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【ROUND:1 貴方たちは、ある神社に居た。】

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 夏休みが8月で終わりだとしても、その暑さは9月じゅう残りっぱなしだ。外で遊ぶ子もいるけど、ちゃんと部屋で休憩するように言われる。「芝原しばはら智樹ともき」、小学校高学年。プールも開放時期が過ぎて遊びに行けなくなった彼は、外で遊びたいと思いつつ、しぶしぶ今日は友人と家で遊ぶ約束をしていた。

「ショウ、早く来ないかなぁ……家に帰ったらすぐ来るって言ってたのに」

 智樹の父も母も、仕事で出かけている。家は一人っきり。ゲームで暇を潰そうにも、いつ友人である「熊谷くまがい翔也しょうや」が遊びに来るか分からない以上、ネット対戦をする事はできない。外は暑すぎる。

 そして、午後の4時。やっと待っていた家のチャイムが鳴る。勢いよく階段を降り、玄関のドアを一気に開ける。

「おせーぞ、ショウ! おやつとゲームと……それ、なんだ?」
「え、これ? うーんと……」

────────────────────────────────────────

「そこの少年、少々待つと良い」
「えっとその、道のど真ん中で通せんぼされて、困るんですけど」

 紺色の着物、狐のお面を被っていて顔が分からないが、声からして女性だと分かる。明らかに不審人物。熊谷翔也は友人の家に遊びに行く最中に、不審者にであってしまった。

「あっ待って、無言で防犯ブザー取り出さないで! すぐ仮面は脱ぐから!」
「そういう事じゃなくてですね……」

 長い黒髪に、赤い色をした瞳。大人の女性でありながら、どこか子供っぽくいたずらっ子のような印象を受ける不思議な人。……変なお面を被っていなかったら印象は違ったのに、と翔也は思った。

「君にこれをプレゼントしたいんだ、新作ゲーム! 私の実験作なんだけど、テストプレイヤーが何処にも居なくて困ってたんだよ~、だからはい、受け取ってね! きっと友達にも喜んでもらえるから!」

 そう言って、彼女は翔也に茶色の箱を無理やり寄越した。ちょうど、祖父母の家に何故か保管してあった空っぽの菓子箱に似ている。

「ちょ、ちょっと!」
「それじゃね~!」

 着物に下駄というあからさまに走りにくいだろう衣装だというのに。急に逃げる様に走り去った彼女は、角を曲がると煙のように消えてしまっていた。

「どうしよう、これ……」

 時刻は4時10分。このまま友人を待たせるのも嫌だった。

────────────────────────────────────────

「……それで、持って来たってワケか」
「なんか開けるのも怖くてさ、どうしよう」
「面白いゲームなんだろ、すぐやろうぜ!」

 こういう時に、心配性の翔也と、活発な智樹とでは考えがすれ違う。翔也の制止も聞かずに、バッと箱のふたを開いてしまった。箱の中には──

「ん? なんかタブレットとカードだけしか入ってないぞ?」

 黒色のタブレットは、無機質に文字だけを映していた。

【はじめての人のためのチュートリアルモード:まずはサイコロを振ってね!】
「えっと……これをタッチしたらいいのかな?」
「と、トモくん! そんな簡単に……!」

 ぽち、とタブレットに映し出されたサイコロが一回だけ跳ねる。4の目を示した。

【次に、プレイヤーは1人1回ずつ、合計で4回カードを引いてね!】
「トランプゲームみたいなものかな? えいっ」

 智樹が引いた札には。【このカードを引いた人は~】と書かれている。ここまで来て、そんなに怖いものではないのでは、と警戒心の薄れた翔也。束になっていたカードから、合わせる様に引く。だが。

「えっと……え? 【狐耳の】?」
「なんだそれ。えいっ」

 そして交互にカードを引くと。【母親と娘になって】【もう一人を甘やかしえっちする】と書いてあった。

「……何だこりゃ?」
「あ、はは……やっぱり変なゲームだったね、早くいつものスプラやろうよ……」

 そう、翔也が呆れて呟いた次の瞬間であった。先ほどまで沈黙していたタブレットから、突如として音声が響く。

≪プレイヤーのみんな! ゲームの準備は出来たかな!? Ready...ゴ~ッ!≫

突如、2人の視界が。いや、空間自体が歪む。図工の授業で筆洗いの箱で見る、マーブル模様のように。ぐにゃり、とあらゆるものが不思議な角度でゆがんでひずみ────

──────────────────────────────────────── 

 涼しい風が頬を撫でて。自分が畳の上で寝ていたことに、翔也は気が付く。障子が開けっ放しの空間だというのに、どこかこの空気は蒸し暑い外の空気とは違う。このまま畳で眠ってしまってもいいかも、そんな考えが一瞬頭に浮かび……

「──え、ここ、どこ……?」

 理性が戻った瞬間。さっきまで居た友達の部屋と、まるっきり風景が違う事に翔也は焦りを覚える。障子の向こう側。賽銭箱、そして石畳が続き、朱色の大きな鳥居が見えた。つまりここは……神社のお参りする場所の内側なのでは。そう当たりをつけると。

「うんにゃ……? ふぁ~あ、あれ? オレ寝てたっけ?」
「ち、違うよっ! ボクたち突然、変な場所に──」

 寝っ転がっていた智樹に、翔也が慌てて近寄ろうとした瞬間、風鈴の鳴る音と共に。カラン、と2人の目の前に木の板──形状からして、絵馬だろうか。それが落ちてきた。2人ともが、それを見る。翔也の方には、こう書かれていた。

【共通ルール:HOハンドアウト1は狐耳の母娘になりHO2を甘やかす】
PLプレイヤー2:熊谷翔也】→【PCプレイヤーキャラ2:熊谷翔也】
・君は親友である実稲みいなに、この神社に招かれた。彼女の母親である智弥ともみもよく知っている。どうやら、今日は神社で大事な儀式があるらしい。君の目標は、儀式の内容を知ることだ。

 それを読んだ瞬間────頭の中にぼんやりと、何か不思議なものが入り込む感覚がした。異物ではない。ただ、ふと。学校の文化祭で演劇をやったときみたいに、頭の中にすらすらと『台本』が入り込んでくるような。どんな『役割』を演技すればいいか、分かった。そんな気がする。

 だが。智樹の方は明らかに様子がおかしい。絵馬を読んだと思われる瞬間、彼の身体に一枚の札が飛来し、貼り付く。

「そう、だな……うん、そうすると……」

 何かを理解したかのように頷いて。智樹は、ゆっくり目を瞑る。────彼の身体が、砂糖が水に溶けるみたいに。ドロドロとスライムのようになって。目の前の異様な光景を前にしても。智樹が呼んだと思われる絵馬を目にしても。不思議なことに──恐怖や、絶望といったネガティブな感情は湧き上がらない。

【共通ルール:HO1は狐耳の母娘になりHO2を甘やかす】
【PL1: 芝原智樹】→【PCプレイヤーキャラ1: 智弥ともみ実稲みいな
・貴女はこの神社の霊獣として祀られている白狐の母と娘だ。HO2と実稲みいなは親友で、智弥ともみもHO2を溺愛している。貴女の目標は、HO2と愛し合って彼を喜ばせる事である。

 智樹の方に落ちていた絵馬には、そう書かれていた。そして、一つの塊が分裂して、二つになって。『スライム』の表面がブルッ、と震えた。そして。どぷん、と水面から飛び出すように、2人の女性がスライムから飛び出す。

「──っはぁっ♡ 来てくれたんだ、翔也くん♡♡」
「ふふっ♡ 実稲むすめがいつもお世話になってます。今日は私たち母娘が、い~っぱい翔也クンを可愛がってあげますね♡♡♡」

 紅白の巫女服、足袋を履いた足。そして──白色のもふもふした頭頂部に有る狐耳に、ふわふわと靡く銀色の尻尾。人間のようであり、明らかに人間ではない存在。この神社の巫女さんでありながら、神様に仕える白狐。その2人を──翔也は『知っていた』。

 少し年上で、いっつも一緒に遊んでくれる実稲みいなお姉ちゃん。そして、彼女と家で一緒に遊んでいる時によく翔也ぼくをよしよしと撫でてくれる、母親の智弥ともみさん。二人が神聖な白狐であることを、翔也は何故か知っている。──何故?
 
────────────────────────────────────────

 あの絵馬を読んで。オレは『芝原智樹』ではなく、『実稲みいな』と『智弥ともみ』という2人の白狐だという事を『思い出した』。そして、目の前の翔也の事が──今まで、遊び友達として仲良くしてきた相手が。たまらなく、愛おしくなってしまう。あの子の事を抱きしめたい。あの子の事を身体じゅうで感じたい。自分1人じゃ足りない。

 ────だから。『実稲ウチ』と『智弥わたし』は。こんな風に、ちょっぴり幼い『実稲ウチ』と、成熟しきった『智弥わたし』に分かたれる。個体差が有る関係上、少しだけ接する感情は違うけど。ウチたちは、どうしようもなく翔クンの事が好きになっちゃったから。大きな差はない。

「えへへ~♡♡♡ 翔クンが来てくれて嬉しいなぁ、むぎゅ~♡♡♡♡」
「ふむぅっ!? みいな、姉ちゃん……っ?」
「こらこら、そんな急に抱き着いたら翔くんも困るでしょう、実稲わたし?」

 今すぐ翔クンが欲しい自分みいなと、ゆっくり翔くんを味わいたい自分ともみが居るせいで、2人に同時に攻められている翔くん。このままずっとからかったり、遊んでいたりしたいけど……これもゲーム。ルールには従わないといけない。

「それに実稲みいな。今日は翔くんと一緒に『儀式』をする約束でしょ?」
「ぇへへ、そうだった。ねぇねぇ、今日は大切な日で、一緒に神社に来て欲しいって約束したよね?」
「う、うん……実稲みいなお姉ちゃんにそう言われて、今日来た……確か、そうだった気がする……」

 翔也の方は、『本人役』だから。ひょっとしたら、今の『実稲ウチたち』みたいに役に入りきれていないのかもしれない。そんなの勿体ない。だから──

「ね。いつもみたいに、ウチたちの秘密を守ってくれるよね?」
「う、うん……」
「えへ。それじゃ……『儀式』を始めよっか。『翔クンと実稲ウチの、いちゃいちゃらぶえっち大作戦』♡♡♡♡」
「…………んへ?」

 戸惑った顔の翔也くんもカワイイ。だけど……物足りない。ふーっ、と彼に向けて軽く息を吐くと。一瞬にして、彼の着ていた半パンとシャツが木の葉のようにパラパラと破片になって消えていく。ただの人間じゃない、白狐である『ウチ』たちだし、こんな事は簡単だ。ボクサーパンツだけになった翔也くんが、ぽっと恥じらいで顔を赤らめる。

「う、うわわわっ!?」
「そっちの実稲ワタシ、そんな風に急にひん剝いたら翔くんも驚くでしょう? ……ふふ、こうやってぇ……♡♡ こっちの智弥ママに膝枕されながら、おっぱいミルクをちゅぅちゅうさせてあげた方が安心するでしょ♡♡♡」

 真っ赤になった翔クンの顔を、母親ウチの顔ぐらい大きくて柔らかいおっぱいが包み込む。少し離れた場所にいるウチにも、甘くて蕩けそうな匂いが伝わって来る。直に、あのピンと勃った乳首からたぷん、たぷんと溢れる母乳を浴びている翔クンにしてみたら、もっと凄い事になってるだろう。

「ぁ、ぁあ、ぁぁぅああっ」
「慌てなくっていいのよ♡♡ ママはず~っと、翔くんのそばに居ますから……♡♡♡♡」
「そっちの母様ウチばっかりずるいなぁ……でも、そっちにいるって事は……♡♡」

 一目見ただけで。ボクサーパンツの内側で、親友で、大好きな人のおちんちんが。その幼くて可愛らしい顔つきとそっくりに、だけど荒々しく興奮を訴えていた。少し前の智樹オレなら、友達のおちんちんを見たとしても、ケラケラ笑うぐらいだっただろう。

 ──だけど。少しだけ彼よりも大人になって、彼にとって頼れるお姉ちゃんになった今。パンツの中で、雄としての本能を必死で訴えている翔くんのオチンチンが。……たまらなく、愛おしく思えて。

「え、へへ……♡ さすさすしただけで、ぴくぴく動いてる……♡♡ はぁ、本当にカワイイなぁ……♡♡♡」

 パンツ越しにおちんちんを擦っただけなのに、翔クンはビクビク身体を震わせて。確かに、子供はこの感覚を知っているはずがない。精通だってまだだろう。……翔クンのハジメテが、実稲ウチの膣内に入るんだ。そう思うと、居ても立っても居られなくなって。

「知ってる? 巫女さんの袴の下には、何も着ていないのが正装なんだって……だから、ほら♡♡♡ すぐに、翔クンのおちんちんを受け入れられるんだよ♡♡♡♡」

 ……もちろん、嘘。裾除けが実質的な下着になっているため、スカート状の袴の下が裸というのは間違いだ。だけど、こうして言っておけば。翔クンが他の巫女さんを見た時に、何時でも実稲ウチの事を思い出してくれるだろうし。そんな事を想いながら。

「ほら、翔クンのが……実稲ウチに、入って……っ♡」
「は、ぁぁああっ♡♡♡ ぁうあ、おちんちん、あったかいっ♡♡♡」

 声変わりしていない少年ショタの喘ぎ声。女の子のそれと大差なくて……余計に愛らしさが増す。実稲ウチの子宮まで、全然届かないようなちっちゃなおちんちん。だけど、翔クンのモノが内側にあるって事だけで、ドキドキが止まらなくなる。

「翔くん、もっと智弥ワタシ達に委ねて……♡♡ 甘えていいのよ……♡♡♡ ちっちゃなころみたいに、おっぱいをごくごく飲んで、柔らかいおっぱい枕ですやすや眠りたいでしょう……♡♡♡♡」
「は、ぁ……♡♡♡♡ あたま、くらくら、する……♡♡♡♡」

 無理もない。あの練乳の様に甘ったるくて、ラベンダーの様に心を落ち着かせる匂い。緊張感が無くなって、安心と興奮だけが高まる不思議な匂い。娘の実稲ウチですら匂いにあてられそうなのだから──慣れていない翔クンには刺激が強すぎる。もう、本能に抗う事ができない。ぱくぱくと、口を開くことしかできず。そんな無防備な状態に。

「ん゛ぅう゛っ♡♡♡♡♡ はぁあ゛っ♡♡♡♡ あ゛~~っ♡♡♡♡ 翔くんにおっぱい吸われてりゅっ♡♡♡♡♡ ミルクどくどく溢れちゃうぅ♡♡♡♡」
「ちゅぅぅ♡♡♡ こくっ♡♡ ごきゅっ♡♡♡」
「──あ、ぁああ゛っ♡♡♡ 翔クンのがっ♡♡♡♡ 実稲ウチの中でおっきくなってるぅう♡♡♡♡」

 母様ウチのおっぱいの影響か。翔クンの精力が強くなって、ウチの中でどんどん奥まで入ってきている。膣壁をどんどんこじ開けられて、ウチの子宮まで精液が届くぐらいに。あ、だめだ。これ、止められない。子宮が、女性器が、身体が。翔クンの事を求めてしまう。

「あ、あうあ゛っ♡♡♡ おねえちゃっ♡♡♡♡ おちんちん、ムズムズしてっ♡♡♡♡ 何かきてっ♡♡♡♡」
「翔クンっ♡♡♡♡♡ ウチにっ♡♡♡♡ そのムズムズするの、全部だしてっ♡♡♡♡♡♡」
「翔くん♡♡ もっとぎゅっと、そう、んはぁぁぁぁああ゛っ♡♡♡♡」 
 
 叫びに近い翔クンの声と同時に。実稲ウチの膣内に、暖かくてドロッとしたモノが注ぎ込まれて。

『──っぁああ゛~~っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡』

 嬌声が、静かな神社に響き渡った。


 やがて。

「ぇ、へへ……♡♡♡♡ 翔くんの子供、欲しくなっちゃった♡♡♡♡♡♡」
「でも、もう時間よ。また智弥ワタシたちに甘えたくなったら──」
「いつでも呼んで、ね♡♡♡♡」

 自分の身体がどろどろと溶けて、母様ジブンと溶けあいながら。神社が、この空間が歪み、閉じてゆく感覚と共に。胎の中の幸せな感覚だけが、常に残っていた。
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