アルトリーネさんのいけない修行の日々

アルトリーネの死霊退治 -ヴァルハラの戦士たち- ３

皆様チャオなマリアヴェッラです。
前回に引き続き、いけにえ村からお伝えさせて頂きます。

むだづかいはいけません。
無駄撃ちもいけません。
カイゼン思想が行き渡る痴女皇国ではあってはならない話です。
更に、混乱に乗じて恨みを晴らすために味方撃ちとか論外です。
ですから、罰を与えることは妥当に思えます。

…でもね、罰の内容は常識の範囲内にしときましょうね、ねーさん！

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「大将殿。そろそろ召し物を…」と言われて姉が慌てて服を戻しています。いますが。
「うわっはっはっはっはっはっ！これはまた見事に傾かぶかれたものよ！」ええ、何であの猿蟹合戦の蟹衣装に…。
「そりゃベラ子おめぇ、うちの部下に何を安康服あんこうふく着させてんだって大英帝国様方面から苦情が来る話になった場合の保険よ保険。あたしが何着ようが基本的に戦闘能力に変わりはねぇの知ってるだろ？」
「んじゃ懲罰服一号で」
「やめいっ」
「それはそうと伽子さんどうしてたんですか」
「んー、琴とソニックブラスター、もっかい使ってもらう必要あっかもな。…って、ベラ子、あんだけポロポロ鳴らしてたの気付かなかったのかよ」すみません、西方組と一緒に暴れてました…。
「確かにあれは便利であるな。野伏のぶせが出来ぬと織田の殿が本能寺に化けて出そうであるが」
「まぁ、伏見の農民の無税特権どうすんのよって話は徳川幕府に振ろうそうしよう」あけちみつひでというきんかんおじさんな方、連邦世界の通りに伏見のお百姓さんの落武者狩りに遭って討ち取られたそうです。
それはそれとして村の惨状です。焼けた建物こそありませんが、食卓などは無残にもぶっ壊されたり等々。
村民は片端からドレインされるか駄洒落菌変種に感染してマインドコントロールから外された状態。とりあえず一箇所に集められてはいます。
村長はじめ村の幹部の男と神託巫女は少し離れたところで聖院姉と白エマちゃんが監視兼取り調べ中。慶次郎さんとおまつさんは興味があるのか一緒にいますね。
ノルデンショルド先生はヘディンさん・バードさんを従えてミューレンフィーネ・ニオオフラーネ両名と共に村内の施設を見回っています。貸与品のタブレットボードやらカメラやら色々駆使して、単なる犯罪の証拠に留まらず、なるべく学術的価値のある詳細な記録を残したいのだとか。と申しますのも…。
「さて、このまま終われば万々歳だけど…一番近い代官やら地頭やらがいるのはイェブレだけど戦力としては不十分か…ウプサラの駐留騎士を寄越すにも半日はかかるかなー」
「流石に北欧支部詰めの20人程度規模じゃ、ここの現場保全や事後処理はちょっと厳しいですよね」
「欧州地区本部から傭兵団と指揮騎士を派遣してもらうわ。エマ子、かーさんと二人で11号機、おまん…レマン湖まで飛ばせられる？」
「できたら理恵さんとたのさんプリーズです」
「了解。りええ…どうだ、懲罰服1号の怖さがわかったかっ」姉が例の島◯服で正座させられている理恵ちゃんを叱っております。
…ああ、どさくさまぎれに姉に駄洒落菌弾丸打ち込んだ件ですね。ちなみに駄洒落弾の値段をたのきちから聞かされて泣いていました。
「向こう半年、業務報奨金七割に減額っ。女官長時代より付き合い支出減ってっから大丈夫だろ？不足分捻出については淋の森利用許可またはクラブジュネスでのアルバイトを認める。…宿坊にデリヘルやってないからな…」姉が嫌そうに理恵さんに罰を宣告しています。まぁ…駄洒落弾丸の値段を考えたら妥当なところでしょう。もっとも理恵さん本人は妥当と思っていません。言い返してます。
「国土局の仕事終わって女官仕事とかどんな借金返済の風俗バイトよ！たのもかばってよ！」
「女官業務なら今はインセンティブつくでしょ」と無慈悲にたのきちが申します。
「なんぼなんでもあの実戦中の修羅場に故意に味方撃ちするとか、さすがにあたしでも本当なら重罪ってわかるわよ…それに駄洒落弾、まりりに何発撃ち込んだの？」
「だんそういっこぶんまるごと」
「あほかあああああ！完全に故意でしょーが！」
「子供かお前はっ…まぁ、この際駄洒落弾とは言え実弾を撃ち込んだ件はまだよしとしよう。しかし、りええ…これ一発で5千南洋ルピーだ。つまり同時並列処理十件皇子だの諭吉先生だの栄一翁だの50人分なんだよ、ワンマガジンで…しかも門前町と現代日本の物価差考えてくれよ…アメリカのスーパーみたいに計り売りしてるような安い弾丸じゃねぇんだぞ…」姉が変態なピンクロリータマシンガンから抜いた弾丸と弾倉を見せております。
「悟洞さんや捨丸さんたちもぽんぽん気楽に撃ってたじゃん…」
「味方撃ちはしてねぇだろうがよ。それとりええ、アニメやシューティングゲーなんかで気楽にタマぱんぱん撃ってんのと実戦一緒にすんなっ。言っとくが捨丸さんとか骨さんがぶっ放してたグレネード弾でも一発千円未満、九二式やバレットの弾丸は駄洒落弾だが、タマがでかい分それほど精密な部品組み込む必要なかったからP90用より安いけど…それでも8千円くらいだ。しかも悟洞さんは眉毛男ゴノレゴ並みに無駄撃ちしてないぞ。ちなみに.50の12.7mm機銃弾なら一発500円くらいだ」
「金の単位がわからぬ…」
「たの！すまねぇ解説希望！」
「えー。前田慶次郎さんの生きた時代と江戸幕府後期じゃお米やら何やらの値段がかなり変わりまして、確かデノミやってたな…お金を回収して再発行したり、お米の値段について悩まされたりとか色々ありました。ですのでわかりやすく、連邦世界…私の元来いた世界の米沢市や山形市で作られたお米の銘柄の値段で解説しましょう。は・え・ぬ・き・もど・ま・ん・な・か・もだいたい値段同じよね…よし。この弾丸一発でお米198合になります。弾倉一個だと何と十石。なおアバウトにはえぬき30kg1万円、一石150kgで計算してますよ」はい、安土桃山から江戸時代を生きた日本の皆様が絶句されます。
「うむ。室見殿と申すか…多少の罰はやむを得ぬであろう」
「そりゃ米十石分を無駄にすると思えばなあ」
「弾丸や弓矢は無料ではないが、それにしても遥か先のいくさは金がかかるのだな」
「まぁ、撃った弾は特別あつらえらしいですから」
「ちなみに徳川幕府の時代ですと金十両、年代によりますがお米十石分を盗んだら死罪の刑です」
「よし。りええはエインヘリヤルの刑だ。朝に射殺して夕方に生き返る。ただ本物のエインヘリヤルと違ってヴァルハラの宴はねぇぞっ」
「ぼたん鍋ゼーリムニのお肉も山羊乳酒も経血入り蜂蜜酒もいりまへんっ」
「節子いや理恵それケルト神話の淫乱ドビッチ風の女王めいゔ」
「で…あたしの処遇云々はともかく、ま・だ・い・る・んじゃないの？」理恵さんが不安そうに姉を見ます。
「ああ。だからとりあえずたのきちと二人で欧州地区本部に行って来てくれ。マイレーネさんにはあたしが話をしてるから」
「よし、理恵ちゃんたのちゃん行くでっ」
「なんかあしがうごきません」
「たのきちにおなじ」
「これとどっちがいい？」姉が草地に置かれた二挺のくそ長い銃を示します。
「それどんな威力あんのよ」
「どっちも似たようなもんだ。弾は違うけど口径は20ミリ、弾丸の初速も毎秒800m超え、時速に直すと2,900キロ未満だな」
「あたし銃詳しくないけど、ろくなもんじゃない気がする」
「よし。あの横たえられた枯れ木を見ているんだ。まずダネルから行くか。よいしょ。あ、人質の皆様と狼質の皆様。我々に対して恭順の意を続けて頂くと助かるが、逆らえば今度こそはこうだ」姉が手も触れずにひょい、と慶次郎さんの身長くらいある銃を無造作に、向こうにあった横たえられた大きな枯れ木に向けてぶっ放します。

ばごぉおおん。

激しい着弾の火を上げて木の半分くらいが吹き飛びます。
「おのれ！先祖の木に何をするか！」
「神罰を受けろ！」村の男衆が騒ぎます。
「ねぇまりり、わざとこの人達が大切にしてる木にあんなことする是非はともかく、あたしにそれ使ったら生き返るとは言え、ああなる訳よね」
「だから素直にスケアクロウに乗ってくれたら助かるんだがっ」姉がもう一挺の、もっと長い銃を用意します。
「こっちはもっとエグいぞ、ガチの対戦車ライフルだからな。射程はダネルに劣るけど至近距離ならビルのコンクリ外壁すら抜きかねねぇ代物だっ」
「はいはい乗った乗った。ねーさんがこの後の修羅場避けるために逃す目的もあるんですから…」とエマちゃんが機内に転送してしまいます。
「んじゃねーさん、06のコントロール権限渡しまっせ。やべー事態起きたら速攻連絡希望」
「マリ公、マイレーネさん連れてくる必要あればすぐゆえ。転送の方が早いやろけどな」と二人が機内に消え、複葉モードに切り替えて着地していた11号機が数メートル浮上。ほんとに境界層制御装置という噴射エンジンが動かないと静かですねぇ。
で、例によってガシャガシャと翼を動かして一瞬で単葉機になったスケアクロウが北欧の空に舞い上がります。その異様な姿に、村人からは悪魔の鳥だとか恐れを為す反応が。
「まぁ、11号機のコンフォーマルポッド積み替えたら真剣に自由恋愛王国くらいはガラスの大地に変えられるんだけどなっ」
「ねーさん。ところで疑問がっ。普通11月の北ヨーロッパって、この時間帯はもっと暗くないですか？」
「ふはははは、いいところに気づいたねベラ子くんっ」ドヤ顔する姉の頭を張り倒したい衝動に駆られましたが、どうせいらん事してるに決まってますから話を聞いてからにしましょう。
「オラトリオの地球側レシーブアンテナだが、実はこういう時のために集光ミラーシステムを兼ねていてね。国際救助隊出動な事態が起きた際に照明として運用もできるのだよ。上苦理学園孤立時の時も辺りを明るくするためにこれを使っていてなっ」得意満面に画像を見せる姉ですが。
「あの… この時間帯に夏至の時並みに明るくなるほどの太陽光を照射し続けたら環境変わりませんか？」と優しく突っ込んでおきます。まだドヤ顔してるようならムチの黄金柄かあたしのちんぽ突っ込みますけど。
「ちょっとくらいならいいだろっ」
「姉に対してはりせん使うには偲びませんが。えいっ」頭に蟹の被り物してますからお尻で。
「痛えよっ！今の全力だろ！」
「いくらこの人たちに日射や気候などどうにでもなるわー！と石◯賢の漫画ばりの悪役風味のドヤ顔を決めたいからと言ってあまり感心はしませんよ？」あたしの言葉に村長他、皆がすがるような目を向けます。ええ、まだ話を聞いてくれそうな奴がいるという目です。
「それに、一応は先祖を祀る風習の木です。いくらこれを媒介にして北欧神種族が復活する可能性があるから分子一つ残さず対消滅させてしまう必要があると言っても、せめて説明してから実行してあげましょうよ…」優しく言っていますけど、あたしも実はこの木の処分には断腸の思いでGOサインを出さざるを得ないと思っています。
例えて言うならば、おたくの墓石から有害放射線や致死性伝染病が発生するから壊しますよって言われてると考えてください。
ええ。この村の建築物やら何やら、基本的には地面の上から消滅させる方向で行きます。連邦世界でも、ウプサラ神殿遺跡は徹底破壊した上で上に盛り土して教会を建設したそうですし、痴女皇国世界でも基礎の石しか残っていない状態です。
ノルデンショルド先生は大変に残念がっていましたが、あたしはそうは思いません。
ここの聖なる炎とかいう円形のかまど…今は強制消火していますが、安井金刀比羅宮の例の穴開き石並みに危険物です。
かまどだけじゃなくて他の建物やカカシみたいなオブジェに至るまで、この村の中にあって人の手が入った一切合切、そのまま残すのをためらわれる状態です。
エマちゃんに言わせると消毒済みですが、人間の記憶を元に件の風習を再現しようとするものが現れてしまう可能性があるとか。ああ…それでおかみ様や初代様が関わってた遺跡も潰したものがあるんですね。

そこであたしは提案をします。
「みなさん。私たちの考えを押し付けて申し訳ありません。ですがお互いの考え方の違いはともかく、人をやたらといけにえに捧げて貴重な人口、特に労働力を減らす風習ははなはだ感心しません。普通の人間の軍隊ならあなた方を皆殺しにしていてもおかしくありませんが、みなさん全員…狼の一匹に至るまで生かしている事で、あたしたちの考えを汲み取って頂ければ幸いです」と、狼の一匹を呼び寄せて撫でます。
ただ、この狼…実はこの辺りの狼に対抗するために日本の紀伊半島から遠征してもらったニホンオオカミの一族でして、あの辺を仕切る鬼さんと協調して治安維持を図る役目を負っています。
そして人里から選抜された子供を預かり、犬神の一族として狼の長に頂く習慣があるとか。…今回は十月懇親会がありますから狼さんだけ借りましたけど。つまり長に選ばれた子供には狼の力が備わり、鬼さん同様八百萬神種族の眷属扱いされます。もしかしたら今後、犬神一族の長はこの話に出てくるかも知れませんから覚えておいてくださいね。
（自由恋愛王国の現王陛下だろうと風車人魚姫国の王だろうと、我が村を知ったら確実に討伐していたと思いますよ。それが分かっていたからこそ堂々と村を構えなかったのでしょ？）とニオオフラーネさんが辛辣な心話を皆に入れます。
（今、この村の何かしらを学者の方が調べて記録に残していますが、それはみなさんの偉業を讃えるためではありません。過去にこういう忌まわしいことがあったのを子孫に語り継ぎ、同じ愚行を防ぐためですっ。私の事を裏切り者呼ばわりは決して許しませんよ！）そう言えばこの子、かなり賢いです。
この子が村を出た理由はともかく、事情を飲み込めていない村人からはまず確実に裏切り者と言われるでしょう。それを先制で封じてますから、元来の性格、言うことはきっちり言うタイプですね。
「で。皆さんが大事にしている木。あれの処分について提案があります。あれを残して欲しいと思う人、手を挙げて下さい」まぁ全員挙手しますね。
「ではあたしから提案させて頂きます。代表を選んで我々に挑みなさい。戦って勝てば残しましょう。皆さんの風習にも文句は言いません」
（その言葉に二言はあるまいなと言っております。あと…戦った際の不意打ちにご注意ください）
（ふっふっふっおっけーばべーね。ニオちゃん、あたしが何も考えていないとお思いでしょうかっ）
（むーん。ベラ子陛下の性格はまだよくはわかりませんが…何か対策はおありですね。ただ、下手に私が聞いて皆に悟られても困った事態になるでしょう。私としても祖先の木や聖なる火を打ち壊すに偲びませんし、予言の書を焚くのももっと偲びません。しかし…）
（妹君いもうとぎみ。そなたらには大和の正倉院や帝の御陵みささぎのごとく、門外不出のものを封じるような手立てはないのかのぅ。書物の呪いを封じてさえおけば良いのではないか。更に言うなれば、祟るものを集めて崇め敬う社やしろでもあればなお良かろうて。この国にあって困るのならば、例えばお主らなら空の上に置いておけるのではないかな？）けけけけけ慶次郎さんすごいっ。その発想すごいですっ。
（待てベラ子。この時代に大英帝国博物館…あったかな…あたしの知る限り、呪いの収蔵品を厳重に保管するノウハウに長けているのって地球上ではあそこかエルミタージュくらいしか思いつかねぇ。ニューヨークのメット…メトロポリタンはこの時代じゃ影も形もねぇしな…）
（よし。とりあえず聖なる書は可能なら大英帝国預かりで行きましょう。最悪、大英博物館NB分館という方法もあるでしょう。まぁ…預かり先が決まるまではうちの黒グッズ倉庫…慶次郎さんはご存知ですよね。あそこに預かっておくのもありでしょう）
（うむ。わしもその聖なる書とやらを今見せてもろうておるが、なるほど確かにこの村の痕跡を絶たねばならぬのもわかる。が、人としてこれだけの話を作る歴史があったのであろう。人の振る舞いの愚かさを伝えるのであれば、この村の者が従っていたこればかりは残しておいた方が良いと思う。意見してすまぬが、よぅ吟味してやってくれ）なるほど、長老やら古老に件の書物の説明を受けておられますね。
（実は博多で悟洞に遠町筒…恐ろしく長い種子島で狙われてのぅ。ちょうど思いついた句を俳句帳に書き記しておったところだったのであるが、どういう訳か悟洞が狙い損じおってな、わしの身代わりに句帳が消し飛んでしもうたのよ。わしが悟洞に恨む話があるとすればそれくらいじゃな！はっはっはっ）
（ああ、未だに旦那は酒の席で俺をいじるからな…「あの時忘れた句の代わり、お前が考えてくれ」と。何でも辞世の句をちょうど思いついた時だったらしい）
（わしも焼けた城やら屋敷やらを散々に見ておるが…まぁ、書物だけは出来れば残す方が良かろう。明征の時でも高麗由来の書物を直江や加藤清正辺りが持ち帰っておるが、相当貴重なものだったようじゃぞ。人の物覚えは老いれば忘れるが、書いたものはもっと残るからな）そうですね。慶次郎さんはいくつもの戦場をご存知でしたね。つまり、人が人の営みを破壊した結果を。
（あとなぁ…バイキング由来の風習、この村にもあるぞ。血には血を。汚辱には汚辱をって奴だ。つまり報復風習だな。いくらあたしたちを滅ぼすのは普通の人間には不可能だって言っても、そう簡単には諦めねぇだろ。なら報復には及ばないって手打ちを提案しとく方が無難は無難だな。あとは新しい価値観や文化に目覚めてくれるかってところだろうな）
(ま、とりあえず勝負してみましょう）

「いやはやお久しぶりです、マリア陛下」何ですかこの乳上のそっくりさん。
「まぁベル君本当に元伊勢行きっぱなしだったしねー。うちの衣装も久々でしょ。キツくない？」
「ベルテファーネ。現帝マリアヴェッラ陛下とは初顔合わせですね。ご挨拶なさい」と乳上が促してるそっくりさん、実は乳上の弟さんだそうです。記憶も見せて貰いましたが、ほんっ…とーに色々あったんですね。
…あたしがこの当時の痴女宮にいたら果たしてまともに育ってたんでしょうか。ねーさんも体育会系してたしねぇっ。
（うっせぇうっせぇ！とりあえずベル君の挨拶受けてやってくれっ）
「マリアヴェッラ陛下。東欧支部長アルテローゼが弟、赤薔薇騎士団所属アンドラーシュ・イシュトバーンと申します。出家名はベルテファーネを頂戴の上、只今は八百比丘尼国元伊勢大神宮設備処出向勤務命を授かっております」ひざまずいて臣下の礼を取ってくれますが。
（アンドラは向こうの役職もありますから女性ベースの痴女種スタイル…有り体に言ってわたくしに酷似した外観を取っておりますが、元来は雅美さんが発狂するようなショタ外観ですよ。もっと言うと0.8クリス様くらいには私の琴線に触れます）
（ええー、あ、本当だ。…あーなるほど、悦吏子さんとか外道ちゃんも言ってたけど、向こうだと女性型の方が色々捗るのですね）と、ベル君ことベルテファーネさんの本来のショタってる姿も、お姉さんたる乳上から見せて貰います。つーか姉弟でやることやってんですね…。
（ええ。元々そういう仲だったのが縁で弟も痴女皇国幹部に取り立てて頂きまして。比丘尼国に行ってからは疎遠だったのですが、昔はそりゃあもうねぇ、ほっほほほほほほ）と、ショタどころか姉弟な関係を恥じるどころか自慢すらやぶさかではない乳上ですけど、この弟さんなら自慢もしたくなりますかねぇ。
んで、とりあえず現在の二人のステータスなんぞ見てみましょう。

Beltefahne (Endre Istvan) ベルテファーネ Million Suction（Limited Ten million）百万卒（限定一千万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Facility Technical Manager, Ooe shrine, Japan. (job assignment) 八百比丘尼国元伊勢大神宮出向・設備部長待遇

Alterose (Alterose Istvan) アルテローゼ Million Suction（Limited Ten million）百万卒（限定一千万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 East Euro Branch Manager. 東欧支部長

んでついでに、と言ったら失礼ですね。
もはや聖院規則の出家名を誰も覚えてない外道ちゃんこと、外道丸さん。

Polanfahne（Shuten-Douji) ポーランファーネ Million Suction（Limited Ten million）百万卒（限定一千万卒） Slut Visual (ogre mode) 痴女外観 Facility department, Palace of Temptress. 痴女宮設備管制室 Facility Technical Manager, Imperial of Temptress.(job assignment) 痴女皇国痴女宮出向・設備管理部長待遇

そう、痴女宮と元伊勢の設備管理、お互いで人を交換しているという慣わしがありまして、その対象者二名が顔を合わせるという超例外事態が今、起きております。更にこの二人が揃って持ち場を離れているのですが。
（悦吏ちゃんおるから普段は大丈夫でっせ）
（当方も茨木氏…というか痴女皇国側ではプラウファーネさんと言った方が通る方がいらっしゃいますから）
とまぁ、大丈夫大丈夫と言われました。
（実は例の聖環普及計画がありますので、地下転送ゲートで痴女宮にお邪魔する機会が増えるかも知れません。何分にも新型聖環は僕も知っていますけど、比丘尼国内にある基地局だけでは賄い切れませんのと、当初は端末管理用ホストコンピュータを痴女宮のシステムで賄うと聞いておりますので、比丘尼国側でする作業はそちらの母機を遠隔操作するか、必要に応じてそちらにお邪魔することになるそうで…）
うわちゃー、この人が担当なのか…。
そうです、痴女皇国もこの件で比丘尼国や監獄国に設備貸与とかNBや日本に部品生産取引ですとか組立工場斡旋ですとか絡んでおりますが、それよりもっと根本的な話として融資しています。
つまり、財務局長の出す融資決済書類の承認印、皇帝として捺印する義務があるんですよねぇ…もっとも、その昔金衣時代にガラス職人だのお菓子職人だのを店ごと買収しようとした無駄遣い大魔王いまのざいむぶちょうの轍を踏むと一時期のフランス王朝やら江戸幕府やらの二の舞だと言うことで、一定額以上の高額支出に承認する場合は皇帝だけのはんこで通らないよう、たのきちが財務にいた時代にカイゼンされています。
具体的には総額1億円、5千万南洋ルピー以上の出金処理は用途を問わずに必ず皇帝・上皇・皇帝室長承認印が押された支出申請書でないと財務本部から出納部に回った際に金庫を開けてくれません。もっと言うと財務本部長から呼び出された上で突き返されます。
あたし個人ではそこまで高価な支出申請書を出す事は滅多にありませんが、皇帝という事であたしの端末を経由して流れて行く書類が結構な量になります。例えば今回、駄洒落弾を開発した際にNB経由で日本の化学メーカー…銃弾製造元でもあるそうですが…への支払いについて起こされた姉と警備本部連名発議の申請書も、あたしの端末を経由します。
ですので全部見てたら頭こんがらかるわいとゴネたところ、皇帝室である程度ふるい分けてくれるようになりまして…ジーナ母様指揮のもと、ロンギヌスとカシウスが主にこれ…めくら判押しても大丈夫なように事前査定処理を担当しています。

さて、こんな雑談、いくら高速心話でしていても大丈夫なのか。
実は、村側の面子が決まっていません。相手するのに誰呼びましょかで困ってるみたいなのです。
更に言うと、さっきのMIDIの攻撃で呼んでもフルパワーが出せないと。
なんでも村長が呼び出せる巨人で一番の手駒だと一般人相手ならまだしも、神々の戦争レベルに担ぎ出すにはあまり戦闘の役に立たないらしいんです。首だけのようなので。
で、敵側の我々が手助けも何なのですが、ノルデンショルド先生を呼んで入れ知恵してもらってます。
「卑怯な振る舞いさえせねば待ってやろうではないですか」
「確かになぁ。墓石みたいなもん潰されたり、挙句むらを更地にされるとなったら真剣にもなりますわなぁ」
「だからと言ってあそこでMIDIで焼いとかないとフルパワー状態の巨人とかアース神族呼ばれてた可能性がありましたからねー」
「それにしてもこのレーションいうんですか。ふらんす製言いますけどなかなかいけますな」
「箸があったらもっとええのですが」
「日本酒には厳しいですけどワインがありますから」
などと鬼の皆様も交えて食事中。
ですが、供食を受けている物品があれですよあれ。
（何でイタリアのレーションにしないのですか母様！）
（あほ。イタリアのんはレーションパッケージに調達通番振ってあってな、何年何月に陸軍やったら陸軍のどこそこ部隊用に納入したとか全部紐がついてて横流しが困難なんや…せやから他の軍隊のミリメシより手に入れにくいんじゃ！フランスはゴルディーニのおっさんのツテで割と簡単に手に入るからな）
（にしてもなぜフランスを…）
（ベラ子。まず日本の自衛軍の糧食、欧州の人にそのまま渡して文化摩擦起こさずに素直に食べてくれる思うか。連邦世界なら日本食が普及してるからみんな普通に食うとしても、この時代にゴボウぶちこんだ炊き込みごはんとか五目おこわとかやばい思わへんか。あと味噌汁）
（あががががが）
（で、入手のしやすさではピカイチのアメリカのMREやけどな。お前…アメリカ製の食い物、自信持って人に勧められるか？　嘉手納基地ではアメリカの方が近いにも関わらず、フランス製熱帯向けパッケージが主力配備品やったんやぞ…信じられへんのなら今度米軍準拠のMRE手に入れて来たるから試食せぇ。ただし何が何でも残すなよっ？）
（ではイタリアは…）
（味は悪くない。だが貧乏なせいか横流しして小遣い稼ぐアホが結構な数でおった過去があってな、さっき言うた厳密な糧食管理システムが存在するから、宙兵隊向けでも規定調達数未満でしか納品されんとか色々あって、イタリア出身者ですら演習時に泣く泣くフランス製で連邦向けのパッケージ食うてたんじゃ…それと味は微妙にフランスに負ける。更にポリチューブに入ってるけど気付薬名目のグラッパが標準や。つまり酒入りレーションやから支給対象者選ぶやろ？）
（で、ですね…それなら仕方ありませんね…）はい、そうです。人肉入り精液入りとは言え、村人の夕食を台無しにしたのは我々です。
そして、村人を収容する事も考えて調達してテンプレスに搭載してあったという軍用糧食を振る舞っています。最初はおっかなびっくりでしたが、あたしや姉を含むうちの女官連中総出で開け方温め方食べ方を教えたり、慶次郎さん一行に協力して頂いて目の前で食べてもらったり。
で、何せあの裏表がない慶次郎さん、その上に傾奇者ですから新しい物には積極的に手を出す部類です。
（見た目からして強そう。そして実際に村長の胸ぐら掴んで片手で持ち上げたくらい強いのは向こうに理解されている。しかしいきなり襲いかかる人間ではなく話は通る。見た目は池麺だし服装も金がかかってそうだしお供も連れてるし…んで松風よ。あんな馬鹿でかい馬、欧州でもそうそういねぇからな。そんな見るからに名前の通ってそうな戦士がパクパク食べてんだ。信用しねぇ方が間違ってるだろ、普通）
そして味のウケですが…母様いわく「陸用レーションだけは連邦世界一。特殊な食習慣と飯の種類を好む人民解放軍と日本の自衛軍、それから宗教上の戒律が存在する連中を除けば、まずこれ出して文句は言われん」という評判に違わず皆様パクパク食べておられます。
（これがアメリカのMREやと配給パッケージのメニューをまず真っ先にチェックする必要がある。公式査定品ですら味の当たり外れが壮絶でな…外れ物件は一言で言うと甘い、とにかく甘い。そしてハイカロリーなんで胸焼けしまくるんや…米軍はうまいまずい以前にまず兵士種別ごとに想定摂取カロリーが決まってるから、何が何でもその規定値ミルスペックを満たすように業者は調製しくさりよる。そしてカロリー量を上げるためには糖分や脂肪分をマシマシするのが一番手っ取り早いんじゃ…チョコレートとかほんまにアメリカな味やからな…）
（ああ、姉も菅野さんから聞いてましたね。向こうのはとにかく甘いと…）
（米軍から連邦に移管した際に、まず基地内のPX、つまり売店やスーパーにテコ入れが徹底して行われたからな…アメリカ以外の国籍の勤務者から文句が出まくってたんよ…ベラ子、今の嘉手納の飯も大概やけど、うちらが文句言い倒してあれやという事実、訓練で行って食った際によぅ噛み締めて食えよ…）あたしが文句言った際に説明されましたが、あまり軍隊が強くなさそうな国の人でもある程度の地位につけるシステムがあるのと似たような理屈が存在するそうです。つまり訓練を兼ねて主計特殊業務兵を養成するために、その人たちが調理可能なレシピの食材を調達する必要があるとか何とかかんとか。
（おばはんは将官用供食を受けられる身分だろうがっ）
（ベラ子もおるから士官食堂で食っておる。つーかマリ公お前もそこで食った経験があろうがっ）
（それはともかく捕虜というか村人の反応ですよっ。一応駄洒落菌の効果は出てるようですけどねぇ）えー、本作戦で投入された駄洒落菌ですが、元来の駄洒落菌原種ではなく、若干の改良が加えられた品種です。弾丸に詰められている間は真核生物化するとしても、脳内に侵入した後に色々と働きかけるために菌としての生存期間を少し伸ばしたものだそうです。
（マインドコントロールがかかっていた場合に外す効果がある。言うなれば駄洒落を発するのではなく駄洒落を聞く気分を増強するそうや。つまり人の話を聞く気になるというのが旦那くりすの解説である）姉に対して効いている気がしないのですが。
（あたしとお前はMIDI仕様マテリアルボディだろーが。人体をエミュレートしてるから不要な菌の動作まではサポートしねぇよ…いや待て、駄洒落菌ちゃんと効いてるだろうな？）
（ねーさん、ようやっと気づきましたか…）そうです。駄洒落菌は必要に応じてウィルス状態にすら変化する高度微小生物です。人工生命体の可能性すらある特殊生態で、人に駄洒落を言わせたり聞くことで冷凍空気を発生させるためだけに生きているような、正に駄洒落宗のために存在するような微生物です。
そして駄洒落を口走りたくなる以外は無害な菌ですから、MIDIボディであっても効果はともかく生きてないとならないはずなのです。

「大将殿。妹姫殿。ちと知恵を貸しては頂けぬか」慶次郎さんがこっちに来ます。
あたしは皇帝ですがお姫様扱いも悪くありませんね。ふふふふふ。まぁそれはともかく、向こうの思考も流れていたので事情は大体わかります。
「なになに、巨人の都合がつかなくて困っている。しかし村を滅ぼされるのも悲しいし先祖に言い訳が出来ない。で、慶次郎さんが人として戦うならどうだと提案した。ついては武器なし人死になしで勝敗のつく争い方はないか。相撲は却下された。こんなところかな」
「ボクシングなどいかがでしょ」と提案。
「なるほど、えーとね、慶次郎さん、こんなのあんだわ。足技なしに殴って決着。倒れて三つ数えて立ち上がれなかったら勝ち。んでこういう防具を顔と拳につけんのね。これなら格闘を競う競り合いの中では掟やお作法も簡単だし、ちょっと説明したら大体わかってもらえるでしょ」
「ほうほう。なるほど、これならばわしにもわかる。もしだいだらぼっちの都合がつけば鬼の方に相手をして貰えれば良かろう。人・もののけ・神同士のような組み合わせで争って白星を挙げた数で勝ち負けを決めても良いのではないかな」
と言う訳で村人を集めて説明します。一番強い男を用意してくれと。
「この手袋をこういう風に嵌めて紐で縛る。で、拳だけで決着をつけるんだ。急所を殴らないのと脚で蹴っちゃダメだよ。参ったと言ったら手ぬぐい入れてあげる。それが勝負あったって合図ね。それか、どっちかが倒れてあたしが三つ数える間に起き上がれなかったら負けとみなしてこの鐘をカンカン鳴らすから勝負を止めること。いいかな？」
「密かに加勢されてはい・ん・ち・き・を見破れないと言ってます」
「ああ、それは心配ねぇよ。ほいっと」地上に帰投してきたMIDI06に指示を出したらしく、青い光が特設リングに。
「この範囲で人外の力が使われたら、闘技の場の中にいる対象が青く光る。つまり、どっちにズルで助けが入ったかわかるって寸法さ。それに…この人は戦いの達人だから、余計なズルをされたのがすぐ分かる。流儀を決めて正々堂々のいくさをしようってのに、余計な事したら逆にあたしらが怒られちまうよ」
「なるほど、武人のこれまでの立派な態度からすると名誉を汚す事を自ら選ばれるとは思えない。逆に高潔な勝負を受けねば我らの恥と言っております」
「重ねて言うが、あたしらの目的はあんたらにいけにえ生活を強制してきた連中の討伐であって、この村をもらったり滅ぼす事じゃない。ただ、いけにえ生活をさせたくてウズウズしてる奴が神様に分類されているのが厄介なんだよ。だから、やむをえず連中の力を人間の世界に対して行使するための道具になってる村のあれこれを処分せざるを得ないだけだ。負けた場合でも、今まで通りの生活は出来ないかも知れないけどちゃんと働けば飯を食う手段を与えることを聖母の名にかけて保証する」姉がたはらのラインで働く姿を見せています。え、これ、あたしやマリーや美男公も混ざってるじゃないですか。
「うちの皇帝であたしの妹たるマリアヴェッラは二代目聖母だ。その聖母自らが罪人の贖罪を目的とした工房をこのように体験して、囚人の生活に不満や虐待がないかを確かめているんだ。それに囚人の顔を見てみろよ。酷使され搾り取られてる顔かい？」なるほど、あたしをダシにして監獄国の生活が普通に工場労働者としての待遇を保証していると見せたいわけですか。これは食堂で罪人の方々と雑談、談笑してる時ですね。
（ほれほれ。むしろ負けた方がいい暮らしが出来るんじゃないかって思ってる奴も出て来たぜ。これが改良型駄洒落菌が効いてる証拠さ。村長一味…長老連中のマインドコントロールが解け始めてる証拠だよ。この改良型駄洒落菌は駄洒落を理解するような高度知能化作用を脳に与えるんだ。駄洒落宗を布教させるためとしか思えない駄洒落菌の生態を悪用した場合に感染者の心理操作に使える危険性を逆手に取ったのさ。駄洒落に目覚めるかどうかはともかく、一人の人間として自立した自我と知性を獲得できるならパンチさんも文句言わねぇよな。お、相手が決まったようだぜ。あたしはレフェリーやるからベラ子は慶次郎さんのセコンドしてやってくれ。本当ならおまつさんか伽子さんにして欲しいんだが、ルールわかってねぇとダメだからな。それと…お祖母様、つまり財務局長が参加させろと殴り込んで来たら阻止しろ。あの人は特にこう言うことを始めると真っ白に燃え尽きたがる性格の御仁だ。ここを泪橋やメンドゥーサ戦の会場どころか聖炎宮に変えられたらかなわん。なんとしてでも止めろ。いいな）姉の睨みが、本当にそれがある真実味を語っています。
「よし、じゃあ始めよう。この鐘が一回鳴ったら始めだ。悔いのない戦いをしてくれ。じゃ」
カーン、と鐘が鳴りました。さて…村の男との拳闘試合はどうなるのでしょうか…。

仮設リングの周りを囲む皆が激しい声援を送っています。甲冑組手かっちゅうくみてという戦い方があるそうですが、それを身につけた慶次郎さん、更に大きい男を相手に善戦しています。体重の点では恐らく両者ヘビー級ですが、身の動きがかなり違いますね。
（おい…ダリア…乳上とクレーニャをこっそり外して村長を物陰に誘導して逆ドレインしろ…このままじゃ慶次郎さんが圧勝するから村人サイドには煮え切らないもんがあるだろうし、何より負けた奴が恨まれるだろ。敢えて村長に巨人を召喚する手助けをしてやろう。大嶽さんにも見せ場がいるしな…）
（それなら提案があります。勝敗がついた時に痴女勝負を持ちかけましょう。アルトさんとあたしをヒィヒィ言わせたら勝ち。村の男全員吸い取られたら負け。これなら勝負の過程でそうとは気付かれずに精気を村長に充填できるじゃないですか。渡す量はマリアさんみつくろって下さい）と、ダリアとねーさんが無線でやりとりを。
（えええええ！あたくしが？）あ、アルトさんもマテリアルボディでMIDI準拠だからクァンタムリンク使えんのか…。
（うっせアルト。てめぇも将軍様だろうが。慶次郎さんがニオオフラーネに感情と意志表現を取り戻させようって義憤だけで手助けしてくれてんのに何言ってやがる。おめーも将軍様なら参加しろい。なんならあたしもベラ子も股開いてやっぞ？）
（アルトさん。あたしらだけでやりましょう。ベラ子陛下とマリア様だと手加減モードに入れても村男には危険すぎます。それに、異国風味のあたしらの方がハッスルしてくれんじゃないですか？ついでに今ボコられてる男を回復させてあげながらこの勝負持ちかけたげるとですね、尚更うちらが悪い痴女じゃないよアピールになリますやん）

えええええ。

まぁ…ダリアがそう言うなら…アルトさんが言い出したら止めてたかも知れませんね。てへぺろ。
（べらこ陛下ひどすぎます！わたくしがそこまでやじゅうのような女に見えるのですか！）
（アルト。なら信用回復のために村男相手にちゃんと手加減出来るとこ見せておけ…いいな…）
（あぃ…）
まぁともかく、リング上の決着はまだしも次の一手を打つのに備えましょう。

…アルトさん、ほんっとーにちゃんと手加減して下さいね！

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けいじ「しかしあれであるな。いくさ慣れしておらぬ者と分かると不憫で」
黒マリ「慶次郎さん、わざと何発か入れさせてんだもん。見た目はあっちが強そうだしヘビー級パンチ食らったらどうかと思ってハラハラして見てたんだぜ」
ベラ子「慶次郎さんなら女官種の能力付与をすればマイレーネ様とも渡り合えそうな気がしました」
黒マリ「少なくとも慶次郎さん、アレーゼおばさまウケはする。間違いない」
ジーナ「欧州本部でもみんな現地中継に釘付け。内緒だがマイレーネさんは敢えて村男に賭けて管制室で握っているそうや」
ベラ子「なるほど、おごりの口実に使った訳ですね」
黒マリ「つまり、マイレーネさんも村男が惨敗すると踏んでると…」
ジーナ「まぁ、この場合は仕方ないやろ。慶次郎さんが完全な人間のままなら…この時代の日本やと、お豊辺りの薩摩の連中呼んで殴り合いさせた方が勝負が白熱しそうやな」
黒マリ「いいこと思いついた。りええ。懲罰にマイレーネパンチエミュレート。出力50％。これでどうよ」
りええ「あたしを殺す気か。生き返るとしてもどんな惨状になるか想像つくわよっ」
ベラ子「それよりねーさん。マリーと一緒に監獄国か罪人工場。今、うちの重作業工場ってたはらの類似品なんでしょ？」
黒マリ「12時から14時までの金属加工品組立棟なら。特別にライン動かそう」
りええ「地味にマイレーネさんパンチの方がマシに思える隠し地雷的懲罰やめい」
ジーナ「安心せぇ。エマ子が分体出したら機長席は空席にならん。ちなみにストックホルムのアーランダ国際空港からチューリヒまでフライトタイムは二時間半を切る。スケアクロウなら旅客機より少し早いから、お漫湖まで大体二時間切りやな」
りええ「つまりその時間で荷物室ですか！いやあああああ！」
ジーナ「安心しぃ理恵ちゃん。あたしも業務監査は怖いから」
りええ「本当ですよね」
ジーナ「うん。誓ってちんぽは使わん。…拳フィストは使うけどな」
りええ「余計悪いです！まだちんぽの方がマシです！」
ジーナ「よう言うた。さぁ後ろ行こか」
りええ「ぎゃああああああああああ」
黒マリ「ちなみにりええは存外に締まりが良いらしい。出来婚向けの蟹挟み技が強烈だそうだ＠ダリア談話」
ベラ子「なるほど、それでかー様が機会を狙うと」
黒マリ「とにかくうち、人口比率的に欧米系が多いじゃん。かーさんにしても身体の祖国はロシア。だけど脳の中は大阪のおばはんにおっさんの性欲を移植したようなもんだろ？たまには日本食をつまむ感覚な訳よ、おばはんの脳内はっ」
ベラ子「そーいえば最近あたしもたのきち相手が多くて、かー様とはあまり。たのきちの所有権を巡って初代様とちんぽしばき愛する事は増えましたが」
黒マリ「痴女皇国内の爛れた実態はともかく、だ。村人にも「私らも頑張りましたけど祖先の木を守り切れませんでしたすんません」と言わざるを得ない実情を悟らせたい。そして、どうせなら痛いとか苦痛とかいうよりも気分良く負けて頂こうではないか。ダリア、アルト。その辺をよく理解して戦ってくれ」
ダリア「あいあいさー」
アルト「ほいほいさー」
ベラ子「まぁ、敵に塩を送ってでも納得いく負け方をしてもらおうと言う事で」
黒マリ「あと絶対に蛇から邪念結晶を回収せねばならん」
ベラ子「これが無理難題なんですよねぇ…次回辺りでその話まで行けるかな～（不安）」
りええ「あたしの貞操についても不安に思ってよ！」
ダリア「今回は理恵ちゃんが悪い。あとジーナさんにもあたしゃ逆らえまへん」
りええ「ぎゃああああああああああ」
ダリア「帰って来たら慰めてあげるからねー」
黒マリ「まぁ、りええもこれで終わる女ではない。あいつは燃え尽きるまで戦ういくさ人だ。執念深いとも言うがな！」