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興味を持とうよ
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「おい、アデル! その変な歌、いつまで歌うんだ?! 歌、関係ないだろ。ドラゴン、食べまくってるし!」
と、背後からランディ王子の声。
え? …あ、ほんとだ。
私は、気持ちよく歌いながら、せっせとモリスを口に放り込んでいたけれど、今や、ドラゴンの食べるスピードが速すぎて、私の放り込むモリスを待ちかねて食べているよう。
もはや、歌は全く関係ないわね。ドラゴンの目は、食い入るように私の手に持っているモリスを見ているもの。
しかも、よどんでいた赤い目に、光が戻ってきている。早速、モリスの効果がでてるみたい!
残りのモリスを、すべて、ドラゴンの口にいれる。
すると、ドラゴンはぺろりと食べて、大きく口をあけた。
そして、地鳴りのような音をだした。
「もっとくれ!」
…ん? 今、しゃべった?!
皆も聞こえたのかしら?! それとも、ヨーカンみたいに、私にだけ聞こえるのかしら?!
思わず、皆のほうを振り返り、聞く。
「今の声、聞こえた?!」
「き、聞こえましたあー! ドラゴンが人間の言葉をしゃべるなんて!」
興奮気味のブリジットさん。
アンドレさんが、あわてて、モリスの入った、もう一つの袋を持って、こっちへ走ってくる。
が、途中で、ぴたりと止まった。最初に、モリスを置いた場所だ。
「ぼくが、これ以上、ドラゴンに近づいてもいいのでしょうか?!」
アンドレさんの言葉に、思わず、私はドラゴンを見た。すると、ドラゴンがアンドレさんを見る。
「おまえの顔は知っている。たべものを運んできてくれるものだ」
ドラゴンの低い声があたりに響く。
「はいっ、そうです! アンドレと言います! …ぼくのことを覚えてくれてるなんて!」
アンドレさんが、頬を染めて、喜んでいる。
「よし、おまえならいい。こっちへ持ってこい」
アンドレさんが袋をかかえて、歩き出した。
その地点でとどまっていたユーリも一緒に歩いてこようとした。
そのとたん、
「動くな!」
地面が揺れた。
「は?!」
不機嫌そうなユーリの声。
「おまえは、ダメだ。おまえは、水の悪魔だろう? 体が冷える。わたしに近寄るな!」
地響きのような、ドラゴンの声に、自然と体が震える。
確かに、ドラゴンの火も消してしまうユーリだけれど、水の悪魔って…。
ドラゴンにすら魔界の存在に見えるのね…。
「は?! なに、ばかなこと言ってんの? ぼくは、アデルのそばに行こうとしてるだけなんだけど? ドラゴンには微塵も興味がないし、近寄りたくもないね」
と、冷え冷えとした声で言い放った。
「ひっ! 貴重なドラゴンになんてことを…!」
モリスの袋をかかえて歩いてきたアンドレさんが、悲鳴のような、心の叫びを吐き出した。
ほんとにね…。
相手は、珍しいドラゴンだよ? しかも、人の言葉をしゃべってるんだよ?
もっと、興味を持とうよ、ユーリさん…。
ドラゴンとユーリとの間に流れ始めた殺伐とした空気を打ち消すように、私は明るい声でアンドレさんに言った。
「モリスを早く、ドラゴンの目の前におきましょう!」
「はいっ、そうですね!」
アンドレさんは、そっとドラゴンの目の前に近づき、モリスの袋をひっくり返した。
ドラゴンの前に、モリスの山ができた。
すると、待ちかねたようにドラゴンが、勢いよく首をのばす。さっきとは雲泥の差で、動けるようになってるわ! もう、大丈夫ね。
ドラゴンが大きな口をあけて、モリスを口に入れた。
そして、もりもりと噛んで、ごくりと飲み込む。
そこで、ドラゴンの動きが止まった。
と、背後からランディ王子の声。
え? …あ、ほんとだ。
私は、気持ちよく歌いながら、せっせとモリスを口に放り込んでいたけれど、今や、ドラゴンの食べるスピードが速すぎて、私の放り込むモリスを待ちかねて食べているよう。
もはや、歌は全く関係ないわね。ドラゴンの目は、食い入るように私の手に持っているモリスを見ているもの。
しかも、よどんでいた赤い目に、光が戻ってきている。早速、モリスの効果がでてるみたい!
残りのモリスを、すべて、ドラゴンの口にいれる。
すると、ドラゴンはぺろりと食べて、大きく口をあけた。
そして、地鳴りのような音をだした。
「もっとくれ!」
…ん? 今、しゃべった?!
皆も聞こえたのかしら?! それとも、ヨーカンみたいに、私にだけ聞こえるのかしら?!
思わず、皆のほうを振り返り、聞く。
「今の声、聞こえた?!」
「き、聞こえましたあー! ドラゴンが人間の言葉をしゃべるなんて!」
興奮気味のブリジットさん。
アンドレさんが、あわてて、モリスの入った、もう一つの袋を持って、こっちへ走ってくる。
が、途中で、ぴたりと止まった。最初に、モリスを置いた場所だ。
「ぼくが、これ以上、ドラゴンに近づいてもいいのでしょうか?!」
アンドレさんの言葉に、思わず、私はドラゴンを見た。すると、ドラゴンがアンドレさんを見る。
「おまえの顔は知っている。たべものを運んできてくれるものだ」
ドラゴンの低い声があたりに響く。
「はいっ、そうです! アンドレと言います! …ぼくのことを覚えてくれてるなんて!」
アンドレさんが、頬を染めて、喜んでいる。
「よし、おまえならいい。こっちへ持ってこい」
アンドレさんが袋をかかえて、歩き出した。
その地点でとどまっていたユーリも一緒に歩いてこようとした。
そのとたん、
「動くな!」
地面が揺れた。
「は?!」
不機嫌そうなユーリの声。
「おまえは、ダメだ。おまえは、水の悪魔だろう? 体が冷える。わたしに近寄るな!」
地響きのような、ドラゴンの声に、自然と体が震える。
確かに、ドラゴンの火も消してしまうユーリだけれど、水の悪魔って…。
ドラゴンにすら魔界の存在に見えるのね…。
「は?! なに、ばかなこと言ってんの? ぼくは、アデルのそばに行こうとしてるだけなんだけど? ドラゴンには微塵も興味がないし、近寄りたくもないね」
と、冷え冷えとした声で言い放った。
「ひっ! 貴重なドラゴンになんてことを…!」
モリスの袋をかかえて歩いてきたアンドレさんが、悲鳴のような、心の叫びを吐き出した。
ほんとにね…。
相手は、珍しいドラゴンだよ? しかも、人の言葉をしゃべってるんだよ?
もっと、興味を持とうよ、ユーリさん…。
ドラゴンとユーリとの間に流れ始めた殺伐とした空気を打ち消すように、私は明るい声でアンドレさんに言った。
「モリスを早く、ドラゴンの目の前におきましょう!」
「はいっ、そうですね!」
アンドレさんは、そっとドラゴンの目の前に近づき、モリスの袋をひっくり返した。
ドラゴンの前に、モリスの山ができた。
すると、待ちかねたようにドラゴンが、勢いよく首をのばす。さっきとは雲泥の差で、動けるようになってるわ! もう、大丈夫ね。
ドラゴンが大きな口をあけて、モリスを口に入れた。
そして、もりもりと噛んで、ごくりと飲み込む。
そこで、ドラゴンの動きが止まった。
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