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いざ出発
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ついに、出発の日がやってきました!
ほんと、時間がなくて、前日まで準備でバタバタ。
幸い、気心の知れたアンがついていってくれることになったので、心強い。
髪型も衣装も、おまかせだ。
とはいえ、リッカ先生に会う時だけは別!
大ファンとして、渾身の姿で、失礼のなきように会いたい!
ということで、考えて、考えぬきました、私!
他の準備は適当に済ませたのだけどね…。
で、やっと、昨晩、ぎりぎりになって決まった。
しかし、悩んだかいもあり、納得の衣装が決定!
が、横で見ていたアンからは、「それは、ちょっとやめたほうがいいのでは?」と、正反対の意見が…。
解せない。とりあえず、ダメな理由を聞く。
すると、アンは、少し考えて言った。
「ひとつですか?」
えっ、いくつもあるの?! 怖いわね…。
「じゃあ、とりあえず、一番ダメな理由はなに?」
「センス云々、言いたいことは色々ありますが、一番は、他国訪問時に王女が着る服なのか? ということです」
なるほど、状況にそってないということね。それなら大丈夫。
「安心して、アン。今回は、リッカ先生の作品がTPOなのよ。…フフフフ」
アンは、「安心する要素がまるでない」と、ぶつぶつ言っていたけれど、押し切りました!
当日が、楽しみだわ!
そして、興奮状態のまま、目がぎらぎらに冴えて、昨晩は、まったく眠れず。
寝不足の目に、朝日がまぶしいわ…。
王宮の前にでると、見送りに、公爵夫人のレイラおばさまやマルクが来てくれていた。
「アデルちゃん、ユーリとの旅行、楽しんできてね! キャッ、後で話し聞かせてね」
と、レイラおばさま。
語尾にハートがとんでますが、色々間違ってますよ?
「なんか、今回は、随分、少人数の編制で行くんだね?」
とは、マルク。
「そうなの。気楽でいいよね」
と、私が答えると、いつの間にか、隣に来ていたルイ兄様が口をはさむ。
「だって、ユーリが行くからね。100人分くらいの圧がかかるから、少ない人数じゃないと、ブルージュ国がかわいそうでしょ?」
「ちょっと、僕のこと、なんだと思ってるの?」
と、そこへ100人分の圧…いや、ユーリがやってきた。
そして、私の方へ向いて、
「アデル、おはよう。今日から楽しみだね」
と、甘ったるく微笑んだ。
うん、いつにもまして、きらきらしてる気がする。
やはり、寝不足の目にはまぶしすぎるわね…。
「おはよう、ユーリ。…あれ、その服、どうしたの? 珍しいというか、攻めてるわね…?」
そう、ユーリは淡いピンク色の上着を着ていた。
ユーリにしたら珍しい色だ。というか、着ているのを見たことがない。
持ってたの、その服?
そして、職務中に、ピンク色の上着を着る男性を、今世では見たことがない。
まあ、悔しいくらいに似合ってはいるけれど…。
ただ、不思議なことに、私も今日は、淡いピンク色のドレスなの。
二人がそろうと、どう見ても、おそろいみたいだ。
目立つわよね?
偶然? なんか、すごい偶然なんだけれど…。
「アデルとあわせてきたんだ。ほら、アデルとの記念すべき初旅行の出発の日でしょ?」
と、嬉しそうに言った。
私は、はっとアンの方を向いた。アンは、さっと別の方向を見る。
犯人がいた! 私の服の情報をもらしたわね、ユーリに!
しかし、なんだろう。とてつもなく、恥ずかしい気持ちになるのは…。
やっぱり、ピンク色が問題なのかしら?
単体だと、どちらも素敵な衣装なのに、二人そろうと、変に目立つ。
そして、前世でいうところの、バカップルみたいな感じがでてくるというか…。
うーん、できるだけ離れていよう!
「あらあら、ほんと二人ったら、仲良しさんね。素敵!」
と、レイラおばさまが私たちを見て、喜んでいる。
マルクは、気の毒そうな目で私を見ている。
混沌とした空気になったところへ、もう一人の魔王がやってきた。
「おはよう、アデル。素敵な一日になりそうだね」
と、スミレ色の瞳が、とろけそうに微笑みかけてきた。
甘い…。無性に、スミレの砂糖菓子が食べたくなるわ…。
が、ユーリを見た途端、デュラン王子の表情が変わる。
「ふーん。ほんと、独占欲のかたまりだね。嫌われるよ?」
と、一切、甘さのない、不敵な笑みを浮かべた。
「近頃、しつこい虫が多いから、うっとおしいんだよね。だから、はっきりわからせようと思って?」
と、こちらも凶悪な笑みを返す。
こら、魔王たち!
朝にそぐわない挑発的な言動はやめて!
朝はさわやかに挨拶をするのみ!
ほんと、時間がなくて、前日まで準備でバタバタ。
幸い、気心の知れたアンがついていってくれることになったので、心強い。
髪型も衣装も、おまかせだ。
とはいえ、リッカ先生に会う時だけは別!
大ファンとして、渾身の姿で、失礼のなきように会いたい!
ということで、考えて、考えぬきました、私!
他の準備は適当に済ませたのだけどね…。
で、やっと、昨晩、ぎりぎりになって決まった。
しかし、悩んだかいもあり、納得の衣装が決定!
が、横で見ていたアンからは、「それは、ちょっとやめたほうがいいのでは?」と、正反対の意見が…。
解せない。とりあえず、ダメな理由を聞く。
すると、アンは、少し考えて言った。
「ひとつですか?」
えっ、いくつもあるの?! 怖いわね…。
「じゃあ、とりあえず、一番ダメな理由はなに?」
「センス云々、言いたいことは色々ありますが、一番は、他国訪問時に王女が着る服なのか? ということです」
なるほど、状況にそってないということね。それなら大丈夫。
「安心して、アン。今回は、リッカ先生の作品がTPOなのよ。…フフフフ」
アンは、「安心する要素がまるでない」と、ぶつぶつ言っていたけれど、押し切りました!
当日が、楽しみだわ!
そして、興奮状態のまま、目がぎらぎらに冴えて、昨晩は、まったく眠れず。
寝不足の目に、朝日がまぶしいわ…。
王宮の前にでると、見送りに、公爵夫人のレイラおばさまやマルクが来てくれていた。
「アデルちゃん、ユーリとの旅行、楽しんできてね! キャッ、後で話し聞かせてね」
と、レイラおばさま。
語尾にハートがとんでますが、色々間違ってますよ?
「なんか、今回は、随分、少人数の編制で行くんだね?」
とは、マルク。
「そうなの。気楽でいいよね」
と、私が答えると、いつの間にか、隣に来ていたルイ兄様が口をはさむ。
「だって、ユーリが行くからね。100人分くらいの圧がかかるから、少ない人数じゃないと、ブルージュ国がかわいそうでしょ?」
「ちょっと、僕のこと、なんだと思ってるの?」
と、そこへ100人分の圧…いや、ユーリがやってきた。
そして、私の方へ向いて、
「アデル、おはよう。今日から楽しみだね」
と、甘ったるく微笑んだ。
うん、いつにもまして、きらきらしてる気がする。
やはり、寝不足の目にはまぶしすぎるわね…。
「おはよう、ユーリ。…あれ、その服、どうしたの? 珍しいというか、攻めてるわね…?」
そう、ユーリは淡いピンク色の上着を着ていた。
ユーリにしたら珍しい色だ。というか、着ているのを見たことがない。
持ってたの、その服?
そして、職務中に、ピンク色の上着を着る男性を、今世では見たことがない。
まあ、悔しいくらいに似合ってはいるけれど…。
ただ、不思議なことに、私も今日は、淡いピンク色のドレスなの。
二人がそろうと、どう見ても、おそろいみたいだ。
目立つわよね?
偶然? なんか、すごい偶然なんだけれど…。
「アデルとあわせてきたんだ。ほら、アデルとの記念すべき初旅行の出発の日でしょ?」
と、嬉しそうに言った。
私は、はっとアンの方を向いた。アンは、さっと別の方向を見る。
犯人がいた! 私の服の情報をもらしたわね、ユーリに!
しかし、なんだろう。とてつもなく、恥ずかしい気持ちになるのは…。
やっぱり、ピンク色が問題なのかしら?
単体だと、どちらも素敵な衣装なのに、二人そろうと、変に目立つ。
そして、前世でいうところの、バカップルみたいな感じがでてくるというか…。
うーん、できるだけ離れていよう!
「あらあら、ほんと二人ったら、仲良しさんね。素敵!」
と、レイラおばさまが私たちを見て、喜んでいる。
マルクは、気の毒そうな目で私を見ている。
混沌とした空気になったところへ、もう一人の魔王がやってきた。
「おはよう、アデル。素敵な一日になりそうだね」
と、スミレ色の瞳が、とろけそうに微笑みかけてきた。
甘い…。無性に、スミレの砂糖菓子が食べたくなるわ…。
が、ユーリを見た途端、デュラン王子の表情が変わる。
「ふーん。ほんと、独占欲のかたまりだね。嫌われるよ?」
と、一切、甘さのない、不敵な笑みを浮かべた。
「近頃、しつこい虫が多いから、うっとおしいんだよね。だから、はっきりわからせようと思って?」
と、こちらも凶悪な笑みを返す。
こら、魔王たち!
朝にそぐわない挑発的な言動はやめて!
朝はさわやかに挨拶をするのみ!
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