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第4章 テオドアール領

第110話 きもい

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「ゼノ…………キモい( ´_ゝ`)キリ」



エレンは珍しく真顔で言った。




「はぅ!失礼しました!」


ゼノと呼ばれた男性は両手で胸を押さえて、

ショックを受けたようにうなだれた。

その姿は叱られた大型犬のようだった。

「ゼノ、こちらはレオン様だよ( ´_ゝ`)

レオン様は今度隣国の学園に留学するんだ( ´_ゝ`)

ゼノの行ってた学校でしょ?( ´_ゝ`)?

色々教えてあげてよ( ´_ゝ`)」

「これはこれは。

レオン様、失礼致しました。

テオドアール家の家令見習いのゼノと申します。

以後お見知り置きを。

私でお役に立てることでしたらなんでも、

お申し付けください。」

ゼノは急にキリっとして華麗にレオンに挨拶した。

「よ、よろしくお願いいたします。」

レオンはどうにかそれだけ絞り出したが、

ゼノに物凄くひいていた。

ゼノからはそこはなとなく犯罪の香りがした。

「レオン様、レオン様、

ゼノはちょっとエレンに対してだけ気持ち悪いだけで、

他は優秀ですから( ´_ゝ`)」

テオドアール家の使用人は皆エレンに『甘い』程度で済んでいたが、

ゼノは『激甘』というか、

『溺愛』というか、

エレンに『心酔』していた。

ゼノはテオドアール家の家令見習いだったが、

当主のウィルではなくエレンに仕えていると言っても過言ではなかった。

ちなみにエレンがユーリとのお茶会のあと、

部屋で色々落ち込んでいたときに、

何があったのかとウィルを問いただし、

ウィルを役たたずと罵ったのはゼノだった。
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