青い華が選んだのは。

さん。

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推しと同じ時代でした。

同じ世代でした。

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「いつも何しているんだ?」


「俺たち同じ年だな!」


「何がすきなのだ?」



一体これはどうゆう状況でしょうか。


次の目的地に向かう道中、


さっきまで全く喋らなかったルイが、私の隣にひっつき、やたら質問を投げかけてくる。


どうやら、私が同い年の人間だと分かっていきなり心を開いたらしい。



そうか・・・


確か原作で、ルイは魔法学園に入学するまで、周りに歳の近い子がいなかったっていう設定だった・・・




・・・・勘弁してくれ!!!!




こっちは、
転生してから精霊主以外とまともに喋った事がないんだよ!!


まして、王族なんてレベル高いよ!!



サズさんとジルさんに目で
「助けて~」と訴えてみるが、
2人とも我が子の成長を見守るような
暖かい目でルイを見ているため、
私のヘルプはアウトオブ眼中だ。



こうなったら、
早く次の目的地に行くしかない。



私は、ルイの質問に必要最低限の言葉で答えつつ、歩くスピードを早めた。
 



ていうか、私の事人間だと思ってなかったから隠れてたって事だよね??


もしかして、サズさんやジルさんも驚いてたって事はそう思ってたの???


心外だ・・・


どっからどう見ても人間にしか見えないと思うんだけど・・・


ただ、この世界に転生してから鏡を一回も見た事がない。

何故なら、家に鏡がないから!

鏡がなくても、
ラピスの泉に行けば水面に映る自分が見えるし(薄暗いし、下からアングルしか見えないけど)
魔法で氷を出せば、そこに映る自分が薄っすら見えるし、ラピスはいつも可愛いと言ってくれる(親バカ)ので不便に思った事がなかった。

あと会話する人は身内しかいないので身なりを気にする必要もない。



一応、毎日顔も洗って髪もとかして、
必要最低限の身なりはしている。
(今日は特に念入りに)


というか、この世界に転生してから精霊主という美女しか見てないので普通がわからないが、ブスではないと思う。



それとも、私の感覚が麻痺しているだけで周りから見たら、魔人みたいに見えてるのかな・・・


これは、
至急で鏡を用意する必要がありそうだ。


私は更に歩くスピードを速めた。




ちょっとまって



ルイは、私に同い年って言ったよ ね?????????


確かに言ったよね???


て事はだよ??





ソウ・フロストとも同じ年って事だよね???




むしろラアラ・ガネットやサン・スフェーンも同じ年????



て事は、
本当に、10年後にはリアル僕の手の世界を見れるって事だよね!!??
そのためには、魔法学園に入学しなければだけど・・・・


今から死ぬ気で勉強したらなんとかなる????


それよりも、
ソウがちゃんといるかオパールまで確認しに行きたい!!


今度、クオーツさんに頼んでみよう!
(ラピスは嫌がるだろうから)


あーーー、
神様ありがとうございます!!!


私はルイそっちのけで、
そんな事ばっかり考えていた。
(相槌はちゃんと打っていたけど)



だから、バチが当たったのだろう。


「っつ、危ない!!」



ルイが叫ぶ声が聞こえた。


目的地まであと少しのとこで、
私はザビーの木の根っこにつまづいて
派手に転んでしまった。




とても恥ずかしかったが、
それだけなら良かった。



転んだ私を起こそうと
ルイが手を貸してくれたのだが、
私の方が身長が高かったため
体制を崩してしまい、
まさかの私の方に倒れてきたのだ。


王子を怪我させる訳にはいかないと本能が働いた結果、王子を支える事になった訳だが・・・・
 


この時、
私はこの世界が少女漫画と言う事を思い出した。



支えようとした際に



顔と顔が近づき、



唇と唇がぶつかった。




いわゆるキス・・・・




キスしてしまった。


「ナル様、ルイ様、大丈夫ですか!!」


サズさんとジルさんが真っ青な顔で駆け寄ってくる。



終わった・・・




何も知らなければ、
イケショタとキスしちゃった(歓喜)
で終わったのに。



相手は王子だ。




「俺は大丈夫だ!!
 ナル!!大丈夫か?!」



ルイが心配そうに私を見ている。

あれ・・・?気にしてない??
良かった・・・!!

王子なら、キスの一つや二つしてるよね!!! 
焦った~~・・・


「私も大丈夫です。ルイ様こそお怪我ございませんか??」


私が聞くと、ルイは


「お前、足・・・!!」


と呟いた。


足・・・??
私は自分の足をみる。



膝が擦れてちょっと血がでている。
まぁ、傷口から見て大したことなさそうだ。
傷薬をちょっとつけとけばすぐ治るだろう。

「失礼いたします。」


ジルさんが素早く、
傷口の応急処置をしてくれた。
さすが、執事さんだ。手際がいい。



「ありがとうございます。
 大した事ありません。
 ご心配をおかけして申し訳ございません」


私はお礼をいい、
服の汚れを払い、立とうとした。
しかし、うまく足に力が入らず、
ガクっとなってしまった。
どうやら転んだ拍子にくじいてしまったようだ。


「その足では、
 案内して頂くのは辛そうかと・・・
    1回、お家の方に戻りませんか?」

サズさんが提案してくれた。

ここまできてなんともかっこ悪いが、
それが一番だろう。
家に帰ればラピスがいるし、申し訳ないがかわってもらおう。

「申し訳ありませんが、
そうさせて下さい。
私の代わりにラピスに案内させます」

私がそう言うと、

体がフワッと浮いた。

「え。」

なんと、
サズさんがお姫様抱っこしてくれたのだ!人生初だ!しかも騎士さんに!

恥ずかしさで顔が赤くなる。

だけど、おろしてもらう訳にもいかないし・・・

1人アワアワしていると、


「すみませんが、お家までの道案内よろしくお願いします」


と、涼しい顔で言われてしまった。
さすが騎士さん、
女性の扱いが上手(偏見)


「コッチデス・・・」


私は、緊張でガチガチになりながら家までの道案内を始めた。


そのせいか、


私の後ろで、


唇を指でおさえながら赤くなっている王子に私は気づいていなかった。





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