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第2章 王都にて(前)

第60話 淑女

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エレンはリカルドのウィンクに生理的に背筋がゾッとしたが、

とっとと疑問に答えて欲しかったので、

とりあえずリカルドの話をおとなしく聞こうと思った。

「『王族はなぜ偉いか』だったね。

確かに不敬なようだけど、

とても深くて、難しい質問だ。

私が幼い頃に王族としての責任の重さに、

とても悩んだ時期があってね。

そのとき色々考えたんだ。

いまだに色々考えているけど。

そんな私の今出せる答えが絶対に正しいとは言えないけど、

それでもいいかな?」

リカルドはエレンとユーリのふたりに言った。

「世の中絶対正しいものなんてないさ( ´_ゝ`)

人の数だけ答えがあるんだ( ´_ゝ`)

お兄さんの答えを聞いても、

最終的には自分で答えを出すから大丈夫( ´_ゝ`)」

エレンはそういうとへらっと笑った。

ユーリはさっきと同じように少し考えてから、

ゆっくりこくんと頷いた。

「…さすがエレン嬢。

とてもユーリより年下とは思えないよ。

年ごまかしてない?」

リカルドはちょっと感動したのを誤魔化すように、

エレンをからかった。

「お兄さん、さすがに淑女に対して失礼じゃない?( ´_ゝ`)?」

エレンは頬をぷくっとふくらませてから

不服そうに言った。

「これは失礼。レディ。

どうぞ広い心でお許しください。

では慎んで答えさせていただきます。」

リカルドは素直に謝り、恭しく礼をした。

『どこに淑女が?』

と言おうかと思ったのは内緒だった。
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