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アルトリーネの華麗なる捕物帖
しおりを挟むアルトリーネでございます。
アドリブとかその場の思いつきというのは、時として楽しいものです。
が、しかし。
計算し尽くされて用意したはずのものが、思わぬ惨劇を起こす事もあると思います。
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で、何故かいきなり、褥所でクリス様といる場所に意識が戻ります。
しかも目の前に豚息子いや豚領主おるし。
今からジーナ様に連絡して、細マラで奴が帰る家を消し飛ばして頂こうか、そんな思いに駆られる豚顔を眺めているとマリア様から緊急連絡ががががが。
(うわちゃーアルトごめん!堪忍!今あなた手違いで銀衣に戻ってるの!今の状態でなんとかその豚捕まえて!)ぬぅ、マリア様もちんぽの誤りをなさる時があるとな。
(それを言うなら比叡山で筆おろしの誤り!)なんか比叡山という山にすごく失礼な気がしました。
しかし、後で教えてもらったところによると、この山は第六天魔王と戦ってファイヤーされる以前は聖院全員男に変えたような山丸ごとお寺で、しかも麓に下りて女犯はでふぉると、さらに稚児趣味はてんぷれーとな暴力寺院だと教えてもらいました。
更には暴力で全て解決しそうな尼僧ばかりが在籍していて、あまつさえ武器弾薬や麻薬密売もしているという犯罪組織にもほどがある教会があちらの聖院に該当する地域から近い場所に存在すると聞いて、むしろ聖院経営の参考の為にもあちらの世界の宗教とやらに関する方々の血の気の多さを見聞した方がよいかという気も。
(かしこまりました。ただ、お願いがございます。金輪際変態には会いたくありませんが、首尾よく豚領主を捕らえた暁には、近々で構いませんので、わたくしも向こうに行ってみとうございます)
(なんでぇそんなことかいっお安い御用よっ!頼むわよアルト!)
(…ああなるほど。マリア、これを捕獲したらいいんだね?では少しばかり演技させて。あと、僕が行きたいと言っていた地下の墓地、あそこなら確か担当の方が付き添わないと出られないんだよね?アルトリーネさんも僕と仲良くしてるの、他の人に見られたら後で困ると思うし、ちょうどいいじゃない。どう、マリア。この手順で行くから僕達を誘導してくれるかな?)
(おお、さすがおとーさんナイス判断。今から墓地用エレベーターに誘導するから、その豚に目隠しさせられる?あれ金衣の居住区から下、一階の女官寮入口横にしか止まんないのよね。元来は金衣銀衣が秘密のお遊びに耽る場所に行くためのものなので部外者厳禁の場所通るから目隠ししてもらうとかなんとか。あとおとーさん名乗っちゃダメよ!)
(クリス了解。じゃ、ちょっと演技するよ。マリア、あと記録装置は誰かに回収頼んでおいてね)
「ところでそちらの方はよもや男色のご趣味も?」
え…こら豚領主!クリス様を狙うな!っていうかこの領主ほもですか?待てよ?ほも?…いたいたほもいたうちにほもいてますやん!それも地下に!地下に!
(クリス様。わたくしが豚をたぶらかします。地下担当のプラウファーネ様、にゅーはーふですから)
(おお、素晴らしい。じゃアルトリーネさん、口八丁で誘導頼むよ?)
「お客様。男色の方は元来、わたくしどもは流石に対応しておりませぬ。しかしながら…」めっちゃ嫌ですけど、豚を手招きして耳元で囁きます。ええ、これくらい我慢しますわ!
「…実はその方面の担当が密かに配置されております。そして都合の良いことに、本日、とある場所の管理をご担当の様子。…ただ、そこは金衣様が密かなるお楽しみをなさる場所でもございますので、元来は部外者には立ち入りを禁じておりまする。着くまではお付けしております女官ともども、目隠しをさせて頂く事に相成りますが…」
「なるほど納得である。確かにかような場所ならばわしも心得がある。目隠しくらいどうという事はない」
「ありがとうございます」
(はい目隠し。あとでジーナ母様に返してね)背後に何やら落ちて来ました。マリア様が取ってきて頂いたようです。
で。目隠しを豚につけていると黒豚がやってきました。
褥所の女官に剣を預けているようで帯剣はしていません。短剣もボッシュートされてますね。よしよし。
(ダリアリーネにはあたしから伝えてる。アルト絶対服従。記憶は一部消してるけど新人銀衣の実力に調整してるからリトルクロウ奪われようとしても大丈夫。それに本能的にアルトにすがろうとするはず)何という段取りの良さ。あんなんやらかされた後だけに、なおさらクレーゼ様のお子様とは到底思えません。
(しっつれいねー、あたし今9割ジーナ母様の遺伝子にしてんのよ?あの淫乱の血を引きすぎたらヤバいマジヤバいって分かってんだから!それよりここ出て非常階段一段上がって。豚はダリアリーネに任せたらいいわよ)
(ぎょいー)
(なんかぼうよみねー。ま、女官連中には通ると伝えてるから邪魔はしてこないよ)
「ではご案内させて頂きます。ダリアリーネ、お客様の介添えをお願いいたします」銀衣正装を整えて皆様を室外へ誘導します。
クレーニャには最後尾を指示。
褥所詰めが決まっていた黒豚は単独なのであたくし、クリス様、豚+黒豚、クレーニャの順に進みます。
(そこ右。非常灯ついてる入口が階段室。VIP階側の非常扉は開放済み)
「ここから階段を少し上がります。ご注意を」薄暗い階段をほぼ一列に進みます。ひとつ上の階の扉を開けてくれている女官に会釈して、他とは違う白い石の廊下に。
(上がったら右向いて一つ目の角左で真っすぐ。外出たら左横が地下エレベーター。プラウファーネ来てる)
ああ。ここ、前のアレーゼ様の部屋区画ですね。
つまり、れいのぷーるならぬ例のベランダ()の下の階ですね。これならわかります。今朝てんぷれすの見送りで来たばかりだし。
「あともう少しですわ。専用の籠に入りましたら目隠しを取って頂いて大丈夫です」
(プラウファーネには客が両刀と連絡ずみ。おっさんは趣味じゃないけど頑張るって)
(あとで謝っておきます…)
電動籠の扉が開いて、待ち構えてるプラウファーネ様に会釈します。背後で黒豚がビビってる気配。あ…そうか、見たら死ぬ伝説か…。
(ダリアリーネ。その人見ても死なないから安心しなさい。それとめちゃくちゃ美人だけど面白い秘密あるから後で存分に驚きなさい)
(は。了解いたしました)何やら後ろでよだれの音がします。そーいや、黒豚って、性欲は結構強かったですよね。
皆が乗るとプラウファーネ様が扉を閉められます。水圧籠とは違う独特の作動音を知らない組は不安そうに。
(下で女官を待機させています。我々と入れ違いに捕縛班を迎えに上がらせますから、もはや袋のネズミですよ。B20F…管制室にはアレーゼ様・マイレーネ様・クレーゼ様がおられますし)
(なんという最強布陣。というかまだボコボコにしてたんですか)
(いえ。アレーゼ様がめんどくさがりまして、墓所に連行。ご先祖様方と大口論の末に、ご先祖様の指示にて黒ぶらぎがすなるものを例の倉庫から私がお持ちしまして、アレーゼ様とマイレーネ様が押さえつけて以下略)
(くれーぜさまがあなるにめざめないかしんぱいです)
(さすがに金衣様なので医務を泣かさず自力摘出されておりましたが、めっちゃ痛いと今も泣いておられます)
(誰がそんなもん作ったかは詮索せずにおいた方が幸せですね…)
(ここだけの話ですが、あそこの中の収蔵品、大半がやんちゃをなさった金衣様を、ご先祖様総出にて加勢された銀衣様がしばくための拷問具です。ぶらぎがすはその一つで、他にも黒かてーてるとか黒めんぼうとか黒ぷっちょとか黒いくらとか黒ちょせいぼとるとか)
(また一つ聖院の知りたくない闇を知った思いです…あたくし、そのうち指示でまりあさまに使いそうな気もします)
(やめい。つーか、あっこのブツの類似品、たいてい向こうの天王寺のおかーさんの部屋にあるから)
(ああっもっと尻とうない事実が!)
きゅいいいいん、くぃーん、がっこんぷしゅー。
電動籠が地の底に着きました。
その、もはやのがれられぬぞという雰囲気を全く意にせぬ者二名、初光景に怯える者三名。
そして、育ちの良さで大人しくしておられますが、この光景に内心狂喜乱舞している少年の心…いやガチのリアル少年ですね、失礼いたしました。
そして目隠しを外された豚の眼前にあったのは、プラウファーネ様です。
ただ、いつもの黒ドレスではありません。
どっかで見ました。
何かで見ました。
うさぎの耳のようなリボン。
せーらーふく、と言うのですか。あれに近い短い上着。
そしてひだの入ったもんんんんんんんのすごく上下に短い腰巻き。
わざと見せているという、黒く細い下帯。
紅白の横縞が入った足履き。
後に聞けば、ぜったいりょういきというものを表現するために、マリア様自らプラウファーネ様のプラウファーネ様を愛撫しながらご採寸されたそうです。
下帯も、プラウファーネ様を勃起状態にした時の強調効果を計算したものを与える必要があると拳を握り締めて力説なさりながら細かく細かくすりーでぃーすきゃなーというものとご自身の手を併用して以下略。
靴とやらにすらこだわり、原型となった何かを忠実に再現。ちなみにプラウファーネ様は元来のわたくしどもの女官ではないので、ご本人様と比丘尼国の方だけなら熱問題はないのだとか。
…この服作るのに、NBで再生産しているろーるすろいすとかいう車一台分の費用を投じたそうです。
マリア様に許されている支出額からすると「一般市民がひゃっきんでぱんつかうくらいのはした金」らしいですが、NBの一般市民の生涯年収の半額くらいは簡単に吹き飛ぶ金額で作られた特殊装備。
後日、着用状態のしゃしんを見た菅野様曰く「いや、あのパンツじゃなくてズボンか、特に俺様に該当する女の絵を描いたやつ殴ろうかと即座に思ったけどな。これはもう、もし二水戦の連中が見たら泣くか喜ぶか二択しかないわ。っていうか今から二水戦の連中、特にアレ乗ってた奴に見せに行かせろ」と、どうもでざいんの源になった何かを知っている人らしい感想を下さいました。
ですが、おっぴろげ何とかをするハメになったあたくしとしては多分、俺達の真剣ないくさを返せと泣くと思います。
何故ならばその服装、その当時の日本では「ほものしょうちょう」になっていたそうです。ええ、よりによって仏象国の男色僧侶が小坊主にそれを着せてほもっていたくらい、ほもほもしい服扱いされているらしいので。
更にクリス様がプラウファーネ様の姿を見て、ものっっっっっっっっすごく嫌な顔されてます。
はい。これまた後にお聞きしました。「あれ、ジーナさんが○風くんの存在を知って、取り寄せられた事がありましてね。あんたが男同士は嫌なのはわかってるから、せめてあたしとの時に着てくれと言われたんですが、同時に着用事例として昔の薄っぺらい本を何冊も買っておられましてね。特に何ですか、明石の辺りで悪魔の魚を獲るための壺をペンネームにされてる方の本。あれを拝見しましてね。あれを着用すると何処かから帰れなくなる恐怖に取り憑かれたんです。一度だけ着てあげましたけど。ええ、彼女、発狂したかと思うくらいはしゃいで写真撮ってました。けど、僕にも尊厳というのがあるから消せとまでは言わない。セキュリティレベル最強クラスのストレージに仕舞って天王寺以外で見ないでくれと泣いて依頼しました。アルトさんに隠し事できないのはわかってますけど、僕の二大クロレキシとして他言なさらないで欲しいのです」と、あたくしの熱にも負けずに手を握り締めて真剣に泣きながらお願いされたのです。
ええ、あの服は色々と災厄をもたらす悪魔の服だと思います。
そして、何故今ここでその悪魔の服を着させられている人がいるのか。
プラウファーネ様から、地下区画内でのマンネリ防止を相談された方が、一連の自宅での惨劇を知っている上に、そのせきゅりてぃを突破できる人だったからです。
そう、マリア様です。
マリア様は即座にあれの複製品を提供する事に思い至り、特許と株式を取得して地位すら得ているNBの企業、あたくしの金服などを開発した企業に瞬間移動して現物と薄い本を持ち込み製造を号令されました。
うまくいけばNBの助平市場にも流せるぞ我々はまた売り上げと利益率向上を図れるのだ君たちの臨時賞与も期待できるかも知れないと、皆を煽り倒しておしりを蹴って作らせたのです。
ええ、マリア様こそクレーゼ様より更に恐ろしいと思います。あの方はあちらの文明文化を知って理解しております。そしてこちらでの地位は元より、あちらでも相当な権力を直接または間接行使して、お金と人を動かせる方です。危険です。
(淫魔だったっけ、あれよりはマシだと思うぞ)と言う突っ込みが来ました。ええ、元々身長高めなプラウファーネ様が着るとバ○ァ無理すんな感がみなぎってるんですよ。本人も自覚しています。はぁはぁしている豚領主をの手を嫌そうに引いて寝台の方に連れて行ってるその肩が震えてますから。あれは悲しみの震えです。
がんばってください、プラウファーネ様。後日、黒豚とか連れて慰問に行かせて頂きます。体が空いてたらジーナ様もご一緒して。
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プラウファーネ「うう、実年齢と見た目が違うから油断していましたが、あれ着るの、ものすごく恥ずかしいんですよ!」
マリア「いや、イベントとかでガンガンあれ着てうろつく男いっぱいいたみたいよ。あと島○くんオフとか言ってアレばっかで集まっておふぱこっていうの、乱交するとか」
アルト「…それ、♂ばかりなんですよね?集まっているの…」
マリア「あったり前。天の声もなんとかすとりーとふぇらか知らんけど、そういう一団目撃してアタマ抱えてたらしいから」
アルト「見たいような見たくないような」
マリア「そんなアルト君に朗報を教えたいんだなっ。開発費考えたらさ、初期試作縫製品、あたしが一着で済ませると思う?えっとね、あたしと父様とジーナ母様のぶんでしょ、クレーゼ母様、アレーゼおばさま、ダリアリーネ、で、アルトのぶんもある」
アルト「ぎゃあああああああああああ」
クリス「あの、マリアちゃん…なんで僕の分をだね」
マリア「ジーナ母様直々ご依頼。おとーさんの分のぱんつは女性用って三回ダメ押しされた。あと、マイレーネ仕様縫えっていうから嫌だけど作らせた。ちな、マイレーネ用、今地下にあるよ」
アルト「ぎゃあああああああああああ」
ダリア「お願いします、マイレーネ様パンチを受けますからそれ見て悶死の罰だけは回避させて下さいませ!」
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