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35. 真相について話してくださいませ
しおりを挟む「ルーファス。」
「エレノア、悪かったな。お前にこれ以上アイツの汚い戯言を聞かせたくなかった。お前はアイツを殺すことを望んでなかっただろうが。俺の我儘だ。許してくれ。」
眉を顰めて苦しそうな表情をしたルーファスは、じっと私を見つめて謝るのです。
「もういいの。この人の言葉は私を何度も何度も殺したわ。幼い頃のジョシュア様はもう居なくなってしまわれていた。この人は知らない方よ。」
瞬きをするとポタポタと涙が頬へと零れ落ちました。
もう、牢の中のジョシュア様は息絶えてらっしゃいます。
「おい、ルーファス。殺すならもっと早くやっておけ。いい加減私の方が我慢の限界が来るところだったぞ。」
「すまん。エレノアが望んでなかったから。」
目の前でルーファスとディーンお兄様がなんだか親しげに話すところを見て、私は涙も引っ込んで二人を見つめてしまいました。
「どういうことですの?」
訳が分からず二人を交互に見つめておりますと、ルーファスは銀の髪をガシガシと掻いて明後日の方向を向いておりますし、ディーンお兄様は気まずげな表情で顎を掻いておられます。
「説明してくださいますよね?」
ジョシュア様のご遺体はそっと運び出されて、秘密裏に公爵様の元へと送られました。
陛下はとても悲しそうにされていましたが、私はそんな陛下に対して何も感じませんでした。
お気の毒とも、腹が立つとも。
私の足が痛んできたこともあり、一度お父様とディーンお兄様、そしてルーファスが侯爵家のサロンへと集まりました。
エドガーお兄様は、お話が終わるまでお母様が別室で抑えてらっしゃるそうです。
「どういうことかお聞きしても?ディーンお兄様とルーファスはお知り合いでしたの?」
ディーンお兄様、ルーファス、そして何故かお父様までもが目を見合わせているのです。
「エレノア、絶対に私を怒らないでくれるかな?」
「お父様、それは聞いてからでないと分かりませんわ。」
お父様がシュンとなさっているのを尻目に、ルーファスに説明を求めました。
ルーファスが語ったのは私にとっては信じられないような内容で、途中何度もお父様とディーンお兄様、そしてルーファスを睨みつけたのです。
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