24 / 78
ベッキーの密偵生活1週間目
しおりを挟む
お城に来て1週間後、変化があった。
いやーびっくりしたわ!氷の皇太子には!
ますます機嫌が悪くなって厨房どころか城中ビクビクした空気が流れている。
少しでも粗相をしたら、首をチョンパされそうな、こわーいオーラに包まれているからねえ。
幸いにもあたいはその冷気に直接触れることはなくなったから、命拾いだよ。
急に「もう夜食や間食を頻繁に作らなくてもいい」ということをマットさんから聞いた。
あの皇太子さん、何でか知らないけど、急に宮中で食事を今まで通り取り始めたんだってさ!よかった、よかった。誤ってお盆でも落としてたら、死んでるしね。
「ということは、あたい、クビですかね?」
「いや、お前さんは役に立つから、他のことを手伝ってもらう」
「他のことですか?」
「ちょっと教えれば簡単な料理ぐらい作れるだろう?」
「もちろん!」
「しっかり働いて即戦力になるように頑張ってくれよな!」
「はい!ありがとうございます!」
よかった。クビにならなくて。家族を支えないといけないもんね!
だけど、あの綺麗な騎士様から他の臨時報酬をもらうことは諦めたほうがいいかもしれない。
他の役割を与えられたから、忙しすぎて死にそうだよ。城の間取りどころじゃないし!はじめの教えてもらった城の間取りをちゃちゃっと書いて、渡して本業に集中しなきゃ!
初めてのお勤めの日から皇太子とは1日2回顔を合わせたけれど、昨日、それが終わった。5日目に出した料理は程ん土手がつけられてなくて、6日目に「もう必要ない」と怒ったような声でいわれたから、あたいたちみんなヒヤヒヤしたけど、別に食事の内容がまずかったわけじゃないんだってさ。まあ、あの皇太子と顔をあわせることもなくなってホッとしてるけど!正直。ああ、そうそうあの甘い香りも5日目からしなくなった。囲ってた(?)娘にでも逃げられたのかな?まあ、あの恐い皇太子じゃあ仕方ないよねえ。
まあ、これだけ忙しいと家に帰るのも遅くなるからあの騎士さんへの報告は遅れそうだけど、特に重要なことじゃなさそうだし!週末にいっとけばいいよね!それより、バンバン仕事して、がっつり稼がないと!あの金華みたいな大金は嬉しいけどさ、家族も喜んでたし!でも定期収入は大切だから!まあ、騎士様には、おまけに親しくなった給仕の女の子から聞いた噂でも話しとけばいっか!
ベッキーはにっこり笑うと、新しい業務を体得するために、料理人たちの手伝いを始めるのだった。
いやーびっくりしたわ!氷の皇太子には!
ますます機嫌が悪くなって厨房どころか城中ビクビクした空気が流れている。
少しでも粗相をしたら、首をチョンパされそうな、こわーいオーラに包まれているからねえ。
幸いにもあたいはその冷気に直接触れることはなくなったから、命拾いだよ。
急に「もう夜食や間食を頻繁に作らなくてもいい」ということをマットさんから聞いた。
あの皇太子さん、何でか知らないけど、急に宮中で食事を今まで通り取り始めたんだってさ!よかった、よかった。誤ってお盆でも落としてたら、死んでるしね。
「ということは、あたい、クビですかね?」
「いや、お前さんは役に立つから、他のことを手伝ってもらう」
「他のことですか?」
「ちょっと教えれば簡単な料理ぐらい作れるだろう?」
「もちろん!」
「しっかり働いて即戦力になるように頑張ってくれよな!」
「はい!ありがとうございます!」
よかった。クビにならなくて。家族を支えないといけないもんね!
だけど、あの綺麗な騎士様から他の臨時報酬をもらうことは諦めたほうがいいかもしれない。
他の役割を与えられたから、忙しすぎて死にそうだよ。城の間取りどころじゃないし!はじめの教えてもらった城の間取りをちゃちゃっと書いて、渡して本業に集中しなきゃ!
初めてのお勤めの日から皇太子とは1日2回顔を合わせたけれど、昨日、それが終わった。5日目に出した料理は程ん土手がつけられてなくて、6日目に「もう必要ない」と怒ったような声でいわれたから、あたいたちみんなヒヤヒヤしたけど、別に食事の内容がまずかったわけじゃないんだってさ。まあ、あの皇太子と顔をあわせることもなくなってホッとしてるけど!正直。ああ、そうそうあの甘い香りも5日目からしなくなった。囲ってた(?)娘にでも逃げられたのかな?まあ、あの恐い皇太子じゃあ仕方ないよねえ。
まあ、これだけ忙しいと家に帰るのも遅くなるからあの騎士さんへの報告は遅れそうだけど、特に重要なことじゃなさそうだし!週末にいっとけばいいよね!それより、バンバン仕事して、がっつり稼がないと!あの金華みたいな大金は嬉しいけどさ、家族も喜んでたし!でも定期収入は大切だから!まあ、騎士様には、おまけに親しくなった給仕の女の子から聞いた噂でも話しとけばいっか!
ベッキーはにっこり笑うと、新しい業務を体得するために、料理人たちの手伝いを始めるのだった。
0
お気に入りに追加
915
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
人形な美貌の王女様はイケメン騎士団長の花嫁になりたい
青空一夏
恋愛
美貌の王女は騎士団長のハミルトンにずっと恋をしていた。
ところが、父王から60歳を超える皇帝のもとに嫁がされた。
嫁がなければ戦争になると言われたミレはハミルトンに帰ってきたら妻にしてほしいと頼むのだった。
王女がハミルトンのところにもどるためにたてた作戦とは‥‥
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
けいこ
恋愛
ホテルマンとして、大好きなあなたと毎日一緒に仕事が出来ることに幸せを感じていた。
あなたは、グレースホテル東京の総支配人。
今や、世界中に点在する最高級ホテルの創始者の孫。
つまりは、最高ランクの御曹司。
おまけに、容姿端麗、頭脳明晰。
総支配人と、同じホテルで働く地味で大人しめのコンシェルジュの私とは、明らかに身分違い。
私は、ただ、あなたを遠くから見つめているだけで良かったのに…
それなのに、突然、あなたから頼まれた偽装結婚の相手役。
こんな私に、どうしてそんなことを?
『なぜ普通以下なんて自分をさげすむんだ。一花は…そんなに可愛いのに…』
そう言って、私を抱きしめるのはなぜ?
告白されたわけじゃないのに、気がづけば一緒に住むことになって…
仕事では見ることが出来ない、私だけに向けられるその笑顔と優しさ、そして、あなたの甘い囁きに、毎日胸がキュンキュンしてしまう。
親友からのキツイ言葉に深く傷ついたり、ホテルに長期滞在しているお客様や、同僚からのアプローチにも翻弄されて…
私、一体、この先どうなっていくのかな?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる