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6.本質って言われても
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それから、ユアン王子が忙しいとき以外は二人でランチを取ることが増えて行った。
まぁ、正直なところ、相変わらず会話はほぼない。けれど、日に日にお互いの空気感が和らいでいくような気がする……。
いや、気のせいかもしれないけれど、そう前向きに考えていたい。
そんなことを言うと、またリリーさんが信じられないものでも見るかのような目で固まるので、そちらの反応も楽しんでいたりする。
彼女の反応は面白いので、ランチが終わると出来事を話すことが日課になりつつあった。
「今日はランチの時にユアン王子と天気の話をしました。ユアン王子は晴れ男だそうで、公務で出かけるときはたいてい晴れるのだそうですよ」
そうリリーに伝える。すると、目を丸くした。
「王子様と天気の話を……!? 王子様が質問に答えてくださったのですか?」
「はい」
「王子様が……、どうでもいい何気ない会話をなさるなんて……」
またもや驚きで絶句するリリーさん。
(あぁ、本当にこの人は面白いわ。良い友達になれそう)
こっそりフフっと笑う。私はこうしたリリーさんの反応が楽しかった。いつも丁寧で、敬う姿勢を見せているのに、この時だけはユアン王子に失礼な態度になっていることに気が付いていない。
まぁ、別に誰に言うわけでもないし、別にいいけれど。
それに、なんだかお屋敷で使用人をしていた時に、みんなで噂話をしていた時のようで楽しかった。
(私も旦那様やお嬢様の意外な話にいつも花を咲かせていたなぁ。ばれたら叱責されるから、使用人の間だけでとどまる噂話だったけど、それが一つの息抜きでもあったわ)
だからこそ、リリーさんの気持ちがよくわかる。
きっと休憩時間などで、他の使用人らと王子の噂話をしているのだろう。
(悪い話はしていないから別にいいわよね)
冷徹の王子といわれるユアン王子の意外な一面を、私だけでなくいろんな人に知ってもらいたいと思っていた。
もちろん、まだランチタイムは緊張するし、ユアン王子にあの視線を向けられると怖さを感じる。冷たい口調や態度には胸がずきずきと痛くなり、嫌だな早く終わらないかなと思う時もある。
でも、そうした中でのほんの一瞬にみせるユアン王子の表情や口調の違いや、目が柔らかくなる瞬間などが見逃せない。
私自身が、そのほんの少しの違いを見つけることで、ユアン王子の印象を少しでも良くしようと思っているのかもしれなかった。
「ユアン様は悪い方ではないのですよ」
いつもの様にランチをするため、テラスに向かう時。迎えに来たコーラン様が目を垂らして苦笑した。
「そう……思いたいですし、思うようにしています」
「なら、よかった。ユアン様は使用人たちには態度は悪いですけどね。でもそれには、何か理由があるのかもしれませんし」
「理由……ですか」
(理由って何? あの態度には理由があるの? あったとしても、していいことではないと思うけど……)
ふむと考えるが、コーラン様は何も言わない。
コーラン様はユアン王子の側近だ。他の人が知らない顔も見ているのだろう。
「ユアン王子は、本来どんなお方なのですか?」
「それは……。私の口から申し上げるのは止めておきます。ジュアナ様が少しずつ知っていけばよろしいかと」
曖昧にはぐらかされてしまった。
(そんなこと言ったって……。知りたいけれど、ほぼ会話のない30分程度のランチタイムで知っていくには限度があるわ。こんなんで結婚してもやっていけるのかしら)
内心ため息をついた。
――――
「ユアン王子。一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
いつものテラスで、ユアン王子と向き合う。
この日のランチは美味しいリゾットとサラダを食べていた。またマナーなど気にせず、スプーンとフォークだけで気軽に食べられるメニューとなっている。王子とランチの日は、必ずそうしたメニューだ。
私の声掛けに、ユアン王子はあの冷たい目のままちらりと視線だけをよこした。
(この冷たい目にも少し慣れてきた気がする)
視線は冷たく怖いが、ユアン王子は質問にはちゃんと答えてくれる。そこに彼の温かさを見出した気がした。
目線だけで促されたので、ひるまずに聞いてみることにした。
「あの……、どうしていつもこんな風に食べやすいランチなのでしょうか?」
「……嫌か?」
低い声でぶっきらぼうに応える。
面白くなさそうなその声色に、私の方が焦った。機嫌を損ねてしまったか? 別に文句を言っているわけではない。
「いえ、とても食べやすくて嬉しいのです! その……、私は堅苦しい感じの食事は苦手なので……」
朝食や夕食の時、一人になって完璧なマナーを練習中だがやはり慣れないためか疲れてしまう。こうした食事スタイルの方が、使用人だった私には気楽なのだ。
「俺も堅苦しい感じは嫌いだ。ただでさえ時間がないのに、マナーを気にしてゆっくり食べている暇はない」
「時間……。あ……、そうですよね……」
ユアン王子のセリフが胸に刺さった。
(そうか、時間か……)
てっきり、友好的になるためにこうして気軽なランチにしてくれているのだとばかり思っていた。しかし、実際は違ったんだ。
ユアン王子は忙しい。その合間を縫って、こうして私との時間を作ってくれている。けれど、その時間すら少しでも短縮したいと思うのは当然だ。
(ほんの少し王子の思いやりを感じていたけれど、私の思い上がりだったみたいね。恥ずかしい……)
自分の考えを恥じた。
(私のためではなかったんだ……)
ユアン王子は多忙で時間がないのだ。こんな風に無駄話するのも失礼なのかもしれない。元々会話は少なかったが、やはりあまり話しかけない方が良いのだろう。
もしかしたら、このランチも誰かに言われて嫌々行っているのかもしれなかった。
ユアン王子が私のことを考えてくれただなんて、図々しいにもほどがあったのだ。
そう思っていると、ユアン王子がため息をついた。
あぁ、どうしてだろう。今の私にはそのため息が胸に痛い。思わず俯いてしまった。
すると、横から小さな笑い声がした。
顔を上げると、コーラン様が立っていた。
「ジュアナ様、気にしなくていいですよ。ユアン様はジュアナ様との時間をどうこう思っているわけではありませんから」
「コーラン!」
突然現れたコーラン様に、ユアン王子が厳しい目を向ける。
「ユアン様はただジュアナ様とゆっくり過ごしたいだけなんですよ。ねぇ?」
「いい加減にしろ、コーラン」
ユアン王子の不機嫌な低い声に私はハッとするが、当のコーラン様は慣れているのかどこ吹く風だ。
(どう見ても、私とゆっくり過ごしたいわけではなさそうだけど……)
それくらいに、ユアン王子はコーラン様の言葉を嫌がっているように見えた。
「コーラン、何しに来た」
「あぁ、そうでした。今朝の朝議で話した北側諸国の不穏な動きについて、今しがた報告が入りました。ご確認お願いできますか?」
「急ぎか?」
「急ぎ以外で、お二人のお邪魔は致しません」
含むいい方に、ユアン王子は小さく舌打ちをする。
「悪いが、今日はここまでだ」
「はい」
ユアン王子はそう言うと、コーラン様と共にその場を離れて行った。
一人残された私は、深いため息をこぼす。
「そんなに嫌かしら……。私との時間は……」
だったらランチなど、設けなければいいのに。
そう思うが、それは口には出せない。ユアン王子も婚約者との交流時間は仕事の一つなのだろう。どう考えても、コーラン様の言うような、ゆっくりした時間が過ごせているとは思えない。
私はそのままボーっと庭を眺めた。
夢にまで見たシンデレラストーリー。でも、それは理想とは違う。
ジュアナとして振舞い、エルマの自分が出ないよう気を配る。ジュアナではないことがバレたらきっと処刑だ。常に恐怖が付きまとう。
それに加えて、婚約者は冷たい態度。温かさを見出すときもあったし、それが楽しみだけれど、やはり緊張の方が大きいし落胆もある。
リリーさんは楽しいけれど、使用人と王子の婚約者という線引きは外れない。
(お屋敷にいた時も辛かったけれど、ここはまた別の辛さがあるわね……)
本当の自分を取り戻せる日は来るのだろうか。
いや、取り戻した瞬間、私は死を目の前にするのだろう。
まぁ、正直なところ、相変わらず会話はほぼない。けれど、日に日にお互いの空気感が和らいでいくような気がする……。
いや、気のせいかもしれないけれど、そう前向きに考えていたい。
そんなことを言うと、またリリーさんが信じられないものでも見るかのような目で固まるので、そちらの反応も楽しんでいたりする。
彼女の反応は面白いので、ランチが終わると出来事を話すことが日課になりつつあった。
「今日はランチの時にユアン王子と天気の話をしました。ユアン王子は晴れ男だそうで、公務で出かけるときはたいてい晴れるのだそうですよ」
そうリリーに伝える。すると、目を丸くした。
「王子様と天気の話を……!? 王子様が質問に答えてくださったのですか?」
「はい」
「王子様が……、どうでもいい何気ない会話をなさるなんて……」
またもや驚きで絶句するリリーさん。
(あぁ、本当にこの人は面白いわ。良い友達になれそう)
こっそりフフっと笑う。私はこうしたリリーさんの反応が楽しかった。いつも丁寧で、敬う姿勢を見せているのに、この時だけはユアン王子に失礼な態度になっていることに気が付いていない。
まぁ、別に誰に言うわけでもないし、別にいいけれど。
それに、なんだかお屋敷で使用人をしていた時に、みんなで噂話をしていた時のようで楽しかった。
(私も旦那様やお嬢様の意外な話にいつも花を咲かせていたなぁ。ばれたら叱責されるから、使用人の間だけでとどまる噂話だったけど、それが一つの息抜きでもあったわ)
だからこそ、リリーさんの気持ちがよくわかる。
きっと休憩時間などで、他の使用人らと王子の噂話をしているのだろう。
(悪い話はしていないから別にいいわよね)
冷徹の王子といわれるユアン王子の意外な一面を、私だけでなくいろんな人に知ってもらいたいと思っていた。
もちろん、まだランチタイムは緊張するし、ユアン王子にあの視線を向けられると怖さを感じる。冷たい口調や態度には胸がずきずきと痛くなり、嫌だな早く終わらないかなと思う時もある。
でも、そうした中でのほんの一瞬にみせるユアン王子の表情や口調の違いや、目が柔らかくなる瞬間などが見逃せない。
私自身が、そのほんの少しの違いを見つけることで、ユアン王子の印象を少しでも良くしようと思っているのかもしれなかった。
「ユアン様は悪い方ではないのですよ」
いつもの様にランチをするため、テラスに向かう時。迎えに来たコーラン様が目を垂らして苦笑した。
「そう……思いたいですし、思うようにしています」
「なら、よかった。ユアン様は使用人たちには態度は悪いですけどね。でもそれには、何か理由があるのかもしれませんし」
「理由……ですか」
(理由って何? あの態度には理由があるの? あったとしても、していいことではないと思うけど……)
ふむと考えるが、コーラン様は何も言わない。
コーラン様はユアン王子の側近だ。他の人が知らない顔も見ているのだろう。
「ユアン王子は、本来どんなお方なのですか?」
「それは……。私の口から申し上げるのは止めておきます。ジュアナ様が少しずつ知っていけばよろしいかと」
曖昧にはぐらかされてしまった。
(そんなこと言ったって……。知りたいけれど、ほぼ会話のない30分程度のランチタイムで知っていくには限度があるわ。こんなんで結婚してもやっていけるのかしら)
内心ため息をついた。
――――
「ユアン王子。一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
いつものテラスで、ユアン王子と向き合う。
この日のランチは美味しいリゾットとサラダを食べていた。またマナーなど気にせず、スプーンとフォークだけで気軽に食べられるメニューとなっている。王子とランチの日は、必ずそうしたメニューだ。
私の声掛けに、ユアン王子はあの冷たい目のままちらりと視線だけをよこした。
(この冷たい目にも少し慣れてきた気がする)
視線は冷たく怖いが、ユアン王子は質問にはちゃんと答えてくれる。そこに彼の温かさを見出した気がした。
目線だけで促されたので、ひるまずに聞いてみることにした。
「あの……、どうしていつもこんな風に食べやすいランチなのでしょうか?」
「……嫌か?」
低い声でぶっきらぼうに応える。
面白くなさそうなその声色に、私の方が焦った。機嫌を損ねてしまったか? 別に文句を言っているわけではない。
「いえ、とても食べやすくて嬉しいのです! その……、私は堅苦しい感じの食事は苦手なので……」
朝食や夕食の時、一人になって完璧なマナーを練習中だがやはり慣れないためか疲れてしまう。こうした食事スタイルの方が、使用人だった私には気楽なのだ。
「俺も堅苦しい感じは嫌いだ。ただでさえ時間がないのに、マナーを気にしてゆっくり食べている暇はない」
「時間……。あ……、そうですよね……」
ユアン王子のセリフが胸に刺さった。
(そうか、時間か……)
てっきり、友好的になるためにこうして気軽なランチにしてくれているのだとばかり思っていた。しかし、実際は違ったんだ。
ユアン王子は忙しい。その合間を縫って、こうして私との時間を作ってくれている。けれど、その時間すら少しでも短縮したいと思うのは当然だ。
(ほんの少し王子の思いやりを感じていたけれど、私の思い上がりだったみたいね。恥ずかしい……)
自分の考えを恥じた。
(私のためではなかったんだ……)
ユアン王子は多忙で時間がないのだ。こんな風に無駄話するのも失礼なのかもしれない。元々会話は少なかったが、やはりあまり話しかけない方が良いのだろう。
もしかしたら、このランチも誰かに言われて嫌々行っているのかもしれなかった。
ユアン王子が私のことを考えてくれただなんて、図々しいにもほどがあったのだ。
そう思っていると、ユアン王子がため息をついた。
あぁ、どうしてだろう。今の私にはそのため息が胸に痛い。思わず俯いてしまった。
すると、横から小さな笑い声がした。
顔を上げると、コーラン様が立っていた。
「ジュアナ様、気にしなくていいですよ。ユアン様はジュアナ様との時間をどうこう思っているわけではありませんから」
「コーラン!」
突然現れたコーラン様に、ユアン王子が厳しい目を向ける。
「ユアン様はただジュアナ様とゆっくり過ごしたいだけなんですよ。ねぇ?」
「いい加減にしろ、コーラン」
ユアン王子の不機嫌な低い声に私はハッとするが、当のコーラン様は慣れているのかどこ吹く風だ。
(どう見ても、私とゆっくり過ごしたいわけではなさそうだけど……)
それくらいに、ユアン王子はコーラン様の言葉を嫌がっているように見えた。
「コーラン、何しに来た」
「あぁ、そうでした。今朝の朝議で話した北側諸国の不穏な動きについて、今しがた報告が入りました。ご確認お願いできますか?」
「急ぎか?」
「急ぎ以外で、お二人のお邪魔は致しません」
含むいい方に、ユアン王子は小さく舌打ちをする。
「悪いが、今日はここまでだ」
「はい」
ユアン王子はそう言うと、コーラン様と共にその場を離れて行った。
一人残された私は、深いため息をこぼす。
「そんなに嫌かしら……。私との時間は……」
だったらランチなど、設けなければいいのに。
そう思うが、それは口には出せない。ユアン王子も婚約者との交流時間は仕事の一つなのだろう。どう考えても、コーラン様の言うような、ゆっくりした時間が過ごせているとは思えない。
私はそのままボーっと庭を眺めた。
夢にまで見たシンデレラストーリー。でも、それは理想とは違う。
ジュアナとして振舞い、エルマの自分が出ないよう気を配る。ジュアナではないことがバレたらきっと処刑だ。常に恐怖が付きまとう。
それに加えて、婚約者は冷たい態度。温かさを見出すときもあったし、それが楽しみだけれど、やはり緊張の方が大きいし落胆もある。
リリーさんは楽しいけれど、使用人と王子の婚約者という線引きは外れない。
(お屋敷にいた時も辛かったけれど、ここはまた別の辛さがあるわね……)
本当の自分を取り戻せる日は来るのだろうか。
いや、取り戻した瞬間、私は死を目の前にするのだろう。
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