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その後の彼女
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「あの女性は、あれからどうしたのかな?」
可愛らしい服装の幼女が聞く。
男は答えた。
「─ああ、あの娘か。妹がいない世界を望む
などと言っていた…」
「そうそう、その人!私、陰からこっそり覗いてたんだよね…!なんか面白そうって思って!」
「─別に面白くなどない」
「うそ!本当に面白くなかったらあの場で殺しちゃってたでしょ?」
私、分かってるんだからとばかりに幼女が言う。
男はそれには答えなかったが、代わりに怪しく微笑んだ。
「それでそれで復讐したの?」
幼女の口から復讐という言葉が出るのは、違和感がすごい。だが、彼女は見た目通りの年ではないのだ。
「ねぇーファン聞いてる?」
「─うるさい。聞こえている。」
幼女が黙って見つめると観念したのか、男が言った。
「─元婚約者の好みであろう女を金で雇ってあてがい、破局させ、自身は新しい男と付き合っていると見せかけてその実、妹が奪うことを見越していた…それだけのことだ」
「よく分からないー!結局妹はどうなったの?」
男はため息をついて言った。
「さあな、今頃新たな男に金でも貢いでいるんじゃないか?なんせ、悪い男らしいからな…」
「ふーん。お姉さんはどこでそんな人見つけて来たんだろうね?」
「─知らん。だが危ない橋は渡っただろうな。まあいずれにせよ…大した復讐ではあるまい」
男はそう言って、この話は終わりだとばかりに煙管を構えた。
「もうーつまらない!」
幼女はそう言って走っていく。
その時、店の戸がギィと音を立てた。
「面倒な…」
男はそう言いつつも視線は向けず、窓の外を見やった。
可愛らしい服装の幼女が聞く。
男は答えた。
「─ああ、あの娘か。妹がいない世界を望む
などと言っていた…」
「そうそう、その人!私、陰からこっそり覗いてたんだよね…!なんか面白そうって思って!」
「─別に面白くなどない」
「うそ!本当に面白くなかったらあの場で殺しちゃってたでしょ?」
私、分かってるんだからとばかりに幼女が言う。
男はそれには答えなかったが、代わりに怪しく微笑んだ。
「それでそれで復讐したの?」
幼女の口から復讐という言葉が出るのは、違和感がすごい。だが、彼女は見た目通りの年ではないのだ。
「ねぇーファン聞いてる?」
「─うるさい。聞こえている。」
幼女が黙って見つめると観念したのか、男が言った。
「─元婚約者の好みであろう女を金で雇ってあてがい、破局させ、自身は新しい男と付き合っていると見せかけてその実、妹が奪うことを見越していた…それだけのことだ」
「よく分からないー!結局妹はどうなったの?」
男はため息をついて言った。
「さあな、今頃新たな男に金でも貢いでいるんじゃないか?なんせ、悪い男らしいからな…」
「ふーん。お姉さんはどこでそんな人見つけて来たんだろうね?」
「─知らん。だが危ない橋は渡っただろうな。まあいずれにせよ…大した復讐ではあるまい」
男はそう言って、この話は終わりだとばかりに煙管を構えた。
「もうーつまらない!」
幼女はそう言って走っていく。
その時、店の戸がギィと音を立てた。
「面倒な…」
男はそう言いつつも視線は向けず、窓の外を見やった。
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