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26. 初めてで怖い※

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「伊織の、硬くなっちゃったね。苦しい?」
「く、苦しいけど……。僕だけじゃ嫌です……」

 僕は風呂に入る前にスマホで検索したことを、まさに宗次郎がしてくれたから、僕も同じことを返したいと思った。

 好きだから触れたい。
 
「僕もしたい……。宗次郎の……。ダメですか?」

 僕が恐る恐る問うと、宗次郎は驚いたように目を見開いてからそしてクスッと優しく笑った。
 男らしい端正な顔立ちだから、本当にこの顔に惚れる女の人がたくさんいるのは僕ももう理解できる。

「いいよ、伊織がしたいなら。さっきスマホで検索したの?」
「……はい。だって僕、分からないから……」

 この人の前でなら、素直になれる。
 だって全部受け止めてくれると思うから。
 恥ずかしいことも、情けないとこも曝け出しても大丈夫だと思えた。

「下手だと思うけど、ごめんなさい」

 そう言って僕は一度起き上がってから、宗次郎の腰に巻かれたタオルに目をやった。
 なんかもの凄いそそり立っているシルエットが見えて、僕はちょっと驚いたけど。

「タオル、外しますよ」

 羞恥から、つい利用者さんに接するように言ってしまった。
 胡座をかいて座る宗次郎のタオルを慎重に外した。

 そうしてタオルの下から顔を出した宗次郎の男の象徴は、既に十分にいきり立っていて赤黒い傘部分の先にある鈴口からは透明の露が漏れ出ていた。

「凄い……」

 僕は思わず呟いてしまった。
 どうしてこうも自分のものと違うのだろう?
 同じ男なのに不思議だ。

「ふふっ……凄い? 何それ」
「だって僕のと違うから……」

 何だか恥ずかしくなったけど、僕はその凶暴な熱の塊にそっと唇を寄せた。
 その時ピクリとその塊と宗次郎が同時に反応したけれど、僕は宗次郎の真似をして舌をそれに這わせた。

「伊織……あぁ、やば。伊織がそんなことしてくれてるって思ったらそれだけでイキそう」

 そんな事を言われて僕は嬉しくなって、硬くて太い幹の部分をグチュリと喉の奥まで咥え込んだ。
 
「ん……っ、伊織……上手いよ……」

 上から聞こえる艶っぽい声は、僕が出させているんだという高揚感で僕は羞恥なんてどこかへいってしまったように必死でその塊を愛撫した。

 舌を這わせて、先を吸って、根元を手で扱きあげるとどんどん膨張して凶暴さを増すコレを、僕は自分に受け入れられるのか少し心配になってきた。

 そのうち宗次郎が僕の陽物陰茎を触り始めたから、僕は短く喘ぎながらも必死で宗次郎の昂りを咥え込む。

「も、もう……だめ……」

 僕は射精感が迫り上がってきたのを感じて、チュポンと宗次郎のモノから口を離してしまった。

 宗次郎はニヤッと悪い笑顔を浮かべたと思ったら、激しい口づけで僕の口腔内を犯しながら、その固くて大きな手で陽物を扱きあげる。

「や、やぁ……ダメ……ッ。出ちゃう……」
「いいよ、出して……」

 そう近くで甘い声がしたのと同時に僕は安心してしまって、宗次郎の身体に向けて己の白濁をビュクビュクと大量に飛ばしてしまった。

「んん……ッ……、あぁ……ごめ……なさ……」

 全身がピクピクと痙攣しながらも、ビュクビュクと続け様に出続ける白濁は、宗次郎の逞しく割れた腹にかかって汚している。

「伊織、気持ち良かったの?」
「……すみません」
「じゃあ、もう伊織のナカに挿れていい? 俺も我慢できないんだけど……。大丈夫?」

 挿れる……。
 さっきスマホで検索した時はコンドームと潤滑用のジェルが必要と書いてた。
 そんなの無いから出来ないじゃないか。

「こ、コンドームとジェル……ないんです」

 僕が申し訳なさそうにそう言うと、宗次郎はどこからか出した紙袋を見せた。
 そう言えば来た時に持ってたこの紙袋。

「買って来てる。だってしたかったから。伊織が許してくれるなら使おうと思って」
「……準備万端だったんですね」

 ジトリと宗次郎を見ると、宗次郎は嬉しそうに笑った。
 どうしてこの人はこんなに男前なんだろう。
 男の僕がドキッと何度もしてしまうほどに。

「だって俺はしたかったからさ。でも、伊織が嫌ならしないよ?」

 僕はもう今更そんな事を言われても、未だ続くこの身体のおかしな疼きは止められそうになかった。

 それに、宗次郎となら一つになりたい。

「したい……です。でも、初めてで怖いから……ちょっとずつでもいいですか?」

 宗次郎はすごく嬉しそうに笑ってから、うんうんと大きく頷いた。
 僕の吐き出した白濁をチャチャッとタオルで拭いてから、僕を四つん這いにさせて後ろから抱きしめる。

「俺もスマホで調べたんだ。どうやったら男同士で苦痛がなく出来るか。っていうか、俺の方が伊織に挿れるのは決定だったんだけどね」

 耳元でそう囁いてから、耳朶を甘噛みして首筋や肩にも口づけを落とされた。

 そして僕の小さい双丘を左右に開いてから、ガサガサと袋から出したジェルをそこに塗りたくった。

「つ、冷たッ……!」
「ああ、ごめん。確かに冷たいかも。温かくなるやつにすれば良かったのか……」
「だ、大丈夫です」

 ブツブツと言いながらも、手のひらで温めてくれる宗次郎が優しくて。
 僕はもうなるようになれと思って全てを任せた。
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