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魔法学校編
異常事態
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『さぁ今年の魔闘大会もいよいよ次の試合で最後となります!果たして優勝を勝ち取るのはどちらの選手か。それでは入場してもらいましょう!』
実況と共に開始位置に立つ二人
一緒に町を巡ったあの日以降あまり交流を持たずエリザとこうして面と向かうのは久しぶりだ
話したいこともあったような気がするが、今はもうそんな事は忘れてしまった
ヴァイオレットはとにかく戦いという気持ちで溢れていた
ここまで勝ち上がってくるのにエリザは己を高め続けてきたはず
前回よりも強くなっているのは間違いないだろう
『それでは決勝戦……開始!』
遂に審判による開始の合図が告げられる
同時に二人が動き出す。しかしその直後、エリザとヴァイオレットがいるステージが暗闇に包まれた
『えっ!?なになに!急に真っ暗になっちゃったんだけど!』
突然の出来事に困惑するヴァイオレット
初めはエリザの魔法かと思い身構えたが、いつまで経っても仕掛けてこない
エリザ自身が動いているような気配も感じられなかったし、何より魔法を発動している素振りがなかった為ヴァイオレットはこの魔法がエリザ以外の第三者による仕業だと判断した
『おーい!誰かー?』
声を張り上げるが誰からも返事は返ってこなかった
視覚はおろか嗅覚聴覚も使い物にならない
気配だけは何とか感じ取ることが出来たのでそれを頼りに一先ずエリザがいた場所に近づこうとする
距離にして五メートル程だろうか、手で探りながら歩いていると足元に何かがぶつかった
『ん?今なにか足にぶつかった?』
少し弾力があるような感触、だが暗闇でそれが何かは分からない
警戒しながらもそれを直接手で触れてみると温もりが感じられた
すると次の瞬間、ヴァイオレット達を覆っていた暗闇が綺麗さっぱり晴れて無くなった
『あっ、見えるようになった。なんだったんだろう』
『きゃー!!』
『お、おいあれ!』
暗闇が晴れたと思ったら今度は観客席の方から悲鳴が聞こえてくる
そしてそれは伝播し会場中がザワつきだした
一体何に対してそんなに騒いでいるのかと不思議に思いながらヴァイオレットは先程の手の温もりの元に目を向けると、そこには血を流して倒れるエリザの姿があった
『えっ?エリザちゃん?』
声をかけてみるも全く反応がないエリザ
目からは生気が感じられなかった
あっという間の出来事で状況の整理が未だ追いつかないヴァイオレットはとにかく声をかけ続けた
するとそこに一人の声が会場に木霊する
『ひ、人殺しだ!』
実況と共に開始位置に立つ二人
一緒に町を巡ったあの日以降あまり交流を持たずエリザとこうして面と向かうのは久しぶりだ
話したいこともあったような気がするが、今はもうそんな事は忘れてしまった
ヴァイオレットはとにかく戦いという気持ちで溢れていた
ここまで勝ち上がってくるのにエリザは己を高め続けてきたはず
前回よりも強くなっているのは間違いないだろう
『それでは決勝戦……開始!』
遂に審判による開始の合図が告げられる
同時に二人が動き出す。しかしその直後、エリザとヴァイオレットがいるステージが暗闇に包まれた
『えっ!?なになに!急に真っ暗になっちゃったんだけど!』
突然の出来事に困惑するヴァイオレット
初めはエリザの魔法かと思い身構えたが、いつまで経っても仕掛けてこない
エリザ自身が動いているような気配も感じられなかったし、何より魔法を発動している素振りがなかった為ヴァイオレットはこの魔法がエリザ以外の第三者による仕業だと判断した
『おーい!誰かー?』
声を張り上げるが誰からも返事は返ってこなかった
視覚はおろか嗅覚聴覚も使い物にならない
気配だけは何とか感じ取ることが出来たのでそれを頼りに一先ずエリザがいた場所に近づこうとする
距離にして五メートル程だろうか、手で探りながら歩いていると足元に何かがぶつかった
『ん?今なにか足にぶつかった?』
少し弾力があるような感触、だが暗闇でそれが何かは分からない
警戒しながらもそれを直接手で触れてみると温もりが感じられた
すると次の瞬間、ヴァイオレット達を覆っていた暗闇が綺麗さっぱり晴れて無くなった
『あっ、見えるようになった。なんだったんだろう』
『きゃー!!』
『お、おいあれ!』
暗闇が晴れたと思ったら今度は観客席の方から悲鳴が聞こえてくる
そしてそれは伝播し会場中がザワつきだした
一体何に対してそんなに騒いでいるのかと不思議に思いながらヴァイオレットは先程の手の温もりの元に目を向けると、そこには血を流して倒れるエリザの姿があった
『えっ?エリザちゃん?』
声をかけてみるも全く反応がないエリザ
目からは生気が感じられなかった
あっという間の出来事で状況の整理が未だ追いつかないヴァイオレットはとにかく声をかけ続けた
するとそこに一人の声が会場に木霊する
『ひ、人殺しだ!』
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