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赤松かな 中学二年生

潜入捜査!?

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「何を騒いでいるのですか。来客中くらい行動を慎んではいかがですか。」

聞き覚えのある冷たい口調。

振り返るとそこには如月がいた。

「華ちゃん!帰ってたのね。おかえり。」

リオンが如月に抱きつくが、如月は冷たく突き放す。

「もう来ないのではなかったのですか。」
 
如月の冷たさをたたえた視線に怯えつつも私は頭を下げた。

「ごめんなさい。私、あなたのことなんて何も知らないのに、キツイ言葉を吐いちゃって…。つい、八つ当たり…して…。」

恐る恐る顔を上げると如月が少し微笑んでいる気がした。

だがそれも一瞬のことで、すぐにいつもの無表情に戻る。

「それは、私も同じです。あなたの性格など知らないうちからひどいことを言いました。できるだけ迅速に問題解決に努めます。私にあなたの事案を担当させてくださいますか。」

私は今度は彼女の瞳をしっかり見つめて、頷いた。

如月も軽く頷く。

なんとなく、彼女の温かい部分に触れられた気がした。

「それでは早速ですが、Y中学校への潜入捜査プランをお勧めします。」

潜入捜査…?

「よっ!華ちゃんの得意分野!」

リオンを鬱陶しそうに睨む如月の視線に、リオンは気づかないようだ。

潜入捜査ってあのドラマでよく見る、警察が犯罪組織に侵入して…みたいな?

「私が転校生としてY中へ通います。そしていじめの根源を探らせていただきます。よろしいですか。」

いじめの根源…。

そんなものはない。

あいつらは楽しいからやってるだけだ。

ストレス発散に。

「何事にも理由があるっていうのが、華ちゃんの持論なんだよ。」

リオンに私の心をよまれたらしい。

理由…か。

「そして赤松さんは家庭環境にも問題が見受けられますので、お母さんとの接触はリオンさんにお願いします。」

指名されたリオンは驚いたように立ち上がる。

「私!?いいの?」

「良いとは?何がですか。」

「葵姐とか涼とか頼りになる人いっぱいいるよ?」

リオンの言葉に如月は深くため息をつく。

「私があなたが適任だと言ってるんですよ。それ以外なにか理由が必要ですか。」

リオンが如月に抱きつく。

如月にべたつくリオンが如月は相当鬱陶しそうに突き放した。

「よろしいですか。赤松さん。」

どうなるかわからない。

けど、任せてみよう。

それで前向きに生きられるなら。

「おまかせします。」

「よろしくお願いします。」

如月と私は強い握手を交わした。
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