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第四章 不死身の魔獣と太陽の弓使い
致命的な選択
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冬に呪われた地から、俺は外に出られない。その事実を知った翌々日。
曇り空の下、城から少し離れた雪原の真ん中で俺は修業していた。
修行する理由はもちろん、強くなるためだ。
はたして俺が強くなることに意味はあるのか……それは分からない。
むしろ、ディオン司祭のこともレヴィオール王国のことも、下手に俺が出しゃばるより、全て放浪の魔女に任せっきりにしたほうが上手くいくだろうとすら思っている。
それでも、俺は強くなりたかった。
少なくとも、ソフィアがこの冬の城に居る間は、彼女の平穏を守りたい――例えば再びあの黒騎士が、この地を訪れることがあったとしても、その時は今度こそあいつに勝ちたかった。
別に、あの黒騎士に復讐したいわけではない。
ただ、二度とあんな惨めな思いはしたくなかったし……二度と、俺のせいでソフィアを泣かせたくなかったのだ。
とにかく、無力であり続けることが、とてつもなく嫌だったのである。
……他人の都合に支配される生き方が、もう嫌だった。
不死身の魔獣として冬の城に引きこもるだけでなく、世の理不尽に抗うための力が、俺は欲しかった。
では、俺が強くなるためにはどうすればいいのだろう?
単純に体を鍛えれば強くなれるのか?
それよりかは、今まで強くなった時と同じように、文字通りの肉体改造を施すほうが現実的な気がする。
あるいは、魔術をより効果的に扱う特訓をする……それも一つの方法だ。
方向性としては何れも悪くはないと思う。
しかし同時に、どれもこの魔獣の肉体なら、進化という手段でどうにでも解決できてしまう。
それよりも、俺にはもっと致命的な弱点があった。そして、俺はそれを自覚していた。
俺が強くなるために、最優先ですべきこと。
考えた末、たどり着いた結論は――甘さをここで捨てることだった。
俺は先日の戦いを思い返す。
呪われた炎を纏う黒騎士との戦い。
結末を見れば間違いなく敗北だったが……実際には黒騎士の息の根を止める機会が、少なくとも一回はあったはずだ。
それは、放たれた炎を隠れ蓑にし、逆に黒騎士を地面に叩きつけた瞬間。
あの時、その気になれば、ほぼ間違いなく奴の命を奪えたはずである。
それなのに、そのチャンスを無駄にしたのは――俺の甘さだ。
あの一瞬の、無意識の躊躇い。あれが致命的な隙を産み、圧倒的に優位な状態から無残にも逆転される切っ掛けとなった。
そして――俺のせいで、ソフィアの身が危険にさらされたのだ。
……最終的に、ソフィアは殺されず、さらにディオン司祭の情報も得られた。
だが、そんなものは結果論だ。もし魔女が駆けつけるのがあと数分遅ければ、一体どうなっていたことか。
俺が黒騎士を殺せなかった理由。それは優しさなんかではない。
それはただの甘さ、あるいは元同族殺しの罪を被ることを恐れただけの臆病さだ。
これがある限り、どれだけ戦闘技能高めようと、同じことの繰り返しだ。
必要なのは、勇気である。
恐れを知らない戦士のように、俺は振る舞わなければならない。
ゆえに俺は、心の弱さを克服する必要があった。
それに少し打算的だが、心の在り方が変われば、この魔獣の肉体はそれに応えてくれる――今までの経験から、その確信があった。
とはいえ、言葉にするのは簡単だが、実際はどうすればいい?
心の弱さを克服する方法を考える。しかし、その考えはちっともまとまらない。
やはり、心はまだ一線を越えることを戸惑っているようだ。
考えているうちに思考は逸れて、自分は本当にそれで良いのか? と疑問に思ったり、あるいは相手を殺さないで済ますための言い訳ばかり考えていたりする。
「畜生ッ、だから、そんなことを考えている場合じゃないんだよ……」
俺は独り言で悪態をついた。
此処は日本じゃない異世界で、俺はもう人間ではなく魔獣なんだ。
人間だったころの倫理観なんて捨てちまえ。
黒騎士に仏心を見せたところで、ソフィアが殺されるだけだぞ。
所詮この世は弱肉強食。どんな世界でも、優しさなんてつけ込まれるだけ。そんなものに意味なんか無い。
こんなふうに余計なことを考えてしまうのは、俺の悪い癖だ。
「いっそ何も考えず、衝動に身を任せて行動できればいいのだがなあ」
心にブレーキを掛けず、思いのままに振る舞えれば、ずっと楽なのに……。
…………あれ?
それは、意外と名案じゃないか?
このアイデアは、まさに天啓であると言えた。
俺に必要なのは、戦闘中の余計な考えをシャットアウトすること。
だから、もっと衝動的な怒りの感情に、原初的な獣の本能に思考を委ねてしまえば、俺の甘さは消失するのでは?
いわゆる、ゲームとかでよく見る狂戦士状態ってやつだ。
幸いにも、精神を作り替えた経験ならすでにある――この魔獣の肉体なら、以前の、痛みを無視できるようになった時と同じ要領で可能なはずだ。
というわけで、修行の方針は決まった。
俺は瞑想をしながら、怒りの感情をコントロールする特訓をする。
創作の世界でも、怒りを引き鉄にしてパワーアップするキャラクターは多い。イメージするだけなら、そう難しくなかった。
さあ。もっと憤怒を、もっと憎悪を。
かつて押し殺し続けた心に火を着ける。
恥の多いゴミのような生涯を送ってきた俺。この胸には燻ぶったままの火種が腐るほどあった。
怒りのままに暴れるなんて、それこそ物心も付いていないような子供のころ以来だろう。
自慢にもならないが、俺は所謂良い子ちゃんの優等生だったのだ。
俺は人生の中で、自分の感情を押し殺す術だけをひたすら磨いてきた。
人として、人らしく社会を生きていくために、それが正しいことだと信じていた。
そしていつしか、どんな感情もすぐ冷めて乾いて、心の底に沈んでいくようになった。
胸の内にはしこりとか、諦念とか、虚無感とか、そんな薄っぺらな絶望だけを抱いて生きてきた。
それなのに、大切な誰かを守るため、今はこんな練習をしている――それは生き物の本質を示しているようで、なんとも皮肉めいて少し面白く思えた。
段々と俺の中で、熱くて、そしてどす黒い気が高まっていく。
頭が痛い。
心臓が煩い。
目頭が熱い。
視界が赤く染まったように感じる。
そして俺の望みを酌んだのか、さっそく魔獣の体が作り変えられていくのが分かる。
獣の肉体は効率良く、全身にアドレナリンを巡らせた。
我を忘れかねないほどの、怒りの衝動。
目に映る何もかもをぶち壊してしまいたい感情が、俺の思考を支配する。
――危ういが、良い感じだ。
この状態を、魔獣の肉体に覚えさせ、固定化する!
「狂戦士状態!!」
発動キーとして、簡単な呪文を用意する。
条件付けもばっちりだ。
限りなく原初の衝動に近い、熱く滾る獣の本能。
俺は、今まであった倫理の殻を破ることができた――それを実感した。
今の俺はまさに、狂戦士と呼ぶに相応しいだろう。
「……成功、だ!!」
今は辛うじて理性は残っている。
だが、それは例えるなら、張りつめた風船だ。ちょっとした切っ掛けがあれば弾け飛んでしまうだろう。
まだ完全に怒りに染まるには、数分程度の時間がかかる。それでも俺の目論みは概ね上手くいっていると言えた。
強いて問題点を挙げるなら、この状態になるまでに結構な時間がかかってしまうこと。さらには、すぐに感情の熱が引いてしまうことだ。
そんなことを考えている間にも、もう怒りの熱は引いてしまった。
短すぎだろ。特撮ヒーロー番組で戦っている正義の巨人の変身時間以下だ。こんな短時間じゃカップラーメンすらできないぞ。
流石にこれじゃあ、実戦で使いにく過ぎる。
「まあ、始めたばかりだし。今はまだ使い勝手が悪いが……そこは特訓次第だな」
もっとスムーズに、魔獣の本能を昂らせられるようにならなければ。
さらなる高みを目指して、俺は再び目を閉じた。
もっと無慈悲に、冷酷に。
心は冷たく、頭は熱く。
もう、誰にも支配されたくない。何かに屈したくない。
俺は道理を超えた狂戦士の力を欲した。
大切な人を……ソフィアを守りたいという目的とは、とっくに矛盾している現実からは目を逸らして。
――もしかすると、その目的ですら、言い訳でしかなかったのかもしれない。
自覚はなかったが、俺という存在の本質は、魔獣になる前からとっくに歪んでいたのだ。
強くなるために、人としての理性を捨てる。
俺は誰にも支配されないための力を求め過ぎて、致命的な選択をしてしまった。
そしてその事実に、未だ俺は気が付いていなかった。
曇り空の下、城から少し離れた雪原の真ん中で俺は修業していた。
修行する理由はもちろん、強くなるためだ。
はたして俺が強くなることに意味はあるのか……それは分からない。
むしろ、ディオン司祭のこともレヴィオール王国のことも、下手に俺が出しゃばるより、全て放浪の魔女に任せっきりにしたほうが上手くいくだろうとすら思っている。
それでも、俺は強くなりたかった。
少なくとも、ソフィアがこの冬の城に居る間は、彼女の平穏を守りたい――例えば再びあの黒騎士が、この地を訪れることがあったとしても、その時は今度こそあいつに勝ちたかった。
別に、あの黒騎士に復讐したいわけではない。
ただ、二度とあんな惨めな思いはしたくなかったし……二度と、俺のせいでソフィアを泣かせたくなかったのだ。
とにかく、無力であり続けることが、とてつもなく嫌だったのである。
……他人の都合に支配される生き方が、もう嫌だった。
不死身の魔獣として冬の城に引きこもるだけでなく、世の理不尽に抗うための力が、俺は欲しかった。
では、俺が強くなるためにはどうすればいいのだろう?
単純に体を鍛えれば強くなれるのか?
それよりかは、今まで強くなった時と同じように、文字通りの肉体改造を施すほうが現実的な気がする。
あるいは、魔術をより効果的に扱う特訓をする……それも一つの方法だ。
方向性としては何れも悪くはないと思う。
しかし同時に、どれもこの魔獣の肉体なら、進化という手段でどうにでも解決できてしまう。
それよりも、俺にはもっと致命的な弱点があった。そして、俺はそれを自覚していた。
俺が強くなるために、最優先ですべきこと。
考えた末、たどり着いた結論は――甘さをここで捨てることだった。
俺は先日の戦いを思い返す。
呪われた炎を纏う黒騎士との戦い。
結末を見れば間違いなく敗北だったが……実際には黒騎士の息の根を止める機会が、少なくとも一回はあったはずだ。
それは、放たれた炎を隠れ蓑にし、逆に黒騎士を地面に叩きつけた瞬間。
あの時、その気になれば、ほぼ間違いなく奴の命を奪えたはずである。
それなのに、そのチャンスを無駄にしたのは――俺の甘さだ。
あの一瞬の、無意識の躊躇い。あれが致命的な隙を産み、圧倒的に優位な状態から無残にも逆転される切っ掛けとなった。
そして――俺のせいで、ソフィアの身が危険にさらされたのだ。
……最終的に、ソフィアは殺されず、さらにディオン司祭の情報も得られた。
だが、そんなものは結果論だ。もし魔女が駆けつけるのがあと数分遅ければ、一体どうなっていたことか。
俺が黒騎士を殺せなかった理由。それは優しさなんかではない。
それはただの甘さ、あるいは元同族殺しの罪を被ることを恐れただけの臆病さだ。
これがある限り、どれだけ戦闘技能高めようと、同じことの繰り返しだ。
必要なのは、勇気である。
恐れを知らない戦士のように、俺は振る舞わなければならない。
ゆえに俺は、心の弱さを克服する必要があった。
それに少し打算的だが、心の在り方が変われば、この魔獣の肉体はそれに応えてくれる――今までの経験から、その確信があった。
とはいえ、言葉にするのは簡単だが、実際はどうすればいい?
心の弱さを克服する方法を考える。しかし、その考えはちっともまとまらない。
やはり、心はまだ一線を越えることを戸惑っているようだ。
考えているうちに思考は逸れて、自分は本当にそれで良いのか? と疑問に思ったり、あるいは相手を殺さないで済ますための言い訳ばかり考えていたりする。
「畜生ッ、だから、そんなことを考えている場合じゃないんだよ……」
俺は独り言で悪態をついた。
此処は日本じゃない異世界で、俺はもう人間ではなく魔獣なんだ。
人間だったころの倫理観なんて捨てちまえ。
黒騎士に仏心を見せたところで、ソフィアが殺されるだけだぞ。
所詮この世は弱肉強食。どんな世界でも、優しさなんてつけ込まれるだけ。そんなものに意味なんか無い。
こんなふうに余計なことを考えてしまうのは、俺の悪い癖だ。
「いっそ何も考えず、衝動に身を任せて行動できればいいのだがなあ」
心にブレーキを掛けず、思いのままに振る舞えれば、ずっと楽なのに……。
…………あれ?
それは、意外と名案じゃないか?
このアイデアは、まさに天啓であると言えた。
俺に必要なのは、戦闘中の余計な考えをシャットアウトすること。
だから、もっと衝動的な怒りの感情に、原初的な獣の本能に思考を委ねてしまえば、俺の甘さは消失するのでは?
いわゆる、ゲームとかでよく見る狂戦士状態ってやつだ。
幸いにも、精神を作り替えた経験ならすでにある――この魔獣の肉体なら、以前の、痛みを無視できるようになった時と同じ要領で可能なはずだ。
というわけで、修行の方針は決まった。
俺は瞑想をしながら、怒りの感情をコントロールする特訓をする。
創作の世界でも、怒りを引き鉄にしてパワーアップするキャラクターは多い。イメージするだけなら、そう難しくなかった。
さあ。もっと憤怒を、もっと憎悪を。
かつて押し殺し続けた心に火を着ける。
恥の多いゴミのような生涯を送ってきた俺。この胸には燻ぶったままの火種が腐るほどあった。
怒りのままに暴れるなんて、それこそ物心も付いていないような子供のころ以来だろう。
自慢にもならないが、俺は所謂良い子ちゃんの優等生だったのだ。
俺は人生の中で、自分の感情を押し殺す術だけをひたすら磨いてきた。
人として、人らしく社会を生きていくために、それが正しいことだと信じていた。
そしていつしか、どんな感情もすぐ冷めて乾いて、心の底に沈んでいくようになった。
胸の内にはしこりとか、諦念とか、虚無感とか、そんな薄っぺらな絶望だけを抱いて生きてきた。
それなのに、大切な誰かを守るため、今はこんな練習をしている――それは生き物の本質を示しているようで、なんとも皮肉めいて少し面白く思えた。
段々と俺の中で、熱くて、そしてどす黒い気が高まっていく。
頭が痛い。
心臓が煩い。
目頭が熱い。
視界が赤く染まったように感じる。
そして俺の望みを酌んだのか、さっそく魔獣の体が作り変えられていくのが分かる。
獣の肉体は効率良く、全身にアドレナリンを巡らせた。
我を忘れかねないほどの、怒りの衝動。
目に映る何もかもをぶち壊してしまいたい感情が、俺の思考を支配する。
――危ういが、良い感じだ。
この状態を、魔獣の肉体に覚えさせ、固定化する!
「狂戦士状態!!」
発動キーとして、簡単な呪文を用意する。
条件付けもばっちりだ。
限りなく原初の衝動に近い、熱く滾る獣の本能。
俺は、今まであった倫理の殻を破ることができた――それを実感した。
今の俺はまさに、狂戦士と呼ぶに相応しいだろう。
「……成功、だ!!」
今は辛うじて理性は残っている。
だが、それは例えるなら、張りつめた風船だ。ちょっとした切っ掛けがあれば弾け飛んでしまうだろう。
まだ完全に怒りに染まるには、数分程度の時間がかかる。それでも俺の目論みは概ね上手くいっていると言えた。
強いて問題点を挙げるなら、この状態になるまでに結構な時間がかかってしまうこと。さらには、すぐに感情の熱が引いてしまうことだ。
そんなことを考えている間にも、もう怒りの熱は引いてしまった。
短すぎだろ。特撮ヒーロー番組で戦っている正義の巨人の変身時間以下だ。こんな短時間じゃカップラーメンすらできないぞ。
流石にこれじゃあ、実戦で使いにく過ぎる。
「まあ、始めたばかりだし。今はまだ使い勝手が悪いが……そこは特訓次第だな」
もっとスムーズに、魔獣の本能を昂らせられるようにならなければ。
さらなる高みを目指して、俺は再び目を閉じた。
もっと無慈悲に、冷酷に。
心は冷たく、頭は熱く。
もう、誰にも支配されたくない。何かに屈したくない。
俺は道理を超えた狂戦士の力を欲した。
大切な人を……ソフィアを守りたいという目的とは、とっくに矛盾している現実からは目を逸らして。
――もしかすると、その目的ですら、言い訳でしかなかったのかもしれない。
自覚はなかったが、俺という存在の本質は、魔獣になる前からとっくに歪んでいたのだ。
強くなるために、人としての理性を捨てる。
俺は誰にも支配されないための力を求め過ぎて、致命的な選択をしてしまった。
そしてその事実に、未だ俺は気が付いていなかった。
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