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アルトリーネの鬼退治・淋の森に痴女が出た!その3
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「どどどどどどうやって来たんや…」警戒網が効いてないのかと狼狽するジーナ様。確かに、あの、おさかな一匹逃さない中で来たとなれば、これはおおごとですよね。
「いやいやいやいや。実は我ら兄弟、以前からおりまして」
「はぁ?租税鑑札持ってるん?」
「はい」
「あるとー。ちょっと改めたってー」
「ほえほえー。みせてくださいねー」
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え。売春婦扱いじゃないですか。もしかしてをかま…ほもですか?ほもですか?おっぱい薄いですし。まないたですやん。
「いや、私らほもちゃいます。女になっとります。で、まぁ…実は天竺のほも、いや鬼でなければ比丘尼国神官の下の鬼でもないんですわ」
「はぁ…それがまたなんでここに」
「実はわたしら、日の本の山田長政という傭兵さむらいの子供なんですよ。で、父親はその昔、比丘尼から佛象国に渡りましてな。それで、長政はもちろん、その子孫のわしらも鬼なんですわ」
「なるほど。で、確か山田長政って討ち死にしてるよな…」
「そうですねん。まぁ、他所で一旗揚げたれみたいな発想で佛象に渡ったものの、小競り合いみたいないくさに明け暮れて死んだと思うてください。正直、お宅様におられる比丘尼国ゆかりの鬼様より雑魚でした」
「言い切るのか…」
(この辺史実と違うからチェックっすねかー様。連邦サイドの歴史だと、長政はイスパニアの艦隊を追い返す軍功を立てて当時の王室に気に入られ大抜擢されてますからね)
(りょーかい。そもそも長政はほんまなら今、まだ生きてるはずやしな)
「だって私らを人に産ませて、ちょっと優男に生まれたから兵隊には使えんとか言うて放置ですよ放置!恨みの一つも言いたくなりますて!」
「…苦労してそうな鬼やな…」
「ええ実際苦労しましたわ。で、私ら見ての通りおなごになれますやん。鬼の血も薄いし、とりあえず春でも売るかと思うたんで苦労してここに渡りまして、客を引いてたんですわ。割と納税歴ありますやろ。ほけん代もちゃんと納めてますよって」
「あ、本当だ。二年近くありますよ」
「ふむふむ。ほな、今、うちらがビリビリしとる鬼とは関係あらへんくちかいな」
「そうですわ。まぁ昨今の事情はそれとのう伝わっとりますし、正直迷惑しとります。そもそものわしらの父親が鬼の子孫いうだけで鬼の力は薄まりに薄まってますさかいに、人とほとんど変わらん思いますわ」
「せやなー。こうして対面して初めて鬼やてわかったくらいやしなー」
「よし、事情はわかりました。退治とか虐待はしませんからご安心ください。とりあえず。あなた方は比丘尼国の関係者と会って頂きます。それと、ここで少しお聞きしたいのですが、あなた方は龍皇国の言葉で会話が出来ますか?」ベラ子様がお聞きになります。
「ええ。虎魔王国経由でここに流れて来ましたんで、多少なりと。それにわしらの母親、元々その辺の人間ですねん」
(おかー様、この方々、嘘をついているようには見えませんが)
(まぁ、鬼の擬態能力の話もある。しばらくは隔離生活をしてもらう事になるやろう…待てよ?エマ子。この子らの人種や身なりやったら、虎魔王国か海獅子国に忍んでもろてもええんちゃうか?)
(なるほどそれも一案ですね。では、ちょっと引き取りに行ってもらいます)
で、げどうさん登場。
「ああ、あんたら…。あんたらのお父さんが何を言うたか知らんが、あんたら鬼とちゃうぞ」
「え」
「え」
「君らのお父さんな、駿河の国の天女族と人とのあいのこやわ。そら、角どころか羽根も生えへんはずや」
「だって…鬼とばかり…」
「ああああああの親父いいいい」
「まぁ、身体は頑丈になるし寿命も伸びるしな。それに、あんたら人の肉や血よりちんぽおめこが欲しい部類ちゃうんかいな。天女族はどっちか言うとそっちを好むんや」
「しくしくしく」
「鬼や言うて期待してたのに…」
「恐らく、佛象国の傭兵になるためにフカシ入れてたんやろ。まぁ、とりあえずうちが地下に連れて行って面倒見ときますわ」
「そないしてくれると助かりますわ」
(場合によったら比丘尼国で預かるいう話になるかもわからんし、万一の、聖母様の懸念の話が出るかどうかの見極めにもなりますやろ。ある程度の間、人の飯しか与えんと過ごさせるだけでも鬼は本性を表しますよって)
(ふんふん。その辺は外道ちゃんに任せるとしよう。あとこの子らの鬼反応がめちゃくちゃ薄かった件は色々な意味で注目やな…天女族だけかも知れんけど、鬼の血が薄まる事例になるやろ)
(ああ、もともと天女族はあまり増えへん部類なんですわ。種族的に基本メスですしな。差し当たりおかみ様にも引き合わせてみまひょ)
(虎魔王国に忍ばす話も頼むで)
(承知しました。ほな連れて行きます)
げどうさんが二人を連れて痴女宮に戻るのを見送ったわたくしたちは、視察を続ける事にします。
ええ。
ベラ子様にびちくを入れる必要、ありますからっ。
(いやー、さっきの鬼さんいうか天女の子や孫いうのには驚かされたわ。しかし、ここであれなら割と東南アジア一帯に鬼やら人魚やら天女の子孫が紛れとるかもわからんなぁ)
(まー、その辺は精密探知の精度を上げる方向で考えてみましょ。さっきくらいのなら無害に等しいですしねぇ)
(りょーかい。あ、エマちゃん。ベラ子にあれやるから出来れば見ないように)
(うぐぐぐぐ。後日必ず埋め合わせしてくださいよっ)
(あっアルトさん気が早ぅございます!こんな所で!こんな所で!)
(あたくしのいんちゅうリモコンを試しただけなのですが…なぜにベラ子陛下に通じるのでしょうか…)
(…あ、これ、案外高度なセキュリティかかってない可能性。穴はそうでもないが、淫蟲リモコンはうちにも効く可能性あるな…)
(では試しに)
(あんっ!いきなり最強にすんなっ!何やこれ!今までの淫蟲と全然違うぞ!なんかめちゃくちゃ硬いやないか!…ちょっとアルト、試すで…)
(ひぎっ!た、確かにこれはきょうきです…あなるのが特にききますっ!)
(誰や…いくらがんつ服でも、こんなん効きすぎやろが…マリ公はあとで顔と恥丘に落書きやな…淫紋シール貼って便器と正の字書いといたろ)
(ちょっと待てや!確かに黒薔薇シリーズは何回かアップデートしてるけど…あー、かーさん。これ犯人エマ子。あたしも今、自分の服に強制アクセスして使ってみたけどアフリカ系仕様になってるわ…つまり黒人スペックだよ…)
(つーまーりー、直近で配った奴はエマ子の製造ミス…)
(えーまーにーえーるー。貴女への差配はジーナかー様に委ねます…)
(アルト。後日必ずエマ子にやれ。ええな…つかエマ子!今すぐ該当仕様回収して改装せぇ!迂闊に淫蟲機能使われたら大惨事や!あたしらのやつも普通のマイクロビキニに戻してくれ!)
「はぁ、えらい目に遭うた」
「ですわね…母様のぴーたーのーすが癒しに思えますわ…」
「あんっ。アルトー、やりにくくないかー」
「なんとか入れられてますー。あたくしが直接ベラ子様に入れたら今、おーばーふろーの危険がありますしね」
「まぁベラ子は慌てず焦らずに精気管理に慣れてくれ…よしアルトくん出すのや…」
「ううっいきますっ」
「で、注入量をあたしが調整して…うっ」
「ああー、このじわーと来る感じがたまりませんわっ」
「あっあかん抜かニをやってしまうっ」
「まーでも青姦なる行為も良いものですわね。淋の森の拡張稟議はエマ子発議で出させると致しましょう」
「しかしマリ公はここを使ってなかったんかいな。アルトくん、その辺はどうよ」
「あ、痴女皇国の生え抜きはそもそも堤の上であれこれいたしておりましたから…あそこが充分に刺激的過ぎましたので…」
「ああ…はい、あの理恵さんが同級生に見せて驚かれたり、あるいはマリアねー様が同級生に見せて異物を見る目で見られたという…」
「ベラ子の代で何としても払拭したいイメージよな…」
「とりあえず戻るといたしましょうか。エマ子からもそろそろ終わるとの連絡が」
「あらー、ちょっとというかかなり前に突き出しましたわね」
「ふむふむ。竣工予定図とかはおっさんやエマ子に見せてもらってたから、大体のイメージは掴んでいたが」
「女官寮よりかなり前に出ておりますね」前から見ると以前と変わりません。しかし本宮建物が前の倍くらい突き出ているのは、わたくしにもわかります。
「はー、終わりましたわよっ!」その新しくと申しますか、ぞうちくとやらが終わった痴女宮の前でどやがおするえまこはん。
頭にはタオルではちまき、すっばだかに近い状態です。
「いや、流石に暑くなってさ、Theガッ◯状態で工事やってたんすわ。今は冷却水回路繋いで水を回し始めたから、もう少ししたら中は冷え冷えっすよ」おっきいぺっとぼとるから水がぶ飲みしてはりますね。
「あたしもこの身体でフル稼働させるの初めてだったんで、どうなるかと思いましたけど」確かに以前のように本宮の建物の壁伝いに水がざばざばと流れ始めておりますね。
「分体には中の熱消毒やら水漏れチェックをさせたりしていますよ。そろそろいいかな」で、現場をんな状態のエマ子さんの案内で見てまわります。
「まずロビー。単純に奥行き二倍です。で、左側の下足処の手前が第一。千人卒までの参詣客を扱うのでとりあえず大きめに。奥が千人卒以上を扱う第二下足処です。着替えを渡された方は地下一階に降りて着替えて服類を預けた後、案内で女官室に通されます。ですので従来の水圧昇降機じゃ足りないのがわかってますので、地下から10階までの客用昇降機と、同じく地下から11階以上21階まで行ける高層用直通昇降機を新しく内蔵させていますよ」
「旧・上級区画はどないしたのよ」
「従来の昇降機は電動化かつ、業務用…女官出勤用や参詣客送迎の際の移動用にしました。だから動線はかなり変わりますね」
「なるほど、これも鬼対策やな」
「あと業務用下足処移設と女官管理室の拡大。女官には専用サンダルボックスを渡してます。で、聖環または痴女皇国環を下足処の確認機にかざせば出勤確認。あとは奥の業務区画へ入って行くだけです。要は今まで預かってた上履きを各自管理させると」
「なんか通勤時に自動改札を次々抜けていくイメージが」
「まさにそれですよ。実際に非接触認証ゲート、ほら、5レーン設けてますから」
「旧上級が上住まいに変わるんよな。引っ越しはどないするん」
「基本的にあまり荷物はありませんからね。昨日の段階で大半に予め準備をさせていますから、今日は旧・下級の出勤後に残りの引っ越しを終わらせます。その後に私の分体と青女官軍団で空室点検と清掃整理の予定です」
「ほんまに作りだけ見たらオフィスビルと変わらんようになってきたな。水ざばざばは相変わらず2階から上かいな」
「ですね。参詣客の転倒防止もありますから、一階はドライフロア継続で。じゃ、ちょっと皇族階に上がってみますか」そしておなじみの、のろわれたエレベーターで上に。
「今回の改装前に、このエレベーターも変えています。プラウファーネさん以外にも動かせるように皇族・認定者の聖環をかざせばボタンが生きて操作を受け付けますから」そういえば中があたらしくなりましたね。
あっという間に23階に着きます。
「まず、右手の皇帝陛下専用室。これは内装調度はほぼそのままに、ベラ子母様と私が使います」開いたままの扉の向こうにもいくつも扉があります。これは以前の通りですね。
「次にアレーゼ様用。ここも変化はありません。ま、最近はあまりお戻りになられませんし、ご本人も差し障りがあるなら誰か使って貰ってよいとは申されておりますが、とりあえずそのままで。聖院のマリア様が来られた時にはこちらに入って頂こうかなと」
「ああそっか、一時期アレーゼさんと暮らしてたからな、自分の部屋並みに馴染みはあるやろ」
「で、こちらは今回新設された上皇個室。今は既にマリアねーさんが寝てますから扉は閉めてます。アルトさんは今日からこちらに。お荷物は可能な限り移しておきました。後でオリューレさんが整理してくれますよ」
で、通路を挟んで…。扉の閉まった部屋ががが。
「この部屋が聖母個室になります。つまり、ジーナかーさんは上のペントハウスからここにお引越しになりますが…」ニヤニヤしてはりますね。
「おい、開かへんやないか。どないなっとんねんっ。清掃モードオン…おし入るぞっ」なんかジーナ様無理矢理開けてはりますが。慌ててエマ子さん止めに入ってはりますね。
「聖母権限でマイレーネさん互換モードが備わってるの知ってたからな。…おいっエマ子。何でこの部屋は何もないんや!あたしの荷物どこやった!」
(おおおおかーさまにはもう一つ隠し部屋がございますから!後でご説明させて頂きますから!とりあえずこの場はお静かに!)
(お前うそついたら分かってるやろな?)
(あぃ。とりあえず一つ上に参りましょう…)
で、中央廊下のこうさてんに作られたにもつ用エレベーターとらせんかいだんを上がりますと…。
「右がルクレツィアおかーさまとミカエルのお部屋。二人はテンプレス2世からまだ戻っておられませんね。で、左は理恵子さんとダリアさんの新婚部屋。こちらもまだ戻っておられません」で、中を一応見学。
だいたい、てんのうじのジーナ様のお部屋くらいはあります。りええさんとダリアのお部屋と、るっきーのお部屋は向きが変わったくらいで全く同じまとりですね。
「まぁ、ここを遊ばせておくのも何やから活用したかったのはわかる。わかるんやけど…」ジーナ様、ものすごく恨めしそうな顔です。確かに、ついこないだまでこのお部屋だった訳ですし。
「言っておきますが、お母様のお部屋は複数ございますからね?」22階の貴賓区画を案内しながらジーナ様になんとか納得してもらおうとエマ子さん必死です。ですが、肝心のおへやを見せないと納得してもらえないと思いますよ。
「ですから、お母様のお部屋はお静かに過ごして頂きたいのと、保安上の理由で21階にもお作りしたのです…」みなさんの冷たいしせんに、とうとうエマ子さんが根負けしました。
「何故そうする必要があったのです。23階のあのお部屋でも充分に他と離れておるではありませんか。エマニエル。もしや貴女、ジーナ様母様を独占…」ベラ子様がじわじわと追い込んではります。
「か、母様、後で必ずお教えしますから…」
「どうも口を割りませんね。ジーナ母様。エマニエルには、ちと仕置きの必要を感じますが」
「まぁ、とりあえずどうしてもあたしにしか教えたくないらしい。エマニエル。出来が悪かった場合…わ・か・る・な? エレンファーネ事案やからな?速攻で地下墓所のあそこ開けて貰うからな? あー、雅美さん。すまんけど今回の改装でエマ子がさー、あたしの部屋がらみでやらかした可能性あるからさ、例の黒なんとか使う可能性あるんでさー、悦吏ちゃんにエマ子に効きそうな奴見つくろっといて言うといて。あと、手ぇ空いてたら雅美さんも参加して欲しいねん。まぁ一時間あったら、痴女宮で反省の色を示さん奴はおらんやろ」やっぱり、あそこのあれ使うしかないんですかね。
「まぁエマ子ボディやったら汚染の危険はないけどな。あと、雅美さんがアレ慣れしとるからな、適当なん用意してくれるやろ。あ、アルトくん賭けへんか。エマ子用やったら多分黒ブラギ◯ス出してくるぞ」
「おかーさま。それより牧場に連行して、ごるしのごるしを以下略の方が」
「うむ。よう考えたらそれもええな。ベラ子の言うことは聞きよるよなあいつ」
「ルクレツィア母様の知識がありますからね。乗馬が出来る人間を見分けるんですよねぇ。あと、股間の反応が…」
「ひぎいいいい」
「はい、泣かずにとりあえず21階案内せぇ」
「あ、その前に貴賓会議室をば。これ一応テンプレスのブリーフィングルーム体裁にしていますが、レイアウト変更で通常会議室にもなります」
「まぁ鬼対策などの作戦会議や指揮機能があると聞いたから妥当か」
で、21階。22階からはのろわれたエレベーターか、非常かいだんでしかいけないそうです。
非常かいだんを出るといきなり、いくつも並んだおへやが。上級区画とちがうのは、壁が天井まである事ですね。
すでにえあこんが動いているようで、中はすずしいです。
「この階は皇族・貴賓階という事で専用空調を入れています。22階以上と同じで、電気なども使えますよ」
そして気になる点。うけつけを兼ねた皇帝室というひしょさんのお部屋がありますが、そこにいくまでが妙に長いのです。
あたくしも連邦社会のほてるに泊まったり、てんのうじのおへややあーくろいやるなど、おふねのお部屋も知っておりますが、ふしぜんです。
まるで何か、ここにお部屋があるかのようにほそい廊下を通ってうけつけに出る作りなのです。
はっはーん。
ええ、エマ子さん忘れてはりますね。わたくし達、かべやものを透かして見えることを。やはりここ、かくしべやになっています。
(だからえまこさん。こういうかくしごとをジーナ様は嫌われますから。23階のおへやもちゃんとお使い頂けるようお願いしますよ)
(あぃ。あとでちゃんと家具とか整備しておきましゅ…)
「しかし、役員秘書室をイメージするのは良いとして、秘書のアテがあるんかいな。確かに女官時代は上級下級でペアを作らせてたのはあたしも知ってるけどな、23階の住人はオリューレみたいなのが合計5~6人は必要な訳や。OJTで鍛えるにしても、マリ公ならマリ公の足を引っ張りかねん」
「その辺はベラ子かー様に頼んでおります。以前かー様が申されていた虎の穴ならぬ魔羅の穴。あの研修カリキュラム案を使います」
「で、具体的にはどないすんの」
「地下で研修一ヶ月」
「ああ…毒蛇系助平が量産される未来しか見えへんぞ! 偏らんようにマリーとか理恵ちゃんにも付けろよ…クレーニャ…メーテヒルデはもちろんやけど、乳上が意外に女官修練慣れしてると聞いてるからな」
(乳上は一時期あたしの秘書というか業務企画部長みたいなもんだったから。ちょいお待ち。メーテヒルデ。君いま暇か?え?鬼対策研修受講中?すまんすまん。あとで話があるから、エマ子に心話頼むわ。はいすまんお邪魔したな。で…乳上ー。暇かー。何最近串刺し野郎が以前に増して淡白?しゃーねーなー。愚痴聞いてやっから明日にでもこっち戻って来れるか?とりあえず女官の研修で話があんだわ)
やはりマリア様が動くと話が早いですね。
(あとは選抜。千人卒からの底上げ予定者含めて予備込みで10名ピックアップしな。初期研修はアルテローゼかメーテヒルデにつけて5名を1ヶ月やらせて各員持ち回りローテーションで配置。次にもう5名を同じコースで回してOK。これでとりあえず形は整う筈だよ。地下送りはそれからでも遅くねぇだろ)
「むむむ、マリアねーさんの手回しが異常に早い」
(遅い事は誰それでもするのだっ。仕事が早いのが痴女皇国の国是だっ。あたしの身体が動くならエマ子引っ張り回して鍛えるんだけどなー。あんたの身体の性能ならあともう一声欲しいぞー? んー?)
「ああっ姉がいじめるっ」
(姉より優れた妹なぞ!なぞ!…あーっ!女官研修なんざ欧州送る手もあるじゃねぇか…あの人に声かけて納得させる作業は必須だけどな)
「あの人ですか…ですか…」
(嫌がるんじゃねぇ。マイレーネさんとアレーゼおばさまに話が出来る立場なんだから逃げんなっ。それに…だ。クレーゼ母様とアレーゼおばさま、どっちにそういう話をしに行く?)
「アレーゼ様」
(ああっ娘に足蹴にされた気分ですわっ!エマ子さん!わたくしにも身体をっ!)
(却下。絶対与えるなよエマ子!クレーゼ母様の手も借りたいだろうが、この人が痴女宮を歩き回ると後で困るからな?)
「というよりクレーゼ様がお聞きなのがこあいです」
(家族会は基本ヒマ。例外がそこにいるが)
「鬼の一件が片付いたらしばらく寝かして…」
「ダメですよおかー様。誰が墓所に帰すと思いまして?」ベラ子様がジーナ様をがっしと掴んでいます。
(クレーゼ叔母様。家族会の意向もあるかとは思いますが、エマニエルが育つまで、やはり母離れは難しうございます。世界最強のマザコン大国の人間の血を引く身と、この数日で改めて思い知りましたので…というわけでジーナ母様。件の隠し部屋とやら、アルトさんと三人で使い勝手を調べさせて頂きましょうか。何でしたら23階のあたくしの部屋も、どんなものか使ってみたくありますので)そこでわたくしを見据えるベラ子様。
「皇帝陛下のご意志です。ジーナ様」左手はあたくしが。
「待てアルトくんにベラ子。異論はないがな。少し両手をフリーにさしてくれ…おいエマ子。わ・か・っ・と・る・な」ジーナ様がエマ子さんにムチを振るわれます。
「ふっ、こんなも…え?何で外れませんの?隷属モード自動移行?」
「ふっ、抜かりよったわ。あんた自分であたしに逆らえんモードつけといて今更あがくなっ行くぞっ、一人では死なんっ来いっ」
「ぎゃああああ児童虐待!」
「やかましい、この世から完全消滅させられても再生するの知っとるわ。黒ブラギ◯スを持ち出されたくなくば大人しく従えっ」
「まー仕方ありませんよねー。これ終わったらちゃんとジーナ様に普通のおへやを回すのですよ」
「あひいいい」
(エマ子は自分の身体の性能に溺れ過ぎなんだよ…まず自分が隙あらば犯される立場なのを理解しねぇとな…とりあえず部屋の不満についてかーさんに説教されてこい)
ま、痴女皇国はこんなものですね。
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ジーナ「いやー焦った焦った」
マリア「ちなみに山田長政が駿河の出身なのはガチな。あと、かーさんの実家の稼業のご先祖様みたいなもん」
ジーナ「本物の山田長政は非業の最期を遂げてますけどな、王族入りして将軍になったのは本当ですからね」
マリア「しかしあの泰緬佛像国と禅問答して通じるんだろうか…」
ジーナ「わからん。あ、景轍玄蘇は臨済宗(禅宗)で、僧侶を一種の特権階級みたいに見なすタイの上座部仏教とは話が合わない可能性があるんよねぇ」
マリア「だから宗教は困ると言えば困るんだよ。宗教に限らねぇけど、何かの知的階級体系があるとすぐ、本家と元祖で覇権を争うラーメン屋状態になるからなぁ」
ジーナ「つまり宗教とは餃子の○将の京都と大阪」
マリア「それもあれだが…」
ジーナ「ところで餃子の闘将はどないなったん」
マリア「いや、あそこに攻めさせるかと思ったが、李自成が出てくるんじゃなしに配下を渡海させる作戦を考えてるみたいなのよ。で、仕方ねぇから攻め入るかぁと作戦を練ってる模様」
ジーナ「あの大陸には深入りすんな言うといて」
マリア「あ、それ大丈夫。玉藻のおばはんが全力で反対してるし、おかみ様も面倒くさそうだから、李自成を無力化して誘拐してやろうかとまで」
ジーナ「物語的にクソつまらん展開の作戦が出ている時点でやる気のなさを感じる」
マリア「ちなみにアレーゼおばさま曰く、私が峰打ちにするか、マイレーネが殴って改心しそうなら行くけどなぁ…だと」
ジーナ「割と謝らないと言うか、自分の非や過ちを簡単に認めへんからな、あそこら辺」
マリア「とりあえず殴るには殴ってくれと頼んでるようよ。MIDIの超光速粒子銃一発で終わらせたら流石にあたしも面白くないから、エマ子にはちょっと見せ場作れとは言ってる」
ジーナ「あと天竺。あそこも手を出すとめんどくさそうなんやけど」
マリア「あそこは住民自体がカオスだからちかたないね」
ジーナ「あ、そうそう。鬼編で途中からスペインが関わってくるかも知れぬと」
マリア「ああ、ピサの大学を出た教皇猊下の出身国…と言うか血縁的ルーツ国な」
ジーナ「関わる理由はスペインの風土にある模様。あの国は典型的地中海型気候である。雨降らん」
マリア「米はおろか麦畑にも苦労したりするんだよねぇ」
ジーナ「なお、黄金を求めて南米で暴れたものの、持ち帰った財宝のせいでスペインがひっどいデフレに見舞われたのは本当」
マリア「まずあいつらには貨幣経済の欠点と限界を教えたい…」
ジーナ「信用経済やるには通信手段の整備が必要になってくるしなぁ」
テルナリーゼ「海運相場関係で博打が大好きな国に噛ませても面白いかも知れませぬぇ」
マリア「ああ、あたしのとーさんのご先祖様のあの蛮族大国…」
ジーナ「あの蛮族将軍が出るのだろうか…」
「いやいやいやいや。実は我ら兄弟、以前からおりまして」
「はぁ?租税鑑札持ってるん?」
「はい」
「あるとー。ちょっと改めたってー」
「ほえほえー。みせてくださいねー」
Mannyratt マニーラット Prostitute 売春婦 Pure female Visual 女性外観 Gate town Tax office, South Sea Kingdom.南洋王国聖院門前町徴税処 Temptress Palace Help-Call center, Imperial of Temptress. 痴女宮請願処
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え。売春婦扱いじゃないですか。もしかしてをかま…ほもですか?ほもですか?おっぱい薄いですし。まないたですやん。
「いや、私らほもちゃいます。女になっとります。で、まぁ…実は天竺のほも、いや鬼でなければ比丘尼国神官の下の鬼でもないんですわ」
「はぁ…それがまたなんでここに」
「実はわたしら、日の本の山田長政という傭兵さむらいの子供なんですよ。で、父親はその昔、比丘尼から佛象国に渡りましてな。それで、長政はもちろん、その子孫のわしらも鬼なんですわ」
「なるほど。で、確か山田長政って討ち死にしてるよな…」
「そうですねん。まぁ、他所で一旗揚げたれみたいな発想で佛象に渡ったものの、小競り合いみたいないくさに明け暮れて死んだと思うてください。正直、お宅様におられる比丘尼国ゆかりの鬼様より雑魚でした」
「言い切るのか…」
(この辺史実と違うからチェックっすねかー様。連邦サイドの歴史だと、長政はイスパニアの艦隊を追い返す軍功を立てて当時の王室に気に入られ大抜擢されてますからね)
(りょーかい。そもそも長政はほんまなら今、まだ生きてるはずやしな)
「だって私らを人に産ませて、ちょっと優男に生まれたから兵隊には使えんとか言うて放置ですよ放置!恨みの一つも言いたくなりますて!」
「…苦労してそうな鬼やな…」
「ええ実際苦労しましたわ。で、私ら見ての通りおなごになれますやん。鬼の血も薄いし、とりあえず春でも売るかと思うたんで苦労してここに渡りまして、客を引いてたんですわ。割と納税歴ありますやろ。ほけん代もちゃんと納めてますよって」
「あ、本当だ。二年近くありますよ」
「ふむふむ。ほな、今、うちらがビリビリしとる鬼とは関係あらへんくちかいな」
「そうですわ。まぁ昨今の事情はそれとのう伝わっとりますし、正直迷惑しとります。そもそものわしらの父親が鬼の子孫いうだけで鬼の力は薄まりに薄まってますさかいに、人とほとんど変わらん思いますわ」
「せやなー。こうして対面して初めて鬼やてわかったくらいやしなー」
「よし、事情はわかりました。退治とか虐待はしませんからご安心ください。とりあえず。あなた方は比丘尼国の関係者と会って頂きます。それと、ここで少しお聞きしたいのですが、あなた方は龍皇国の言葉で会話が出来ますか?」ベラ子様がお聞きになります。
「ええ。虎魔王国経由でここに流れて来ましたんで、多少なりと。それにわしらの母親、元々その辺の人間ですねん」
(おかー様、この方々、嘘をついているようには見えませんが)
(まぁ、鬼の擬態能力の話もある。しばらくは隔離生活をしてもらう事になるやろう…待てよ?エマ子。この子らの人種や身なりやったら、虎魔王国か海獅子国に忍んでもろてもええんちゃうか?)
(なるほどそれも一案ですね。では、ちょっと引き取りに行ってもらいます)
で、げどうさん登場。
「ああ、あんたら…。あんたらのお父さんが何を言うたか知らんが、あんたら鬼とちゃうぞ」
「え」
「え」
「君らのお父さんな、駿河の国の天女族と人とのあいのこやわ。そら、角どころか羽根も生えへんはずや」
「だって…鬼とばかり…」
「ああああああの親父いいいい」
「まぁ、身体は頑丈になるし寿命も伸びるしな。それに、あんたら人の肉や血よりちんぽおめこが欲しい部類ちゃうんかいな。天女族はどっちか言うとそっちを好むんや」
「しくしくしく」
「鬼や言うて期待してたのに…」
「恐らく、佛象国の傭兵になるためにフカシ入れてたんやろ。まぁ、とりあえずうちが地下に連れて行って面倒見ときますわ」
「そないしてくれると助かりますわ」
(場合によったら比丘尼国で預かるいう話になるかもわからんし、万一の、聖母様の懸念の話が出るかどうかの見極めにもなりますやろ。ある程度の間、人の飯しか与えんと過ごさせるだけでも鬼は本性を表しますよって)
(ふんふん。その辺は外道ちゃんに任せるとしよう。あとこの子らの鬼反応がめちゃくちゃ薄かった件は色々な意味で注目やな…天女族だけかも知れんけど、鬼の血が薄まる事例になるやろ)
(ああ、もともと天女族はあまり増えへん部類なんですわ。種族的に基本メスですしな。差し当たりおかみ様にも引き合わせてみまひょ)
(虎魔王国に忍ばす話も頼むで)
(承知しました。ほな連れて行きます)
げどうさんが二人を連れて痴女宮に戻るのを見送ったわたくしたちは、視察を続ける事にします。
ええ。
ベラ子様にびちくを入れる必要、ありますからっ。
(いやー、さっきの鬼さんいうか天女の子や孫いうのには驚かされたわ。しかし、ここであれなら割と東南アジア一帯に鬼やら人魚やら天女の子孫が紛れとるかもわからんなぁ)
(まー、その辺は精密探知の精度を上げる方向で考えてみましょ。さっきくらいのなら無害に等しいですしねぇ)
(りょーかい。あ、エマちゃん。ベラ子にあれやるから出来れば見ないように)
(うぐぐぐぐ。後日必ず埋め合わせしてくださいよっ)
(あっアルトさん気が早ぅございます!こんな所で!こんな所で!)
(あたくしのいんちゅうリモコンを試しただけなのですが…なぜにベラ子陛下に通じるのでしょうか…)
(…あ、これ、案外高度なセキュリティかかってない可能性。穴はそうでもないが、淫蟲リモコンはうちにも効く可能性あるな…)
(では試しに)
(あんっ!いきなり最強にすんなっ!何やこれ!今までの淫蟲と全然違うぞ!なんかめちゃくちゃ硬いやないか!…ちょっとアルト、試すで…)
(ひぎっ!た、確かにこれはきょうきです…あなるのが特にききますっ!)
(誰や…いくらがんつ服でも、こんなん効きすぎやろが…マリ公はあとで顔と恥丘に落書きやな…淫紋シール貼って便器と正の字書いといたろ)
(ちょっと待てや!確かに黒薔薇シリーズは何回かアップデートしてるけど…あー、かーさん。これ犯人エマ子。あたしも今、自分の服に強制アクセスして使ってみたけどアフリカ系仕様になってるわ…つまり黒人スペックだよ…)
(つーまーりー、直近で配った奴はエマ子の製造ミス…)
(えーまーにーえーるー。貴女への差配はジーナかー様に委ねます…)
(アルト。後日必ずエマ子にやれ。ええな…つかエマ子!今すぐ該当仕様回収して改装せぇ!迂闊に淫蟲機能使われたら大惨事や!あたしらのやつも普通のマイクロビキニに戻してくれ!)
「はぁ、えらい目に遭うた」
「ですわね…母様のぴーたーのーすが癒しに思えますわ…」
「あんっ。アルトー、やりにくくないかー」
「なんとか入れられてますー。あたくしが直接ベラ子様に入れたら今、おーばーふろーの危険がありますしね」
「まぁベラ子は慌てず焦らずに精気管理に慣れてくれ…よしアルトくん出すのや…」
「ううっいきますっ」
「で、注入量をあたしが調整して…うっ」
「ああー、このじわーと来る感じがたまりませんわっ」
「あっあかん抜かニをやってしまうっ」
「まーでも青姦なる行為も良いものですわね。淋の森の拡張稟議はエマ子発議で出させると致しましょう」
「しかしマリ公はここを使ってなかったんかいな。アルトくん、その辺はどうよ」
「あ、痴女皇国の生え抜きはそもそも堤の上であれこれいたしておりましたから…あそこが充分に刺激的過ぎましたので…」
「ああ…はい、あの理恵さんが同級生に見せて驚かれたり、あるいはマリアねー様が同級生に見せて異物を見る目で見られたという…」
「ベラ子の代で何としても払拭したいイメージよな…」
「とりあえず戻るといたしましょうか。エマ子からもそろそろ終わるとの連絡が」
「あらー、ちょっとというかかなり前に突き出しましたわね」
「ふむふむ。竣工予定図とかはおっさんやエマ子に見せてもらってたから、大体のイメージは掴んでいたが」
「女官寮よりかなり前に出ておりますね」前から見ると以前と変わりません。しかし本宮建物が前の倍くらい突き出ているのは、わたくしにもわかります。
「はー、終わりましたわよっ!」その新しくと申しますか、ぞうちくとやらが終わった痴女宮の前でどやがおするえまこはん。
頭にはタオルではちまき、すっばだかに近い状態です。
「いや、流石に暑くなってさ、Theガッ◯状態で工事やってたんすわ。今は冷却水回路繋いで水を回し始めたから、もう少ししたら中は冷え冷えっすよ」おっきいぺっとぼとるから水がぶ飲みしてはりますね。
「あたしもこの身体でフル稼働させるの初めてだったんで、どうなるかと思いましたけど」確かに以前のように本宮の建物の壁伝いに水がざばざばと流れ始めておりますね。
「分体には中の熱消毒やら水漏れチェックをさせたりしていますよ。そろそろいいかな」で、現場をんな状態のエマ子さんの案内で見てまわります。
「まずロビー。単純に奥行き二倍です。で、左側の下足処の手前が第一。千人卒までの参詣客を扱うのでとりあえず大きめに。奥が千人卒以上を扱う第二下足処です。着替えを渡された方は地下一階に降りて着替えて服類を預けた後、案内で女官室に通されます。ですので従来の水圧昇降機じゃ足りないのがわかってますので、地下から10階までの客用昇降機と、同じく地下から11階以上21階まで行ける高層用直通昇降機を新しく内蔵させていますよ」
「旧・上級区画はどないしたのよ」
「従来の昇降機は電動化かつ、業務用…女官出勤用や参詣客送迎の際の移動用にしました。だから動線はかなり変わりますね」
「なるほど、これも鬼対策やな」
「あと業務用下足処移設と女官管理室の拡大。女官には専用サンダルボックスを渡してます。で、聖環または痴女皇国環を下足処の確認機にかざせば出勤確認。あとは奥の業務区画へ入って行くだけです。要は今まで預かってた上履きを各自管理させると」
「なんか通勤時に自動改札を次々抜けていくイメージが」
「まさにそれですよ。実際に非接触認証ゲート、ほら、5レーン設けてますから」
「旧上級が上住まいに変わるんよな。引っ越しはどないするん」
「基本的にあまり荷物はありませんからね。昨日の段階で大半に予め準備をさせていますから、今日は旧・下級の出勤後に残りの引っ越しを終わらせます。その後に私の分体と青女官軍団で空室点検と清掃整理の予定です」
「ほんまに作りだけ見たらオフィスビルと変わらんようになってきたな。水ざばざばは相変わらず2階から上かいな」
「ですね。参詣客の転倒防止もありますから、一階はドライフロア継続で。じゃ、ちょっと皇族階に上がってみますか」そしておなじみの、のろわれたエレベーターで上に。
「今回の改装前に、このエレベーターも変えています。プラウファーネさん以外にも動かせるように皇族・認定者の聖環をかざせばボタンが生きて操作を受け付けますから」そういえば中があたらしくなりましたね。
あっという間に23階に着きます。
「まず、右手の皇帝陛下専用室。これは内装調度はほぼそのままに、ベラ子母様と私が使います」開いたままの扉の向こうにもいくつも扉があります。これは以前の通りですね。
「次にアレーゼ様用。ここも変化はありません。ま、最近はあまりお戻りになられませんし、ご本人も差し障りがあるなら誰か使って貰ってよいとは申されておりますが、とりあえずそのままで。聖院のマリア様が来られた時にはこちらに入って頂こうかなと」
「ああそっか、一時期アレーゼさんと暮らしてたからな、自分の部屋並みに馴染みはあるやろ」
「で、こちらは今回新設された上皇個室。今は既にマリアねーさんが寝てますから扉は閉めてます。アルトさんは今日からこちらに。お荷物は可能な限り移しておきました。後でオリューレさんが整理してくれますよ」
で、通路を挟んで…。扉の閉まった部屋ががが。
「この部屋が聖母個室になります。つまり、ジーナかーさんは上のペントハウスからここにお引越しになりますが…」ニヤニヤしてはりますね。
「おい、開かへんやないか。どないなっとんねんっ。清掃モードオン…おし入るぞっ」なんかジーナ様無理矢理開けてはりますが。慌ててエマ子さん止めに入ってはりますね。
「聖母権限でマイレーネさん互換モードが備わってるの知ってたからな。…おいっエマ子。何でこの部屋は何もないんや!あたしの荷物どこやった!」
(おおおおかーさまにはもう一つ隠し部屋がございますから!後でご説明させて頂きますから!とりあえずこの場はお静かに!)
(お前うそついたら分かってるやろな?)
(あぃ。とりあえず一つ上に参りましょう…)
で、中央廊下のこうさてんに作られたにもつ用エレベーターとらせんかいだんを上がりますと…。
「右がルクレツィアおかーさまとミカエルのお部屋。二人はテンプレス2世からまだ戻っておられませんね。で、左は理恵子さんとダリアさんの新婚部屋。こちらもまだ戻っておられません」で、中を一応見学。
だいたい、てんのうじのジーナ様のお部屋くらいはあります。りええさんとダリアのお部屋と、るっきーのお部屋は向きが変わったくらいで全く同じまとりですね。
「まぁ、ここを遊ばせておくのも何やから活用したかったのはわかる。わかるんやけど…」ジーナ様、ものすごく恨めしそうな顔です。確かに、ついこないだまでこのお部屋だった訳ですし。
「言っておきますが、お母様のお部屋は複数ございますからね?」22階の貴賓区画を案内しながらジーナ様になんとか納得してもらおうとエマ子さん必死です。ですが、肝心のおへやを見せないと納得してもらえないと思いますよ。
「ですから、お母様のお部屋はお静かに過ごして頂きたいのと、保安上の理由で21階にもお作りしたのです…」みなさんの冷たいしせんに、とうとうエマ子さんが根負けしました。
「何故そうする必要があったのです。23階のあのお部屋でも充分に他と離れておるではありませんか。エマニエル。もしや貴女、ジーナ様母様を独占…」ベラ子様がじわじわと追い込んではります。
「か、母様、後で必ずお教えしますから…」
「どうも口を割りませんね。ジーナ母様。エマニエルには、ちと仕置きの必要を感じますが」
「まぁ、とりあえずどうしてもあたしにしか教えたくないらしい。エマニエル。出来が悪かった場合…わ・か・る・な? エレンファーネ事案やからな?速攻で地下墓所のあそこ開けて貰うからな? あー、雅美さん。すまんけど今回の改装でエマ子がさー、あたしの部屋がらみでやらかした可能性あるからさ、例の黒なんとか使う可能性あるんでさー、悦吏ちゃんにエマ子に効きそうな奴見つくろっといて言うといて。あと、手ぇ空いてたら雅美さんも参加して欲しいねん。まぁ一時間あったら、痴女宮で反省の色を示さん奴はおらんやろ」やっぱり、あそこのあれ使うしかないんですかね。
「まぁエマ子ボディやったら汚染の危険はないけどな。あと、雅美さんがアレ慣れしとるからな、適当なん用意してくれるやろ。あ、アルトくん賭けへんか。エマ子用やったら多分黒ブラギ◯ス出してくるぞ」
「おかーさま。それより牧場に連行して、ごるしのごるしを以下略の方が」
「うむ。よう考えたらそれもええな。ベラ子の言うことは聞きよるよなあいつ」
「ルクレツィア母様の知識がありますからね。乗馬が出来る人間を見分けるんですよねぇ。あと、股間の反応が…」
「ひぎいいいい」
「はい、泣かずにとりあえず21階案内せぇ」
「あ、その前に貴賓会議室をば。これ一応テンプレスのブリーフィングルーム体裁にしていますが、レイアウト変更で通常会議室にもなります」
「まぁ鬼対策などの作戦会議や指揮機能があると聞いたから妥当か」
で、21階。22階からはのろわれたエレベーターか、非常かいだんでしかいけないそうです。
非常かいだんを出るといきなり、いくつも並んだおへやが。上級区画とちがうのは、壁が天井まである事ですね。
すでにえあこんが動いているようで、中はすずしいです。
「この階は皇族・貴賓階という事で専用空調を入れています。22階以上と同じで、電気なども使えますよ」
そして気になる点。うけつけを兼ねた皇帝室というひしょさんのお部屋がありますが、そこにいくまでが妙に長いのです。
あたくしも連邦社会のほてるに泊まったり、てんのうじのおへややあーくろいやるなど、おふねのお部屋も知っておりますが、ふしぜんです。
まるで何か、ここにお部屋があるかのようにほそい廊下を通ってうけつけに出る作りなのです。
はっはーん。
ええ、エマ子さん忘れてはりますね。わたくし達、かべやものを透かして見えることを。やはりここ、かくしべやになっています。
(だからえまこさん。こういうかくしごとをジーナ様は嫌われますから。23階のおへやもちゃんとお使い頂けるようお願いしますよ)
(あぃ。あとでちゃんと家具とか整備しておきましゅ…)
「しかし、役員秘書室をイメージするのは良いとして、秘書のアテがあるんかいな。確かに女官時代は上級下級でペアを作らせてたのはあたしも知ってるけどな、23階の住人はオリューレみたいなのが合計5~6人は必要な訳や。OJTで鍛えるにしても、マリ公ならマリ公の足を引っ張りかねん」
「その辺はベラ子かー様に頼んでおります。以前かー様が申されていた虎の穴ならぬ魔羅の穴。あの研修カリキュラム案を使います」
「で、具体的にはどないすんの」
「地下で研修一ヶ月」
「ああ…毒蛇系助平が量産される未来しか見えへんぞ! 偏らんようにマリーとか理恵ちゃんにも付けろよ…クレーニャ…メーテヒルデはもちろんやけど、乳上が意外に女官修練慣れしてると聞いてるからな」
(乳上は一時期あたしの秘書というか業務企画部長みたいなもんだったから。ちょいお待ち。メーテヒルデ。君いま暇か?え?鬼対策研修受講中?すまんすまん。あとで話があるから、エマ子に心話頼むわ。はいすまんお邪魔したな。で…乳上ー。暇かー。何最近串刺し野郎が以前に増して淡白?しゃーねーなー。愚痴聞いてやっから明日にでもこっち戻って来れるか?とりあえず女官の研修で話があんだわ)
やはりマリア様が動くと話が早いですね。
(あとは選抜。千人卒からの底上げ予定者含めて予備込みで10名ピックアップしな。初期研修はアルテローゼかメーテヒルデにつけて5名を1ヶ月やらせて各員持ち回りローテーションで配置。次にもう5名を同じコースで回してOK。これでとりあえず形は整う筈だよ。地下送りはそれからでも遅くねぇだろ)
「むむむ、マリアねーさんの手回しが異常に早い」
(遅い事は誰それでもするのだっ。仕事が早いのが痴女皇国の国是だっ。あたしの身体が動くならエマ子引っ張り回して鍛えるんだけどなー。あんたの身体の性能ならあともう一声欲しいぞー? んー?)
「ああっ姉がいじめるっ」
(姉より優れた妹なぞ!なぞ!…あーっ!女官研修なんざ欧州送る手もあるじゃねぇか…あの人に声かけて納得させる作業は必須だけどな)
「あの人ですか…ですか…」
(嫌がるんじゃねぇ。マイレーネさんとアレーゼおばさまに話が出来る立場なんだから逃げんなっ。それに…だ。クレーゼ母様とアレーゼおばさま、どっちにそういう話をしに行く?)
「アレーゼ様」
(ああっ娘に足蹴にされた気分ですわっ!エマ子さん!わたくしにも身体をっ!)
(却下。絶対与えるなよエマ子!クレーゼ母様の手も借りたいだろうが、この人が痴女宮を歩き回ると後で困るからな?)
「というよりクレーゼ様がお聞きなのがこあいです」
(家族会は基本ヒマ。例外がそこにいるが)
「鬼の一件が片付いたらしばらく寝かして…」
「ダメですよおかー様。誰が墓所に帰すと思いまして?」ベラ子様がジーナ様をがっしと掴んでいます。
(クレーゼ叔母様。家族会の意向もあるかとは思いますが、エマニエルが育つまで、やはり母離れは難しうございます。世界最強のマザコン大国の人間の血を引く身と、この数日で改めて思い知りましたので…というわけでジーナ母様。件の隠し部屋とやら、アルトさんと三人で使い勝手を調べさせて頂きましょうか。何でしたら23階のあたくしの部屋も、どんなものか使ってみたくありますので)そこでわたくしを見据えるベラ子様。
「皇帝陛下のご意志です。ジーナ様」左手はあたくしが。
「待てアルトくんにベラ子。異論はないがな。少し両手をフリーにさしてくれ…おいエマ子。わ・か・っ・と・る・な」ジーナ様がエマ子さんにムチを振るわれます。
「ふっ、こんなも…え?何で外れませんの?隷属モード自動移行?」
「ふっ、抜かりよったわ。あんた自分であたしに逆らえんモードつけといて今更あがくなっ行くぞっ、一人では死なんっ来いっ」
「ぎゃああああ児童虐待!」
「やかましい、この世から完全消滅させられても再生するの知っとるわ。黒ブラギ◯スを持ち出されたくなくば大人しく従えっ」
「まー仕方ありませんよねー。これ終わったらちゃんとジーナ様に普通のおへやを回すのですよ」
「あひいいい」
(エマ子は自分の身体の性能に溺れ過ぎなんだよ…まず自分が隙あらば犯される立場なのを理解しねぇとな…とりあえず部屋の不満についてかーさんに説教されてこい)
ま、痴女皇国はこんなものですね。
------------------------------------------
ジーナ「いやー焦った焦った」
マリア「ちなみに山田長政が駿河の出身なのはガチな。あと、かーさんの実家の稼業のご先祖様みたいなもん」
ジーナ「本物の山田長政は非業の最期を遂げてますけどな、王族入りして将軍になったのは本当ですからね」
マリア「しかしあの泰緬佛像国と禅問答して通じるんだろうか…」
ジーナ「わからん。あ、景轍玄蘇は臨済宗(禅宗)で、僧侶を一種の特権階級みたいに見なすタイの上座部仏教とは話が合わない可能性があるんよねぇ」
マリア「だから宗教は困ると言えば困るんだよ。宗教に限らねぇけど、何かの知的階級体系があるとすぐ、本家と元祖で覇権を争うラーメン屋状態になるからなぁ」
ジーナ「つまり宗教とは餃子の○将の京都と大阪」
マリア「それもあれだが…」
ジーナ「ところで餃子の闘将はどないなったん」
マリア「いや、あそこに攻めさせるかと思ったが、李自成が出てくるんじゃなしに配下を渡海させる作戦を考えてるみたいなのよ。で、仕方ねぇから攻め入るかぁと作戦を練ってる模様」
ジーナ「あの大陸には深入りすんな言うといて」
マリア「あ、それ大丈夫。玉藻のおばはんが全力で反対してるし、おかみ様も面倒くさそうだから、李自成を無力化して誘拐してやろうかとまで」
ジーナ「物語的にクソつまらん展開の作戦が出ている時点でやる気のなさを感じる」
マリア「ちなみにアレーゼおばさま曰く、私が峰打ちにするか、マイレーネが殴って改心しそうなら行くけどなぁ…だと」
ジーナ「割と謝らないと言うか、自分の非や過ちを簡単に認めへんからな、あそこら辺」
マリア「とりあえず殴るには殴ってくれと頼んでるようよ。MIDIの超光速粒子銃一発で終わらせたら流石にあたしも面白くないから、エマ子にはちょっと見せ場作れとは言ってる」
ジーナ「あと天竺。あそこも手を出すとめんどくさそうなんやけど」
マリア「あそこは住民自体がカオスだからちかたないね」
ジーナ「あ、そうそう。鬼編で途中からスペインが関わってくるかも知れぬと」
マリア「ああ、ピサの大学を出た教皇猊下の出身国…と言うか血縁的ルーツ国な」
ジーナ「関わる理由はスペインの風土にある模様。あの国は典型的地中海型気候である。雨降らん」
マリア「米はおろか麦畑にも苦労したりするんだよねぇ」
ジーナ「なお、黄金を求めて南米で暴れたものの、持ち帰った財宝のせいでスペインがひっどいデフレに見舞われたのは本当」
マリア「まずあいつらには貨幣経済の欠点と限界を教えたい…」
ジーナ「信用経済やるには通信手段の整備が必要になってくるしなぁ」
テルナリーゼ「海運相場関係で博打が大好きな国に噛ませても面白いかも知れませぬぇ」
マリア「ああ、あたしのとーさんのご先祖様のあの蛮族大国…」
ジーナ「あの蛮族将軍が出るのだろうか…」
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