つぶやきボックス

昨日まで

生きている事の価値とは？

　その人や命がどの程度の『生産性』を有するかで人の価値を測る、というのが手法としては考えられる。しかし、その生産性はあらゆるタイミングで増減する。（結婚、出産など祝い事から、病気や事故などネガティブなものまで）では、その人間が将来的に生み出すであろう価値を予測して『生産性』の有無を判断するべきなのだろうか。
　そこに考慮すると、現在『生産性』を有するか否かは必ずしも重要ではない。仮に、失職し住まいを失ってしまい路上生活を望まず行っている人が居ると想定する。就労の意欲と職業があれば、彼は労働者に復帰する。ホームレスである現状が、彼の人生一生を決定づけるとは必ずしも言えないだろう。しかし、苦境にある内から脱するにはかなりのエネルギーが必要で、支援者の存在が望ましい。（面接を受けるにも髭剃りや服などの準備が必要だろうが、その頭金が果たしてあるだろうかという問題なども考えられる）
　逆に、その寸前まで『生産性』を有していて突如失うケースを考えれば、それは枚挙に暇がない。定年で仕事を終える、病気や事故などなど。――では、彼ら彼女らのその後の人生は無意味で、ただ他人の食い扶持を潰すだけの存在になるのだろうか。ここからは論理と少しズレるかもしれないが、人生の先達が居ると言うのはありがたい事かもしれない。自分と違う人生を歩んでいるという事は、その人の存在から何かを学び取るか、感じ取るかできるかもしれない。あるいは、その人のなんでもない優しさや対応に心動かされるかもしれない。そうした意味では、全くの生産性を有していない人間は居ないのではないか。