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しらかわりんご

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赤松かな 中学二年生

もう

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私は12時を回っても起きていた。

歴代最高記録。

怒られたらどうしてくれるんだ。

お母さんの帰りを待った。如月の言われた通りにすれば問題は解決するのだから。

ガチャ。

扉の開く音がする。

「かな?まだ起きてるの!?早く寝なさい、明日遅刻するわよ。」

思った通りお母さんは怒り気味の口調でまくし立てる。

早く聞かなきゃ。お母さんの機嫌が悪くなる。

「お母さん…。」

「何よ!?」

「わたしね、もう学校行きたくないよ。」

洗い物をしていたお母さんの手が止まる。

と、同時に皿の割れる音がした。

「かな、どういうこと?」

え?なんだか予想していた反応と違っている。

私はだったら勝手にしろと言われると思った。

お母さんは忙しいの!

そうしたいならそうしろと。

でもお母さんの顔はなんだか泣いているようにすら見える。

「かな、何があったの。お母さんにできることならなんでも話して?ね?お母さん、忙しいのを理由にかなの話、聞いてあげてなかったもんね。だからかな、なんか抱え込んじゃったのね。ごめんね。」

お母さんはその場にしゃがみ込み、泣いていた。

それは今までに見たことのないお母さんの涙。

私はお母さんに洗いざらい話した後、こう聞いた。

「お母さんはかなのこと愛してる?お父さんみたいに捨てたりしない?」

その言葉を吐いた途端、お母さんはきつく私を抱きしめた。

「そんなことしない。お母さんはかなが大好きよ。だからかなが悩んでいるなら助けたい。でもかなが自分の力でその問題を解決できると思うなら、頑張ってみて。辛かったらいつでもお母さんが学校に乗り込むわ。」

そうか。

お母さんも私のことを想ってくれてた。

あの時の私は言葉足らずだったんだ。

だから如月は、『話がある』という簡単な言葉ではなく、『学校に行きたくない』という言葉を使えと言ったのか。

そうすれば必ずお母さんは私のことに気がつく。

「かな、なんでも言いなさい。私はかなのどんな些細な話でも聞く。絶対に。もう、かなのことを忙しさのせいで無視したりしないから。」

お母さんの強い言葉に私は頷く。

なんとなくまだ頑張れると思った。
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