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第五話.チーム誕生!

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自負テレビでの初日、

私たち二人 三杉 淳子みすぎ じゅんこ山王 和夫さんのうまる かずおの新人報道部員は、大先輩である本郷 弘ほんごう ひろしアナに連れられて、とある場所まで来たのでしたが・・・

でもここって・・・何の部屋?

──am10:55 自負テレビ20F

本郷☆「・・・さあ、ここだ?」

山王丸♂「多目的室?」

(コンコン!)

☆「おい、入んぞ」

本郷さんが大きくその部屋の戸を叩き開けると・・・

?「・・・さあ来ました。中年と思われる男です。

うん? ・・・二人の若い男女も一緒に入って来ました! なんでしょ・・・その二人は私と一緒くらいの・・・23.4歳といったところでしょうか?!」

☆「ああ、そうだ」

?「少し驚いているようにも・・・思えます!?」

☆「そう・・・お前にな?」

?「これは・・・これはもしや・・・誘拐か?!」

☆「誰が誘拐だぁ?! ・・・まったく」

三杉♀「...」

☆「・・・そらーびっくりするわなぁ・・・いきなりこれじゃ・・・」

その多目的室を本郷さんがノックして開けると、

中には、背が高く・・・さっき言っていたように私たちと同じくらいの年齢の軽いパーマをかけた少し髪の長いほんのちょっと男性がいました。

が、それにしても・・・いきなり何なんでしょうか?

♀「あのートレーニングルーム?」

☆「おお・・・ここがな?

通称トレーニングルーム。

今は特に使ってないからって、新人の育成の為に使わしてもらってるんだ」

♂「・・・すいません、育成って?」

☆「ああ、去年なスポーツ実況やってた中堅のアナウンサーがやめたんだ。理由は・・・色々あってな?

そこであるアナウンサーをスポーツ実況に起用したんだが・・・これが不評でな?

まぁ、そりゃそのはずなんだよ?

だって・・・そのスポーツを実況したアナウンサー・・・

今までニュースしか担当したことないんだから?

・・・でな、いざとなったら、いつでも使える人材用意しとけってなってだな・・・ここを設けたって訳だ。で、こいつは浦辺って言うんだが・・・

この男、去年の10月まで何処にいたと思う?」

♂「えー、局の事務員とかですか?」

☆「・・・違う。こいつな・・・スタジオの裏方・・・

番組スタッフやってたんだ?」

♂♀「えー!」

その本郷さんの口から出たという響きに私たちは、びっくりしました。何故だか分かりませんが・・・何となく・・・

☆「こいつとスタジオで一緒になった大ベテランの栗山アナがな、こいつを凄く気に入ってな・・・

"声がいい"って?

それでその中堅実況アナがやめた時に栗山アナに相談したら・・・浦辺を指名したんだよ。

"育てろ"って」

浦辺「あーはじめまして。

私は浦辺っての言います。

まだ去年の10月終わり頃に入って、色々学んでる最中の契約社員です。

まぁー、実質新人みたいなものだから・・・どうかよろしく」

♂「はじめまして、僕は山王丸って言います」

♀「はじめまして、私は三杉です」

☆「まあ、お前たちも知ってると思うが・・・

自負テレビは若手不足が深刻でな?

入って来たと思っても直ぐにやめたり、

他局に移籍したりフリーになったりと・・・

色々と大変なんだ。

そこでこいつを買ってみようってなったんだ。

そりゃ最初、周りは懐疑的だったよ。

こんなの邪道だしな・・・だがそんな周りの目を変えたのは・・・こいつのヤル気だ。

部長も粗が出れば直ぐにやめさすって言ってたし・・・気づけば・・・」

浦辺「もう5ヶ月ですよ?」

そんな元・人材派遣会社のアルバイトで番組スタッフだった浦辺 誠二うらべ せいじさん。

もし、浦辺さんが派遣会社から、この自負テレビに派遣スタッフとしてやって来ていなかったら・・・

ベテラン実況アナの栗山さんとも、本郷さんとも出会うことはなかったでしょう。

♂「・・・いいと思います? だって浦辺さん本気で実況やりたいみたいだし・・・」

♀「私も、いいと思います。

形がどうであれ、ベテランの方が認めるくらいですから・・・何か通ずるものがあるんじゃないんですか?」

☆「・・・うん、お前たちならそう言ってくれると思ってた・・・よかったな! 浦辺?」

浦辺「はい! 二人ともありがとう・・・そうだ本郷さん? おれ昨日、栗山アナから・・・この調子だったら今年の夏には、デビュー出来るんじゃないか?

・・・って言われましたよ!」

☆「バカヤロ、調子に乗るな?

実況の練習する振りして遊んでるくせに!」

浦辺「ひっどいなー!」

♀「アハハハ・・・なんか・・・なんか、とても面白いですね?」

☆「うん?」

♂「なんかサッカーチームって言うか・・・草野球のチームって言うのか・・・ダメですね? ここ真剣な所なのに・・・」

浦辺「サッカーチーム?」

☆「・・・草野球か・・・ハハ・・・そう! それでいいんだよ? それで・・・最初はな・・・うん!」

その言葉の本郷さん、顔は笑っていましたが・・・

でも目は、この自負テレビ報道局で長年やって来たという・・・ベテランだからこそ出来る真剣な目付きそのものでした。

☆「よし! お前ら? 昼までここで休んで色々と話し合ってくれ。新人同士だから分かり合える気持ちってあるだろ? ・・・ああそれと山王? 三杉ちゃん? ・・・出来たらこのトレーニングルームに・・・そうだなぁ・・・週2くらい顔を出して欲しいんだ?」

♀「週に2回ですか?」

☆「ああ、時間がある時で構わない? ・・・出来たらでいい」

浦辺「ほんとですか? じゃあ俺・・・もうここで一人寂しく実況のトレーニングしなく済むんですね?

やったぁぁ! 仲間が出来たぞ!?」

☆「何がトレーニングだよ? 遊んでるくせに」

浦辺「ちゃんと練習してますよ?」

☆「へぇー、そこに漫画本や小説にゲームの攻略本が沢山あるのにか?」

浦辺「あっ、いや! ・・・あれは暇つぶしにでしょう?」

☆「暇つぶしぃぃ?」

♂「ははははは」

♀「浦辺さんがかわいそう(笑)」

☆「・・・という訳だ。浦辺もこんなキャラクターだし気安く仲良くしてやってくれ? じゃあ俺は行くから・・・昼までパァーっとジュースでも飲んで楽しんでくれ」

本郷さんがトレーニングルームを出たあと、私たちは浦辺さんに促され中央の地べたに座り、しばらく休憩をしようとしています。

浦辺「二人は何飲む?」

♂「何が冷蔵庫に入ってるんですか?」

浦辺「えー、ヒヤリレモンでしょ? それにズッキン・サイダーに・・・バカじゃねコーラ・・・」

♀「私そのバカじゃねコーラをもらいます?」

♂「じゃあ僕はヒヤリレモンを」

浦辺「オッケー! 二人とも・・・甘いものは好き?」

♀「だーいすき!」

♂「僕も!」

こうして浦辺さんに用意してもらったジュースにお菓子(The伝説!・チョコを4つ。因みにオマケシールで出て来たものは・・・わさび天使、人の子ダレダ。堕落のチート否定人シークレットレア! そして・・・

ミス・ルシファーウルトラレア!!。

この最後の二枚には、浦辺さんも山王丸さんも声を上げて喜んでいましたね♪)

浦辺「・・・じゃあ乾杯と行きましょうか?」

♂♀「賛成!」

浦辺「えー、新人同士による・・・この出会いを歓迎し?」

♀「・・・そんな私たちの今後の成長を願い?」

♂「えっ? ・・・うーん・・・とにかく楽しんで頑張って行きましょう!」

浦辺「では、そんな気分のまま・・・」


──────「かんぱーい!」


私たち・・・自負テレビ・新人報道部員は、新たな仲間と出会い、その歩を踏み出しました。

さあ、ここからが本番です!

・・・ねぇ、山王丸さん?
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