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第一章
第三話
しおりを挟む「ふわぁ。おはよう。」
私は、道端の野良猫を愛でながら挨拶をする。
「ニャー!」(最近は人殺しが多くて物騒ニャー)
「そうかそうか。元気でよかった。」
「ニャッ!?」(意味不明…)
私は、ルージュ・リリィ。戸籍はまだない。
嘘です。ついさっき、貴族家で死んだことにしたので存在しないだけです。
これから、どうしようかなぁ?
わざわざ、自由になるためだけに死んだふりをしたんだから、どこか冒険に行きたいよね。
「お、冒険者協会があるじゃん?」
確か、冒険者協会の会員証は身分証代わりになったっけ。
「よし。登録しよう。」
冒険者教会へ向かうことにした。
╋┃╋┃╋┃╋
「ごめんくださーい!」
冒険者協会の中は、酒の匂いで充満していた。まあ、そんな気はしていたけどね。
「おいおい。いつから冒険者協会は誰でも受け入れるようにやったんだよ。」
「あれ? だめだったっけ?」
「まあ、制度的には問題ない。でもな、死ぬ覚悟も持たないようなちびっ子が来ていい場所じゃないさ。」
「そう? 私、一度死んでるんだけど。」
「は?」
刹那、あたりに血が飛び散る。私がナイフで首を切ったからだ。
「おいおい。何だよこれ…!」
「え? 私の血だけど?」
「いくらいっても覚悟決まりすぎだろ…?」
怯えた男を押し除ける。
「じゃあ、通してもらうね?」
「お、おう。」
多少は突っかかられる気はしていたから、円満(?)に終わってよかった。
奥の受付に向かう。
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