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アメリカ縦断ウルトラ耐久研修ツアー・3

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しかし、果たしてそのような事が可能なのでしょうか。

(できますわよ。と申しますか…聖院開闢当時から、お肉に使うけものの始末のしかたは全てそれですわ。精気を吸引して命を奪うのです。血の臭いのするおへやにつれこんで刃物やら何やらでしめますと、己の行く末を悟ったけものはあばれたりしますわよね。さらには、きんちょうしたまま死ぬせいで、お肉がかたくなりますでしょ?)

え。

このお声は…。

(しほちゃん、あたしの中のうるさいしゅうとめおばちゃんの戯言たわごとは無視しておいて下さい)

(ベラちゃん…私はさすがに初代様をおばちゃんとかおばあちゃん呼ばわりする度胸はないわよ…)

(言ってます言ってます!)

まぁともかく、聖院でも痴女皇国でも処理する場所の違いはともかく、実は食堂で出している畜肉に必要な屠殺作業の基本、初代様が申される通りなのです。

屠殺対象をリラックスして脱力させるためにも、静かな音楽を流した室温も高めの部屋で、ゆったりと楽にさせてから、担当女官がより良い生まれ変わりを真剣に祈りながら、対象が苦しまないように慎重に精気を抜いて行くのです。

そして…この実習、聖院の場合は罪人工場街の一角で行っています。

(痴女宮でも同じですよ。対象の牛さんや豚さんニワトリさんには運命を悟らせないように注意してるんです。そして死亡後は即座に別室に運び込んで大量のお水で流して冷やしながら血抜きするような流れ作業の設備を設けていますけど)

そうなのです、仲間や他の生き物の匂い、特に死臭めいたものが漂ったりしないようにものすごく気を配っているのです。

(老齢院でも、静かに息を引き取れるようなせつびにしておりますのに、罪人や下級女官のごはんになっていただくものたちに感謝を込めずしていかがしますか。くうか食われるかのたたかいのはてに死ぬのではなく、わたくしたちに食べられてしまうのならばせめて、感謝と敬意をしめすなかでいきをひきとってもらうべきですわね)

更には魚も…ですね。

実は聖院側でも徐々に生体発電機関搭載船の導入を進めております。

で、これを使いますと沖合まで魚を取りに行くのが容易になります。

更には、船の規模によっては生簀いけすもしくは冷蔵・冷凍庫を設けられ、鮮度を維持したまま港に持ち帰る事が可能に。

で、肝心の漁船員。

(痴女皇国海事部と聖院学院水産部に教育を委託しています…)

(陸地の建物類がちょこっと違うだけで、周りの海の魚種や水温や海流、そっくりそのまま全く同じだからねぇ…)

そして、この仕事…たまにアルトさんが実習講師として潜っている事もあります。

鬼作戦以降、聖院と痴女皇国双方のアルトさんは海事部のセパレートスーツタイプの制服を持たされていますが、例の海女さん経験を買われての事だそうですよ…。

(えび料理はどちらの食堂でもにんきなのです…あともんぜんまちのかき牡蠣料理屋、じょかんがよく行っておさけのんでますよ)

どこのOL御用達居酒屋なのでしょうかというのはともかく、生き物については我々がおいしく頂くためにも、そして何より聖院規範に則って処理するためにも精気ドレインによる安楽死処理が基本なのです。

あと、その牡蠣料理屋は焼いて出すのが建前ですが女官能力を使えば解毒してナマdえ

いえ、何を言わせるのですか。食品衛生法こそ聖院世界には存在しませんが、女官でも死なないだけで食中毒の初期症状は出る事があるのですよっ。

ですから…先述した居酒屋ですとか、罪人寮の居酒屋罪人でも「踊り食い」や「活け作り」は出さない事になっていますよ。

(これはまぁ、仕方ないんだよな…)

(生物を苦しめていいのは、カエル女のような殺しても死なない相手だけなのです…)

ベラちゃんの趣味はいいから。

まぁ、私も直美やアンジェリーナをいたぶ

何を言わせるのですか。

ともかく、わざわざ聖院を開闢かいびゃくした初代様にご説明を賜らずとも、聖院も痴女皇国も厨房に持ち込まれる食材に対して刃物を振るうのは死亡後。

特に聖院では不殺を守らせるために厳しく躾けています。

こういう屠殺作業、実は聖院勤務女官は罪人工場の警備担当になった際に必ずやらされますから。

理由は、生き物の命を頂いてお食事にする事は元来は身につまされる行為であり、殺してごめんなさいのお詫びの気持ちを持たせるため。

牛でも羊でも豚でも、聖院女官には従順なのです。

その従順な子たちですから、殊更に苦痛なしに送ってあげる必要性を学ばせるためなのです。

(ちなみに痴女皇国でも矯正部配属時点、または聖院学院本校福祉部もしくは茸島分校でやらせますよ。ドレインした際の加減を学ばせるというのもありますけど、むやみやたらに命を奪う事がどれほどの罪かを理解させるためにも必要なのです)

(そういう慈悲の心を小官にも振り向けて頂けませんか)

(牝のカエルは今度、生きながらオーブンでアッローストしてみましょうか)

(わかったからジョスリーヌさんとベラちゃんの心話は閉じなさいよ…今、ほんとに真面目にアルトさんがアナさん助けようとしてんのよっ)

これも、初代様曰く。

(ほんとーは中井義文さん。あの方かティアラちゃんがアナを孕ませてほしかったのですわよっ。たのちゃんののひとをあしざまに言うなど何を考えておるのやらっ)

ベラちゃん。

初代様って、こういう方なのかしら。

(復讐の女神のネメシスさんを間接的に産んだ方です。ぶっちゃけ執念深いです。基本的にそのおばちゃんは諦めるということをしません。ですから常に虐待して黙らせておく必要があるのです)

(ベラちゃん…あんた、仮にも聖院を作った初代様でしょ…しかも神様の起源の方だって言うし…敬意はないの…)

(しほちゃん。おかみ様と初代様の面倒、聖院そっちで見てもらえますか。多分、白ねーさんは超光速で拒否りますよ)

(ベラちゃん。痴女皇国の年間予算の1割、聖院こっちに寄越してくれたら引き受けるのを考えるわよ)

(白ねーさん。金額以前に財務局と…たのきちが拒否るのわかってて言わないで下さい)

(つまり、お二方の被害は痴女皇国の年間予算の1割未満で済んでいるのね…)

(さいきんはあばれてへんぞ!)

(前はやってたのか…)

まぁ、神様同士の喧嘩の仲裁も御免被りますので、アルトさんは…ちょちょちょ、何をしてるんですか!

(みてのとおりです。ふんぎりがつかないようなのでおめこして犯しておりますよ)

ええ。痴女皇国での通称、おめこ椅子に座らされて上からアルトさんにのしかかられているアナさんの姿が。

それにしても、アルトさんのケツの動きは毎回毎回見ていて思うのですが激しいですねぇ…じゃない!

(アルトさん!こっちからは手出し禁止でしょう!)

(いえいえ。いつまでもうじうじしているからしびれをきらしただけですよ。はらませるつもりはありませんし、あたくしとおめこしてげんせいへの未練がしょうじるようならばそれはそれで重畳ちょうじょう。それにこれはおしおきなのです、おしおき。これだけのひとで人手を出して探させてわたしはわるくないとかおもっているようならば、それはおおきなまちがいなのです)

ああ、アルトさんの悪い癖が出ましたね…。

(ねーさんたち…止めさせます?)

(あのアホは…いや、いい。このままアルトに犯されて嫌がってんなら自己発火コース待ったなしだ。アルトなら白金衣着てなくてもアナさん程度の自己発火なら充分に耐え切れる。アルトへの懲罰は後で考えるとして、このままやらせといてもいいだろ…)

(むしろ、アルトに犯されてること自体がアナさんには屈辱的なはずよ。アルトは聖院でも痴女皇国でもほぼ最上位の皇配将軍だけど白人種じゃないのは完全確定。そして初代様の血縁系譜に繋がってて能力継承の序列にも叙せられてるんだから、アルトを拒むことイコール、聖院や痴女皇国を拒むのと同じって判定が出ちゃうのよね…)

な、なんという荒療治なのでしょうか。

そして泣き叫び拒否したいけど、アルトさんを拒否すると真剣に命に関わるのを自覚する程度の知能はあるアナさん、涙を浮かべながらアルトさんの激しいちんぽ出し入れに耐えていますね。

(ほれほれ、きもちがいいならちゃんとこえをあげるのですよ。あなたも女官けんしゅうでどういうふうにおとことおめこするかおそわったみのうえ。しかも、すぺいんではつばめさんというのですか、わかい男の人のちんぽをくわえこんでおしりをふっておられたのでしょう?)

ひいいいいい。

アナさんご自身の夜の生活の記憶まで、事細かに掘り起こして突きつけるアルトさん。

本当にこの人、情け容赦がないときにはなのです。

しかも、駄洒落菌混じりの先走り汁をアナさんの膣に送り込みながら、若返った生娘姿のアナさんを嬉々として凌辱しています。

(ふっ、せんのうまではしておりません。それに…しろくないはだのもののちんぽをほしがっているひとはほかにもおりますでしょう。ほれほれ)

えええええ。

見れば、カルロータさん…ですか。

私の聖院上級騎士服…痴女皇国の白薔薇騎士団用制服から露出度を落としたそれから、私のちんぽが引き出されています。

つまり、部下認識されています。

これ、先述した部下調教があるから普通は出せない筈なのですが…こらぁ、アルトさんでしょ!

(おほほほほほ。うたげにはよきょうがつきもの付き物なのですっ。しほちゃんも痴女皇国に来ているのですからちじょこうこくのりゅうぎでおしごとするのです!)

あんた鬼か。

更に、聖院だろうが痴女皇国だろうが、元来はこう言う事にうるさいはずの堅物たるうちの母親、何黙ってんのよっ。

(アレーゼ母様!これ何なんです?許していいんですか?)

(しほ子。やらせているのがテルナリーゼ様だけなら私は文句を言った。だが…二代目ベルナルディーゼ様に…スクルド様までもが認可しているとあってはだな…)

(菅野しほ子っての。あなたも痴女皇国型女官種人類なら、この場は自分の欲望に忠実になっていいわよ)

ええことありません。

聖院うちは欲望の象徴の行使に厳しいのです。

その代わりに、昨今はある意味で少し前の痴女皇国以上。

懲罰の中には、衆人環視での姦淫も存在します。

具体的には聖院本宮の一階ロビー。あそこで犯されます。

そう、買春目当ての参詣者が引きも切らずに来るあそこですよ?

(痴女皇国でもさすがにあれはしませんよ…)

(あんなことしたら、さすがにせいがんですよ…)

(あれは発案した女官長まりーさんに言ってください。それとノリノリで賛成した騎士団長だりあさん将軍あるとさん金衣女聖まりあさんにっ)

(白マリ…あれは流石にないんじゃないの…)

(おだまり黒マリ。あんたとこも前は参道で拘束して黒薔薇に犯させたり参詣客に穴使わせたりしてたでしょうがっ)

あ、あれか…あれにヒントを得たのですか…。

で、参詣者が途切れずに出入りする聖院本宮。

なんでそんなことになったのか。

理由は、アナさんと同じように人種を選り好みしたり、客を選ぼうとした人がいたり、はたまた聖院側の指導に背いて手抜き売春しやがったのがいたからです。

で、なんで聖院の過激な懲罰がとがめられないかを簡単に。

聖院と痴女皇国の売春内容の違いで一番大きいのは、本宮の時点で女官の受け身コースがあることです。

そして、それは基本なのです…。

痴女皇国では男の好きにさせるのはどういう場合だっけ、ベラちゃん。

(本宮の罪人利用と、一般客の千人卒以上のちんぽもち指名。それと、本宮外利用…つまり色街旅館なりジュネスや淋の森で女を買った場合ですよ)

で、なんで分けてるか。

売春が国営事業の痴女皇国は、宗教施設である聖院の元来の施しは痴女宮本宮でやってる建前。

(ただ、罪人と仲良くして高純度精気を頂くために、疑似恋愛とまでは言いませんけど男の欲望や願望を否定しない方向で罪人と接するようにしてるんですよ。聖院学院本校の福祉部を出て働いてる志願罪人扱いの少年もいますしね)

それと、女官主導じゃないおめこがしたい人は割高になる場所に行くか、宣伝役をやってくれ…これだったよね、色街旅館に行かせるの。

(あそこは最近は淋の森で遊ぶのを勧めてますからね…淋の森の一発が本宮の1時間と同じになるように五千ルピーに相場を統一しましたし…ただ、実際には二発三発と抜いてしまいます…1時間あればたいていの人は出るものが出なくなりますし…)

そう、向こうちじょこうこくは精気授受の際の純度と量、ことのほか重視しているのです。

これに対して聖院は、本宮内での精気吸い取りを重視して、稼働率を極限まで上げているのです。

ただ…売春宿については、組合長が還俗女官の上に、女の子たちも実は大多数が還俗者。

聖院側でも整備した淋の森を含めて、還俗者の再就職先として運営しているのですよ。

(立ちんぼするにしても本宮で働いた方が若返りも出来ていいよって、還俗者にだけ売春鑑札出すようにしたのよねぇ…)

聖院そっちは旅館組合が健在の上に、おいそれと廃止できませんからねぇ…)

では、どうやって精気を抜いているのか。

単純に言うと、痴女皇国の聖母像や慈母観音像と似た仕掛けを旅館街や淋の森に仕掛けています。

(聖院のねーさんはリモートドレインでも高効率で吸い取れますからね…聖院側では、姉の力を補助する増幅装置兼中継装置、痴女皇国側で言う色街一帯に仕掛けてると思ってください)

で、人種を問わずにお客さんから精気もきっちり頂くのが筋なのです。

色街や淋の森でのサービス水準は組合長にお任せしているとは言え、聖院本宮準拠。

そして還俗女官の再就職先にはしていますけど、相手の要望が読めないのは商売に支障があるということで、売春者は1人卒女官同等にしています。

ただし、還俗女官の福利厚生事業という形にしましたから…売春税こそ廃止はしましたけど、保険料は徴収しています。

ですので、立ちんぼ売春にしても色街利用にしても、本宮よりはちょっと割高なのです。

まぁともかく、聖院の場合は男の気持ちを推し量った営業内容、本宮で既にやっていると思ってください。

それをですね、こちらの意図を無視して東洋人や黒人のお客…商人や船乗りが立ち寄りますからね…に扱いをしたのがバレたら、上級女官や騎士が懲罰として辱めます。

それも、罪が重いとみなされた場合は一階のロビーで。

当然、動画も撮られますよ。

そして還俗女官の場合、組合長から懲罰要請があったなら淋の森の入口が懲罰場所です。

この場合は聖院警備部の騎士か、警務罪人が懲罰担当。

ただ…白昼堂々人前で事になりますから、大抵は志願罪人なしで警備騎士が犯すことになりますけどね。

(痴女皇国の場合は精気を何人から吸ったかというのがインセンティブまたは考課査定要素になりますから、頑張って吸わないとせいぼきょうかいおくりやでという事にしてるんですけど…)

(聖院でも同じだけどさぁ…聖院では基本、屋内で施術する建前だから…マリアさんが淋の森をそっちみたいにしたくてウズウズしてるの止めて欲しいんだけど…)

(それは聖院側でやってくださいっ。あたしも淋の森の運営については本宮のサービス水準を決めてるのと一緒で厚労局と内務局の稟議を見て文句言うしかないんですっ。あれ、あたしが内容決めてやらせてるわけじゃありませんからね…)

ベラちゃんの恨みがこもった心話でおわかりでしょうか。

ただ、聖院にしても、私なら私の一存で過激な罰を決めたりしてはいませんからね…。

(まぁ、大体はそっちのマリーちゃんじょかんちょうが主犯でしょ、そういうのって…)

うん、よくわかってるじゃない。

流石は私の後輩。

ただ、立場的にはベラちゃんの方が圧倒的に上は上なのです。

万一、聖院に何かがあってベラちゃんが応援に来た場合は、私がベラちゃんの指揮下に入ることになります。

ですから、私とベラちゃんの会話はあくまでも日常のそれだと思ってください。

ただね、これ…出来たら止めて欲しいんだけど。

(あきません。痴女皇国うちも家族会がうるさ…厳しいのは同じなのです。しかもスクルド先生がバベーネ…おっけーって言ってるのにあかんダメとは言えないのですっ)

そんなぁあああああ。

ええ、なぜに人様に見られながら白人の女子高生めいた年齢の女の子のケツに、ちんぽ突っ込まなくてはならないのか。

ティアラちゃんは慣れているのか、向こうのゴージャスヘアの子を嬉々として犯していますけど。

しかし、人生の岐路に立たされている人物のすぐ近くでおめこに耽るのもいかがなもんでしょうか。

スクルド様とか言われましたけど、なんでまた。

(そりゃあ生まれ変わらせてもらう方が、私たち運命選定神種にはありがたいからよ。痴女皇国で処理した吉村美咲だったかしら、ああいう事例は多数作って欲しくないというのが私の本音よ。そして、マリアヴェッラの監視もあったから覗いてるだけ。アレーゼ・アクエリアス。いかが裁定なさいます?)

(スクルド殿…最後はアナ・デ・メンドゥーサの決断次第。そしてアルトリーゼの方向性は「差別心を無理からに無くすのではなく、次は有色人種に対して優位に立てる人生を願うのも一考」としておるかと)

(ふふふふふ…あたくしを逆になかせたいならばうまれかわりをねがうのもいって。このさき、あなさんがふたたびちんぽをはやさせてもらえるかはむずかしいでしょう。しかし、じんせいをやりなおせばかのうせいは皆無ではありませんよ…)

ええ、アルトさんの結論は、アナさんの矯正は困難。なら、生まれ変われるように最小限度の改心だけでもしてくれや。ちょっとでも反省しながら死んで燃えてくれたら次の人生にワンチャンスあるという方向に持っていきたいようです。

(だじゃれきんであたまのなかをかきかえてもよいのですが、やったことの程度がわるすぎるでしょう。それと…おなじ、きいろいさるとかくろざると言っていても、そこのおんなのこたちとは意味がまったくちがいます。しほちゃん、そのおんなのこはよそのくにのめずらしいごはんを食べているかんかくであなたのちんぽをたべているのです)

アルトさん、ものの言い方…まぁともかく、それはわかります。

カルメンシータちゃんにしても、痴女皇国の基準で言えばティアラちゃんの躾け、虐待にはならないのですよ。

何よりも上司の南欧支部長イザベルへいかが、専属女官として貸し出してる上に、調教内容をティアラちゃんに指示してるのですから。

従って、カルメンシータちゃんがティアラちゃんのことを黄猿風情に犯されて気をやりますとか言ってんのも、これは双方合意の上。

プライドをへし折られたくないなら、実力でティアラちゃんの上に立てるように頑張れ。

これも間違ってはいないでしょう。

それに、この子たちはまだ若い…痴女皇国と聖院の時間差やら何やらがありますけど、私の分体ですと大体、大学をそろそろ卒業する年齢です。

一方、即成栽培者もいますし、身体こそ調整していますが、この子たちは精神と肉体の年齢は高校入学くらい。

人格が固まって価値観が定着するのは、もう少し先になるでしょう。

だから…アナさんと違って…もし、今が間違っていたとしても、やり直せるのです…。

(あなさん、それにあなたはかりにも騎士をこころざしたみのうえ。ならよけいに、いっそじんせいをやり直すほうが、あたくしをこえることができるかもしれませんよ。あたくしだってさいしょはただのおんなのこだったのですから)

でも初代様の血筋を引かれておられるそうではないですか…と反論してるみたいですけど。

(あれはだれかれなしにしょだいさまのえいきょうが出るものでもありません。しょだいさまのおとしからかんがえたら、さいていでもなんぜんにんも、しょだいさまの力をひきつぐひとびとがよのなかにでてしまいますよ。たまたま、あたくしにこうなる風向きがめぐってきたのです)

たまたまの所、もし音声なら妙に力を入れておられましたね。

(それに…人のさだめをきめるかみさまがいま、まさにあたくしたちをみておられます。そのかみさまにおねがいしたからといって良いうんせいにしてくれるとはおもいませんが、何もしないよりはおねがいしてみるのもひとつのほうほうです。なによりそのおかたは、あたくしたちがきになっているお姉さまたちから見てこいといわれておこしなのです。あたくしたちがしゃべったはなしを決してききのがすようなことはなさらないでしょう)

ええ、アルトさんは基本的に口喧嘩も強い方です。

言われたら言い返す部類、それもかなりきつめに言い返されます。

私も父の遺伝のせいか、かなり言い返す方だとは思いますけど、聖院の仕事の上では結構、言い負かされているんですよね…。

(それに、しほちゃんに負けず劣らず手は早いのです。いわばしほちゃんにしてみれば、同族嫌悪の部類…)

(ベラちゃああああああああん…私、泣くよ…)

(まぁ、しほちゃんを庇うならばですね、そもそも聖院も痴女皇国も「言い返す人」は結構多いと思うのですよ。あたしだって立場上での発言もありますけど、割とガンガン言い返す方ですよ?)

うん、ベラちゃんは半分イタリア人で半分ロシア人。口数が多い部類なのはわかってます。

それと、アルトさんは基本、前向きですね。

やらないよりはやれ、これが基本の人。

そして…老化が始まったアナさんの身体を抱くアルトさんを中心に、火柱が上がります。

ちょ、ちょっと大丈夫なのですか?

(私が抑えている。それに只でもアルトはもはや金衣同等状態の上に、白金衣を着用しているから大丈夫だ。そしてアナさんに自己発火を薦めた以上、自分も付き合って生まれ変わりを祈願しているのだよ…)

なるほど、私も付き合って燃えてあげるから来世が良いものになるように祈りなさい。そしてアルトさんのような強さが欲しいなら羨みなさいと。

確かに、見ていてもアルトさんは髪の毛すら燃えていません。

(普通なら一緒に燃えてますよ、これ…)

白金衣の能力を見せられるのはこれが初めてか、あまり経験がないのでしょう。

唖然として見ているティアラちゃんと、南欧支部の二人。

(あたしも着たらあれくらいは耐えられるんですけど…)

ベラちゃん、気持ちはわかるんだけど今それ、言っちゃだめ。

アルトさんよりすごいぞってドヤ顔してティアラちゃんに見せつけたいなら雪山で何かするべき。

(あぃ…)

全く、ベラちゃんは意外に目立ちたがりなのですよねぇ…。

目立つのを嫌がってる発言もありますが、それは口先だけと思っておくほうが無難です。

本音は、絶対に目立ちたいに決まってますからっ。

(皇帝としての威厳というものを見せておく必要があるからやるだけですっ)

はいはい。威厳とか言うなら、とりあえずアナさんの自己発火火葬がちゃんとうまくいったか確認したげなよと言いたくもなります。

(菅野しほ子。大丈夫よ、アナ・デ・メンドゥーサの意識体は消滅を確認。ただし生涯についての記録情報はこの時間帯の出生者情報に移行記録されました。ただ…アトロポス)

(スクルド。おまえもしってのとおり、アナ・デ・メンドゥーサそのものが転生をはたすわけではない。あくまでもアナのじんせいのかしつや成功の結果が、べつの人間にひきつがれるのだ。その赤子のじんせいがアナのじんせいの歩みそのものとなるのではない…)

ふむふむ。

それと、私も今や、それなりの痴女種ステータスランクに引き上げられていますからわかるのですが、この心話をしておられる方々の話、逆に私が聞いていていいものやら。

有り体に申し上げて、神様そのものの行為の話です。

(別に構わないわよ。そうね…今、アトロポスが決めているその子供の人生に干渉できるのは…この場ではアレーゼ・アクエリアスただ…いえ、サレルフィール・アッ=シャフバンダル。貴女も、もし今、痴女皇国世界で生まれた何人かの子供たちの中に、アナの人生の宿業を移され流し込まれた子供の特定、今ならできるかも知れないわね。だけどそれ、必要?)

(いりまへん。あたくしがめんどくさいことはにがてだというけん、すくるどせんせいもよくごぞんじでしょう)

(そこまで身も蓋もない話にするか…まぁいいわ、サレルフィール…あんたがアルトリーゼとしてのを過ごす間に、もしかしたらその子に直接関わるかも知れない程度でしかないから、その辺は安心なさい)

(へいへい。あと、べらこへいか。こういうのは聖院のあたくしが今、さばさんど国にいるのですから聖院のあたくしにやらせてくださいまし。ふたりとも痴女皇国にきていてはあたくしのむだづかいでしょう)

(サボり禁止。十億卒据え置きに戻しますよ)

(そ、それはごむたいな話…せっかくダリアより上になれたのにぃいいいい)

(ダリアさんへの対抗意識くらいお見通しですっ)

せっかく格好いい見せ場を作れたというのに、自ら全てを台無しにしていくスタイル。

これが聖院でも痴女皇国でも、騎士の頂点に立つ人の姿なんでしょうか。

(しほちゃん。聖院でも痴女皇国でも、誰に統括騎士団長をやってもらっているか、その理由…あんたもよく知ってるでしょ…)

ええ聖院マリアさん。

確かにアルトさんは見かけ倒しの将軍じゃない事くらいは承知しています。

それに…女官経験も長いから大概の職務を経験していることも存じております。

しかし、仕事が出来るのと、仕事が出来る人に見られるのは話が別なのです。

わかりますかティアラちゃん。

あなたたち、アレ見て手本にしたいかを率直に答えてください。例えアルトさんには厳しい話になっても、この際忖度そんたく、無用。

遠慮なく自分の意見を言ってください。

(確かに手本にすべきか否か聞かれたら答えに悩みます。ですけどね…カルロータ。あなたたちが仕えているのはどなたですか)

(南欧支部長兼スペイン国王のイザベル陛下でございます)

(カルメンシータ。アルトリーゼ閣下の前でなんですが、まずあなた達は南欧支部婦人騎士団員。今が正にそうですが、アナ様が死亡された場合、指揮系統はどうなりますか)

(イザベル陛下が指揮されます。ただ…今回の場合、暗黒大陸地区本部から研修出向中のサミラ・イドリシ様が婦人騎士団長代行を務められます事は確定しておりますかと)
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/182/

(では、聖隷少女団の補助指導員の私はまだしも、あなたがた婦人騎士団員がまず手本にすべきは、どなたとなりますか)

(サミラ騎士団長代行またはイザベル陛下となります)

え。

指揮系統、ちゃんと確立してるんですね…。

(そして私は元来、聖隷少女団員の立場で見るとですね、茸島にいる際にはアルト閣下のお師匠様であるシェヘラザード聖院学院神学部長様。そして派遣中は聖隷少女団事務局長のリンジー様から指示された派遣先指揮者の指揮下に入ります。今は…アレーゼ本部長様の指揮下にある立場かと)

キリキリ答えるティアラちゃんですが、つまり要は、彼女たちにとってアルトさんは遥か遠くの雲上人めいた上位職者であって、直接の上司じゃないから見本にも「できない」と言いたいようですね。

ぬぬぬ…結構しっかり受け答え出来てるじゃないの、ベラちゃん…。

(でなきゃあたしがお手付きにしません。伊達や酔狂で聖院学院騎士科第二期主席卒業生三人の一角を占めていたわけじゃない子なんですから…)

(あー、特待生待遇だって言ってたよね…)

しかし、こんなんで明日以降の視察って大丈夫なのでしょうか。

私は聖院に帰還するとしても、一行の今後が不安で仕方ありませ…待てよ、今、下手に気を遣うとマリアさん辺りが「じゃあしほちゃん、ちょっと同行してあげてよ。大丈夫大丈夫、一週間くらいだけならいけるって」などと安請け合いをしそうですね。

ここは一つ、心を鬼にしましょう。

それに、今来ているスケアクロウは痴女皇国のIT011です。

この後は痴女皇国のお仕事で使う機体でしょうから、さっさと聖院空港に戻すのが筋。

第一、聖院ではなく痴女皇国とは言えど、南米だけでも我が母親のアレーゼが付くのです。

私の出番なぞはない。

こう確信しております。

だからねベラちゃん…そんなにティアラちゃんが気になるなら、あんたが自分でここに残ってティアラちゃんたちの面倒を見るのよ!

---------------------

べらこ「あたしにも仕事があるのです。それに分体は期末試験」

しほこ「ベラちゃんをしばけるかどうかわかんないけど、とりあえずしばくわよ? それに私の分体だって卒論提出に加えて臨時で某衛省採用試験とかふざけてるわよ。民間企業入社で行く話を土壇場で蹴られて某衛省に入省とか、宙兵隊に出向させる身分作りとか言われてんのよっ」

べらこ「ちなみにこのお話はスペイン鉄道開通式直後なので、話の中ではまだ2月になってないんですよ…」

しほこ「がるるるるる。まぁぶっちゃけ可能ならさっさと聖院に戻りたいのよっ。それにシェリーちゃんやサリーが研修でそっち行くかも知れないんだから、ティアラちゃん絡みの仕事は彼女たちにやらせてよっ」

べらこ「しほちゃん…うちは北方帝国攻略戦の準備もあるんです…」

しほこ「来年回しにすりゃいーじゃん…別に焦ってしばく必要はないんじゃ?」

べらこ「あるから言ってんですよ…いいですか、シベリアもウクライナももうじき、雪解けを迎えるのです。そして土が見えてる場所は片端から泥沼や泥濘地でいねいちになるのです…戦車や装甲車でも苦労するのに、馬車はもちろん馬や人の足でも苦労する状況ですから、厳冬期に次いで、あたしたちが制圧するのにうってつけの状態になるんですよ? こんな好機を逃すのはシェーモ…アホなのです」

しほこ「だったら尚更南米視察に人を回す余裕、ないはずじゃん…」

べらこ「だから聖院からお借りするのですよ…」

白マリ「しほちゃん。幹部として断りづらい話を断る訓練よっ」

べらこ(聖院ねーさん、痴女皇国年間予算の1%と淋の森売春運営資料で手を)

白マリ(とても興味深くて魅力的な提案ね…)

しほこ「賄賂禁止!行かせるならアルトさんだけにして下さい!」

白マリ「そんなに嫌がるなら、うちの幹部にローテーション組ませて派遣するつもりだったんだけど…しほちゃんを専任に命じてもいいかな…」

しほこ「そんなぁあああああ!」
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 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

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友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
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学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

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💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

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