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ヤンデレ幼馴染のことは大好きなのですが小学校の時のトラウマは消えません。
私と天使と修羅場 その2
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「そんなのおかしいよ!渚くんがみんなと喋っちゃいけないなんて堺さんに決める権利ないじゃん!」神崎さんが言う。
女の子たちは次々に「そうだよ…」「ひどい…」
私はどうにか口を動かしたが、なぜか声が出なくて口をパクパクさせることしかできなかった。
クラスの女の子達の批判が遠くから聞こえる。
どうしよう…どうしようどうしよう。
私は…私はただ…
渚くんが他のみんなと仲良くしてるのが嫌だっただけで…
「堺さん、渚くんは優しいから堺さんのわがままにも付き合ってあげてたのにそれを利用して渚くんを孤立させようなんてひどいよ!」 神崎さんが瞳を潤ませながら言った。
遂には男子までもがこの騒動に気づき、
集まってきた。
「は?堺、佐藤のこといじめてたのかよ。」
「最低じゃん。佐藤大丈夫かよ。」
「これ、先生に言ったほうがいいんじゃね?」
周りが全部敵に見えた。怖い。怖い。
「ハァ…ハァハァ…」
息が…苦しい。
なんで。なんで…
「渚くん、大丈夫だった?」「辛かったね…」と渚くんへの庇護する声が聞こえた。
渚くんは
「大丈夫、僕がトロいだけで、りこちゃんはそんな僕がみんなに迷惑かけないようにしてくれただけなんだよ、だからみんなリコちゃんを責めないであげて…」
ああ、なんて優しい子なのだろう。
周りから見たら渚くんは自分に命令ばかりしてくるいじめっ子を庇う、天使のような子だったかもしれない…いやそうだった。
けれど私は見てしまった。
こちらを見て、渚くんが
今までの天使の笑みとは全く違う
悪魔のような笑みを浮かべて
ゴ メ ン ネ
……と口を動かしたのを。
ああ、私の知っている天使は
いつ、どこで悪魔に変わり果ててしまったのでしょう。
その瞬間私はその場から逃げ出した。
お昼の休み時間から学校を無断で出て行って
家に帰ったため先生からは電話、親からはこっぴどく叱られた。
理由を聞かれても話すことが出来ず、
どうしても休み時間の出来事を現実だと思いたくなかった。思えなかった。
どう考えても自業自得、自分で蒔いた種だ。
なのにも関わらず、ずっと一緒にいた渚くんには自分がしてきたことが迷惑だと思われていて、クラス中に悪行がバレてしまったことがショックだった。
明日からはきっとクラスで孤立するに決まっている。
渚くんが私を嫌っていた。
もう二度と仲良く出来ない。
怖い。学校に行きたくない。
そして、なによりも
渚くんが別人のように思えてすごく怖かったのだ。
「そんなに話したくないなら無理に理由は聞かないけど、明日からはちゃんと行きなさいよ。あの学校に行けるのも残り少ないんだし。」
卒業するまであと一年半程あるのにそんなことを言う母に少し違和感を感じたが、昼休みの件の精神的なショックが多過ぎてそんな疑問はすぐにかき消された。
「渚くん…ひとりにしないで…他の人と仲良くなっちゃ嫌だよ…ごめんなさい…ごめんなさい…」
私が一番渚くんのことが好きなはずなのに。
クラスのどの女の子よりも、神崎さんよりも…
今までが全部悪夢で、目が覚めたら渚くんがにっこり笑って
「おはよう莉子ちゃん。ふふ、寝癖ついてるよ」といってくれやしないか…布団に潜って泣きながらそんなことを考えていたらいつのまにか眠ってしまった。
女の子たちは次々に「そうだよ…」「ひどい…」
私はどうにか口を動かしたが、なぜか声が出なくて口をパクパクさせることしかできなかった。
クラスの女の子達の批判が遠くから聞こえる。
どうしよう…どうしようどうしよう。
私は…私はただ…
渚くんが他のみんなと仲良くしてるのが嫌だっただけで…
「堺さん、渚くんは優しいから堺さんのわがままにも付き合ってあげてたのにそれを利用して渚くんを孤立させようなんてひどいよ!」 神崎さんが瞳を潤ませながら言った。
遂には男子までもがこの騒動に気づき、
集まってきた。
「は?堺、佐藤のこといじめてたのかよ。」
「最低じゃん。佐藤大丈夫かよ。」
「これ、先生に言ったほうがいいんじゃね?」
周りが全部敵に見えた。怖い。怖い。
「ハァ…ハァハァ…」
息が…苦しい。
なんで。なんで…
「渚くん、大丈夫だった?」「辛かったね…」と渚くんへの庇護する声が聞こえた。
渚くんは
「大丈夫、僕がトロいだけで、りこちゃんはそんな僕がみんなに迷惑かけないようにしてくれただけなんだよ、だからみんなリコちゃんを責めないであげて…」
ああ、なんて優しい子なのだろう。
周りから見たら渚くんは自分に命令ばかりしてくるいじめっ子を庇う、天使のような子だったかもしれない…いやそうだった。
けれど私は見てしまった。
こちらを見て、渚くんが
今までの天使の笑みとは全く違う
悪魔のような笑みを浮かべて
ゴ メ ン ネ
……と口を動かしたのを。
ああ、私の知っている天使は
いつ、どこで悪魔に変わり果ててしまったのでしょう。
その瞬間私はその場から逃げ出した。
お昼の休み時間から学校を無断で出て行って
家に帰ったため先生からは電話、親からはこっぴどく叱られた。
理由を聞かれても話すことが出来ず、
どうしても休み時間の出来事を現実だと思いたくなかった。思えなかった。
どう考えても自業自得、自分で蒔いた種だ。
なのにも関わらず、ずっと一緒にいた渚くんには自分がしてきたことが迷惑だと思われていて、クラス中に悪行がバレてしまったことがショックだった。
明日からはきっとクラスで孤立するに決まっている。
渚くんが私を嫌っていた。
もう二度と仲良く出来ない。
怖い。学校に行きたくない。
そして、なによりも
渚くんが別人のように思えてすごく怖かったのだ。
「そんなに話したくないなら無理に理由は聞かないけど、明日からはちゃんと行きなさいよ。あの学校に行けるのも残り少ないんだし。」
卒業するまであと一年半程あるのにそんなことを言う母に少し違和感を感じたが、昼休みの件の精神的なショックが多過ぎてそんな疑問はすぐにかき消された。
「渚くん…ひとりにしないで…他の人と仲良くなっちゃ嫌だよ…ごめんなさい…ごめんなさい…」
私が一番渚くんのことが好きなはずなのに。
クラスのどの女の子よりも、神崎さんよりも…
今までが全部悪夢で、目が覚めたら渚くんがにっこり笑って
「おはよう莉子ちゃん。ふふ、寝癖ついてるよ」といってくれやしないか…布団に潜って泣きながらそんなことを考えていたらいつのまにか眠ってしまった。
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