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第1章 はじまりはじまり

第16話 正妃の思い

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リアナの部屋からでた正妃はため息をついて、

これからの公務の順序を頭の中で整理した。

今日も徹夜になるかもしれない。

正妃はまたひとつため息をついた。

正妃は10歳の時に国王の婚約者になり、

国王が23歳、正妃が16歳の時に結婚した。

国王は正妃より7歳年上だったが、

昔から優柔不断で気が弱かったので、

婚約者時代から国王より正妃の方がしっかりしていた。

結婚してからは20年近くたっており、

その間に子供も四人できたし、

頼りない国王の代わりに、

腹黒い貴族や周辺国と渡り合ったり、

公私ともに色んな事があった。

辛いことも沢山あったが子供たちや重臣たちの支えもあり、

なんとか乗り越えてきた。

海千山千、

色んなことを乗り越えてきた正妃にとっても

リアナのことはかなり堪えた。

国王と正妃、夫と妻、父と母、

もはや国王に対する感情は、

愛だ恋だというよりは同士に近かった。

完全な政略結婚であり、

情熱的な恋愛感情はなかったが、

気が強い自分と、気が弱い国王は

なんだかんだ相性がよかったし、

正妃は自分と国王は色んなことを分かりあえている関係だと思っていた。

しかし正妃は今国王が何を考えているのか全くわからなかった。
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