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第7章 ふたたびの王都

第174話 頭痛

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結局魔女はその後、

エレンの連日続く熱心な勧誘ストーキングに負けて、

深淵の森から町はずれに引っ越して薬屋をすることにした。

魔女は決して老人会に入りたかったわけではなかった。

魔女は幻術の腕に自信があったが、

いくら厳重に幻術をかけ直しても、

エレンに簡単に連日突破されてしまったことで魔女としての自信をなくしてしまった。

魔女は若い頃薬屋をしていた。

薬学を極めようとしているうちに魔術も極めるようになり、

最終的には世界でも有数の魔女になったのだった。







「いくら厳重に幻術をかけ直してもあんたみたいな子供に突破されてしまうなんてね。

初心に返ってやり直せって神様からの思し召しかもしれないね。」






魔女は変に悟りを開いて、

薬屋をしながら魔女としての腕を磨き直すことにしたのだった。

ちなみに魔女の加入により老人会の平均年齢はかなり高くなった。

エレンはちょこちょこ老人会の集まりに顔をだしたり、

魔女の薬屋にも顔をだしていたので、

エレンはかなり魔女と仲良くなり魔女をおばばと呼ぶようになった。

魔女は魔女仲間に「幻術を簡単に打ち破られてしまったので一からやり直す」と漏らした。

魔女仲間は魔女の発言に驚愕し、

魔女の幻術を打ち破ったのはどんな人物かしきりに聞きたがった。









「そうさね。

人の言うことは聞かないし、

いたずらが好きで、

悪魔みたいな?

いや、悪い子じゃないんだ。

性根が悪魔というか?

ん?やっぱり悪いのか?

うーん?悪魔をも泣かせる天使?

いや、魔王?

いや、ただの非常識で無神経で無礼な、

うーん。

まぁ何にも迷わされず、

何にも囚われず、

とにかく自由で、

神様もあの子には頭を痛めているだろうさ。」





魔女はそう言って笑ったのだった。
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