ガルシア戦記

千山一

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第2巻 親友との誓い

第3章 他国の事務次官 No. 5

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「ヘップしゅ!!」

ここは、マルク城の長い廊下。
何も変哲もない廊下を持たれかかり“ボーっ”しながら待っていた。

「いや~ゴメンなぁ。思ったより長引いてしまって」

ガストンは両手を合わせながら、申し訳そうに謝った。謝ったガルシアは“ボケーッ”としていた。

「ん?……あぁ、全然、大丈夫だよ。それよりもさぁ、スゲ~腹減った」

ガルシアは腹減りすぎて、頭が回らなかったのだ。一方、ガストンは“ガルシアがイライラしていると思ったが、腹減りすぎていることが気がついて全身、脱力に見舞われた。

「分かったよ。すぐに城を出てどっかで食事をしょう」
「それって、カレーがあるのか?」

疲れた体はどこへやら……ガルシアの目は期待とワクワク感で輝いてみせた。

「いや~この時間帯はないんじゃないのかなぁ……」

考えてみれば居酒屋以外、町は閉まっていた。
だが、俺は諦めなかった。何故なら、ここで“しょうがないなぁ”とすぐに諦めてしまうとバスティアの身の前になってしまうからだ。

「いや!ダメだ!前までは今日は居酒屋に行って、明日はカレーにしようと思っていたんだけど、今からカレー屋さんに行け!と俺の直感が叫んでいる」

ガルシアは拳を握り締めて情熱燃やしているが、ハッキリ言ってバカである。

「……じゃ、それ思いついたのはいつ?」
「今、さっき」

ガルシアは“あっけらかん”と不思議そうな顔した。

「今、さっきって……バカじゃないの?」

ガストンは“ふつふつ”と怒りが込み上げてきた。それに比べて“?”というような顔をしていた。
“なんだか、バカらしくなってきた…”

「じゃ、ここで条件な。この条件はここで飲まないと連れかない…では、どうする?」

ガストンは得意そうな顔で条件を出した。それを難しくなっているのが、ガルシアだ。
“……どっちにする?ここで嫌だ!と言えば、この話はおじゃんで終わる。いいよと言えば、もし開いていたら、そのまま食えるのだが、閉まっていたら明日、持ち越しになる可能性がある”

「……仕方がない。条件を飲もう」
「よっしゃ!」

ガストンはガッツポーズのように両手を上に挙げた。なんだか、負けた気分だ。

「分かったよ。じゃ、早速、街に行こうぜ」

俺は正面の方向に向かって歩いていこうとしたが、それをガストンが止めた。

「ちょっと待って」

ガストンは何か言いたそうな顔をした。俺も“?”となり尋ねた。

「どうした?」
「それより、この鎧を脱いで街に出掛けようぜ」

“なんだか、ガストンの様子があやしい…”そう思った、俺はそのことに対してぶつけてみた。

「鎧はいいじゃん!それよりはさぁ、早く行こうよ」
「いいから、いいから!」

ガストンは俺の返答に応える訳もなく、強引に行動した。
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