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思い出しました!
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動いているところは見ていないけれど、着実に近づいてくるノア。
あれ? 何か、記憶の奥底にこんな状況があったような…。
あっ! 思い出した! 私の屈辱の日!
あれは私が神殿に来たばかりで、6歳の頃だったわ。
友達と会えなくなり寂しがる私に、エリカ様とロジャー様が暇をみつけては、一緒に遊んでくれた。
特に、エリカ様は渡り人だから、色々な異世界の遊びを教えてくれたのよね。
そして、あの日、教えてくれた遊びは、「だるまさんがころんだ」というもの。
細かいルールはあいまいだけれど、要するに、鬼は動く人を見つける、それ以外の人は、鬼に動くのを見られないように、鬼に近づいていくみたいな感じだったわ。
そして、私が鬼になった時、ノアが遊びに参加してきた。
私はみんなに背中を向けて、異世界の不思議なセリフ「だるまさんがころんだ!」を、わくわくしながら大きな声で言った。でも、言い終わらないうちに、背中をタッチされた。
振り向くと、ノアがいた。
動く人を見つけるどころか、はじめの1回の「だるまさんがころんだ」さえ言い終わっていない私。
納得がいかないけれど、私の負けだった。
私は悔しくて、再度チャレンジ。今度は早口で言ってみた。
なのに、言い終わるまでに、また背中をたたかれた。
振りむくと、ノア…。
悔しくなった私は、またもや、ノアに戦いを挑んだ。
その時には、もう、みんなぬけて、ノアと私だけ。
一対一の「だるまさんがころんだ」の勝負となった。
が、どれだけ早口で言おうが、言い終わる前に、ノアに背中をたたかれ続けた。
そして、ついに、私は悔しすぎて泣き出した。
神殿に来て初めて泣いた私を見て、誰よりも、あわてふためいたのはロジャー様。
「おいっ、ノア! たった6歳のルシェルに、騎士の能力を最大限に使って距離をつめるなんて、おとなげないぞ!」
すると、ノアはしれっとした顔で答えたわ。
「勝負ですから」
あれ以来、私は、二度と「だるまさんがころんだ」をやらなかった。
ノア、覚悟なさい!
6歳の頃の私とは違う。
もう、目をつぶって待つなんてことはしないわ!
ノアが動くまで、まばたきもせず、じーっと見ておくの!
と思った瞬間、ノアが私にむかって一歩近づいた。
「ノアが動いたわ!」
気が付いたら叫んでいた。
あっ、しまった…。声にでてたわね…。
場が静まり、みんなの視線がいっせいにノアに注がれる。
その途端、すごい勢いで、ノアが私のそばにきて、
「おい? どういうつもりだ、ルシェル」
と、小声で聞いてきた。不機嫌極まりない顔をしてる。
「あ、ごめん、ノア。 なんか、古い記憶がよみがえってね…。でもほら、ノアが私のほうへ、どんどん近づいてくるでしょ? 気になって…。もう私の護衛騎士じゃないんだから、ルビーさんのところにいないとダメだよ」
小声で説明する私。
「なら、ジャックはあんなに離れていていいのか? ルシェルの護衛、やる気あんのか?!」
そう言って、ジャックのほうをにらみつけるノア。
「まあ、それには色々理由があってね…」
と、小声で言いかけたところで、王太子様がノアと私の間に手をさしこんできた。
「ルシェル。他の男と内緒話はダメですよ」
と、優しく微笑む王太子様。
が、瞳が全く優しくない…。相当怒ってる目ですよね?!
あれ? 何か、記憶の奥底にこんな状況があったような…。
あっ! 思い出した! 私の屈辱の日!
あれは私が神殿に来たばかりで、6歳の頃だったわ。
友達と会えなくなり寂しがる私に、エリカ様とロジャー様が暇をみつけては、一緒に遊んでくれた。
特に、エリカ様は渡り人だから、色々な異世界の遊びを教えてくれたのよね。
そして、あの日、教えてくれた遊びは、「だるまさんがころんだ」というもの。
細かいルールはあいまいだけれど、要するに、鬼は動く人を見つける、それ以外の人は、鬼に動くのを見られないように、鬼に近づいていくみたいな感じだったわ。
そして、私が鬼になった時、ノアが遊びに参加してきた。
私はみんなに背中を向けて、異世界の不思議なセリフ「だるまさんがころんだ!」を、わくわくしながら大きな声で言った。でも、言い終わらないうちに、背中をタッチされた。
振り向くと、ノアがいた。
動く人を見つけるどころか、はじめの1回の「だるまさんがころんだ」さえ言い終わっていない私。
納得がいかないけれど、私の負けだった。
私は悔しくて、再度チャレンジ。今度は早口で言ってみた。
なのに、言い終わるまでに、また背中をたたかれた。
振りむくと、ノア…。
悔しくなった私は、またもや、ノアに戦いを挑んだ。
その時には、もう、みんなぬけて、ノアと私だけ。
一対一の「だるまさんがころんだ」の勝負となった。
が、どれだけ早口で言おうが、言い終わる前に、ノアに背中をたたかれ続けた。
そして、ついに、私は悔しすぎて泣き出した。
神殿に来て初めて泣いた私を見て、誰よりも、あわてふためいたのはロジャー様。
「おいっ、ノア! たった6歳のルシェルに、騎士の能力を最大限に使って距離をつめるなんて、おとなげないぞ!」
すると、ノアはしれっとした顔で答えたわ。
「勝負ですから」
あれ以来、私は、二度と「だるまさんがころんだ」をやらなかった。
ノア、覚悟なさい!
6歳の頃の私とは違う。
もう、目をつぶって待つなんてことはしないわ!
ノアが動くまで、まばたきもせず、じーっと見ておくの!
と思った瞬間、ノアが私にむかって一歩近づいた。
「ノアが動いたわ!」
気が付いたら叫んでいた。
あっ、しまった…。声にでてたわね…。
場が静まり、みんなの視線がいっせいにノアに注がれる。
その途端、すごい勢いで、ノアが私のそばにきて、
「おい? どういうつもりだ、ルシェル」
と、小声で聞いてきた。不機嫌極まりない顔をしてる。
「あ、ごめん、ノア。 なんか、古い記憶がよみがえってね…。でもほら、ノアが私のほうへ、どんどん近づいてくるでしょ? 気になって…。もう私の護衛騎士じゃないんだから、ルビーさんのところにいないとダメだよ」
小声で説明する私。
「なら、ジャックはあんなに離れていていいのか? ルシェルの護衛、やる気あんのか?!」
そう言って、ジャックのほうをにらみつけるノア。
「まあ、それには色々理由があってね…」
と、小声で言いかけたところで、王太子様がノアと私の間に手をさしこんできた。
「ルシェル。他の男と内緒話はダメですよ」
と、優しく微笑む王太子様。
が、瞳が全く優しくない…。相当怒ってる目ですよね?!
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