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28. レネ様再び
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婚前旅行へ出発するまでの間、私は何度もヴァイスを使ってワルターと手紙のやり取りをした。やはりあれから庭園の衛兵は何故か大幅に増やされて、警備が厳重になっている。暫くミーナとして舞台に立つ事は出来ないと知らせた。
「ヴァイス、ワルターに知らせてね。お願いよ」
「ピィィイッ」
バルコニーから羽ばたくヴァイスの美しい姿を見つめながらも、私はため息を吐かずにはいられなかった。
「どうして急に衛兵が増やされたのでしょうね。城の外はいつも通りでしたよ」
「それなら、やはり私が抜け出している事がばれてしまったのかしら?」
「まさか。それならば閣下から何らかのお話があるでしょう」
とうとう明日旅行へ出発するという日。どうしても長い間舞台に出られないでいる事を仲間達に謝りたくて、何とか城を抜け出す事が出来ないか試してみる事にした。時間が来ても私があの垣根に現れなければ帰って貰うようにヴァイスに伝えてもらって、すっかり陽が落ちてから私はレンカと庭園の奥へと進んだ。
「エリザベート様、こちらです。バルコニーから衛兵の位置は確認しましたから。ここから右に曲がって、次を左に、そしてしばらく進んだら……えーっと……。とにかくこちらの方は衛兵が少ないんですよ。こちからあのガゼボの方へと向かいましょう」
レンカと二人で迷路のようになった薔薇園を進む。あともう少しでガゼボの辺りへと到着するといったところで、突然目の前に影が現れた。
「エリザベート・フランツィスカ・アルント王女殿下。こんな時間に、どこへ行こうと言うのですか?」
月夜に照らされて美しく輝くプラチナブロンドに、妖しく光る紫水晶のような瞳。素敵な笑みを浮かべて目の前へ立ちはだかったのは、軍服姿のレネ様だった。
「レネ様……」
「エリザベート様はこの時間、月へお祈りをされるのです。故国と亡くなった前王妃を思って毎日している事なのです」
突然の事に私がぼうっとしている間に、レンカが素早く準備していた回答をする。毎回庭園の警備をしていた衛兵達に答えていた事と同じ内容だ。下手に違った事を言えば怪しまれると思ったのだろう。
「ふん、そうなの。それにしては、随分長くお一人になられているようですね。護衛も付けず、侍女を待たせどこで何をしているのだか」
この様子ではレネ様に私が城を抜け出している事が知られてしまっているのだと直感する。
「レネ様は……どうしてここに?」
「警備の確認ですよ。どこかに抜け道がないか、盲点はないかと探っているのです。賊の侵入を易々と許すようでは帝国の城の面目が立ちませんからね」
近頃庭園に衛兵が増えたのは、レネ様が部下に命じたからなのね。ガーランの奇術を知らなければ、庭園のどこかに抜け道があるのだと思っても仕方が無いわ。私がどこからこの城を抜け出しているのか、不思議でしょうから。
あぁ、今日に限ってワルターに来るように言ってしまった。お願い、見つからないで。今日は行けないから。どうか無事に戻って、ワルター……。
「まぁ……恐ろしい。この城に……賊が侵入しているのですか? ……まさか……そんな事」
精一杯怖がるふりをした。私を疑うレネ様からすれば白々しいと思われたとしても、どうしても知られる訳にはいかない。
「なんて恐ろしい! けれど、今まで一度だってそのような怪しげな人にはお会いしませんでしたよ。ですよねぇ、エリザベート様?」
「ええ」
レンカも私に合わせて大袈裟なほどの驚きを表す。そんな私達を前に、レネ様は眉を顰め露骨に不快な表情を見せた。
「エリザベート・フランツィスカ・アルント王女殿下。私は貴女のような妖婦がアルフレートの妻になる事はまだ認めておりません。アルフレートはああ見えて純朴ですからね、今は猫被りの貴女に騙されていたのだとしても、必ず私が貴女の秘密を暴きます。帝国の城に忍び込むような愚かな真似をさせてしまうほどに男を惑わす妖婦なのだと、白日の下に晒してみせますよ」
激しい感情をぶつけられ、何も言えなくなる。私は決して妖婦などではない。けれど私が歌を歌っているのだと、歌姫ミーナなのだと知られる事は防がなければならない。ソフィーやワルターに迷惑を掛ける訳にはいかないから。
「先日から度々失礼ではありませんか! この方はアルント王国第一王女殿下であり、近々貴女の上官であるアルフレート将軍閣下の妻となられる方ですよ! 妙な言いがかりを……いい加減になさってください!」
「レンカ……、大丈夫よ。レネ様……、私が至らない事で……アルフ様を……心配なさるお気持ちは……よく分かります」
「エリザベート様!」
いつになく興奮するレンカを手で制すると、ギリギリと歯を食いしばりながらも堪えてくれた。
「ですが……何か思い違いを……なさっているようです。……私は……アルフ様を……裏切るような真似は……しておりません」
「さぁ、どうだか! 言うだけなら誰でも出来ますからね。人形姫という名前と境遇でアルフレートの同情を買っておいて、陰ではこそこそと間男と逢引でもなさってるんでしょう」
レネ様は愛らしい顔に似合わないほど口元を歪ませている。綺麗な紫色の瞳には、私に対する嫌悪がありありと見えて悲しかった。
「レネ様は……アルフ様の事を……愛してらっしゃるのですか?」
こんな事、決して聞くつもりなどなかったのに。アルフ様に近しい人から、こんなにも嫌われている事実が悲しくて。思わず私の口から零れ落ちた言葉に、レネ様がハッと呼吸をつめたのが分かる。
けれど次の瞬間、高い笑い声を上げたレネ様に私もレンカも驚いて身体を固くした。
「ヴァイス、ワルターに知らせてね。お願いよ」
「ピィィイッ」
バルコニーから羽ばたくヴァイスの美しい姿を見つめながらも、私はため息を吐かずにはいられなかった。
「どうして急に衛兵が増やされたのでしょうね。城の外はいつも通りでしたよ」
「それなら、やはり私が抜け出している事がばれてしまったのかしら?」
「まさか。それならば閣下から何らかのお話があるでしょう」
とうとう明日旅行へ出発するという日。どうしても長い間舞台に出られないでいる事を仲間達に謝りたくて、何とか城を抜け出す事が出来ないか試してみる事にした。時間が来ても私があの垣根に現れなければ帰って貰うようにヴァイスに伝えてもらって、すっかり陽が落ちてから私はレンカと庭園の奥へと進んだ。
「エリザベート様、こちらです。バルコニーから衛兵の位置は確認しましたから。ここから右に曲がって、次を左に、そしてしばらく進んだら……えーっと……。とにかくこちらの方は衛兵が少ないんですよ。こちからあのガゼボの方へと向かいましょう」
レンカと二人で迷路のようになった薔薇園を進む。あともう少しでガゼボの辺りへと到着するといったところで、突然目の前に影が現れた。
「エリザベート・フランツィスカ・アルント王女殿下。こんな時間に、どこへ行こうと言うのですか?」
月夜に照らされて美しく輝くプラチナブロンドに、妖しく光る紫水晶のような瞳。素敵な笑みを浮かべて目の前へ立ちはだかったのは、軍服姿のレネ様だった。
「レネ様……」
「エリザベート様はこの時間、月へお祈りをされるのです。故国と亡くなった前王妃を思って毎日している事なのです」
突然の事に私がぼうっとしている間に、レンカが素早く準備していた回答をする。毎回庭園の警備をしていた衛兵達に答えていた事と同じ内容だ。下手に違った事を言えば怪しまれると思ったのだろう。
「ふん、そうなの。それにしては、随分長くお一人になられているようですね。護衛も付けず、侍女を待たせどこで何をしているのだか」
この様子ではレネ様に私が城を抜け出している事が知られてしまっているのだと直感する。
「レネ様は……どうしてここに?」
「警備の確認ですよ。どこかに抜け道がないか、盲点はないかと探っているのです。賊の侵入を易々と許すようでは帝国の城の面目が立ちませんからね」
近頃庭園に衛兵が増えたのは、レネ様が部下に命じたからなのね。ガーランの奇術を知らなければ、庭園のどこかに抜け道があるのだと思っても仕方が無いわ。私がどこからこの城を抜け出しているのか、不思議でしょうから。
あぁ、今日に限ってワルターに来るように言ってしまった。お願い、見つからないで。今日は行けないから。どうか無事に戻って、ワルター……。
「まぁ……恐ろしい。この城に……賊が侵入しているのですか? ……まさか……そんな事」
精一杯怖がるふりをした。私を疑うレネ様からすれば白々しいと思われたとしても、どうしても知られる訳にはいかない。
「なんて恐ろしい! けれど、今まで一度だってそのような怪しげな人にはお会いしませんでしたよ。ですよねぇ、エリザベート様?」
「ええ」
レンカも私に合わせて大袈裟なほどの驚きを表す。そんな私達を前に、レネ様は眉を顰め露骨に不快な表情を見せた。
「エリザベート・フランツィスカ・アルント王女殿下。私は貴女のような妖婦がアルフレートの妻になる事はまだ認めておりません。アルフレートはああ見えて純朴ですからね、今は猫被りの貴女に騙されていたのだとしても、必ず私が貴女の秘密を暴きます。帝国の城に忍び込むような愚かな真似をさせてしまうほどに男を惑わす妖婦なのだと、白日の下に晒してみせますよ」
激しい感情をぶつけられ、何も言えなくなる。私は決して妖婦などではない。けれど私が歌を歌っているのだと、歌姫ミーナなのだと知られる事は防がなければならない。ソフィーやワルターに迷惑を掛ける訳にはいかないから。
「先日から度々失礼ではありませんか! この方はアルント王国第一王女殿下であり、近々貴女の上官であるアルフレート将軍閣下の妻となられる方ですよ! 妙な言いがかりを……いい加減になさってください!」
「レンカ……、大丈夫よ。レネ様……、私が至らない事で……アルフ様を……心配なさるお気持ちは……よく分かります」
「エリザベート様!」
いつになく興奮するレンカを手で制すると、ギリギリと歯を食いしばりながらも堪えてくれた。
「ですが……何か思い違いを……なさっているようです。……私は……アルフ様を……裏切るような真似は……しておりません」
「さぁ、どうだか! 言うだけなら誰でも出来ますからね。人形姫という名前と境遇でアルフレートの同情を買っておいて、陰ではこそこそと間男と逢引でもなさってるんでしょう」
レネ様は愛らしい顔に似合わないほど口元を歪ませている。綺麗な紫色の瞳には、私に対する嫌悪がありありと見えて悲しかった。
「レネ様は……アルフ様の事を……愛してらっしゃるのですか?」
こんな事、決して聞くつもりなどなかったのに。アルフ様に近しい人から、こんなにも嫌われている事実が悲しくて。思わず私の口から零れ落ちた言葉に、レネ様がハッと呼吸をつめたのが分かる。
けれど次の瞬間、高い笑い声を上げたレネ様に私もレンカも驚いて身体を固くした。
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