37 / 40
第二章 選択する、選択させる
奴隷兵士
しおりを挟む
ナサギ教会のある村は周囲に石造りの塀が張り巡らされた要塞と化していた。もちろん、村の人間で歯向かうやつらはすべて殺した。歯向かわなかった奴らは奴隷にした。
奴隷にする方法はカマエルに聞いた。俺は殺しすぎたためにレベルが異常なほど上がり、すでにチュートリアルはチュートリアルではなく質問の時となっていた。
「焼き印を押せばいい。ポイントで生成できる」
俺は迷わず生成し、村の人間たちに押し付けた。
村の中には醜い悲鳴がこだました。
「うるさい、次」
生き残ったすべての村人は奴隷となった。シスターたちが奴隷に特級ポーションを使おうとした。
「やめろ」
俺はシスターを睨んだ。
「しかし……」
「こいつらは教会を利用するだけ利用してろくに還元しなかった奴らだろ」
「お布施をくださる方も中にはいました!」
「お前らの恩に足りるお布施か? 気持ちだけだろ?」
「それでも」
俺はシスターに近づいて言った。
「いいか、お前たちだけが特別なんだ。俺は恩を感じている。ただ、歯向かうようなら容赦しない。奴隷に落とすだけだ」
シスターはへたり込んで、震えていた。
「申し訳ありません……。申し訳ありません……」
◇
獣人たちは村を気に入ったようだった。
「本当に安全ですね」
村長は塀の上についているバリスタを見ていった。
「この近くに人間は住んでいない。思う存分魔物を狩って食料にするといい。街を広げたいときは言ってくれ、塀を拡張する。村の統治は引き続き村長が行ってくれ」
「いいんですか!?」
村長は目を丸くした。
「ただ、ひとつだけ願いがある」
俺は村の端にある建物へと村長を連れて行った。その中には奴隷たちが密集していた。
「これは……」
「奴隷だ。全員に戦闘訓練をつけて欲しい。こいつらを使って周りの村を襲い、俺の領域を拡大する」
俺は扉を閉じて外に出ると、村長の耳元に口を近づけて言った。
「拡大すれば拡大するほど、お前の利益も大きくなるぞ」
「わかりました! 村一番の強者に指導させます」
「殺す気でやって構わない。何なら何人か殺してもいい。どうせ、人間だ」
俺は笑ってそういった。
それは純粋な笑みだった。
数か月、経過した。奴隷たちの何人かが死んだが、立派に奴隷兵士へと格上げした。彼らは鎧を身にまとい、剣を振っているが、顔は死人のように動かない。私語はない、感情もない。まるで機械みたいに命令に従って、人を殺す。
俺は何度かほかの村の人間をさらってきては彼らに殺させた。そうやって人間を殺すことに慣れさせていった。他の村を何度も襲い、殺さなければ殺されることを教え込んだ。
洗脳した。
「並べ!」
俺が叫ぶと奴隷兵士はぴったり長方形に並んだ。寸分の狂いもない。素晴らしい。
今や軍勢は500。その中には領主の命令を受けてきたのだろうか、騎士も含まれていた。やつらはいい。訓練されている。
と、目の前にマップが表示され、1000を超える青い人間の軍勢が迫っているのが見えた。索敵装置で見ると騎士だ。どこから来たのかは知らない。
俺は笑みを浮かべた。
これでまた、軍が増強される。
奴隷にする方法はカマエルに聞いた。俺は殺しすぎたためにレベルが異常なほど上がり、すでにチュートリアルはチュートリアルではなく質問の時となっていた。
「焼き印を押せばいい。ポイントで生成できる」
俺は迷わず生成し、村の人間たちに押し付けた。
村の中には醜い悲鳴がこだました。
「うるさい、次」
生き残ったすべての村人は奴隷となった。シスターたちが奴隷に特級ポーションを使おうとした。
「やめろ」
俺はシスターを睨んだ。
「しかし……」
「こいつらは教会を利用するだけ利用してろくに還元しなかった奴らだろ」
「お布施をくださる方も中にはいました!」
「お前らの恩に足りるお布施か? 気持ちだけだろ?」
「それでも」
俺はシスターに近づいて言った。
「いいか、お前たちだけが特別なんだ。俺は恩を感じている。ただ、歯向かうようなら容赦しない。奴隷に落とすだけだ」
シスターはへたり込んで、震えていた。
「申し訳ありません……。申し訳ありません……」
◇
獣人たちは村を気に入ったようだった。
「本当に安全ですね」
村長は塀の上についているバリスタを見ていった。
「この近くに人間は住んでいない。思う存分魔物を狩って食料にするといい。街を広げたいときは言ってくれ、塀を拡張する。村の統治は引き続き村長が行ってくれ」
「いいんですか!?」
村長は目を丸くした。
「ただ、ひとつだけ願いがある」
俺は村の端にある建物へと村長を連れて行った。その中には奴隷たちが密集していた。
「これは……」
「奴隷だ。全員に戦闘訓練をつけて欲しい。こいつらを使って周りの村を襲い、俺の領域を拡大する」
俺は扉を閉じて外に出ると、村長の耳元に口を近づけて言った。
「拡大すれば拡大するほど、お前の利益も大きくなるぞ」
「わかりました! 村一番の強者に指導させます」
「殺す気でやって構わない。何なら何人か殺してもいい。どうせ、人間だ」
俺は笑ってそういった。
それは純粋な笑みだった。
数か月、経過した。奴隷たちの何人かが死んだが、立派に奴隷兵士へと格上げした。彼らは鎧を身にまとい、剣を振っているが、顔は死人のように動かない。私語はない、感情もない。まるで機械みたいに命令に従って、人を殺す。
俺は何度かほかの村の人間をさらってきては彼らに殺させた。そうやって人間を殺すことに慣れさせていった。他の村を何度も襲い、殺さなければ殺されることを教え込んだ。
洗脳した。
「並べ!」
俺が叫ぶと奴隷兵士はぴったり長方形に並んだ。寸分の狂いもない。素晴らしい。
今や軍勢は500。その中には領主の命令を受けてきたのだろうか、騎士も含まれていた。やつらはいい。訓練されている。
と、目の前にマップが表示され、1000を超える青い人間の軍勢が迫っているのが見えた。索敵装置で見ると騎士だ。どこから来たのかは知らない。
俺は笑みを浮かべた。
これでまた、軍が増強される。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
クソ女神に人外転生されましたが楽しくダンジョンで暴れるよ!★魔王にゃならんよ★
ちっき
ファンタジー
死んだら魂密輸されて女神に要らないとダンジョンに捨てられた女の魂、
腐ったドラゴンに憑依させられ転生なのに腐ってる!
ひょんな事からダンジョン経営!ホワイトな職場を目指すよ!
あ、魔王には絶対成りたく無いです。
異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました
まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。
ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。
変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。
その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。
恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。
もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
衝撃で前世の記憶がよみがえったよ!
推しのしあわせを応援するため、推しとBLゲームの主人公をくっつけようと頑張るたび、推しが物凄くふきげんになるのです……!
ゲームには全く登場しなかったもふもふ獣人と、騎士見習いの少年の、両片想いな、いちゃらぶもふもふなお話です。
異世界でDP稼いでたら女神って呼ばれちゃった
まったりー
ファンタジー
主人公はゲームが大好きな35歳の女性。
ある日会社から長期の休みをもらい、いつものようにゲームをやっていた。
そう、いつものように何も食べず眠らず、そして気付かないうちに力尽きた、彼女はそれを後で知ります。
気付いたらダンジョンマスターの部屋にいてダンジョンを作るように水晶に言われやることが無いので作り始めます夢だからっと。
最初は渋々やっていました、ガチャからはちっさいモンスターや幼女しか出ないしと、しかし彼女は基本ゲームが好きなので製作ゲームと思って没頭して作ってしまいます。
元悪の組織の怪人が異能力バトルなどに巻き込まれる話(旧題:世の中いろんなヤツがいる)
外套ぜろ
ファンタジー
狼谷牙人は、いわゆる「悪の組織」に改造手術を受けた「悪の怪人」だった。
その組織が正義のヒーローに敗れて滅亡してからはや一年。正体を隠してフリーター生活を送っていた彼は、ひょんなことから路地裏で「異能力」を操る者たちの戦闘に巻き込まれる。
「君の力も、異能力だ」
「違うな」
謎の勘違いをされた牙人は、異能力の世界へと足を踏み入れることになる……。
どうやら、この現代社会には、牙人のように「不可思議な事情」を抱えた者たちがそれなりに暮らしているらしい。
——これは、そんな彼らの織り成す、少し変わった青春の物語。
不定期更新。
カクヨム、小説家になろうでも連載中。
傾国の再来は隠される
ひづき
BL
ジェルヴェは家族から蔑ろにされていた。ジェルヴェは「そういうもの」として認識していたが、家庭教師からの要求には流石に耐えられず。
そんなジェルヴェ引き取ったのは長姉の婚約者、アルフレゼットだった。
やがて、ジェルヴェの長姉と、アルフゼットが結婚するのだが───
※性的虐待表現を含みます。主人公は悲壮感なくサラッと流してますし、未遂?未遂っちゃ未遂か???な状態ではありますが、NGな方は回れ右推奨です。
※義兄(姉の夫)×義弟(傾国の再来)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる