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中学生編
訪問
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翌日、僕は平日の真昼間から自分の部屋で惰眠を貪っていた。
本を読んだり、窓の外をボーッと眺めたりと自分の好きなことを好きなだけしていた。
今日から洋野地区の中学校が始まる、ということは彩恵が毎日のように来ることはまず無い。
その安心感が僕にとってどれ程大きいことか。
誰にも邪魔されない本来あるべきだったはずの日常が再び僕の元に戻ってきたという喜びが、胸を高鳴らせた。
ただそれと同時にこんな疑念が僕の心に問い掛けてくる。
––—本当にこのままでいいのだろうか。
昨日彼女にも言われた言葉だ。
僕と同じ歳の人達はもう中学校という新たなスタートラインに立ち自分よりも何十歩先の未来を歩んで行こうとしている。
友達を作り、知識を身につけ、そして心身共に大人びていく。
そりゃあ僕だって口では一人になりたいだの変われないだの言ってるけど少しくらいは変わりたいという思いもある。
でも遅れて入ったところで彼女らについて行けるだろうか。こんな僕を受け入れるのだろうか。
そんな不安から僕は変な意地を張って自分を学校へより行き辛くしてしまっている。
自分で自分の首を絞めているのだ。
きっと誰かが助けてくれるから。そんな甘えた考えが今の枯れ果てた僕を作ってしまったんだ。
助けてくれる人なんて誰もいないのに。
どうしていいのか分からない。何が正解なのか分からない。
それでも自分で行動を起こそうとしないのは九戸という自然豊かなこの村が全ての答えを知っていると思ったから。
ここに来て多くの出会いをした。それは人だけでなく川も、海も、森も。
九戸村の全てに多くの初めての事を教えられた。
これからも沢山の事をこの村に教わるだろう。
それが良い方に転ぶかは分からない。でもここで暮らしていれば何かしら得るものはあるのかもしれないと。
そんな空虚な妄想を胸に、僕はこれからも一人で罪を背負っていくんだ――。
「なーにしてんの?」
「え?」
その時、仰向けで読んでいた本の向こう側から突然誰かに甲高い声で話しかけられた。
視界は本で遮られていて向こうが誰だか分からない。でもこの声、まさか……。
僕は本を持つ手をそーっと腰に下ろした。
するとまるでホラー映画のように徐々に徐々に本の裏からショートヘアーの童顔がぬっと出てきた。
「や!」
「うわっ!」
僕は驚いてとっさにその顔めがけて本を投げつけた。
「いてっ! 何するんだよーもう」
「あ、ごめん」
額を赤く腫らした彩恵に僕は抑揚の無い声で返した。
「声聞いた時点で分かってたでしょ」
「いやいきなり来られたら誰でもビビるから。幽霊かよ」
「家の鍵が開いてたからね」
……だからといって入っていい理由にはならないだろ。しかもそのセリフは泥棒が言うセリフだし。
「……それより学校はどうしたんだよ」
「璃都くんにだけには言われたくないセリフだけど……。まぁいいや、今日は入学式だったから午前中に終わったの。どう? この制服。似合うでしょ」
そう言って彩恵はその場でくるりと一回転した。
紺色の三本ラインが入った白のセーラー服に赤のネクタイ、黒のスカートといった、いかにもな中学校の制服を自慢げに見せてくる。
僕は彼女の制服姿には全く興味は無く、一つ驚かされたことといえばいつも半ズボンしか履かない彩恵が女の子らしいスカートを身に付けているくらいだった。
彼女は僕に何か言葉を求めているようだったが、僕はそんなこと気にせず落とした本を拾った。
「えー! 何にもなし? 女の子が新しい制服着てきたんだから何か言うことあるでしょ」
「別に無い。そういうテンプレを求められるの、あまり好きじゃないんだ」
「テンプレ以前にエチケットってもんがあるでしょうが。で、どう、似合ってるの?」
彩恵はムーッと頬を膨らませるとまるで誘導尋問するかのように僕に詰め寄ってきた。
どうやらこれは似合ってると言わなければ消されるパターンのやつみたいだ。
「……似合ってると、思う」
「それでいいのだ」
彩恵は僕の返答にバカボンのパパのような喋り方で納得すると、満足気な表情で本棚の横の壁に腰掛けた。
「ところで至る所に本が山積みになってるけど、そんなに本が好きなの?」
「他にやる事が無いから読んでるだけだよ」
「駄目だよーもっと運動しなきゃ。そんなんじゃ全国大会行けないよ?」
「行きたくないし行けない。第一、僕は君みたいな体力無尽蔵サイボーグじゃないんだ」
「人をサイボーグ呼ばわりしないでよ。別に重い運動をしろって言ってる訳じゃないんだよ? その辺を散歩するとかでもいいし。ほら、この辺景色良いじゃん」
「まぁ確かにそうだけど……」
「それにこの村の人と全然話してないでしょ。皆璃都くんがどんな子か気になってるよ」
「まさか僕の事近所中に話してるんじゃないんだろうな」
「話してないって。話題に出す価値も無いよ」
……それはそれで、僕も傷つくわけで。
「とーにーかーく。ここは都会じゃないんだから。人との触れ合いが命なんだよ。だから毎日散歩して必ず誰かしらと会話すること。学校に行けるようになるにはまず人と話すことに慣れないとね」
「……君はあくまでも僕を学校に行かせる気なんだね」
「だって皆に早く璃都くんを紹介したいんだもん。こんなに面白い子がいるんだよって」
「公開処刑だ」
「そんな事ないよ。クラスの皆は良い人ばっかりだよ」
「そりゃそうだろうね。初対面のイメージは重要だから。きっとその人達は必死に自分を偽ろうと大分前から準備して来たに違いない」
「なんでそんな捻くれた考えしか出来ないかなー」
彩恵はその辺に落ちていた本を一冊手に取って適当にパラパラとページをめくった。
「ってこれ小説じゃん。しかも隅から隅までびっしりと文字が……。目がチカチカするー。よくこんなの読めるね」
「絵が無いだけで別にそんなすごい事じゃないよ。どうせ君は漫画とかしか読んでないんだろうけど」
「漫画もれっきとした読み物だよ。璃都くんも読んでみたらその素晴らしさが分かるよ。今度貸したげるから」
「別にいいよ」
小説と漫画は違う。
僕だって漫画を読んだことはあるけれど、どうも自分が読んでいる気になれない。
小説は文字から情景を想像して自分なりの世界感に入り込むことが出来るけど、漫画は作者の描いた世界感そのものを見せつけられてる気がして僕だけかやの外にいる気分になってしまう。
だから今の自分のまま読む漫画よりも、その世界の登場人物として読む小説の方が僕にとっては何倍も楽しいんだ。
「そろそろ帰らなくていいの?」
僕は横で本棚を漁る彩恵に遠回しに帰るように急かした。
「ん? あーもうこんな時間かー。早く帰ってお昼ご飯食べないと」
そう言って彩恵は本を元の場所に戻した。
「そいじゃね。璃都くん。ちゃんと運動するんだよ」
彼女はニートの息子を持つ母親のような言葉を言い残してタタタッと部屋を出て行った。
……あいつ何しに来たんだ?
僕は一人部屋に取り残され何とも言えない気持ちになった。
急に静かになったこの狭い空間には彼女の甘い香りだけがかすかに残っていた。
本の匂いと混じるその香りに空虚感を覚えると、一階から僕を呼ぶ掠れた声が聞こえてきた。
「璃都ー。昼飯だべー。降りてきない」
「分かった」
僕は下には届くはずもないくらいの小さな声で独り言のように返した。
仰向けに寝ていた身体をゆっくりと起こして彼女がさっきまでいた本棚の方に顔を向ける。
……信じる者の幸せ。
あの時彩恵は言った。僕を学校に行かせてみせると。
彼女が僕を信じてそう言ってるのはその先に幸せがある事を知っているからなのか、それとも他に何か理由があるのか。
どちらが真実なのかは分からないけど今の僕を変えるにはきっとやるべき事は変わらないのだと思う。
なぜならそういう風に″あの花″が教えてくれたから。
「……明日散歩にでも行ってみようかな」
僕はすーっと空気を吸うと、いつもよりも大股で部屋を出て、一階へと向かった。
本を読んだり、窓の外をボーッと眺めたりと自分の好きなことを好きなだけしていた。
今日から洋野地区の中学校が始まる、ということは彩恵が毎日のように来ることはまず無い。
その安心感が僕にとってどれ程大きいことか。
誰にも邪魔されない本来あるべきだったはずの日常が再び僕の元に戻ってきたという喜びが、胸を高鳴らせた。
ただそれと同時にこんな疑念が僕の心に問い掛けてくる。
––—本当にこのままでいいのだろうか。
昨日彼女にも言われた言葉だ。
僕と同じ歳の人達はもう中学校という新たなスタートラインに立ち自分よりも何十歩先の未来を歩んで行こうとしている。
友達を作り、知識を身につけ、そして心身共に大人びていく。
そりゃあ僕だって口では一人になりたいだの変われないだの言ってるけど少しくらいは変わりたいという思いもある。
でも遅れて入ったところで彼女らについて行けるだろうか。こんな僕を受け入れるのだろうか。
そんな不安から僕は変な意地を張って自分を学校へより行き辛くしてしまっている。
自分で自分の首を絞めているのだ。
きっと誰かが助けてくれるから。そんな甘えた考えが今の枯れ果てた僕を作ってしまったんだ。
助けてくれる人なんて誰もいないのに。
どうしていいのか分からない。何が正解なのか分からない。
それでも自分で行動を起こそうとしないのは九戸という自然豊かなこの村が全ての答えを知っていると思ったから。
ここに来て多くの出会いをした。それは人だけでなく川も、海も、森も。
九戸村の全てに多くの初めての事を教えられた。
これからも沢山の事をこの村に教わるだろう。
それが良い方に転ぶかは分からない。でもここで暮らしていれば何かしら得るものはあるのかもしれないと。
そんな空虚な妄想を胸に、僕はこれからも一人で罪を背負っていくんだ――。
「なーにしてんの?」
「え?」
その時、仰向けで読んでいた本の向こう側から突然誰かに甲高い声で話しかけられた。
視界は本で遮られていて向こうが誰だか分からない。でもこの声、まさか……。
僕は本を持つ手をそーっと腰に下ろした。
するとまるでホラー映画のように徐々に徐々に本の裏からショートヘアーの童顔がぬっと出てきた。
「や!」
「うわっ!」
僕は驚いてとっさにその顔めがけて本を投げつけた。
「いてっ! 何するんだよーもう」
「あ、ごめん」
額を赤く腫らした彩恵に僕は抑揚の無い声で返した。
「声聞いた時点で分かってたでしょ」
「いやいきなり来られたら誰でもビビるから。幽霊かよ」
「家の鍵が開いてたからね」
……だからといって入っていい理由にはならないだろ。しかもそのセリフは泥棒が言うセリフだし。
「……それより学校はどうしたんだよ」
「璃都くんにだけには言われたくないセリフだけど……。まぁいいや、今日は入学式だったから午前中に終わったの。どう? この制服。似合うでしょ」
そう言って彩恵はその場でくるりと一回転した。
紺色の三本ラインが入った白のセーラー服に赤のネクタイ、黒のスカートといった、いかにもな中学校の制服を自慢げに見せてくる。
僕は彼女の制服姿には全く興味は無く、一つ驚かされたことといえばいつも半ズボンしか履かない彩恵が女の子らしいスカートを身に付けているくらいだった。
彼女は僕に何か言葉を求めているようだったが、僕はそんなこと気にせず落とした本を拾った。
「えー! 何にもなし? 女の子が新しい制服着てきたんだから何か言うことあるでしょ」
「別に無い。そういうテンプレを求められるの、あまり好きじゃないんだ」
「テンプレ以前にエチケットってもんがあるでしょうが。で、どう、似合ってるの?」
彩恵はムーッと頬を膨らませるとまるで誘導尋問するかのように僕に詰め寄ってきた。
どうやらこれは似合ってると言わなければ消されるパターンのやつみたいだ。
「……似合ってると、思う」
「それでいいのだ」
彩恵は僕の返答にバカボンのパパのような喋り方で納得すると、満足気な表情で本棚の横の壁に腰掛けた。
「ところで至る所に本が山積みになってるけど、そんなに本が好きなの?」
「他にやる事が無いから読んでるだけだよ」
「駄目だよーもっと運動しなきゃ。そんなんじゃ全国大会行けないよ?」
「行きたくないし行けない。第一、僕は君みたいな体力無尽蔵サイボーグじゃないんだ」
「人をサイボーグ呼ばわりしないでよ。別に重い運動をしろって言ってる訳じゃないんだよ? その辺を散歩するとかでもいいし。ほら、この辺景色良いじゃん」
「まぁ確かにそうだけど……」
「それにこの村の人と全然話してないでしょ。皆璃都くんがどんな子か気になってるよ」
「まさか僕の事近所中に話してるんじゃないんだろうな」
「話してないって。話題に出す価値も無いよ」
……それはそれで、僕も傷つくわけで。
「とーにーかーく。ここは都会じゃないんだから。人との触れ合いが命なんだよ。だから毎日散歩して必ず誰かしらと会話すること。学校に行けるようになるにはまず人と話すことに慣れないとね」
「……君はあくまでも僕を学校に行かせる気なんだね」
「だって皆に早く璃都くんを紹介したいんだもん。こんなに面白い子がいるんだよって」
「公開処刑だ」
「そんな事ないよ。クラスの皆は良い人ばっかりだよ」
「そりゃそうだろうね。初対面のイメージは重要だから。きっとその人達は必死に自分を偽ろうと大分前から準備して来たに違いない」
「なんでそんな捻くれた考えしか出来ないかなー」
彩恵はその辺に落ちていた本を一冊手に取って適当にパラパラとページをめくった。
「ってこれ小説じゃん。しかも隅から隅までびっしりと文字が……。目がチカチカするー。よくこんなの読めるね」
「絵が無いだけで別にそんなすごい事じゃないよ。どうせ君は漫画とかしか読んでないんだろうけど」
「漫画もれっきとした読み物だよ。璃都くんも読んでみたらその素晴らしさが分かるよ。今度貸したげるから」
「別にいいよ」
小説と漫画は違う。
僕だって漫画を読んだことはあるけれど、どうも自分が読んでいる気になれない。
小説は文字から情景を想像して自分なりの世界感に入り込むことが出来るけど、漫画は作者の描いた世界感そのものを見せつけられてる気がして僕だけかやの外にいる気分になってしまう。
だから今の自分のまま読む漫画よりも、その世界の登場人物として読む小説の方が僕にとっては何倍も楽しいんだ。
「そろそろ帰らなくていいの?」
僕は横で本棚を漁る彩恵に遠回しに帰るように急かした。
「ん? あーもうこんな時間かー。早く帰ってお昼ご飯食べないと」
そう言って彩恵は本を元の場所に戻した。
「そいじゃね。璃都くん。ちゃんと運動するんだよ」
彼女はニートの息子を持つ母親のような言葉を言い残してタタタッと部屋を出て行った。
……あいつ何しに来たんだ?
僕は一人部屋に取り残され何とも言えない気持ちになった。
急に静かになったこの狭い空間には彼女の甘い香りだけがかすかに残っていた。
本の匂いと混じるその香りに空虚感を覚えると、一階から僕を呼ぶ掠れた声が聞こえてきた。
「璃都ー。昼飯だべー。降りてきない」
「分かった」
僕は下には届くはずもないくらいの小さな声で独り言のように返した。
仰向けに寝ていた身体をゆっくりと起こして彼女がさっきまでいた本棚の方に顔を向ける。
……信じる者の幸せ。
あの時彩恵は言った。僕を学校に行かせてみせると。
彼女が僕を信じてそう言ってるのはその先に幸せがある事を知っているからなのか、それとも他に何か理由があるのか。
どちらが真実なのかは分からないけど今の僕を変えるにはきっとやるべき事は変わらないのだと思う。
なぜならそういう風に″あの花″が教えてくれたから。
「……明日散歩にでも行ってみようかな」
僕はすーっと空気を吸うと、いつもよりも大股で部屋を出て、一階へと向かった。
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