺の職員として一般住民を支える志を教えられて南洋王国の各地に向かうのです。
その後の暮らしに希望の光を見出せるよう、局長は連邦世界のインドネシアや東南アジア各国の歴史すら参照しながら色々と考え、本宮内務局や厚労局国土局通商局と連携しつつ南洋島他の島々を切り拓きつつあるのです。
だから…局長はあのパスタ女に減らず口を叩く事が出来るのです。それに、カルノのためとあって黒薔薇扱い、解除されてませんよね?
(ジョスリンの口利きがあったとは伺いました。感謝します)
私も、果たしてイエツナの子を産めるかどうかはわかりませんが、シンボウもしましたし努力もしました。
あとは…即成栽培装置から出た結果次第です。
神よ、望むならば我が人生に希望あれと願わせて下さい。
アミン。
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おりゅーれ「で、ジョスリン…残念な知らせと良い知らせがあります」
カエル女(あー、やっぱりノンノンでしたか…)
おまつ「生きのいい若いおのこの精でも駄目とは…」
じょすりん「一応言い訳を。妊娠は希望しました。更にリミッテをかけてイエツナの体力に合わせたのです…」
マリア「ちょい失礼…えーとな、これは今、ジョスリンのサゲマ◯体質の影響を家綱くんに与えるとまずいってこったな」
じょすりん「えええええ」
おまつ「竹千代。そなた、じょすりぬ様をいかが思うか」
たけちよ「母上。余はまだ青二才の身。じょすりん様さえよろしければ、ぜひにりべんじまっちとやら、お願いしとうございます。じょすりん様を孕ませるは将軍たる余のほまれ、これにこりませず、ぜひに再びの機会をば(ほんとは大奥にはいってほしいのです…いろけのすごい姉上様のようなじょすりん様とぜひなかよくしたいのです…)」
じょすりん(ワガママを聞いて差し上げたいのですが、それすると小官、ビクニ国からますます離任できんじゃないですか…うーむ)
おまつ(住めば都でございましてよ…)
いえみつ「なんか、おまつさまがわざわざ生まれながらの女好きを産まれた気がしますが」
おまつ「衆道の道に進むのは真の元服からでも遅くありませんわ…それに又左…うちの亡夫の利家、たいがどらまでは流石に触れられていなかったと思いますが、赤母衣衆時代に天魔様とほもってますし、小姓は色小姓まがいばかり。おのこもおなごも見境なしか、あの亭主はぁっという有様でしたのよ?」
まさみ「なお前田利家さん、おまつさん以外に側室5名。更に側室陣の中で有名な寿福院さんだけど…」
おまつ「千代でしょ。あの子、朝倉の家臣の娘でわたくしの側仕えだったんですわよ。で、わたくしが産んだお千世と紛らわしいって事で名前を変えさせられましてね」
いえみつ「千代保どの…美貌の方でしたな。利常殿を産まれた絡みで江戸住まい奥方会にも入っておられるかと」
おまつ「ただ、わたくしが芳春院となって幕府の絡みのお勤めをしているせいもありまして、今は千代が人質で前田屋敷に来てるのですけどねっ」
まさみ「あのー、利常さん産んでから、おまつさんと非常に仲が険悪になったと聞きましたけど」
おまつ「その通り。侍女の時にあれだけ可愛がっていた恩を忘れくさってるあのアマはいつかシメまするっ」
いえみつ「同じ家の、しかも主従関係あんのに挨拶もしないの、俺も目撃したからな…」
おまつ「これというのもあの亭主が色ボケして千代に手ぇ出しくさったから。槍の又左ではなくマラの股叉を名乗らせたいですわっ。あれに慶次郎様との仲をあーだこーだ言われる謂れはございませんっ」
じょすりん「なるほど。マダム、小官の元来のショウバイ、ご存知ですね」
おまつ「はっ…その手がございますわね(ぐふふふふふ)」
いえみつ「江戸城内と界隈に醜聞が聞こえますると家綱やおまつ殿に差し障りがございます。何とぞお手柔らかに」
じょすりん「小官にお任せを。数日あればマダム・チヨはマダム・オマツのしもべも同然。ふふふふふ」
おりゅーれ「で、立ち直りの早いジョスリンには救済措置があるようですよ」
おかみ「いや、ぎゃくにわしらも人がたらんからこまっとることがあるんや…」
おまつ「解決すればお手柄。万一おのこを産めぬじょすりぬ様を不要などと申される阿呆がおりましても、比丘尼国が身請け致しますわ(きっぱり)」
べらこ「おまつさんって、イザベルさんの更にハイパワー版では…」
まさみ(気付くの遅いわよベラちゃん…)
おかみ(なぁべらこ…ほんまにじょすりん、うちにくれへんか…)
まさみ(崇徳上皇陛下も気に入ったみたいなのよ…)
おまつ(ご飯の美味しい国とは仲良くしておくべきでございますわよ…)
じょすりん(出来ればフランス料理が…)
おまつ(よこはめ、いえ横濱には洋食屋が)
べらこ(もはや逃げられるとは思えず…)
じょすりん(陛下。皇帝の人事権が全く省みられていないようですけど。小官はどこの国の黒薔薇騎士団欧州分団長でどこの国の女官でどこの共和国から出向しとる立場かを思い出して欲しいのですが)
まさみ(アルトくんは異動稟議にめく○判を押すの確定。ダリアは異動理由が正当なら捺印するわね…あと、ペルセとアフロも同じで、ジョスリンの男児懐妊ゴリ押しの一件を知ってるから、痴女皇国から遠ざけてほとぼりを冷まそうとさせるわよ…)
じょすりん(そういうマサミ=サンはどうなんですかっ)
まさみ(娘二人が言ってるのに、あたしが反対するよほどの理由がないとジョスリンの派遣を拒否できないじゃない…流石のあたしでもこれは派遣の流れになると思うわよ…)
じょすりん(プロフェスール! 小官はストラスブールに不要なのですか!)
まりー(半年くらいならわたくしとブリュントレーネで何とかしますわ…それに、その頃にはアンヌマリーが欧州に帰って来てますでしょう?)
じょすりん(ドサマワリはいやぁああああああ)
わるこ(団長もドサ回りの辛さをですね)
りんど(同感。島流しの辛さを分かち合いましょう)
じょすりん(貴官ら、後でオボエトケヨ…)
べらこ(で、とりあえずこの続きはR15の「こんにちわ、マリア」で始まってますけど、絶対にR18版に移ってくると思いますよ…)
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/134/
まさみ(闇堕ちマリアで書かれるに一票)
おまつ(まぁ、あのお方が来ますからね…ふっふっふっ)
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