43 / 54
対抗戦
教室 「対抗戦」の出場班決定
しおりを挟む
ーー奢侈、栄耀、贅物。
ティノが「お題」をだしたので、マルはペンを銜え、「聖板」に「聖語」を刻みました。
三千周期生きているだけあって、ティノが知らない言葉が並んでゆきます。
「お題」は、「贅沢」。
冬から春へ、やっとこ一歩、踏みだしたところ。
アリスのーー炎竜の塒があるので、「セレステナ聖地」の冬は「下界」に比べれば厳しくありません。
「贅沢」を「お題」にしたのは、教室内がぽっかぽかだからです。
ベズが開発した、暖房器具ーー「聖暖房」。
上部に取りつけられた石板に「聖語」を刻むことで、半時ほど熱を放出するという優れ物。
「結界」が上達するまで、イオリだけが「暖房竜」だったティノからすれば、まさに天の国。
大量生産はできないとのことで、「聖域」には出回っていません。
「聖暖房」に「聖語」を刻むのは当番制で、今日はイゴが当番です。
得意不得意がなく、基本を着実に身につけたイゴは。
「聖暖房」の持続時間も、しっかりと平均を超えています。
寮では、「温水暖房」というか「炎竜暖房」になっていて、毎日アリスが魔石に息吹を吹きかけています。
原理が雑、というか手抜きですが、バレなければ問題ありません。
席替えはなかったので、今でもティノの席は左の最後尾。
次の「お題」は、「日常」。
夏から秋、秋から冬へ。
結局、あれから何もありませんでした。
いえ、何度か死にかけましたが、それもまたティノの「日常」。
「聖休」を過ごし、スグリは留守、アリスが爆発、学園に戻り、変わらないようで変わり続ける「日常」の始まり。
「敵」への怒りも、五星巡りは持続しません。
当然、「敵」と遭遇すれば燃え上がりますが、今は「日常」に埋没中。
ーー行屎送尿、坐作進退、事上磨錬。
もはや読み方もわかりません。
ただ、何となくですが、後ろの二つは、ティノを当て擦っているような感じが伝わってきます。
「日常」にも節目節目があって、今日はわりかし大きな節目があります。
教室内は熱気に包まれていますが、ティノは三つ目の「お題」を考えながら、マルを撫でました。
冬でもアリスの露出は変わりません。
真っ赤なコートの前を閉めれば暖かそうですが、アリスは炎竜なので、そもそも寒さなど屁でもありません。
学園生には外套が支給されましたが。
制服以上に派手だったので、ティノはなるべく着ないようにしています。
「さ~て、お待ちかねの発表よ! 泣いても笑っても、これで『対抗戦』に出場する班が決定するわ!」
教室内の熱気は最高潮。
それはもう熱々で、アリスもうはうはです。
反面。
ティノがなぜ、こんなにも冷めているかというと。
彼には関係のない行事だからです。
いえ、まったく関係がないわけではありません。
炎竜組の催し物もありますし、同じ班の仲間がーー「邪聖班」の皆が「対抗戦」に出場するのですから、しっかりと応援しないといけません。
そう、ティノは昨日の内に、アリスから「対抗戦」のメンバーを聞いていたのです。
「対抗戦」に出場したいかと問われれば、微妙なのですが。
やはり、仲間外れは嫌なのです。
そんなティノの心情を置き去りに、アリスは「聖語」で演出。
「見事、栄誉を勝ち取ったのは、この班よ!」
色とりどりの火花が散る中、「黒板」を叩くと、「邪聖班」の「聖語」が浮かび上がってきます。
ティノが次の「お題」を「決定」に決めたところで。
マルと双璧を成す、今日も元気な炎竜組のマスコット、エイミーが大爆発。
アリスに向かって大抗議です。
「意義~、異義~、異議いぎいギイぎイギ異義ありで~す! 皆のお姉ちゃんっ、エイミーが代表して異義っちゃうんだよ~っ!」
「はいはい。聞いてあげるから、早く言いなさい」
「ちょっ!? アリス先生~、あたしの扱いが雑~」
炎竜組の皆は。
これまでの成績から、「対抗戦」に出場するのは、エイミーの班か「邪聖班」のどちらかだと見当がついていました。
エイミーは噴火していますが、半分は本気で、もう半分は確認の為です。
「『邪聖班』は6人いるんだよ~! 5人の『エイミーと愉快な仲間たち』じゃ勝てないんだよ~!」
ベルゼイを始めとした「愉快な仲間たち」は慣れているので、エイミーが勝手に決めた班名に抗議したりなどしません。
ただ、エイミーと同じ疑問を抱いているので、明日、気持ち良く「邪聖班」を応援する為にも、後腐れがないようにアリスに払拭してもらいたいのです。
「『邪聖班』には悪いけれど、始めからティノの点数は加算しないことに決めていたわ。今回の試験は、点数に『幅』がでるように少しむずかし目に設定。そういうわけで、満点のティノを除外。ティノを除いた、炎竜組のトップはソニア。90点ね。二位はリフ。この二人で、最下位のメイリーンの『負債』を『清算』」
「アリス先生~、『負債』とか『清算』とか酷いっす~」
「黙らっしゃい! この、竜に踏まれて『ぺっちゃん娘』! 『お荷物』とか『マルっころの抜け毛』とか『ティノの弟』とか言わないだけ、感謝しなさい!」
「ごふっ……」
アリスの言葉で、メイリーンは撃沈。
ティノはマルの口からペンを抜き、「仔犬」をメイリーンの頭の上に乗せました。
ぽふっぽふっとメイリーンの頭を叩き、マルは彼女を慰めます。
「あとは、ナインとイゴね。二人が上位に食い込んだから、僅差で『邪聖班』が勝利したというわけね」
「そこぁ、まぁ、悪ぃな。同じ班ってことでよ、ティノに教えてもらう時間がぁ長かったかんな」
「うん、お陰で他のことに時間が使えたし、凄く助かったよ」
ナインとイゴがティノを見ると、自然とクラスの視線がティノに集まってきます。
「邪聖班」以外の炎竜組の皆も、薄々感づいていました。
自分たちとは違う、「何か」。
見えているもの、語るべき言葉の小さくはない隔たり。
ティノは、皆と同じ場所には立っていないのです。
見えない壁、或いは見えない階段の向こうに。
遠く、見上げる場所から、手を差し伸べてくれていたのです。
だからこそ、知りたい。
そんな皆の思いを代弁するかのように、ソニアはーーいつも通り、メイリーンに意地悪をしました。
「ん。最下位の『抜け毛』は補欠。ティノを五試合目の選手とすることに賛成の生徒、挙手」
ばっ、と教室中で手が上がりました。
九星巡り経過し、クラスの団結も中々のものです。
「うぅおぉ~、皆っ、酷っ! っていうか、アリス先生まで!?」
手を挙げていないのは、メイリーンとティノ、それからナインとイゴだけです。
「抜け毛」発言が気に入らなかったのか、マルはソニアの頭に飛び移って、ぺしぺし彼女の頭を叩いて報復。
あまり効果がなかったので、尻尾でソニアの首元をくすぐります。
「ワンっ、ワンっ、ワンっ、ワンっ」
「うひっ、うひっ、うひっ、うひっ、うひひっ」
「俺ぁ補欠でいーんだが」
「僕も、『家族』の使い道が戦いなのはちょっと……」
ナインが失言しましたが。
もう前日なので構わないでしょう。
教室内がまたざわつき始めたので、アリスは黙らせることにしました。
「はいはい。出場メンバーの順番を告知するから、静かにしなさい。黙らないと、ーー燃やすわよ?」
その瞬間。
炎竜組の生徒たちは、深海の底に沈んだかのように静かになりました。
そう、これは脅しではないのです。
一星巡り前、ティノが火だるまになりました。
その後、ベズに「治癒」を施され、ティノは普通に授業に参加していましたが。
命の危機。
そんな目に遭わされたい人間など存在しません。
「ティノを出場させるかどうかは、『対抗戦』までに決めるつもりだった。ベズと話し合った結果、時期尚早と判断した。というわけで、これは命令、決定事項よ。一試合目はイゴで、相手はファロ。二試合目はナインで、相手はギル。三試合目はソニアーー」
ここでアリスはいったん、言葉を切ります。
予想通り、リフが手を挙げ、尋ねてきます。
「アリス先生。ソニアが三試合目なのですか?」
「ええ、そうよ。地竜組の三試合目がフィフェスだから、取られた措置。観客を入れての『対抗戦』は初めてだから、同性対決にしておいたのよ。先ほども言った通り、これは命令、決定事項よ。ーー四試合目はリフ。相手はディズル。何か問題でもあって?」
「いえ、ありません。あるはずがありません。ありがとうございます」
もはやリフは。
自分が何を言っているのかもわかりません。
対戦相手は、ディズル・マホマール。
リフという人間を、すべてをぶつけられる相手。
死んでも敗けられない好敵手。
楽しみ過ぎて、顔が勝手に笑顔になってしまいます。
「リフ、『対抗戦』は明日よ。今から敵愾心を燃やすのはやめておきなさい」
「あの~、アリス先生~、あたし一応、女なんですけど~」
「五試合目はメイリーン。相手はクロウ。ーーメイリーン。対戦時、選手には『結界』を二つ張る。二つ目の『結界』は壊れないから、ーー全力で殺りなさい」
「うっす!」
メイリーンの戯言は無視。
炎竜が発破をかけると、強制的にメイリーンの魂に大炎が宿ります。
クロウは強くなりましたが。
それでも、「聖拳」のメイリーンと対戦するには、役不足ならぬ力不足。
こうでもしておかないと、五試合目がつまらなくなる。
いけません。
アリスは、頭に浮かんだ想念を燃やし尽くしました。
アリスは内心で溜め息。
このようなこと、教師が考えることではありません。
腑抜けた表情のティノ。
まだ一日ある。
アリスは催し物の最終確認を指示しながら、ティノの使い道について考えを巡らせるのでした。
ティノが「お題」をだしたので、マルはペンを銜え、「聖板」に「聖語」を刻みました。
三千周期生きているだけあって、ティノが知らない言葉が並んでゆきます。
「お題」は、「贅沢」。
冬から春へ、やっとこ一歩、踏みだしたところ。
アリスのーー炎竜の塒があるので、「セレステナ聖地」の冬は「下界」に比べれば厳しくありません。
「贅沢」を「お題」にしたのは、教室内がぽっかぽかだからです。
ベズが開発した、暖房器具ーー「聖暖房」。
上部に取りつけられた石板に「聖語」を刻むことで、半時ほど熱を放出するという優れ物。
「結界」が上達するまで、イオリだけが「暖房竜」だったティノからすれば、まさに天の国。
大量生産はできないとのことで、「聖域」には出回っていません。
「聖暖房」に「聖語」を刻むのは当番制で、今日はイゴが当番です。
得意不得意がなく、基本を着実に身につけたイゴは。
「聖暖房」の持続時間も、しっかりと平均を超えています。
寮では、「温水暖房」というか「炎竜暖房」になっていて、毎日アリスが魔石に息吹を吹きかけています。
原理が雑、というか手抜きですが、バレなければ問題ありません。
席替えはなかったので、今でもティノの席は左の最後尾。
次の「お題」は、「日常」。
夏から秋、秋から冬へ。
結局、あれから何もありませんでした。
いえ、何度か死にかけましたが、それもまたティノの「日常」。
「聖休」を過ごし、スグリは留守、アリスが爆発、学園に戻り、変わらないようで変わり続ける「日常」の始まり。
「敵」への怒りも、五星巡りは持続しません。
当然、「敵」と遭遇すれば燃え上がりますが、今は「日常」に埋没中。
ーー行屎送尿、坐作進退、事上磨錬。
もはや読み方もわかりません。
ただ、何となくですが、後ろの二つは、ティノを当て擦っているような感じが伝わってきます。
「日常」にも節目節目があって、今日はわりかし大きな節目があります。
教室内は熱気に包まれていますが、ティノは三つ目の「お題」を考えながら、マルを撫でました。
冬でもアリスの露出は変わりません。
真っ赤なコートの前を閉めれば暖かそうですが、アリスは炎竜なので、そもそも寒さなど屁でもありません。
学園生には外套が支給されましたが。
制服以上に派手だったので、ティノはなるべく着ないようにしています。
「さ~て、お待ちかねの発表よ! 泣いても笑っても、これで『対抗戦』に出場する班が決定するわ!」
教室内の熱気は最高潮。
それはもう熱々で、アリスもうはうはです。
反面。
ティノがなぜ、こんなにも冷めているかというと。
彼には関係のない行事だからです。
いえ、まったく関係がないわけではありません。
炎竜組の催し物もありますし、同じ班の仲間がーー「邪聖班」の皆が「対抗戦」に出場するのですから、しっかりと応援しないといけません。
そう、ティノは昨日の内に、アリスから「対抗戦」のメンバーを聞いていたのです。
「対抗戦」に出場したいかと問われれば、微妙なのですが。
やはり、仲間外れは嫌なのです。
そんなティノの心情を置き去りに、アリスは「聖語」で演出。
「見事、栄誉を勝ち取ったのは、この班よ!」
色とりどりの火花が散る中、「黒板」を叩くと、「邪聖班」の「聖語」が浮かび上がってきます。
ティノが次の「お題」を「決定」に決めたところで。
マルと双璧を成す、今日も元気な炎竜組のマスコット、エイミーが大爆発。
アリスに向かって大抗議です。
「意義~、異義~、異議いぎいギイぎイギ異義ありで~す! 皆のお姉ちゃんっ、エイミーが代表して異義っちゃうんだよ~っ!」
「はいはい。聞いてあげるから、早く言いなさい」
「ちょっ!? アリス先生~、あたしの扱いが雑~」
炎竜組の皆は。
これまでの成績から、「対抗戦」に出場するのは、エイミーの班か「邪聖班」のどちらかだと見当がついていました。
エイミーは噴火していますが、半分は本気で、もう半分は確認の為です。
「『邪聖班』は6人いるんだよ~! 5人の『エイミーと愉快な仲間たち』じゃ勝てないんだよ~!」
ベルゼイを始めとした「愉快な仲間たち」は慣れているので、エイミーが勝手に決めた班名に抗議したりなどしません。
ただ、エイミーと同じ疑問を抱いているので、明日、気持ち良く「邪聖班」を応援する為にも、後腐れがないようにアリスに払拭してもらいたいのです。
「『邪聖班』には悪いけれど、始めからティノの点数は加算しないことに決めていたわ。今回の試験は、点数に『幅』がでるように少しむずかし目に設定。そういうわけで、満点のティノを除外。ティノを除いた、炎竜組のトップはソニア。90点ね。二位はリフ。この二人で、最下位のメイリーンの『負債』を『清算』」
「アリス先生~、『負債』とか『清算』とか酷いっす~」
「黙らっしゃい! この、竜に踏まれて『ぺっちゃん娘』! 『お荷物』とか『マルっころの抜け毛』とか『ティノの弟』とか言わないだけ、感謝しなさい!」
「ごふっ……」
アリスの言葉で、メイリーンは撃沈。
ティノはマルの口からペンを抜き、「仔犬」をメイリーンの頭の上に乗せました。
ぽふっぽふっとメイリーンの頭を叩き、マルは彼女を慰めます。
「あとは、ナインとイゴね。二人が上位に食い込んだから、僅差で『邪聖班』が勝利したというわけね」
「そこぁ、まぁ、悪ぃな。同じ班ってことでよ、ティノに教えてもらう時間がぁ長かったかんな」
「うん、お陰で他のことに時間が使えたし、凄く助かったよ」
ナインとイゴがティノを見ると、自然とクラスの視線がティノに集まってきます。
「邪聖班」以外の炎竜組の皆も、薄々感づいていました。
自分たちとは違う、「何か」。
見えているもの、語るべき言葉の小さくはない隔たり。
ティノは、皆と同じ場所には立っていないのです。
見えない壁、或いは見えない階段の向こうに。
遠く、見上げる場所から、手を差し伸べてくれていたのです。
だからこそ、知りたい。
そんな皆の思いを代弁するかのように、ソニアはーーいつも通り、メイリーンに意地悪をしました。
「ん。最下位の『抜け毛』は補欠。ティノを五試合目の選手とすることに賛成の生徒、挙手」
ばっ、と教室中で手が上がりました。
九星巡り経過し、クラスの団結も中々のものです。
「うぅおぉ~、皆っ、酷っ! っていうか、アリス先生まで!?」
手を挙げていないのは、メイリーンとティノ、それからナインとイゴだけです。
「抜け毛」発言が気に入らなかったのか、マルはソニアの頭に飛び移って、ぺしぺし彼女の頭を叩いて報復。
あまり効果がなかったので、尻尾でソニアの首元をくすぐります。
「ワンっ、ワンっ、ワンっ、ワンっ」
「うひっ、うひっ、うひっ、うひっ、うひひっ」
「俺ぁ補欠でいーんだが」
「僕も、『家族』の使い道が戦いなのはちょっと……」
ナインが失言しましたが。
もう前日なので構わないでしょう。
教室内がまたざわつき始めたので、アリスは黙らせることにしました。
「はいはい。出場メンバーの順番を告知するから、静かにしなさい。黙らないと、ーー燃やすわよ?」
その瞬間。
炎竜組の生徒たちは、深海の底に沈んだかのように静かになりました。
そう、これは脅しではないのです。
一星巡り前、ティノが火だるまになりました。
その後、ベズに「治癒」を施され、ティノは普通に授業に参加していましたが。
命の危機。
そんな目に遭わされたい人間など存在しません。
「ティノを出場させるかどうかは、『対抗戦』までに決めるつもりだった。ベズと話し合った結果、時期尚早と判断した。というわけで、これは命令、決定事項よ。一試合目はイゴで、相手はファロ。二試合目はナインで、相手はギル。三試合目はソニアーー」
ここでアリスはいったん、言葉を切ります。
予想通り、リフが手を挙げ、尋ねてきます。
「アリス先生。ソニアが三試合目なのですか?」
「ええ、そうよ。地竜組の三試合目がフィフェスだから、取られた措置。観客を入れての『対抗戦』は初めてだから、同性対決にしておいたのよ。先ほども言った通り、これは命令、決定事項よ。ーー四試合目はリフ。相手はディズル。何か問題でもあって?」
「いえ、ありません。あるはずがありません。ありがとうございます」
もはやリフは。
自分が何を言っているのかもわかりません。
対戦相手は、ディズル・マホマール。
リフという人間を、すべてをぶつけられる相手。
死んでも敗けられない好敵手。
楽しみ過ぎて、顔が勝手に笑顔になってしまいます。
「リフ、『対抗戦』は明日よ。今から敵愾心を燃やすのはやめておきなさい」
「あの~、アリス先生~、あたし一応、女なんですけど~」
「五試合目はメイリーン。相手はクロウ。ーーメイリーン。対戦時、選手には『結界』を二つ張る。二つ目の『結界』は壊れないから、ーー全力で殺りなさい」
「うっす!」
メイリーンの戯言は無視。
炎竜が発破をかけると、強制的にメイリーンの魂に大炎が宿ります。
クロウは強くなりましたが。
それでも、「聖拳」のメイリーンと対戦するには、役不足ならぬ力不足。
こうでもしておかないと、五試合目がつまらなくなる。
いけません。
アリスは、頭に浮かんだ想念を燃やし尽くしました。
アリスは内心で溜め息。
このようなこと、教師が考えることではありません。
腑抜けた表情のティノ。
まだ一日ある。
アリスは催し物の最終確認を指示しながら、ティノの使い道について考えを巡らせるのでした。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる