確率は100

11. いざアインネートへ

ドライアの収穫祭

結局俺たちはゾーンに２日居続けてもうた。俺がヒカリを欲しがって、ヒカリが俺を離さなかった。爛れた２日間、ちゃうな、愛に塗れた２日間や。俺にはヒカリが必要で、ヒカリには俺が必要。ありがたいこっちゃ。

「よっしゃ、行くか！」ドライアまではもうひとつゾーンがある。そこまでヒカリの体力がもつやろか。「あ、バカにしてるね？俺、体育得意だったー。短距離すごく速かったんだよ。競争しようか」よーいドン！と走り出したヒカリは確かに速い。とても追いつかん。せやけど持久力が足りてないねん。追いついた時にはもうへばっとる。「もうちょい体力つけなあかんな…夜かてすぐとんでまうやん」ハァハァと肩で息をしながら「…あれは違うの！シキくんが悪いんだよ！だって…気持ちいいんだもん…」グッ…明日ドライア着けるやろか…

「ほら、見えてきたで」我慢ができる俺はちゃんとセーブして無事ドライアに到着。ギルドには魔力切れで世話になったネエちゃんがおるな…気まずい。「ドライアで教会に寄ってね、ってロールさん言ってた」渡りに船、と、まずは教会へ。ドライアにもひと月ほど居ったけど教会は初めてや。なんやろ、野菜がたくさん置かれとる。「あの、王都の教会の人にここに寄るように言われて…」「ああ！あなたがヒカリ君だね？間に合って良かった」？間に合う？「明後日、収穫祭があるんです。昼間は屋台が出たり村の皆で踊ったり、楽しいですよ。夜は教会に集まって神に感謝を捧げるんです。そこでヒカリ君に歌ってもらったら、と勧められました」ほう、セカンドコンサートやんか。特等席を確保せな！