確率は100

11. いざアインネートへ

マネージャーは俺

早朝、ヒカリはまだ夢の中。口あけて寝とるわ。ヨダレ垂れとるな…舐め取りたいが起こしてまうやろ。俺は我慢ができる男や。静かにテントを出て日課の素振り。ちょいと走って湧き出しの跡を探す。ここや、カミナさんの炎に焦げた草むら。今は何もなかったかのように朝日を受けている。２人きりの時に湧き出しに出くわしたらどないしよう。俺の力がどこまで通用するか…確かめてみたい気もするがヒカリが最優先や、逃げるしかないな。ちょうど出てきたツリングを倒す。せや、大将に土産にしたろ。伐採地まで戻り枝を集めて縛る。ええ薪になるやろ。

ヒカリはまだ寝とったから、甲斐甲斐しい俺は朝飯のしたく。なにしろマネージャーやからな。『いろんなこと全部してくれるはずだった』やなんて、そんなんさせるわけないやん。俺の知らないところでそんなことになっとったかもしれんなんて、あかん、泣きそうや…。「…シキくん…おはよ…」気を取り直しておはようのキス。ちょい深くなってもうたんは俺の気持ちのあらわれ。「もう！朝からこんなのダメだよぉ」すまんすまん、と返しながらヒカリは俺のモンやと実感する。

「帰ってくるころにはゾーンが広がってるはずだぜ。気をつけてな」「ヒカリちゃん、またな！」行ってきまーす、と手を振って歩き出す。「今日中にヒュンに着きたいからちょい速歩きやな」「ごめんね、俺、寝坊」「かまわんよ、俺のせいやし」なにしろエロい。可愛ええのにエロい。俺は我慢ができひん男や。「ヨダレ垂らして寝とったで」「！バカ！」「あっ！待て！」走り出そうとしたところに空からデカめの鳥。ニードルで落として剣を一振り。「離れたらあかんやろ」「ごめんなさい…でもシキくんが悪いんだからね！」「そないにほっぺ膨らませて…可愛ええなぁ」「…俺、可愛いい？」「世界一やで」楽しい旅が続いていく。