60 / 280
第2章 王都にて(前)
第60話 淑女
しおりを挟む
エレンはリカルドのウィンクに生理的に背筋がゾッとしたが、
とっとと疑問に答えて欲しかったので、
とりあえずリカルドの話をおとなしく聞こうと思った。
「『王族はなぜ偉いか』だったね。
確かに不敬なようだけど、
とても深くて、難しい質問だ。
私が幼い頃に王族としての責任の重さに、
とても悩んだ時期があってね。
そのとき色々考えたんだ。
いまだに色々考えているけど。
そんな私の今出せる答えが絶対に正しいとは言えないけど、
それでもいいかな?」
リカルドはエレンとユーリのふたりに言った。
「世の中絶対正しいものなんてないさ( ´_ゝ`)
人の数だけ答えがあるんだ( ´_ゝ`)
お兄さんの答えを聞いても、
最終的には自分で答えを出すから大丈夫( ´_ゝ`)」
エレンはそういうとへらっと笑った。
ユーリはさっきと同じように少し考えてから、
ゆっくりこくんと頷いた。
「…さすがエレン嬢。
とてもユーリより年下とは思えないよ。
年ごまかしてない?」
リカルドはちょっと感動したのを誤魔化すように、
エレンをからかった。
「お兄さん、さすがに淑女に対して失礼じゃない?( ´_ゝ`)?」
エレンは頬をぷくっとふくらませてから
不服そうに言った。
「これは失礼。レディ。
どうぞ広い心でお許しください。
では慎んで答えさせていただきます。」
リカルドは素直に謝り、恭しく礼をした。
『どこに淑女が?』
と言おうかと思ったのは内緒だった。
とっとと疑問に答えて欲しかったので、
とりあえずリカルドの話をおとなしく聞こうと思った。
「『王族はなぜ偉いか』だったね。
確かに不敬なようだけど、
とても深くて、難しい質問だ。
私が幼い頃に王族としての責任の重さに、
とても悩んだ時期があってね。
そのとき色々考えたんだ。
いまだに色々考えているけど。
そんな私の今出せる答えが絶対に正しいとは言えないけど、
それでもいいかな?」
リカルドはエレンとユーリのふたりに言った。
「世の中絶対正しいものなんてないさ( ´_ゝ`)
人の数だけ答えがあるんだ( ´_ゝ`)
お兄さんの答えを聞いても、
最終的には自分で答えを出すから大丈夫( ´_ゝ`)」
エレンはそういうとへらっと笑った。
ユーリはさっきと同じように少し考えてから、
ゆっくりこくんと頷いた。
「…さすがエレン嬢。
とてもユーリより年下とは思えないよ。
年ごまかしてない?」
リカルドはちょっと感動したのを誤魔化すように、
エレンをからかった。
「お兄さん、さすがに淑女に対して失礼じゃない?( ´_ゝ`)?」
エレンは頬をぷくっとふくらませてから
不服そうに言った。
「これは失礼。レディ。
どうぞ広い心でお許しください。
では慎んで答えさせていただきます。」
リカルドは素直に謝り、恭しく礼をした。
『どこに淑女が?』
と言おうかと思ったのは内緒だった。
38
お気に入りに追加
7,324
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
理想とは違うけど魔法の収納庫は稼げるから良しとします
水野忍舞
ファンタジー
英雄になるのを誓い合った幼馴染たちがそれぞれ戦闘向きのスキルを身に付けるなか、俺は魔法の収納庫を手に入れた。
わりと便利なスキルで喜んでいたのだが幼馴染たちは不満だったらしく色々言ってきたのでその場から立ち去った。
お金を稼ぐならとても便利なスキルじゃないかと今は思っています。
*****
ざまぁ要素はないです
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
転生したら死にそうな孤児だった
佐々木鴻
ファンタジー
過去に四度生まれ変わり、そして五度目の人生に目覚めた少女はある日、生まれたばかりで捨てられたの赤子と出会う。
保護しますか? の選択肢に【はい】と【YES】しかない少女はその子を引き取り妹として育て始める。
やがて美しく育ったその子は、少女と強い因縁があった。
悲劇はありません。難しい人間関係や柵はめんどく(ゲフンゲフン)ありません。
世界は、意外と優しいのです。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる