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第1章 苦悩の始まり
1-5 リュシアンとの出会い
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朝焼けの空がようやく顔を覗かせ始めた頃、エリーナは既に屋敷の裏手で薪を割っていた。父親に命令され、最近は朝4時から労働を始めるようになっていた。
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
疲れた息を吐きながら、エリーナは斧を振り上げる。その動作に合わせて、微かな魔力が斧に宿り、以前よりも効率的に薪を割ることができるようになっていた。
冷たい朝露が彼女の素足を濡らし、薄い服は体を震わせる冷気を防ぐには不十分だった。
それでも、エリーナは黙々と作業を続けた。不平を漏らせば、更に厳しい仕事が待っているのを知っていたからだ。
「お姉様!」
突然の叫び声に、エリーナは飛び上がった。
振り返ると、そこには華やかな寝間着を身にまとい、見下すような表情をしたアリスが立っていた。
「何をぐずぐずしているの?早く朝食の準備をして!」
「う、うん。今行くわ⋯⋯」
慌てて斧を置き、屋敷に向かって走り出そうとしたとき、アリスの冷たい声が聞こえた。
「ちょっと待って。薪、まだ全部割れてないじゃない」
アリスが意地悪い笑みを浮かべ、ニヤニヤと言った。
「全部片付けてから来てよ」
「でも、朝食の準備が⋯」
「言い訳は聞きたくないわ」
そう言い残し、アリスは鼻歌でも歌うような軽やかな足取りで立ち去って行った。
その後ろ姿を見送りながら、絶望的な気分で薪の山を見つめた。
全てを片付けていたら、朝食の準備に間に合わない。かといって、薪を放置したままでは、また叱責を受けることになる。
(どうすれば⋯⋯)
そのとき、エリーナの目に、森の中へと続く小道が映った。普段なら決して近づかない場所だ。しかし、今の彼女には他に選択肢がないように感じた。
(そうだ⋯⋯あの森なら)
エリーナは一瞬躊躇したが、すぐに決心した。彼女は急いで残りの薪を抱え、森へと駆け込んだ。
森の中は薄暗く、朝靄がかかっていた。木々の葉が朝露を含み、時折冷たい雫が彼女の頬を濡らす。エリーナは小道を外れ、適当な場所に薪を隠した。
「これで⋯⋯」
ほっと安堵の息つき、エリーナは屋敷に戻ろうとした。
「あれ⋯⋯?」
周りを見回しても、来た道が分からない。木々が朝靄に包まれ、全てが同じように見える。恐怖が彼女の心を締め付けた。
「ど、どうしよう⋯⋯」
エリーナは焦り始めた。時間がない。早く戻らなければ。
必死に道を探しながら歩いていると、突然、足元がふわりと沈んだ。
「きゃっ!」
エリーナの悲鳴が森に響き渡る。彼女は穴に落ちてしまったのだ。
「いた⋯⋯痛い⋯⋯」
立ち上がろうとするが、足首に鋭い痛みが走る。どうやら捻挫してしまったようだ。周りを見回すと、穴は思ったより深く、簡単には這い上がれそうにない。
「誰か⋯⋯誰か助けて!」
エリーナは必死に叫んだ。しかし、返事はない。ただ木々のざわめきだけが聞こえる。彼女の声は森の中に吸い込まれ、誰にも届かない。
(どうしよう⋯⋯このまま見つからなかったら⋯⋯)
不安と恐怖で胸が締め付けられる。エリーナは震える手で、小さな光の玉を作り出した。その微かな光が、暗い穴の中を照らす。
時間が過ぎていく。エリーナの体は冷え切り、空腹と疲労で意識が朦朧としてきた。彼女は何度も立ち上がろうとしたが、その度に足首の痛みで倒れてしまう。
「お父様⋯⋯お母様⋯⋯」
小さな声で呟く。しかし、すぐに苦笑いを浮かべた。両親が彼女を探しに来てくれるなんて、考えるだけ無駄だった。
(そうだ⋯⋯誰も私を探しに来ないんだ)
エリーナは目を閉じた。諦めかけた瞬間、彼女の中で何かが目覚めた。
(そうだ⋯⋯私には魔法がある)
彼女は必死に集中した。手のひらに光の玉を作り、それを大きくしていく。光は徐々に強くなり、穴全体を明るく照らし出した。
エリーナは光の中で立ち上がった。足首の痛みはまだあったが、魔力を使って少し和らげることができた。
「よし⋯⋯」
彼女は深呼吸をし、穴の壁に手をかけた。魔力を使って体を軽くし、少しずつ上へと這い上がっていく。
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
息を切らしながらも、エリーナは諦めなかった。何度も滑り落ちそうになったが、その度に魔力を使って体を支える。少しずつ、しかし確実に、彼女は上へと進んでいった。
しかし、穴の出口まであと少しというところで、エリーナの力が尽きた。魔力を使い果たし、体も限界を迎えていた。
「だめ⋯⋯もう⋯⋯」
彼女の手が壁から離れ、再び穴の底へと落ちていく。
その瞬間、
「つかまれ!」
突然の声と共に、一本の手が差し伸べられた。エリーナは咄嗟にその手を掴んだ。
強い力で引き上げられ、エリーナは地上に這い出した。疲労のあまり、その場に倒れ込む。
「大丈夫か?」
優しい声に、エリーナはゆっくりと顔を上げた。そこには、一人の若い男性が立っていた。
黒髪に鋭い金色の瞳。背が高く、筋肉質な体つき。騎士のような雰囲気を漂わせている。
「あ、ありがとうございます」
エリーナは心から感謝を示すように深々と頭を下げた。
「気にするな。俺はリュシアン。君は?」
「エ、エリーナ・レイヴンと申します」
リュシアンの目が驚きに少し大きくなった。
「レイヴン? あの貴族の⋯⋯」
「はい⋯⋯」
リュシアンは何か言いかけたが、すぐに表情を和らげた。
「怪我の具合は? 歩けるか?」
エリーナは恐る恐る立ち上がろうとしたが、足首に痛みが走る。
「いたっ⋯⋯」
「無理をするな。俺が送っていこう」
「で、でも⋯⋯」
エリーナは躊躇した。見知らぬ人について行くのは危険だ。しかし、このまま森に取り残されるよりはマシかもしれない。
リュシアンは彼女の躊躇を察したようだ。
「心配するな。俺は王国騎士団の者だ。危害を加えるつもりはない」
その言葉を完全には信用できたわけではないが、長い間、気を張っていたエリーナは彼に任せてみることにした。
リュシアンは彼女を優しく抱き上げ、森を抜けていく。その腕の中で、エリーナは今世で得られなかった確かな暖かさを感じていた。
「そういえば、なぜこんな朝早くから森にいたんだ?」
エリーナは躊躇した。真実を話すべきか⋯⋯。
「実は⋯⋯」
彼女は意を決して、これまでの出来事を話し始めた。もう一人で抱え込むには心が限界で誰でもいいから話してしまいたかった。
今までの家での扱い、魔法の才能が発覚してからの家族の冷遇、厳しい仕事、そして今朝の出来事。
リュシアンは黙って聞いていたが、その目には怒りの色が浮かんでいた。
「そんな⋯⋯家族なのに、どうしてそんな⋯⋯」
エリーナは悲しそうに微笑んだ。
「私がダメな子だから⋯⋯」
「違う」
リュシアンの声は強く、確信に満ちていた。
「君には素晴らしい才能がある。それを活かさないのは、もったいない」
エリーナは驚いて彼を見上げた。今まで誰一人、彼女の才能を認めてくれる人はいなかった。
「本当に⋯⋯そう思いますか?」
「ああ」
リュシアンはしっかりと頷いた。
「俺に少し魔法を見せてくれないか?」
エリーナは躊躇したが、小さく頷いた。彼女は手のひらを開いて小さな光の玉を作り出すと、彼の体の周りをくるりと一周させた。
リュシアンの目が輝いた。
「素晴らしい⋯⋯これだけの制御力があるなんて」
その言葉に、褒められたことのないエリーナは頬を熱くさせた。
やがて、二人は森の端に到着した。遠くに屋敷が見える。
リュシアンは丁寧にエリーナを地面に降ろした。
「ありがとうございました」
エリーナは、はにかむような笑顔を浮かべて深々と頭を下げた。
リュシアンは少し考え込むような表情をした後、決意に満ちた目でエリーナを見つめた。
「エリーナ」
「はい?」
「明日からここに来れないか? 俺が魔法の基礎を教えてやる」
エリーナは驚きに目を丸くした。
「え⋯⋯? 私に⋯⋯魔法を教えてくれるのですか?」
「ああ。ある程度の魔法の使い方なら俺でも教えることができる。そして⋯⋯」
彼は一瞬躊躇したが、すぐに続けた。
「いつか、君を魔法学院に入学させてみせる」
エリーナは息を呑んだ。魔法学院。彼女の夢だった場所。
「でも⋯⋯私には無理です。父は⋯⋯」
「大丈夫だ。俺が必ず道を開く。君の才能を無駄にはさせない」
エリーナの目に涙が浮かんだ。初めて、誰かが彼女の味方になってくれた。
「リュシアンさん⋯⋯」
「どうだ? 受けてくれるか?」
エリーナは一瞬躊躇したが、すぐに決意を固めた。
「はい! お願いします!」
リュシアンは満足げに頷いた。
「よし、決まりだ。明日の夜、この森で会おう」
エリーナは嬉しそうに頷いた。
リュシアンが去った後、エリーナは屋敷を見つめた。厳しい叱責と罰が待っているだろう。しかし、彼女の心は希望に満ちていた。
(これで⋯⋯私にも未来が⋯⋯)
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
疲れた息を吐きながら、エリーナは斧を振り上げる。その動作に合わせて、微かな魔力が斧に宿り、以前よりも効率的に薪を割ることができるようになっていた。
冷たい朝露が彼女の素足を濡らし、薄い服は体を震わせる冷気を防ぐには不十分だった。
それでも、エリーナは黙々と作業を続けた。不平を漏らせば、更に厳しい仕事が待っているのを知っていたからだ。
「お姉様!」
突然の叫び声に、エリーナは飛び上がった。
振り返ると、そこには華やかな寝間着を身にまとい、見下すような表情をしたアリスが立っていた。
「何をぐずぐずしているの?早く朝食の準備をして!」
「う、うん。今行くわ⋯⋯」
慌てて斧を置き、屋敷に向かって走り出そうとしたとき、アリスの冷たい声が聞こえた。
「ちょっと待って。薪、まだ全部割れてないじゃない」
アリスが意地悪い笑みを浮かべ、ニヤニヤと言った。
「全部片付けてから来てよ」
「でも、朝食の準備が⋯」
「言い訳は聞きたくないわ」
そう言い残し、アリスは鼻歌でも歌うような軽やかな足取りで立ち去って行った。
その後ろ姿を見送りながら、絶望的な気分で薪の山を見つめた。
全てを片付けていたら、朝食の準備に間に合わない。かといって、薪を放置したままでは、また叱責を受けることになる。
(どうすれば⋯⋯)
そのとき、エリーナの目に、森の中へと続く小道が映った。普段なら決して近づかない場所だ。しかし、今の彼女には他に選択肢がないように感じた。
(そうだ⋯⋯あの森なら)
エリーナは一瞬躊躇したが、すぐに決心した。彼女は急いで残りの薪を抱え、森へと駆け込んだ。
森の中は薄暗く、朝靄がかかっていた。木々の葉が朝露を含み、時折冷たい雫が彼女の頬を濡らす。エリーナは小道を外れ、適当な場所に薪を隠した。
「これで⋯⋯」
ほっと安堵の息つき、エリーナは屋敷に戻ろうとした。
「あれ⋯⋯?」
周りを見回しても、来た道が分からない。木々が朝靄に包まれ、全てが同じように見える。恐怖が彼女の心を締め付けた。
「ど、どうしよう⋯⋯」
エリーナは焦り始めた。時間がない。早く戻らなければ。
必死に道を探しながら歩いていると、突然、足元がふわりと沈んだ。
「きゃっ!」
エリーナの悲鳴が森に響き渡る。彼女は穴に落ちてしまったのだ。
「いた⋯⋯痛い⋯⋯」
立ち上がろうとするが、足首に鋭い痛みが走る。どうやら捻挫してしまったようだ。周りを見回すと、穴は思ったより深く、簡単には這い上がれそうにない。
「誰か⋯⋯誰か助けて!」
エリーナは必死に叫んだ。しかし、返事はない。ただ木々のざわめきだけが聞こえる。彼女の声は森の中に吸い込まれ、誰にも届かない。
(どうしよう⋯⋯このまま見つからなかったら⋯⋯)
不安と恐怖で胸が締め付けられる。エリーナは震える手で、小さな光の玉を作り出した。その微かな光が、暗い穴の中を照らす。
時間が過ぎていく。エリーナの体は冷え切り、空腹と疲労で意識が朦朧としてきた。彼女は何度も立ち上がろうとしたが、その度に足首の痛みで倒れてしまう。
「お父様⋯⋯お母様⋯⋯」
小さな声で呟く。しかし、すぐに苦笑いを浮かべた。両親が彼女を探しに来てくれるなんて、考えるだけ無駄だった。
(そうだ⋯⋯誰も私を探しに来ないんだ)
エリーナは目を閉じた。諦めかけた瞬間、彼女の中で何かが目覚めた。
(そうだ⋯⋯私には魔法がある)
彼女は必死に集中した。手のひらに光の玉を作り、それを大きくしていく。光は徐々に強くなり、穴全体を明るく照らし出した。
エリーナは光の中で立ち上がった。足首の痛みはまだあったが、魔力を使って少し和らげることができた。
「よし⋯⋯」
彼女は深呼吸をし、穴の壁に手をかけた。魔力を使って体を軽くし、少しずつ上へと這い上がっていく。
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
息を切らしながらも、エリーナは諦めなかった。何度も滑り落ちそうになったが、その度に魔力を使って体を支える。少しずつ、しかし確実に、彼女は上へと進んでいった。
しかし、穴の出口まであと少しというところで、エリーナの力が尽きた。魔力を使い果たし、体も限界を迎えていた。
「だめ⋯⋯もう⋯⋯」
彼女の手が壁から離れ、再び穴の底へと落ちていく。
その瞬間、
「つかまれ!」
突然の声と共に、一本の手が差し伸べられた。エリーナは咄嗟にその手を掴んだ。
強い力で引き上げられ、エリーナは地上に這い出した。疲労のあまり、その場に倒れ込む。
「大丈夫か?」
優しい声に、エリーナはゆっくりと顔を上げた。そこには、一人の若い男性が立っていた。
黒髪に鋭い金色の瞳。背が高く、筋肉質な体つき。騎士のような雰囲気を漂わせている。
「あ、ありがとうございます」
エリーナは心から感謝を示すように深々と頭を下げた。
「気にするな。俺はリュシアン。君は?」
「エ、エリーナ・レイヴンと申します」
リュシアンの目が驚きに少し大きくなった。
「レイヴン? あの貴族の⋯⋯」
「はい⋯⋯」
リュシアンは何か言いかけたが、すぐに表情を和らげた。
「怪我の具合は? 歩けるか?」
エリーナは恐る恐る立ち上がろうとしたが、足首に痛みが走る。
「いたっ⋯⋯」
「無理をするな。俺が送っていこう」
「で、でも⋯⋯」
エリーナは躊躇した。見知らぬ人について行くのは危険だ。しかし、このまま森に取り残されるよりはマシかもしれない。
リュシアンは彼女の躊躇を察したようだ。
「心配するな。俺は王国騎士団の者だ。危害を加えるつもりはない」
その言葉を完全には信用できたわけではないが、長い間、気を張っていたエリーナは彼に任せてみることにした。
リュシアンは彼女を優しく抱き上げ、森を抜けていく。その腕の中で、エリーナは今世で得られなかった確かな暖かさを感じていた。
「そういえば、なぜこんな朝早くから森にいたんだ?」
エリーナは躊躇した。真実を話すべきか⋯⋯。
「実は⋯⋯」
彼女は意を決して、これまでの出来事を話し始めた。もう一人で抱え込むには心が限界で誰でもいいから話してしまいたかった。
今までの家での扱い、魔法の才能が発覚してからの家族の冷遇、厳しい仕事、そして今朝の出来事。
リュシアンは黙って聞いていたが、その目には怒りの色が浮かんでいた。
「そんな⋯⋯家族なのに、どうしてそんな⋯⋯」
エリーナは悲しそうに微笑んだ。
「私がダメな子だから⋯⋯」
「違う」
リュシアンの声は強く、確信に満ちていた。
「君には素晴らしい才能がある。それを活かさないのは、もったいない」
エリーナは驚いて彼を見上げた。今まで誰一人、彼女の才能を認めてくれる人はいなかった。
「本当に⋯⋯そう思いますか?」
「ああ」
リュシアンはしっかりと頷いた。
「俺に少し魔法を見せてくれないか?」
エリーナは躊躇したが、小さく頷いた。彼女は手のひらを開いて小さな光の玉を作り出すと、彼の体の周りをくるりと一周させた。
リュシアンの目が輝いた。
「素晴らしい⋯⋯これだけの制御力があるなんて」
その言葉に、褒められたことのないエリーナは頬を熱くさせた。
やがて、二人は森の端に到着した。遠くに屋敷が見える。
リュシアンは丁寧にエリーナを地面に降ろした。
「ありがとうございました」
エリーナは、はにかむような笑顔を浮かべて深々と頭を下げた。
リュシアンは少し考え込むような表情をした後、決意に満ちた目でエリーナを見つめた。
「エリーナ」
「はい?」
「明日からここに来れないか? 俺が魔法の基礎を教えてやる」
エリーナは驚きに目を丸くした。
「え⋯⋯? 私に⋯⋯魔法を教えてくれるのですか?」
「ああ。ある程度の魔法の使い方なら俺でも教えることができる。そして⋯⋯」
彼は一瞬躊躇したが、すぐに続けた。
「いつか、君を魔法学院に入学させてみせる」
エリーナは息を呑んだ。魔法学院。彼女の夢だった場所。
「でも⋯⋯私には無理です。父は⋯⋯」
「大丈夫だ。俺が必ず道を開く。君の才能を無駄にはさせない」
エリーナの目に涙が浮かんだ。初めて、誰かが彼女の味方になってくれた。
「リュシアンさん⋯⋯」
「どうだ? 受けてくれるか?」
エリーナは一瞬躊躇したが、すぐに決意を固めた。
「はい! お願いします!」
リュシアンは満足げに頷いた。
「よし、決まりだ。明日の夜、この森で会おう」
エリーナは嬉しそうに頷いた。
リュシアンが去った後、エリーナは屋敷を見つめた。厳しい叱責と罰が待っているだろう。しかし、彼女の心は希望に満ちていた。
(これで⋯⋯私にも未来が⋯⋯)
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