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デュラン王子の家族
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そして、王様のお隣に立つ、若い男性が、
「アデル王女、ようこそ、我が国へ。歓迎します。弟が大変世話になったね」
と、声をかけてきた。
ということは、デュラン王子の兄。つまり、王太子様ね!
デュラン王子と同じスミレ色の瞳だけれど、印象はまるで違うわね。
甘い雰囲気のデュラン王子と違って、王太子様は穏やかな目をされている。
そして、
「実は、デュランより下の、弟と妹がいるんだけどね…」
と、王太子様が言葉をにごした。
ん? そういえば、面倒な人がいるとか、なんとか…言ってたよね?
そのお二人のどちらかしら?
デュラン王子の方を見ると、
「まあ、おいおい会うと思うけど、気にしないで?」
と、にっこり微笑んだ。
そんなことを言われると、余計に気になるじゃない!
今日の夜、歓迎の晩餐会を開いてくださるとのこと。
そこで、またお会いするので、ひとまず、ご挨拶を終え、広間から退出する。
なんか、疲れたわ!
一人で、他国の王族の方とお会いするのは、初めてだものね。
と、思ったら、後ろに控えていたユーリが隣に来て、
「お疲れ様、アデル」
そう言って、私の頭をさらりとなでた。
すると、デュラン王子が近づいてきて、
「ぼくもなでたい!」
と、手をのばそうとしたところを、ジリムさんが、がしっと捕らえた。
「アデル王女様は、デューの婚約者じゃないだろ?! 頭なでたきゃ、とっとと婚約者を見つけてこい!」
と、ドスの聞いた声で叱られている。
ジリムさん、ナイスです!
だって、さわられると、ユーリにまた消毒されるからね!
私、ちゃーんと覚えてますよ! 気をつけてますよ! と言う気持ちをこめて、ちらりとユーリを見上げる。
すると、ユーリは、
「えらいね、アデル」
と、色気あふれる声で、耳元に口を近づけて、ささやいてきた。
もう、ぞわりとするからやめてよね!
きっと、にらむと、ユーリは嬉しそうに笑った。
どうやら、魔王様はご機嫌なようね…。
「疲れたでしょ。今から滞在してもらう部屋に案内するね」
と、デュラン王子。
広い廊下を一緒に歩いていると、
「兄貴、帰ってきてたんだ? いつも、ふらふらして、気楽でいいね?」
と、声がした。
前から歩いてきた若い男性だ。
ということは、この人が、第三王子ね。
なるほど、この言葉を聞いただけで、面倒そうな匂いがプンプンしてきたわ!
第三王子は、細身で、少し幼さも残る顔立ちで、デュラン王子に似ている。
甘さのある美形だ。
そして、やはり、スミレ色の瞳をしている。王家の色なのかしらね?
が、なにより、この不穏な雰囲気…。
挑むように、デュラン王子をにらみつけている。
デュラン王子、何かしたのかしらね?
できたら、見て見ぬふりして、通り過ぎたいところだけれど、お世話になるのだし、とりあえず、ご挨拶をしとかないとね。
最悪の雰囲気の中、一歩、前にふみだす。
「ええと、第三王子さまですよね。私、オパール国の第二王女、アデルと申します。一週間お世話になります。どうぞよろしくお願いしますね」
と、精一杯、微笑んでみた。
私は敵ではありませんよ! 礼儀として、挨拶してるだけだからね?
すると、王子は、一瞬目を見開いたあと、
「これはこれは、ようこそいらっしゃいました。第三王子で、ランディと申します。どうぞよろしく」
と、華やかに微笑んだ。
デュラン王子に似た甘い美形だから、微笑むと、花が散る。
…が、すごい変わりっぷりよね。そして、すごい外面用の顔だよね?!
確実に、デュラン王子とユーリ路線をつっぱしってるわね。末恐ろしいわ。
が、今は、まだ、魔族への発展途上なのか、ちょっと、…というか、かなりこじらせてる感じ?
なんだか、本当に面倒そうだわ。
そうだ、ここは、さらりと通り過ぎよう。
気がついたら、あんな遠くにいるよ作戦だ。
少しずつ、わからない程度に、離れていくように、足をすすめていく。
前世でいうところの亀歩…ではなく、そう、牛歩よ!
それにしても、王と王妃様と王太子様に対して、デュラン王子とランディ王子。
なんだか、振り幅のすごいご家族よね…。
あとおひとり、妹姫様が、どんな方なのか、気になるところだわ。
「アデル王女、ようこそ、我が国へ。歓迎します。弟が大変世話になったね」
と、声をかけてきた。
ということは、デュラン王子の兄。つまり、王太子様ね!
デュラン王子と同じスミレ色の瞳だけれど、印象はまるで違うわね。
甘い雰囲気のデュラン王子と違って、王太子様は穏やかな目をされている。
そして、
「実は、デュランより下の、弟と妹がいるんだけどね…」
と、王太子様が言葉をにごした。
ん? そういえば、面倒な人がいるとか、なんとか…言ってたよね?
そのお二人のどちらかしら?
デュラン王子の方を見ると、
「まあ、おいおい会うと思うけど、気にしないで?」
と、にっこり微笑んだ。
そんなことを言われると、余計に気になるじゃない!
今日の夜、歓迎の晩餐会を開いてくださるとのこと。
そこで、またお会いするので、ひとまず、ご挨拶を終え、広間から退出する。
なんか、疲れたわ!
一人で、他国の王族の方とお会いするのは、初めてだものね。
と、思ったら、後ろに控えていたユーリが隣に来て、
「お疲れ様、アデル」
そう言って、私の頭をさらりとなでた。
すると、デュラン王子が近づいてきて、
「ぼくもなでたい!」
と、手をのばそうとしたところを、ジリムさんが、がしっと捕らえた。
「アデル王女様は、デューの婚約者じゃないだろ?! 頭なでたきゃ、とっとと婚約者を見つけてこい!」
と、ドスの聞いた声で叱られている。
ジリムさん、ナイスです!
だって、さわられると、ユーリにまた消毒されるからね!
私、ちゃーんと覚えてますよ! 気をつけてますよ! と言う気持ちをこめて、ちらりとユーリを見上げる。
すると、ユーリは、
「えらいね、アデル」
と、色気あふれる声で、耳元に口を近づけて、ささやいてきた。
もう、ぞわりとするからやめてよね!
きっと、にらむと、ユーリは嬉しそうに笑った。
どうやら、魔王様はご機嫌なようね…。
「疲れたでしょ。今から滞在してもらう部屋に案内するね」
と、デュラン王子。
広い廊下を一緒に歩いていると、
「兄貴、帰ってきてたんだ? いつも、ふらふらして、気楽でいいね?」
と、声がした。
前から歩いてきた若い男性だ。
ということは、この人が、第三王子ね。
なるほど、この言葉を聞いただけで、面倒そうな匂いがプンプンしてきたわ!
第三王子は、細身で、少し幼さも残る顔立ちで、デュラン王子に似ている。
甘さのある美形だ。
そして、やはり、スミレ色の瞳をしている。王家の色なのかしらね?
が、なにより、この不穏な雰囲気…。
挑むように、デュラン王子をにらみつけている。
デュラン王子、何かしたのかしらね?
できたら、見て見ぬふりして、通り過ぎたいところだけれど、お世話になるのだし、とりあえず、ご挨拶をしとかないとね。
最悪の雰囲気の中、一歩、前にふみだす。
「ええと、第三王子さまですよね。私、オパール国の第二王女、アデルと申します。一週間お世話になります。どうぞよろしくお願いしますね」
と、精一杯、微笑んでみた。
私は敵ではありませんよ! 礼儀として、挨拶してるだけだからね?
すると、王子は、一瞬目を見開いたあと、
「これはこれは、ようこそいらっしゃいました。第三王子で、ランディと申します。どうぞよろしく」
と、華やかに微笑んだ。
デュラン王子に似た甘い美形だから、微笑むと、花が散る。
…が、すごい変わりっぷりよね。そして、すごい外面用の顔だよね?!
確実に、デュラン王子とユーリ路線をつっぱしってるわね。末恐ろしいわ。
が、今は、まだ、魔族への発展途上なのか、ちょっと、…というか、かなりこじらせてる感じ?
なんだか、本当に面倒そうだわ。
そうだ、ここは、さらりと通り過ぎよう。
気がついたら、あんな遠くにいるよ作戦だ。
少しずつ、わからない程度に、離れていくように、足をすすめていく。
前世でいうところの亀歩…ではなく、そう、牛歩よ!
それにしても、王と王妃様と王太子様に対して、デュラン王子とランディ王子。
なんだか、振り幅のすごいご家族よね…。
あとおひとり、妹姫様が、どんな方なのか、気になるところだわ。
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